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Kaeruくんを使ってみた

田舎の駅にしかない「Kaeruくん」を使う機会を得た。基本的には指定席券売機と同じなのだが、遠方の係員が旅客と対話しながら操作して発券する仕組みである。サラ金の無人契約機と同様、旅客が指定席の申込書類を記入した上で、係員を呼び出す。申込書類をスキャンする場所があり、そこに申込書類を置くと係員が内容を読み取って操作してくれる。係員が遠方にいることを除けば、有人窓口と全く同様である。 指定席券売機の操作はさほど複雑だとは思えないが、それでも慣れない人には煩雑だろうから、特に田舎では係員が遠方から操作する仕組みの方が導入しやすいかもしれない。また、端末を操作する係員が集中している方が、スキルを投入しやすいため、ハズレの係員を減らすことができる。遠隔操作のため地方の職員を活用することができ、現に盛岡のコールセンターに業務を委託している。 ところが、さまざまな利点の割りにはまだ一部の地域でしか普及していない。処理の時間がかかるのと、駅の無人化を地元住民が懸念しているためのようである。集中して処理できればメリットも大きい反面、端末を操作する係員が広大な地域の知見をカバーしなければならないため、迅速な操作が難しいのかもしれない。 窓口係員を集約する意味があるのは、有人窓口の稼働率の低い田舎の駅だけである。都心部の駅のように稼働率が高い場合には、普通の有人窓口の方が処理が早いし、そうでなければ捌き切れない。慣れている乗客は自分で指定席券売機を操作するのでKaeruくんの入り込む余地がない。 都会の駅では、みどりの窓口が無くても普通の指定席券売機しかないが、普通の指定席券売機が受け入れられるなら、人員削減の点ではこちらの方が有利である。また、都会なら、数駅先には普通のみどりの窓口があるので、無いよりはましという理由で受け入れられやすいのだろう。

EXお出かけ早特

2009年10月21日に、「EXお出かけ早特」が発表された。今までありそうで無かった、冬場の閑散期の土日祝日の集約目的の企画商品である。 3日前までに予約すると、普通車用ではのぞみ普通運賃よりも1000円強安くなり、グリーン車用では、のぞみ普通運賃に1000円から1500円プラスすると、のぞみのグリーン車に乗れる。「週末は空いているからのぞみにもIC早特を開放します」という趣旨なのだろう。普通車用は普通のEX-ICとほぼ同じ値段なのでメリットを感じないが、のぞみのグリーン車に格安で乗れるのは魅力的である。ただし、EX-ICの普通車用運賃よりも2000円以上高いので、既にエクスプレス予約会員であるような常連客にとって、「格安でのぞみのグリーン車に乗れる」かどうかは自明ではない。 設定区間はぷらっとこだまとほぼ同じなので、1時間半余計にかかる代わりに安いぷらっとこだまと、ぷらっとこだまのグリーン車用よりも2000円から3000円高いがのぞみに乗れるグリーン車用との比較になる。時間に余裕がないときに時間を買うと思えば出せない金額ではないかもしれない。どちらも事前購入の縛りがあるが、どのみち週末の観光客向けなので、あとは時間と値段の問題である。 価格設定を見ると、既存のエクスプレス予約会員向けというよりもむしろ、行楽目的で新幹線を利用する人に対してエクスプレス予約の入会を促進するのが目的ではないかと思われる。とはいえ、一旦入会してしまえば実はEXお出かけ早特にはあまりメリットが無かったりするので、とりあえず無難な値段で設定してみて反応を見てみるのだろう。

羽田の国際ハブ空港化は可能なのか

前原国土交通大臣は羽田空港を国際ハブ空港化すると発言して物議を醸している。その是非はともかくとして、そもそも羽田を国際ハブ空港化することは可能なのだろうか。 いくら羽田の滑走路が増えるとはいえ、成田発着のすべての国際線を羽田に移転できるほどの発着枠があるわけではない。たしかに、国内線の発着のピークと国際線の発着のピークとはずれているので、国内線と国際線との両方を運航することによって滑走路の利用効率は上がるだろう。また、貨物専用機の発着を深夜に移せば、深夜以外の時間帯の便数増を減らすことができる。しかしそれだけでは十分ではない。国内線と国際線の便数をほぼ半減する必要がある。 国際線の便数を十分に確保するためには、国内線の便数を減らさざるを得ない。新幹線開業に伴って、青森、富山、小松への便は大幅に減らすことができるだろう。不採算路線を廃止することによっても発着枠を確保できる。しかしこれらの空港への便数はもともと多くないので、さらに発着枠を確保するとしたら、地方空港へのノンストップ便を廃止して、千歳や福岡や関空で乗り継ぐハブオペレーションの導入し、国内のハブ空港への路線をA380で運航することが不可欠になる。北海道各方面へは千歳経由、四国や山陰方面へは関空経由、九州方面は福岡経由、沖縄八重山方面は那覇経由とするのである。乗り継ぎによって所要時間が増大するが、運航頻度が増えるため、待ち時間の減少で相殺される。仮に羽田が国際ハブ空港になるとしたら、そのおこぼれで関西空港が国内ハブ空港になるかもしれないので、大阪府にとってはあながち悪い話ではない。 同様に、国際線についても、少なくとも長距離路線についてはハブオペレーションによって発着枠を捻出する必要があるだろう。国際線のうち、収益力の低い路線は成田に残せばよい。発着料に差をつければ自ずとそうなるだろう。また、ハブ空港での乗り継ぎを好まないなら、不便なのを承知の上で成田からノンストップ便に乗ることもできるだろう。JALがデルタに吸収されれば成田の発着枠を大幅に削減できるだろうから、国際線を羽田に移すこともできなくはないのかもしれないが、あいにく国土交通省はデルタによるJAL吸収には消極的である。国内線でも同様に一部を成田に移転させることができれば楽だが、関空発着の国内線よりも悲惨な状況になるだろうから、こちらは実現可能性がない。

テレビがつまらなくて何が悪い

普段はテレビなんて全く見ないが、さすがに災害時の情報収集には活用している。インターネットは平時には便利だが、災害時にはアクセスが集中して使い物にならない。 テレビを災害用メディアと割り切ってしまえば、平時のテレビなどどうでもよくなってくる。放送インフラの維持にはお金がかかるので、平時の商売で費用をまかなってくれればありがたい。娯楽の提供が第一の目的でなければ、平時の番組の内容などどうでもよくて、とにかく儲けてくれて、放送インフラの維持の誘因を持ってくれればよい。強いていれば、マスメディアの存在意義はその名の通りマスをコントロールできることにあるので、変に政治的な野心があるよりも、どうでもよい番組を放送してくれる方がありがたい。なまじ有意義な番組が放送されていると、災害時に中断しにくい。くだらない番組を見るような人は電波に従順な人であり、コントロールしやすい人なので、そういう人が日ごろからテレビを見る習慣をつけてくれるとよい。テレビなんてくだらないから見ないなんて言う人はコントロールしにくいので、相手にしなくてもよい。 テレビがつまらないということは、災害報道がないという平和の証であり、むしろ望ましい。平和なときには平和の有難味に気づかないものである。 と考えてみると、一斉に放送できる電波メディアに一定の意義を認めることができるが、地上波と衛星放送を両立させる理由を見出すのが難しい。災害報道くらいなら、衛星放送のチャンネル数で対処できる。現状の衛星放送も埋め草的な側面があって、災害時にこそ真価を発揮しそうに見えるが、災害の多くは局地的なので、地上波のような局地的なメディアの方が扱いやすいのだろうか。災害報道だけならワンセグでも十分なので、ワンセグのみにしてチャンネル数を稼げば容易に多チャンネル化できるが、地域別に帯域を分割するのはあまり効率的でないのだろう。 有線メディアであるケーブルテレビは災害報道には向かないので、娯楽用である。スカパーのようなCS放送も娯楽用だろう。これらは内容で勝負すればよい。実際、アメリカのまともな家庭ではケーブルテレビか衛星テレビがあって当然で、地上波しか見られないのは貧乏人だけである。 一方、災害用と割り切ると、地上波の放送局は過剰ではないか。せいぜい大手が3局くらいあれば対処できそうだが、どうして東京には民放キー局が5つもあるのだろうか

SportioとSH002の歩数計

au Smart Sportsには失望したが、AUのSportioには加速度センサー内蔵の歩数計がついているようである。歩数計は、オムロンのActiveEngineというものらしい。iPod nanoに内蔵されているものよりも高機能な感じである。同様の機能は太陽電池内蔵のSH002にもついているようである。 Bluetooth内蔵なので音楽を聴くのに便利なだけでなく、TANITAの体組成計と連携して情報を管理できるようである。さすがガラパゴスケータイだけあって至れり尽くせりである。これがあればiPod nanoの歩数計は使わなくてもよいかもしれない。 おサイフケータイもついているので、1台目として用いることができる。タッチパネル式なのでメールを打つときには不便かもしれないが、一応電話なので、緊急連絡なら音声通話でも可能である。 太陽電池内蔵のSH002にも同様の機能がついているのは意外だが、外に持ち出して使うことを想定した機種だからかもしれない。こちらは通常のガラパゴスケータイなので、機能上は全く不足がない。歩数計は電気を食うので、太陽電池内蔵の方が使いやすいかもしれない。値段が高そうだが、2009年夏モデルなので、型落ちなら少しは安くなるだろうか。

豊橋駅のうなぎ飯

豊橋駅の駅弁といえば稲荷寿司が有名だが、うなぎ飯というのもある。うなぎといえば浜松というイメージがあるが、実はうなぎの養殖第1位は鹿児島県で、第2位は愛知県である。豊橋には養鰻場があるし、愛知県の鰻の産地として有名な一色からも遠くない。もちろん浜名湖も近い。豊橋は意外にも鰻の産地に近いのである。 そんな豊橋のうなぎ飯だが、ご飯の上に小ぶりな鰻が1匹分のっているだけというシンプルさである。うなぎは冷めても柔らかい。身が薄いがちゃんと鰻の味がする。ご飯の量が意外と多いので、これで1食分になる。残念なのはご飯がべとつき気味なことだが、これは好みにもよるだろう。 昼頃から新幹線ホームの駅弁売り場や、新幹線改札内の待合室等で販売しており、こだまが通過待ちで停車している間に買うことができる。この辺りではこだまは空いているので、周りに気兼ねなく落ち着いて食べることができる。 値段は1050円と高めだが、駅弁にしてはありがちな値段だし、浜松や名古屋の鰻の弁当に比べれば安い。

ガラパゴスケータイはなぜ機能過剰なのか

日本の携帯電話は、機能過剰でユーザーに買い替えを促し、その開発コストを通話料に転嫁するビジネスモデルだと言われている。それでは国際競争力が無いという理由で、ハードウェアと通話サービスとの分離が促進されることになった。たしかにそう言われると尤もらしいのだが、本当にそれだけだろうか。 基本的に、本来の機能で満足していれば、余計な機能を好まないものである。例えば、掃除機にゴミの吸引以外の機能をつけようと思うだろうか。アメリカ人は電話が好きなので、大抵のアメリカ人は携帯電話に通話機能があれば満足する。電話で話すことによってコミュニケーションが完結するので、他のコミュニケーション手段を求めない。スマートフォンなんて使うのはビジネスパーソンとオタクくらいである。ウォークマンだって、音楽を再生する機能は充実しているが、ビデオカメラも歩数計もついていない。ウォークマンはあくまでも音楽を聴くための機器である。関連性の乏しい機能を同一の機器で実装するのは、価格差別としては面白いかもしれないが、どれか1つでも壊れたら使い物にならない以上、あまり効率的ではない。1台で何でもできれば便利かもしれないが、えてしてどれも中途半端になりかねない。 日本の携帯電話がガラパゴス化するのは、もしかしたら日本人が会話によるコミュニケーションをあまり好まないからだったりしないだろうか。また、iPodが純粋な音楽プレイヤーでないのは、もしかしたらアメリカ人は音楽にじっと耳を傾けるのがあまり好きではないからだったりしないだろうか。さほど重要でない機能のために外に持ち出すのは面倒なので、ついでにPDAやその他のコミュニケーション手段としての機能を持たせたがるのではないだろうか。 もともとこの手の携帯機器は生活習慣に根ざしたものだから、国によって仕様が異なるのは当然である。国際標準なんてものがあると思う方がおかしい。たまたま生活習慣が先鋭的でなければマスマーケットを取りやすいだけのことである。日本企業が自国のマーケットを捨てて国際市場で勝負することにあまり意味があるとは思えない。もちろん市場規模は大きくないので、あまりに多くのメーカーが生き残ることはできないが、それは市場の参加者が多すぎるというだけの話であり、統合や淘汰が進み、市場規模に見合った数に収斂すれば特に問題ない。日本市場から淘汰されたメーカーが国際市場に

au Smart Sports

常時携帯するものに歩数計がついていれば便利なので、それならば携帯電話についていればさぞかし便利だろうと思って調べてみたところ、au Smart Sportsというのを見つけた。 最近は加速度センサーのついた携帯電話が出回っているのかと思いきや、GPSを用いて移動距離を記録する方式のようである。要はカーナビの人力版である。時間と位置の記録をソースデータとして、移動距離や移動経路を割り出し、カーナビ同様にお勧めコースを提示したりするようである。さらに会費に応じていろいろな情報を提供してくれるらしい。他にも、運動のメニューを指南してくれたり、食生活を記録するとカロリーを割り出してくれて、カロリー摂取が過剰だと、余剰のカロリーを消費するための運動メニューを提示してくれたりする。基本的には情報提供サービスである。日本の携帯電話、とりわけAUは、パケット代を使わせて課金するビジネスモデルなので、そういう風になるのだろう。 さすがガラパゴスケータイだけあって至れり尽くせりだが、いくつか疑問がある。まず、GPSで移動を測定する方式だと、徒歩なのか自転車なのか、乗り物での移動なのか識別できない。スピードで識別するとしても完全ではないだろう。いちいち手動でオンにしたりオフにしたりするのは面倒である。次に、いろいろ情報を提供してくれるのはありがたいが、それが自分に合うとは限らない。お金を払ってでも買いたいと思う人はいるのだろうか。 携帯電話で歩数計を実装するなら、むしろ加速度センサーで歩数を測定し、時間のデータと共に携帯電話に記録し、PDA的に管理できる方が本筋ではあるまいか。いつ何歩歩いたかまで可視化できれば、あとは自分で判断すればよい。一部の物好きな人を除けば、運動なんて面倒なものなので、普段通りに生活しているついでに運動に関する情報が得られるというくらいが調度良い。 しかし残念ながら加速度センサーは、iPhoneのような一部の特殊なものを除いて、携帯電話に必要な機能ではない。既存のものを活用するならば、GPS機能をベースにする方がむしろ筋が良い。そして、GPSをベースにする限り、au Smart Sportsみたいな方式に落ち着くのもわからないでもない。

weave 0.7

weaveがバージョンアップした。主な機能にはさほど変化が見られないが、動作が軽くなった。とはいえ、まだ実用的な軽さではない。

emacs 23.1

emacs 23.1が出たのでしばらく前に入れてみた。Windows版のGNU emacsをそのまま使っているが、この場合、Zipファイルをそのまま解凍するだけである。 使ってみると、日本語が文字化けするようになった。しばらく対応策がわからなかったのだが、Options > Set Default Fontsを選択して日本語フォントを選ぶとたちどころに文字化けが直った。Options > Save Optionsでフォント設定を保存すると次回以降も同じフォントで表示することができる。 実は23.1からフォントを自由に設定できるようになったようである。おかげでだいぶ画面が見やすくなった。 内部コードがUTF-8に変更になったようだが、emacsは文字コードの変換をきちんとやってくれるので、さほど気にならない。 漢字変換時に変換窓が外側に出てくるのが鬱陶しいのだが、これはまだ解決していない。

iPod nanoの万歩計

2009年版のiPod nanoというと、とかくカメラとFMラジオが注目されているが、意外と便利なのは万歩計である。加速度センサーの応用なのだが、万歩計としてもよくできていて、歩いたときにはきちんとカウントされ、そうでないときにはカウントされない。ソフトウェアのできがよいのだろうが、実は既にiPhoneやiPod touch向けに同様のアプリがあるため、それを応用しただけのようである。 iPod nanoに内蔵されているため、万歩計を単独で携帯する必要がなく、iPod nanoを携帯して万歩計をオンにしている限り、常に歩数がカウントされるので、万歩計を持ち出すことを意識することなく、確実に歩数をカウントすることができる。面倒なものは長続きしないので、面倒でないということはとても大切である。 万歩計単品で用いるのと異なり、iPodにはもともとPCと同期させる機能がついているため、面倒なことは一切なしに、PCと同期させてネット上で歩数の記録を保管して管理することができる。歩数が可視化されると歩数を稼ぐことが励みになる。 東京近郊に住んでいて都心まで電車で通勤すると、デスクワークであっても1日に1万歩近く歩くことになり、運動によるカロリー消費としては十分であることに気づく。1歩当たり50cmとすると5kmということになるが(歩幅が広ければその分距離は長くなる)、駅まで片道1kmくらい歩き、電車の乗り換えで数百メートル歩いたり、駅から数百メートル歩き、昼休みに数百メートル歩けば、1日に5kmを歩くことはさして困難ではない。帰りに寄り道すれば楽勝である。田舎で暮らしていて近場の移動でも車に乗る人たちに比べれば圧倒的に運動量が多い。どうやったらメタボになるのか不思議なくらいである。 実は、1万歩も歩いても500kcalしか消費していないことになる。日常生活で歩いて消費するカロリーなんて所詮その程度だろう。毎日追加で500kcal消費すればメタボ対策に効果的だが、500kcalなんて小食な人の1食分のカロリーにも満たないし、ジャンクフードを食べればすぐに500kcalくらいになってしまう。やはり、日常生活の運動の中でのみカロリーを消費するというのは難しいのかもしれない。メタボを解消したかったら追加的な運動が必要なようである。 ちょっと郊外に出てウォーキング

商店街としての大学

かねてから思っているのだが、大学は商店街に似ているのではないだろうか。 1.個人事業主の集合体である 2.短期的には顧客を囲い込んでいる 3.新規参入が困難 4.既得権益によって守られている 5.既得権益を守るときのみ全体として結束する 6.公的補助を受けている 7.顧客が必要としているものが一通り揃っていることになっているが、実は顧客のニーズを捉え切れずに陳腐化している 8.顧客満足を追求しなくても短期的には食いっぱくれないため、趣味で商売しており、自分の時間がふんだんにある 9.外部からは形式的には一定の敬意を払われているが、実は軽蔑されている一方で、コミュニティの中の人はプライドが高い 昔と違って情報交換の手段が多様化している今となっては、研究者の交流手段としての学会、金にならない研究をする人のための研究基金、学位認定のための単位認定機関、教育サービス提供機関さえあればどうにかなるような気がする。これらの異なる目的を物理的に同一の組織でまかなおうとするからおかしなことになるのではないだろうか。特に教育サービスのために支払われたお金が金にならない研究に流用されるビジネスモデルのもとでは、教育サービスが劣化し、かつ金にならない研究をする人のモラルハザードを誘発するので、教育と研究の分離が必要だろう。

700系の加速度向上

古い話題だが、2009年6月までに700系の東海道区間での加速度を2.0に向上させる工事が完了した。JR東海のプレスリリースによると新型のデジタルATCの導入によって加速度の向上が可能になったためとあり、加速度向上分による所要時間短縮は当面は余裕時間に充当されるとのことだったので、当初はさほど興味がなかった。 デジタルATCを導入するとなぜ加速度を向上させることができるのか当初はよくわからなかった。終端駅で減速後、再度加速したときに速度が上がりすぎないようにする必要があったが、デジタルATCの導入により、終端駅とそれ以外とで信号を区別することができるようになったらしい。それならばN700系はどうなのだと思ったが、N700系の営業運転開始はデジタルATC導入後なので、最初から車両側で対応していたのだろう。700系でも同様の対応をできるよう改造したようである。新型車両に合わせて旧型車両を改造するのは300系でもあったことである。700系はもともと山陽区間で加速度2.0だったので、東海道区間でも同一の加速度にしたようである。300系の加速度はもともと1.6なので加速度向上の余地がないし、もうじき廃車になる車両にこれ以上投資をしてもあまり意味がない。 しかし、加速度を向上させるということは加速のために投入する電力も増えるということであり、変電所容量をどのように確保したのかが気になっていた。品川駅開業時にダイヤ上は増発が可能になったので、その時点で変電所容量を増やしていたのかもしれない。おそらく、N700系ののぞみが増え高速域での加減速の繰り返しが無くなったのと、300系の運用が減少したことにより、電力消費が減った分の変電所容量を700系の加速度向上に振り向けたのではないだろうか。 とはいえ、もともと定時運行率の高い東海道新幹線で余裕時間を増やしても、効果を発揮する機会は限られているのではないだろうか。あとはダイヤ編成で効果を発揮できるかだが、現状ではひかりもこだまも700系の運用と300系の運用とがあり、すべての時間帯で所要時間を短縮することは難しいため、のぞみの所要時間短縮の機会も限られる。せめてどちらかだけでも700系に統一すればダイヤ編成が楽になるのだろうが。 実際に700系のこだまに乗ってみると、加速度の向上は体感できる。駅を発車した直後に分岐器を通過するので低速域

iPod nanoを使ってみた

iPod nanoを買ってしばらく使ってみたところ、購入時には気づかなかったことにも気づくようになってきた。 まずゲームだが、普通のゲームは使い勝手が悪いものの、加速度センサーを活用した玉転がしゲームはなかなか飽きない。ホイールはゲームの操作には不便なので、このようなホイールを必要としないゲームの方が扱いやすい。 次に万歩計だが、これも加速度センサーの応用である。一日の歩数をNike+iPodのサイトに送信してデータを管理することができる(Nike+iPodのサイトでユーザー登録する必要がある)。ただしこれにも弱点があって、iPodの電源が入っている間の歩数しかカウントされない。音楽を聴きながらエクササイズを目的に歩いたりジムで運動したりする人向けの機能なのだろう。たしかに米国の客層もそんな感じである。東京で電車通勤していれば否応なしに歩かざるを得ないので、わざわざそういうことをする必要がない。ストップウォッチもついているが、これも明らかに運動する人向けである。 FMラジオは日本では余計な機能だが、そういえば日本の携帯電話にはFMラジオのついている機種は少ないので、本来ならばあればあるなりに便利なはずである。余計な機能に思えるのは、ひとえに日本ではFMラジオの局数が少なくてかつつまらないからである。米国だとFMラジオ局が多数あり、多様なジャンルをカバーしているので、気楽に聴きたいときには便利なのだろう。運動するときは自分のペースに合わせた曲を聴き、そうでないときにはもっと気楽な曲を聴くということなのだろう。 カメラは携帯電話についているものよりも解像度が高いようである。もともとiPhone向けにつけたものを流用したのだろうが、どういうニーズを見越してつけたのかよくわからない。携帯電話にカメラがついていて当然の日本では実感が沸かないが、米国では小型ビデオカメラが流行しているらしい。たしかにYouTubeに投稿したりするなら携帯電話から直接投稿するよりも一旦持ち帰って自宅のPCから投稿する方が通信回線にもお財布にも優しいだろう。日本の携帯電話はインセンティブによって買い替えを促していたため、パケット代を無駄遣いさせることで投資を回収しようとするが、ガラパゴスでないシンプルな携帯電話なら、通話中心でも採算が取れるのかもしれない。 ディスプレイが大き

AirMac Expressを導入

かねてから欲しかったAirMac Expressをついに導入した。自宅でPCとスピーカーとの間をワイヤレスにしたかったのと、ホテルで有線LANに接続するときに好きな場所でPCを使いたいからでである。 最初の設定は、素直な環境で使うならWindowsでもさほど難しくない。特殊な環境で使う場合にはいろいろ試行錯誤が必要かもしれない。複数の設定ファイルを保存しておいて状況に応じて使い分ければ、複数の環境で使うときにもさほど不便ではない。 ホテルでは、アップルが推奨する通りの使い方をしている。AirMac Expressを有線LANに接続して、ブリッジモードにして、PCとの間は無線である。JBL on Tourという携帯スピーカーをAirMac Expressに接続し、PCとスピーカーとの間もワイヤレスにしている。ホテルの有線LANはケーブルが短く机の上でしかPCを使えない場合が多いのだが、無線化することによってベッドの上など好きな場所で使えるので、確かに便利である。安くて狭いホテルならベッドと机とが接近しているのでさほど問題ないのだが、シングル8000円以上のクラスだと窓際に机があることが多く、枕元とPCとの間の距離が長い。こういうときにはケーブルに制約されない方が便利である。 オーディオ機器としても上々で、Apple Losslessのデジタル信号で送信され、AirMac Express側で復号されるので、数秒のタイムラグが発生することを除けば有線接続と変わらない音質である。単純に無線接続のスピーカーが欲しいだけならBluetoothも選択肢の一つだが、音質の面ではAirMac Expressに及ばないだろう。それに、AirMac Expressはスピーカーの無線化だけでなく無線LAN環境としても使えるので、ホテルの客室で無線LANを使いたければAirMac Expressの方がコストパフォーマンスに優れているように思える。 AirMac Expressを使うようになると、無圧縮音源をApple Losslessでエンコードしたくなるので、ますますアップルに囲い込まれてしまうが、今のところ総合的な扱いやすさでは勝っているので、これは仕方がない。無圧縮音源ならいざとなればいつでも任意の圧縮方式に変換できるので、特に実害はない。 外付けのスピーカーを

iPod nanoを買ってしまった

2008年4月以来、通勤用と割り切ってiPod shuffleを使ってきたが、任意の曲を選択できてより再生時間の長いものが必要になった。そう思っている矢先に新型のiPodが発表されたので、いろいろ検討した結果、iPod nanoを買うことにした。 iPod nanoの32GBモデルが出れば迷いは無かったのだが、最大でも16GBまでなのは残念であるiPod touchは最大64GBモデルまであるが、10月まで手に入らないし、それに音楽プレイヤーとして使うには余計なものがついていて値段が高い。さすがにClassicでは大きくて重いし、それにいまどきハードディスクを携帯する気にもなれない。 どうせ16GBならiPod nanoの旧モデルを買う方がコストパフォーマンスが良いかとも思った。新型は光沢加工で下品な感じだし(こちらの方が傷がつきにくいのだろうか)、カメラやラジオやスピーカーなんてどうせ使わないし、音楽プレイヤーとして使うなら画面が大きくなくてもよいからである。そんなものがついているくらいなら、ソニーのウォークマンみたいにノイズキャンセリング機能でもつけてくれる方が余程有り難いのだが、アップルは想定している顧客層はポピュラー音楽を大音量でかけるような人たちだろうし、毎日電車の中で聴くような人は日本くらいにしかいないだろうから、マーケティング上の理由で実現しないのだろう。日本国外でノイズキャンセリングヘッドホンを買うのは飛行機での出張の多いビジネストラベラーくらいである。そういう人たちに売るなら、むしろiPod touchにノイズキャンセリング機能をつけて飛行機の中でゲームで暇つぶしをしてもらう方がより現実的だろう。 とはいいながらも、結局新型の方を買ってしまった。旧型との値段の差がさほど無いし、いろいろ細かい部分で改良されているだろうと期待してのことである。 実際に使ってみると、今まで使ってきたiPod nanoと比べて明らかに音が良い。パワーに余裕があるからだろう。また、重さはiPod shhuffleの2倍くらいで、大きさとのバランス上、全然重く感じない。大きさは掌にすっぽり収まるサイズである。新型はディスプレイが大きくなった分だけホイールが小さくなったが、さほど気にならない。操作感はなかなか良い。こういう部分の使い勝手はさすがアップルである

利潤動機はなぜ大切なのか

組織には大きく分けて2種類の人種がいる。1つは客先に出て金を稼ぐことのできる人であり、もう1つは客先に出られない人である。直接金になる仕事は金を稼げる人がする。直接金にならない仕事は金を稼げない人がする。 本来なら金を稼げない人を組織に置く理由はないのだが、正社員は解雇できないので、何か仕事を与える必要がある。客先に出すと迷惑なので、社内の当たり障りのない仕事をさせようとする。 仕事のできる人がする場合と、仕事のできない人がする場合とで、結果が大きく異なるのは当然である。その最もわかりやすい例が環境である。従来は「昼休みに電気を消しましょう」みたいな馬鹿馬鹿しいことばかりだったので、客先に出て金を稼げる人たちからは馬鹿にされていた。ところがキャップアンドトレードで環境が金になる仕組みができると、たちどころに客先に出て金を稼げる人たちが参入してきて、イノベーションが創発されるようになった。また、金融業が理系にとって魅力的な職場になると、優秀な人たちはこぞって金融業に参入するようになった。 しかし競争が存在する以上、金を稼げない人は金を稼げる世界に残ることはできない。そういう人たちは金を稼げない世界に参入することになる。利潤動機を失うと、金を稼げない人ばかりになり、ますます金を稼げなくなる。だからこそ、どこよりも金になる仕組みを作ることが大切なのである。

スポーツジムを人力発電所にせよ

スポーツジムでは運動エネルギーが発生している。このエネルギーで発電できないものだろうか。実際の発電量は大したことがないだろう。スポーツジムというのは意外と電力を浪費するものなので、スポーツジムで消費する電力をまかなうので精一杯かもしれない。しかしそれだけでもそのスポーツジムをカーボンニュートラルにすることができるので、グリーン電力証書の値段を考えればあながち悪い投資でもない。 自転車漕ぎのような機械なら、簡単に発電できる。ウェイトトレーニング系も同様である。ランニングマシンはむしろ電力を消費する方なので難しいだろう。体操系なら、振動で発電する装置を床に仕込めばよい。また、体を動かすと体温が上がるので、冷却の際にペルチェ素子を当てて発電することができる。呼吸の際には空気が動くので、風力発電が可能である。人体にはいろいろなエネルギーが潜んでいるものである。通常はそれは体脂肪という形で貯蔵されているが、スポーツジムを人力発電所とすることで、その体脂肪のエネルギーを電力に変えることができる。たしかに、食物を生産するためのエネルギーを考えれば、余計なものを食べずに体脂肪をつけない方が圧倒的に効率的なのだが、現に人間に体脂肪がついている以上、それを使わない手は無い。体脂肪で発電するとしても、本来なら体脂肪を燃料電池とする方が効率的なのだが、人力発電所の方が実現可能性が高い。 スポーツジムに通うような人は比較的所得が高く、環境に関心を寄せるだけの余裕があるだろうから、「自身の運動が環境に貢献する」と言われれば運動する動機になるかもしれない。運動量に応じてポイントを交付して、それを会費に充当するか、あるいは自身の排出権にすることができるようにすればよいだろう。自身の運動量と二酸化炭素排出量とが釣り合わない場合には、生活態度を見直すきっかけになるだろう。 メリットを実感しやすいのは、身の回りの電気製品の充電である。携帯電話やノートパソコンや携帯音楽プレイヤーを自身の運動によって充電できれば便利だろう。もちろん、わざわざ苦労して体を動かすまでもなく、原子力発電所で発電した電力を電力会社から購入する方が圧倒的に安い(10円程度である)。しかし、わざわざお金を払って体を動かそうとするような物好きな人に対して、電気は買った方が安いなどと言ってもあまり意味がないだろう。

古いPCにVine Linux 5.0を入れてみた

古いThinkPad X24にVine Linux 4.2が残っていたが、5.0に移行してもよさそうな感じだったので、新規に5.0をインストールしてみた。ISOイメージをDVDドライブに書き込んで起動ディスクを作り、あとは外付けDVDドライブから起動するとインストーラーが立ち上がるので、各種設定やインストールするパッケージの選択を行えば、インストールしてくれる。 メモリは384MBしか積んでいないが、インストーラーが落ちることなく、無事にインストールが完了した。数GBしかディスクを消費していないので、ディスク容量が小さくても問題ない。 インストールを終えて起動してみると、外見はいまどきのLinuxだが、起動と終了が早いので、古いマシンでも重くなった感じがしない。古いマシンでも軽快に動作し、日本語対応のTeXも標準で入っているので、院生が論文を書くためのマシンとしては適しているかもしれない。 イーモバイルはまだ使えていない。ネットワークに接続できないとVinePlusもインストールできないので不便である。 せめて音楽専用マシンにできないものかと思ってRhythmboxを立ち上げてみて、音楽ファイルをインポートしようとしたが、標準ではMP3やAACを扱えないようなので、まだ音楽を再生できていない。対応するプラグインをVinePlusからインストールする必要があるのだろう。 ハイバーネーションは問題なくできるが、起動も終了も速いので、時間的な優位性はない。ACPIサスペンドはうまく機能していない。 直接関係ないが、リムーバブルメディアをフォーマットしようとしたら、デュアルブートのWindows XPを間違って消してしまった。VineではIDEのHDDがSCSIディスクとして認識されているようで、つい、sda1をフォーマットしてしまったら、そこに入っていたWindowsが消えてしまい、起動できなくなってしまった。どうせXPだし、Windowsならメインマシンに入っているし、もうじきWindows 7が出るし、まあいいやと思って、Windowsが入っていた部分もまっさらにして、ハードディスク全体をVine用に使うことにした。どうせインストールしたばかりなので、もう一度インストールしなおしても実害はない。 ただし元から20GBしかないので、音楽専用マシンにするにはディスクスペー

Weave 0.6

Weaveのバージョンが0.6に上がった。同期の際にどちらの方向に同期するかを選べるようになった。例えば、メインで使っているマシンでは、ネットワーク側にデータを送信し、それ以外のマシンでは、ネットワーク側からデータを受信するという使い方をできるようになった。従来のバージョンでは、双方向の同期のみだったので、他のマシンのブックマークがメインマシンのブックマークにコピーされるなどして不便だった。 ユーザーインターフェースも変化しており、0.6からはウェブインターフェースになった。もともとウェブブラウザのアドオンなので、ウェブブラウザを活用するのは理にかなっている。 なお、同期には依然として時間がかかる。メインマシンの環境をUSBメモリにコピーするなら、フォルダもろともコピーする方が早い。

Vine Linux 5.0を入れてみた

もVineを使うことはあるまいと思ったものの、5.0が出たので、とりあえず仮想マシンに入れてみた。仮想マシンがあるとOSの評価に便利である。 最初にインストーラが起動しなかったり、インストール後に起動しなかったりしたが、メモリの割り当て量を増やしたら起動した。起動時に「前回のカーネルで起動する」というオプションがあるのは便利だと思う(実際に行使する機会は滅多にないが)。 立ち上がってしまえば、あとは他のLinuxとそう違わないように見える。実際の使い勝手の違いを実感するためには、それなりの期間を要するだろうが、そうしてみようという気にはなれなかった。昔から使ってきた人には魅力的なのかもしれないが、そういう人たちにアピールするには変更部分が多いようである。 唯一実感できたのは、起動と終了が速いことである。古いハードウェア向きの軽いOSとしては便利なのではないだろうか。

スマートグリッドは本当に実現可能なのか

日本では電力会社が発電と送電の両方を担っており、電力需要に合わせてきめ細かく供給を調節している。送電線に通信回線を併設して、電圧の情報を収集し、集中的に制御している。各地に風力発電や太陽光発電の施設ができると、電力会社がそれを買い取らされて、その残りの電力需要を石油火力発電で調整している。 最近はスマートグリッドと称して「情報技術を活用して分権的に需給を調整する」みたいな話が出るが、本当にそんなことができるのか疑わしい。分権的に発電するためには、需要と供給とを調整する仕組みが必要である。需要と供給の調整手段として真っ先に思い浮かぶのは価格メカニズムだが、価格メカニズムというのは市場全体の姿の概略を記述した程度のものでしかなく、電力のように需要と供給のマッチングを厳密に行うような状況で、品質を厳格にコントロールできるような代物ではない。 もし電力に品質を求めるなら、誰かが責任を負わなければならない。しかし連帯責任は無責任なので、電力が不足するなら発電しようかなと思う程度で、できなければ無理はしない。電力はサービスと同様に貯蔵できないので、電力が余れば電圧が上昇するので回路を切断しなければならないし、電力が不足すれば、少なくとも一時的には電圧降下が避けられない。なぜなら、供給の不足が価格という情報に反映されて人間の意思決定に影響するのにはタイムラグが伴うからである。このタイムラグを無くす仕組みがなければ電力の品質を確保することはできない。 単純素朴に考えれば、電力供給に対する責任を負うなら、責任を負わない発電業者よりも高い値段で電力を買い取ってほしいものである。しかしそれは現在の電力会社の姿に他ならない。結局電力会社にとっては、コントロールできない発電所が増えるばかりで、既存の石油火力発電所の稼働率が下がるだけということになる。電力会社が抵抗するのも無理はない。 分権的な市場メカニズムよりも、契約ベースで自動的にコントロールする方が有望だろう。 電力供給が不足するときには、重要度の低い所への供給を自動的に遮断するという方法があり、これはスマートメーターで実現しようとしていることである。需要が逼迫しているときには供給されない代わりに、供給に余裕があるときには格安で手に入る電力というのは、使い方によっては魅力的だろうから、契約形態によっては可能かもしれない。例えば、平日の昼

鉄道版漫画喫茶が欲しい

漫画喫茶が好まれるのは、漫画を個人で所蔵するのが効率的でないからである。飲み食いできてネットもできる有料の図書館に行って、見たいときに見たいものを見る方が住環境に良い。どんなに大量に溜め込んだところで人間の脳で処理できる情報量には限りがあるのだから、読みたい分だけ読めれば十分である。 一部に漫画喫茶を時間潰しや生活の場所にする人もいるようだが、生活の場所にするにはさほど割安でも快適でもないし、時間潰しが目的なら、スターバックスみたいな店にネットブックを持ち込む方が安上がりだろう。 そういうわけで漫画の充実した漫画喫茶は多いが、どういうわけか鉄道の雑誌や書籍を所蔵する漫画喫茶というのは聞いたことが無い。時刻表のバックナンバーなんて個人で持つにはかさばりすぎるし、鉄道関係の雑誌や書籍にしても同様である。いわば、書泉グランデ6階がそのまま漫画喫茶になったようなイメージである。 どうせ鉄道版の漫画喫茶にするなら、内装も鉄道関係のものにするとよいだろう。座席はもちろん鉄道車両の座席で、普通車、グリーン車、寝台車と各種取り揃えるのがよい。食堂車やロビーカーもあればよい。代金の支払いは切符を買って自動改札口を通る方式がよい。切符を買う代わりにモバイルSuicaを使う方式も面白いだろう。 鉄道は技術の裾野が広いので、いろいろな会社で協業して鉄道の見本市みたいな空間にすると面白い。せっかくなので、鉄道博物館の一角にそういう空間があるとよいのではないだろうか。むしろ、そういう空間で快適なサービスを提供しようとすることにより、本業の鉄道サービスでも有用なヒントを得られるかもしれない。

バイオマス燃料の物流

電力は本質的に地産地消の資源なので、発電してから送電するよりも、燃料を火力発電所の近くまで輸送する方が効率的である。さすがに水力発電のために水を輸送するのは難しいが(川の下流では落差を稼げないので、発電機を回せない)、火力発電なら燃料を運んでくればよい。 化石燃料で火力発電を行う場合には、燃料の水揚げの都合上、大都市付近の港湾付近に発電所を立地することになる。一方、国内のバイオマス燃料で発電するなら、そのために最適化された立地ならびに物流のスキームが必要である。 電力需要があるのは結局のところ大都市なので、バイオマス燃料を大都市付近の発電所まで運ぶのが効率的である。問題はコストである。普通にトラックで運んでいては輸送コストがかかりすぎて燃料としての競争力が得られない。 しかし物流には隙間があるので、それを活用すればよい。メール便が安いのは、大口貨物の隙間を利用するからである。隙間輸送なら集配と仕分けの費用しかかからない。 特におがくず等のバイオマス燃料は軽量だし、袋に入れれば自由に形を変えることができるので、隙間に詰めやすい。場合によっては梱包材よろしくクッションとして活用することもできる。タダ同然の値段で調達してタダ同然の値段で運んでくれば競争力が出るだろう。幸いバイオマス燃料の生産は小口なので、そういう小技が効くのである。 隙間といっても、必ずしも小さなスペースとは限らない。沿岸部から内陸部へ一方通行的に輸送されるものがあれば、帰りにバイオマス燃料を輸送することで稼動を効率化できる。沿岸部から内陸部へ一方的に輸送されるものとして典型的なのは石油である。タンク貨物列車が沿岸部の製油所から内陸部のオイルターミナルまで運行されているが、帰りは積荷が空である。他方、バイオマス燃料は内陸部から沿岸部に一方的に輸送されるものなので、そこにバイオマス燃料を積めば、輸送効率が向上する。もっとも、石油タンク貨車に果たしてバイオマス燃料なんて入れることができるのかという問題はあるが、どうせ燃料にするなら少しくらい石油がついたって困らないので、タンクが汚れなければよいのだろう。ホッパー車とタンク車を兼用するような貨車を新たに設計できれば、それに越したことは無い。 さて、ではどうやってタダで運んでもらうかというと、隙間を利用してバイオマス燃料を輸送する業者に対して、見返りに排出権を与え

バイオマス燃料の熱エネルギーと水資源の分離

バイオマス燃料が化石燃料ほど広く用いられないのは、水分が多くて熱量が乏しいからである。水はそれ自体燃焼しないので、燃焼炉の中ではエネルギー効率阻害要因である。水分を脱水すれば熱量が増えるが、脱水するためには当然熱エネルギーが必要である。しかし、植物には光合成により炭化水素を生成する機能があるだけでなく、淡水を保持する機能もある。炭化水素も淡水も共に貴重な資源である。分離していれば極めて有用であるにも関わらず、混在しているために互いの価値を相殺している。 バイオマス燃料から炭化水素と水分とをうまく分離する方法はないものだろうか。既にいろいろ工夫されているだろうから、素人考えで簡単に解決するとは思えないが、次のような仕組みを考えてみた。 まずバイオマス燃料を加熱して水分を蒸発させる。ここまでは通常のバイオマス燃料の燃焼過程である。次に、蒸発した水分を取り込み、加熱して蒸気タービンを回して発電する。脱水した燃料が得られるので、それをボイラーで燃やし、脱水されていないバイオマス燃料を脱水することと、水蒸気を加熱することとに用いる。 このようにすると蒸気タービンを回すための水と蒸気を発生させるための燃料とを同時に得ることができる。蒸気タービンを回した後の水を蒸留すると、植物から淡水を得ることができる。最終的には、バイオマス燃料から電力と淡水とが得られる。 上記においてすぐに気づく問題点は、水蒸気と煙とをどのように分離するかである。タービンを回すだけなら、通常のバイオ燃料燃焼炉と同様に水蒸気と煙とが混ざっても、単に熱効率が悪いだけで済むかもしれないが、最終的に蒸留水を取り出すことを目指すなら、最初から混ざらないようにしたい。一旦混ざったものを分離するにはエネルギーが必要だからである。 水分が蒸発しきるまでは炭化水素が燃焼することはないので、てんやの天ぷら揚げ器よろしく、ベルトコンベア式に脱水工程と燃焼行程を経るのがよいのではないだろうか。水分が蒸発しきってから燃料が発火するまでの温度差をうまく確保できれば何とかなりそうな気がする。 燃料としてボイラーで燃やす際には、その熱が脱水すべきバイオマス燃料に当たるようにする。そのため、バイオマス燃料を工程に応じて移動させる技術が必要になる。脱水させる場所が上にあり、その真下に燃焼炉があるようにする。水分を多く含むバイオマス燃料を脱水させ

Suicaインターネットサービス

2009年7月27日から「Suicaインターネットサービス」が開始された。Edyと同様にPaSoRiを用いてPCからチャージしたりネット通販の決済に使えたりするようである。機能的にはEdyに追いついただけであり、特筆すべきことはない。 Suicaの場合、駅の券売機でクレジットカードからチャージできるし、クレジットカードに付随するSuicaならオートチャージも使えるので、今更PaSoRiを使えるようになることのメリットは乏しいのではないか。それに2009年7月25日からは、クレジットカード付属のSuicaのみならず普通のSuicaでも登録すればいつでもどこでもチャージできる。 むしろ、カードタイプのSuicaでオートチャージできるようにしたときの副産物なのではないだろうか。クレジットカード付属でないSuicaでオートチャージを利用できるようにするためには、クレジットカードと紐づけて登録する必要がある。現在は駅のビューアルッテで登録作業を行う運用だが、ソフトウェア的に紐付けを実装できるなら、さほど費用をかけずにPaSoRiで使えるようにすることができる。 せっかくなので、ローソンのようなクレジットカード払いのできるコンビニでもオートチャージできればありがたい。両替のために小額の買い物をするような要領で、オートチャージのついでにコンビニで買い物するようになるだろうから、コンビニにとってもメリットがあるのではないだろうか。現状では電子マネーの手数料率は10%程度とクレジットカード利用よりも高いが、オートチャージの際には逆にコンビニに手数料が支払われるようにして、両者を相殺できるようにすれば、コンビニの負担も減るのではないだろうか。 ネックになるのは、ビューカード自体は現在はコンビニでは使うことができず、提携しているJCBなどのカードという扱いであることである。これについては、上記のメリットを通じてビューカード加盟店になってもらうことで解決できるが、逆に決済額が膨大になるので、JRにとって負担かもしれない。

EX-ICと金券ショップ

最近の金券ショップでは、新幹線の切符をあまり積極的に扱っていないようである。かつては新幹線エコノミー切符のバラ売りが主流だったが、金券ショップ対策で新幹線エコノミー切符も新幹線ビジネスきっぷも廃止され、さほど割引率の高くない回数券しか流通しなくなった。さらにエクスプレス予約が導入されると回数券にも価格面での優位性が無くなってしまい、ビジネスユーザーはエクスプレス予約にシフトしてしまった。 さらに、EX-ICやモバイルSuica特急券では、切符が個人の携帯電話に紐づいており転売できない。エクスプレス予約で紙の切符を発券する場合でも、大量に重複して予約を入れることができないので、転売するメリットがない。これらの仕様は金券ショップ対策だともいえる。 というわけで、そもそも金券ショップで新幹線の切符を買うという発想が無くなっていたことに改めて気がついた。買い手がつかなければ売り手も出ないわけで、有効期限間際の回数券が極端な安値で出ることはあるが、買い手の興味を引かないので、かなり安くしないと売れず、そうすると売り手にとってもメリットがないので、ますます市場が縮小する。 JRが携帯電話による新幹線の予約で、金券ショップに対抗できる価格を提示したのが大きいだろう。発券窓口を縮小することによる経費低減や、個人の購入履歴を収集することによるメリットがあってのことだろうが、やはり金券ショップに対抗できる価格をつけなければ今のように普及することはなかったのではないだろうか。 金券ショップでは国内航空券はまだ扱っているようである。国内線はチケットレス化に関しては新幹線より先行しているが、値段がまだこなれていないのだろう。本来航空券の方が搭乗者と紐づいているものなので、値段がこなれれば金券ショップから姿を消してもおかしくない。コンサートのチケット等も新幹線と同様に個人の携帯電話に紐づかないとも限らない。残るのは商品券等の現金に近いものだけになるだろう。商品券や切手などはまだ扱っているようだが、なにぶん薄利多売の商売なので、稼ぎ頭の新幹線の切符の扱いが減ると採算にかなり響くのではないだろうか。 大黒屋のようにもともと質屋だったところはブランド品や家電の安売りにシフトしているようだが、実物を扱うと場所を取るので、純然たる金券ショップにとってはつらいだろう。それに、今ではYahooオークションや

ワイドビューしなのに乗ってみた

中津川から塩尻までワイドビューしなのに乗ってみた。山岳路線ながら表定速度が時速90kmを越えており、在来線特急としてはかなり速い部類である。 乗り心地は上々で、振り子動作中もほとんど気にならない。窓は大きく、シートピッチは広く、座り心地は良い。先頭電動車の車端部に乗ったが、特に乗り心地上の問題はなかった。 残念だったのは、単線区間で分岐器を通過するときに速度制限がかかっていたことである。せっかく曲線通過速度が高くても、分岐器で時速45kmの速度制限がかかっていては勿体無い。高山本線のように時速110kmで走行可能な両開き分岐器を導入すればこの区間で数分早く走れるのではないだろうか。ただし、スピードを感じないのは乗り心地が良いからだともいえるし、単線区間ではダイヤが乱れたときに回復しにくいので、余裕時間をたっぷり取っているのかもしれない。 国鉄時代にはこの区間で複線化や新線への切り替えが積極的に進められたが、JRになってからは複線化は行われていないようである。しなのはJR東日本に乗り入れる列車となり、増発が困難なので、増結で対処している。貨物列車や普通列車の本数は少ないので、たしかに増発のために複線化する誘因はない。それならば現状の単線を維持することを前提に、分岐器通過速度を向上するのが投資効果が高いといえるが、既に名古屋長野間の所要時間が3時間を切っており、高速道路に対しても時間的な優位性があるため、これ以上しなのの所要時間を短縮しても収益には影響がないということだろうか。

冷房と回生ブレーキ

回生ブレーキを効率的に用いるためには、電力の需要と供給とをマッチさせる必要がある。典型的なのはある列車で回生ブレーキをかけているときに付近の列車が加速していれば、回生ブレーキで発生した電力が吸収される。しかし列車密度の低い区間では電力が十分に吸収されずに回生ブレーキが失効する。今でも回生ブレーキの信頼性はさほど高くない。 抜本的な解決ではないものの、冷房を動かすタイミングを回生ブレーキと連動させると若干は改善するのではないだろうか。すなわち、回生ブレーキ時に冷房を最大出力で動かし、停車中や力行時には冷房をつけないようにし、全体としては所要の冷房能力を確保するようにする。このようにすれば、回生ブレーキで発生した電力の一部が冷房に吸収されるし、力行時の電圧降下を防ぐことができる。 実際、旅客機ではエンジンを最大推力で動かす離陸時には照明と空調を止めるが、サービスへの支障はさほどない。 もちろん冷房を使う時期にしか効果がないが、電力需要のピークは夏の日中なので、ピーク時の需要を下げる効果がある。 また、停車駅間距離の長い特急列車では効果がないが、加速減速を繰り返す各駅停車では効果があるのではないだろうか。 制御器の情報または架線電圧を読み取って冷房を入れたり切ったりできるよう、冷房の制御ソフトウェアを改造することで実現できるだろう。

アプリケーションの最大化

最近のGUIでは最大化ボタンを押すとアプリケーションが画面一杯に表示される。しかし、ワイドディスプレイが主流になると、画面一杯に表示されると横長すぎる。アプリケーションを2つ左右並列に表示できれば便利なのだが、そういう機能がないので、手動で画面の大きさを調整する必要がある。左半分で最大化とか右半分で最大化みたいな機能が欲しい。エクセルみたいに整列する機能があれば便利ではないだろうか。

Firefox 3.5とWeave 0.4.0

2009年7月1日にFirefox 3.5がリリースされた。Firefoxを捨ててSafariに移行したつもりでいたので、どの程度速くなったかを見る程度の目的で試しに入れてみた。ところが、複数のFirefoxの設定とブックマークを同期できるWeaveというアドオンがあるということを知ったので、かねてから欲しい機能だったこともあり、試しに入れてみた。 WeaveはFirefoxのアドオンなので、他のアドオンと同様の手順でインストールする。Weaveの設定画面でアカウントを作る。アカウントを作ると、サーバ上のデータが履歴等の情報と同期される。今やウェブブラウザの個人設定やブックマークはキラーアプリのようなものであり、それがGoogleのようにクラウド化されたといえる。あるPCでアカウントを作ると、別のPCでそのアカウントにログインすることによって設定とブックマークと履歴とを共有できる。もしビジネスホテルのロビー等にあるPCにFirefoxとWeaveが入っていれば、自分のアカウントにログインするだけで普段と同じようにFirefoxを使うことができる。 普段使う限りはさほど重たくないので、Weaveを入れていることを意識しない。そこで、USBメモリにFirefox Portable 3.5を入れるのと同時にWeaveを入れた。これを持ち歩けばいつでもどこでも自分のFirefoxを持ち出すことができる。 残念なのは、ビジネスホテルのロビーにあるようなPCにはWeaveはおろかFirefoxも入っていないということである。もし入っていればFirefox Portableの入ったUSBメモリすら持ち歩く必要が無くなるので実に便利なのだが。 確実に効果があるのは、個人で複数のPCを持っている場合や、デュアルブートまたは仮想マシンで複数のOSを入れている場合である。Firefoxは個人の設定ファイルの入っているフォルダを丸ごとコピーすることで同期できるとはいえ、個別に手作業で同期するのは面倒なので、同期を自動化できるのは実にありがたい。 たしかにSafari 4は軽くて速いのだが、総合的な使い勝手では未だにFirefoxの方が優れている。Safariにも同様の機能があればまたSafariに戻ってもよいのだが、Mobile Meは有料だし、あいにくSafariの設定情報やブックマーク

アウトソーシングの意義

アウトソーシングの意義としてよく言われるのは、「経営資源を本業に集中させる」「本業と関係ない部分は安い業者に外注する」ということである。しかし本当にそれだけだろうか。 通常、組織にとって重要な仕事は第一線級の人材が担う。重要度の低い部分は二線級・三線級が担う。これに対してアウトソーサーにとっては商売なので、第一線級の人材を投入するため内製するよりも生産性が高い。社内の人に仕事をさせようとすると、できない理由ばかりを並べ立てるが、アウトソーサーは「できません」とは言わない。安いだけでなく効率も良いのである。効率が良いならもっと高くても商売になりそうな気がするが、事務派遣やコールセンター等のビジネスは競争が激しいので相場並みになる。方や内製の場合には、正社員をクビにできないので、競争圧力が働かず、というか既に競争に敗れて失うものが無い人ばかりなので、高くて非効率的になる。 アウトソーシングの真の意義は、利潤動機の働かない内勤の仕事に利潤動機を導入することで、優秀な人を投入するインセンティブや真面目に働くインセンティブを導入することにある。逆に言えば、客先に出て金を稼ぐような仕事では、アウトソースしなくても真面目に働くインセンティブがあるので、たとえアウトソーサーにコスト競争力があっても、アウトソーサーが優位性を発揮するのは難しい。 日本企業では正社員を解雇できないので、余った人(主に中高年の客先に出せない人)に二線級・三線級の仕事をさせる。どうせ人件費はすべてサンクコストなので、限界費用はゼロである。それに対して外注すると費用がかかるので、限界費用だけを見ると、実はアウトソーシングの方がお金がかかるのである。なぜタダを使える人を使わずに外から人を買ってくるかといえば、品質と費用との間にトレードオフがあるからである。 正社員の解雇が事実上不可能な日本でアウトソーシングが活用され、正社員の解雇が容易な米国で内製比率が高いというのは、労働組合の強さだけを見れば疑問の余地がないが、かかっている費用を見ると不思議である(日本の労働組合は会社別なので既存の従業員しか保護しない。既存の従業員の食い扶持さえ確保されていればアウトソーシングに反対しない。これに対して米国の労働組合は業種別なのでジョブ全体を守ろうとする)。 たとえ重要度が低いといっても、組織にとって完全に不要な機能なら最初

OpenSolarisを入れてみた

せっかくハードウェアリソースが余っているので、OpenSolarisも入れてみることにした。 最初はVMware仮想マシン用のOpenSolaris 2008.11を入れてみたのだが、ネットワークにつながらないとか、ログイン画面でキーボードの設定が正しくなくて文字を入力できないといったトラブルがあったため、改めてVirtualBoxを入れて、OpenSolaris 2009.06のCDイメージからインストールすることにした。 VirtualBoxへのインストールは若干時間がかかったものの意外と簡単だった。CDイメージから起動して、ハードディスクへのインストール実行するとハードディスクにインストールされるので、次回からはハードディスクからの起動を選べばよい。あいにくサウンドドライバは読み込まれなかったので音は出ないが、ネットワークには接続できた。意外と動作が軽い。 せっかくなのでUbuntuもバージョン9.04をVirtualBoxに入れることにした。VMware用の仮想マシンだと8.04までしか入手できないからである。インストールはもっと簡単で、CDイメージの起動時にハードディスクへのインストールを選ぶとそのままハードディスクにインストールしてくれる。ちゃんと音が鳴るし、ネットワークへの接続も問題ない。初回起動時にパッケージのアップデートもしてくれる。至れり尽くせりである。これならVMwareの8.04が不要なので、VMware Playerをアンインストールし、VMware用のubuntu 8.04とOpenSolaris 2008.11の仮想マシンを削除した。 勢い余ってJarisも入れてみた。OpenSolarisを日本向けにカスタマイズしたディストリビューションで、個人向けに使いやすくなっているようである。インストールの手順はOpenSolarisと全く同じである。ハードディスクから起動してみると、動作がかなり重い。メモリを1GB使う設定にしているにも関わらず、FireFoxがまともに動かない。OpenSolarisでもubuntuでも全く問題ないのにである。これはこのままディスクの肥やしになりそうである。 OpenSolarisが仮想マシンで動くようになって、ついに個人のパソコンでSolarisを動かすという10年越しの野望が達成されたわけだが、今のところ

iMiEVの充電

2009年6月に三菱自動車工業から電気自動車iMiEVが発表された。最高速度は時速130kmで、走行距離は160kmである。タウンユースなら1日中充電無しで走れる距離なので、夜間に家庭用の100ボルトまたは200ボルトの電源で充電すれば十分だろう。 しかし、長距離ドライブだと途中で充電が必要である。ノートパソコンを充電するのと同じようにスターバックスのコンセントを借りるわけにもいかないだろうし、そもそも100ボルトの家庭用電源だと充電するのに14時間かかる。そこで、専用の急速充電器による方法も用意されている。これだと30分間で満充電容量の80%まで充電できる。80%の充電なら128km走行できることになる。そこで高速道路のサービスエリアやファミリーレストランの駐車場に充電器を多数設置することを考えているようである。1時間半くらい運転すれば休憩したくなるだろうから、ついでに充電するということなのだろう。 しかし、電気そのものには貯蔵できないという弱点があるので、需要のピーク時に合わせて設備を設計しなければならない。例えば太陽光発電は晴天の昼間にしか機能しないという弱点があるが、車用のバッテリーに電力を貯蔵すればその弱点を解消できる。風力発電についても同様である。発電量の安定しているマイクロ水力発電だって渇水期には稼動できない。また、小規模の発電設備では需要の一部にしか対処できない。そこでバッテリーに貯蔵することで電力を濃縮するのである。バッテリーで電力を濃縮することができれば、小規模の発電設備でも活用できるので、発電可能な場所が増える。 車を運転する側にとっても、もともとバッテリーに充電するのが目的なら、発電できたときにバッテリーに充電しておいて、必要になったらバッテリーモジュールごと交換する方式の方が効率的である。それに駐車場の専用充電スタンドに多数の電気自動車を駐車させたら場所と時間を取るし、順番待ちによる渋滞だって発生しかねない。さらに、1時間半運転するごとに30分充電するとなると、ガソリン車に比べて3割余計に時間がかかる。これでは実用的ではない。特にトラックやバスのような商用車には通用しない。これに対してバッテリー交換なら5分もあればできるので、所要時間への影響は無視できる。充電時間が短いということは駐車時間が短いということでもあり、駐車場に要するスペースを節

航空機の屋根に太陽電池を

太陽光発電にとって最も難しいのは、日照が一定しないということである。しかし、雲の上なら昼間はいつも晴れである。それなら航空機の屋根に太陽電池をつければ、機内のサービス電源を燃料から太陽光に代替できるのではないだろうか。太陽電池は熱によって発電効率が低下するが、上空の気温は低いので、そういう意味でも効率的である。 航空機の屋根に太陽電池をつけるなら、フィルム状のものか、塗料状のものだろう。フィルム状のものなら機体の曲面に沿ってつけることができる。太陽電池には保護フィルムがあるので、塗料の代わりにクリアラッカーを塗るのと同じ効果がある。機体が若干重くなるが、電源用の燃料の消費が減ることで相殺されるだろう。塗料状のものは発電効率は落ちるが、既存の塗料を置き換えるだけなので機体重量の増加がない。 問題は、夜間には使えないということである。太陽電池導入の効果が高いのは長距離路線だが、北米から日本方面の路線ならずっと昼間だが、逆方向だとずっと夜である。そういう意味では、機体重量が増えない塗料状の太陽電池の方が有利かもしれない。なお、北米から日本方面は向かい風の中を飛び、日本から北米方面は追い風の中を飛ぶので、北米から日本方面の路線で太陽電池を使うことができれば燃料消費を平準化できる。 787のカーボン製の機体なら、塗料よりもフィルム状の太陽電池の方が合うかもしれない。さらに欲を言えば、カーボン製の機体を太陽電池の一部として活用できれば面白いかもしれない。もともと787のエンジンはブリードエアによる空調や発電を行わないタイプなので、さまざまな種類の電源が考えられる。

IC早特

2009年8月29日から、IC早特が導入される。EX-ICが山陽新幹線でも利用できるようになったのに伴い、従来エクスプレス早特が利用できなかった区間でも利用できるようになった。 東海道区間のエクスプレス早特で利用できるのぞみは6時台ののぞみだけだったが、山陽新幹線では終日のぞみを利用できることもあって、東海道新幹線と山陽新幹線をまたぐIC早特では終日のぞみを利用できる。というか、山陽新幹線区間まで直通するとなると、のぞみを利用できなければ意味がない。ただし、終日のぞみを利用できるためか、グリーン車用の値段が高い。東海道区間なら普通車用に2000円プラスすればグリーン車に乗れるのに、山陽区間まで直通すると、差額が6000円くらいになり、グリーン料金分の割引がなくなってしまう。 東海道新幹線のこだまのグリーン車用はIC化に伴い200円ほど安くなり、EX-ICの普通車用に1000円または1200円プラスするだけでグリーン車を利用できるようになった。ただし、東京名古屋間では、ひかりのグリーン車用のIC早特よりも470円安いだけなので、それならひかりの方が得だし、ぷらっとこだまグリーン車プランよりも2130円も高い。東京京都間と東京新大阪間にいたっては、ひかりグリーン車用とこだまグリーン車用とで同額なので、こだまに乗る理由がない。ぷらっとこだまグリーン車プランは2700円安いので、こだまに乗れるくらい時間に余裕があるなら、乗る列車を決めてしまってぷらっとこだまグリーン車プランにした方がよいだろう。 IC早得が真価を発揮するのは、のぞみが停車しない駅を利用するときである。例えば東京豊橋間なら、普通車用に1200円プラスするだけなので、2時間おきにしか豊橋に停車しないひかりを利用するよりも、30分おきに利用できるこだまのグリーン車の方が得である。所要時間は30分以上延びるが、列車頻度が違うため、トータルの所要時間はさほど違わない。

テンキーとマウスの謎

デスクトップPCのマウスはキーボードの右側にある。そして、デスクトップPCのキーボードの右側にはテンキーがある。そのため、デスクトップPCでマウスを使うときには、とんでもなく遠い所でマウスを使うことになる。マウスをキーボードの手前に置けば比較的近くなるが、今度はキーボードの位置が遠くなる。キーボードとマウスの両方を使うときには、ホームポジションから手を離して遠くにあるマウスを操作せざるを得ない。マウスにはこのような欠点がある。 マウスの代わりにトラックポイントやタッチパッドを使えば、テンキーが右側にあってもさほど邪魔にならない。しかし、トラックポイントやタッチパッドはデスクトップPCには装備されていない。マウスを動かすよりも、マウスパッドと同じくらいの大型のタッチパッドを指やペンでなぞる方が直感的なはずなのだが、どういうわけか、タッチパッドが実用化してもなおデスクトップPCではマウスが主流である。 そもそもマウスは、カーソルの位置の変化をローラーによって機械的に測定するためのものであり、機械式マウスが使われなくなってもなおマウスが使われているのは単なる惰性に過ぎない。光学式ならマウスでなくてもペンで十分である。ペンの場合にはボタンをどうするかとかスクロールをどうするかという問題があるが、ボタンはタッピングで代用できるし、スクロールさせるときにはどこかボタンを押しながらペンを動かせばよい。むしろその方が、ホイールマウスと違って横方向にもスクロールできて便利である。

懇親会の謎

仕事仲間との親睦を深めるために懇親会と称して夜に飲み会を行うことが日本ではよく見られるが、果たして本当に効果があるのか疑問である。 そもそも仕事の場では、仕事上の信頼関係を構築・維持することに勝る親睦はない。飲み会で打ち解けたからといって仕事の場での信頼関係がなければ、仕事の場での問題は何ら解決しないし、仕事の場で信頼できない相手と飲んだってつまらないし打ち解けることもない。しかも、残業代が出ないにもかかわらず半ば強制的に出席させられ、挙句の果てにお金まで取られるとなると、ますます職場に対する不信感が募る。 お金を出して夜遅くまで飲もうという気になるのは、気の合う仲間と飲むときだけである。そして、仕事の場で気の合う仲間を作るための最良の方法は、日々の仕事で誠心誠意接することである。営業は夜行性で、夜の部で商売が決まることがよくあるが、昼の部がだめな状態で夜の部だけで成功することはありえない。そもそも営業の夜の部は接待なので、誘った相手にお金を出させることは無いし、接待である以上、相手に好感を持ってもらうよう努力するものである。 懇親会に参加しないのは職場に良い印象を持っていないシグナルなので、その行為を責めるのではなく、仕事の場で信頼関係を阻害している要因を探し出し、解決する努力が必要である。親睦はあくまでも原因ではなく結果である。

まくどでPCの謎

最近のまくどにはPC用の電源を取れる席があったり、店内で公衆無線LANが使えたりする店がある。それ自体はありがたいものの、1つ困ったことがある。それは、手が汚れる食べ物を出しているということである。指先がPCのキーボードに触れるときに手が汚れるのはとても困る。明らかに油のついたフレンチフライに限らず、バーガー類も手が汚れるし、アップルパイ等の菓子類も手が汚れる。そもそもサンドイッチというのは手を汚さずに食べながらカードゲームをするためのものではなかったか。飲み物だけ頼めばよいのかもしれないが、それならコーヒー屋に行った方がましである。まくどで食べ物を食べてかつPCを使うとなると、先に食べてから店内の洗面所で手を洗って、それからおもむろにPCを使い始めるのが比較的安全だが、それなら食後にコーヒー屋に行ってそこでPCを使う方が落ち着く。 次善の策として、せめて紙ナプキンで工夫できないだろうか。まくどの紙ナプキンは単なる紙なので、指先についた油汚れを完全に取り去ろうとすると、大量に消費しなければならない。コンビニやドトールで配っている程度の紙おしぼりがあれば比較的ましなのだが、紙おしぼりなんてものを配るのは日本だけなので、世界中で同じような商売するまくどみたいな店では配られない。 それなら日本でしか商売していないドトールみたいな店ならよいかというと、そうでもない。ドトールは電源を提供しないのである。回転を上げることで客単価を下げ、安いわりにおいしい店にしているので、電源を提供して長居されたら困るのだろう。同じく客単価の低いカフェベローチェも電源を提供しない。スターバックス並みの客単価と回転率なら問題ないのだろうが、同じくドトール系列のエクセルシオールはスターバックス並みの客単価であるにも関わらず電源のある店を見たことが無い。もっとも、PC用の電源がなくてもバッテリー駆動でならPCを使えるし、バッテリー駆動時間は2時間を越えるので、PC用の電源を提供しないことが回転率を上げるのにどの程度貢献しているのかは疑問である。 そもそもノートPCを使うのをためらうほど油ぎった食べ物が体に良いはずがない。おにぎりや和菓子を出す、和風のファーストフード店があってもよいのではないか。和風の食べ物なら割り箸や楊枝を使えば手を汚さなくて済むので、PCを使いやすい。別に和風の店でPCを使ってはな

道路を電化せよ

電気自動車を普及させる上で最大の障壁は電源である。モーター自体は比較的シンプルで、速度制御も今ではさほど難しくない。しかも、内燃機関よりも小型で高出力を得られるし、騒音も少ない。なぜ電源の確保が難しいかといえば、それは小型軽量かつ大容量のバッテリーがなかなか実用化しないのと、バッテリーに電源を供給するのに時間がかかるからである。 しかし電車のように架線から電源を供給すれば、バッテリーの問題を回避できるし、ブレーキをかけるときに発生する電力を他の車が加速するために用いることができるので、効率が良くなる。実際、ハイブリッド車はブレーキ時の電力をバッテリーに貯めて加速に用いている。問題は、そのような電力供給インフラをどのようにして道路に設置するかである。たしかに、路地裏までくまなく架線を張り巡らせるには現実的ではなく、むしろ妄想の世界である。しかし、導入が容易で効果の大きい場所で限定的に導入することならできなくもない。 例えば、第二東名高速をガイドウェイ式で建設して、走行中に電源供給を受けるようにすれば、通行量の大半を占める長距離トラックを電化できる。ガイドウェイ式なら、無謀な追い越しができなくなるし、ハンドル操作が不要になるため追突以外の事故の危険がなくなるので、追突防止のための保安装置さえつければ事故を防止することができる。故障して立ち往生したら、後ろの車が待避所まで押せばよい。これは鉄道と同じ考え方である。問題は分岐箇所だが、分岐箇所の手前で進路情報を送信して進路を開通させ、分岐箇所でだけハンドルを使うのが安上がりだろう。RFIDで個体を識別できるようにすればなお確実だろう。RFIDは、前後の車間距離の測定と制御にも応用できる。 電気式ではないものの、ガイドウェイバスなら名古屋で実用化している。ガイドウェイ式が採用されたのは、高架橋の幅を狭くすることで建設費を節約するためである。これを第二東名高速にも適用すれば、高架橋の幅を狭くしたりトンネルの断面積を狭くすることで建設費を節約することができる。大型のトラックやバスは車幅がほぼ統一されているし、車幅が異なる場合には、車から伸びる案内車輪の飛び出す長さを調整すればよい。ばねで幅を調整し、左右のばねの力の違いをもとに油圧で制御することで左右の位置を調整するのがよいだろう。これを車の前後の緩衝器にも応用すれば、追突事故を防

タッチパッドの謎

ノートパソコンのタッチパッドが使いにくいのは、1回なぞるだけでは、カーソルを所定の場所に移動させることができないからである。何度も指でこすって初めて所定の場所にたどり着くので、そこまでで疲れてしまい、そこから先の作業をする気がなくなる。どうしてこんな仕様になっているのか理解に苦しむ。もしタッチパッドを使うなら、最低限、1回なぞるだけでカーソルを任意の場所に移動させることができるようにすべきである。 タッチパッド上の移動量と画面上のカーソルの移動量との関係なんて、ソフトウェア的にどうにかなりそうだが、私の知る限りそういう設定項目は見たことがない。小さいタッチパッドで移動量を大きくすると、きめ細かい制御が難しくなるからだろうが、たとえば移動のスピードに応じて移動距離を変えるようにすれば、狭いタッチパッドでも有効に活用できるはずである。しかし人間が感じる使いやすさをソフトウェアで実現するのは難しいのだろう。一見普通に使えるトラックポイントも、かなりきめ細かい制御を行っており、これはノウハウの蓄積によるものである。 タッチパッドの中で唯一許せるのはMacである。これは大きなタッチパッドのおかげで、画面上のカーソルの位置とタッチパッド上の指の位置とが直感的に結びついており、1回なぞるだけで大抵の所にカーソルを移動させることができる。タッチパッドを大きくした副産物として、二本指や三本指での使用や、マウスジェスチャーも実現しており、タッチパッドの1つの方向性だと思う。こういうのはトラックポイントでは真似できない(本当に必要なのかどうかはともかくとして)。タッチパッドの弱点はホームポジションから手を離さなければならないことだが、キーボードを滅多に使わなければそれでもさほど困らない。筆記用具として使わなければMacでも十分だろう。 理想的なのは、極限まで小さくしたタッチパッドをキーボードの中央に置き、キーボードから手を離さずに使えることだが、ソフトウェア制御でそういうものが実現すると、それは紛れもなくトラックポイントである。それなら、指の位置を静電気で探知するタッチパッドではなく圧力センサーを使った方が効率的だろう。 なお、トラックポイントを使いにくいと思っている人は、トラックポイントの設定を変えてみるとよい。トラックポイントの感度と速度を最大にすると、比較的滑らかにカーソルを移動さ

ついでにGoogle Chromeも入れてみた

比較検討のため、Google Chromeも入れてみた。インストール時にFirefoxからブックマークと設定が自動でインポートされたのは便利である。UIはSafariの初期設定に似ている。また、最初に表示されるページが「よくアクセスするページ」であり、スクリーンショットと共に表示されるのもSafariと同じである。もちろんUIはSafariの方が洗練されている。 体感速度はSafari 4に比べると遅いような気がする。カスタマイズできる部分も少ない。もともと余計な機能を削ぎ落として高速化したのが売りだから、そういうものと割り切るべきものなのだろう。 起動は一瞬である。そういう意味では、ふと思い立ってGoogleで検索したいときにはとても便利だろう。Googleが開発しただけあって、Google専用ブラウザとしては便利だろう。しかし、いまどき個人のPCではウェブブラウザなんて常時立ち上げているものなので、あまり有難味を感じないし、わざわざ別のブラウザを立ち上げるよりも、現在使っているブラウザで検索する方が早い。 というわけで、Safariを捨ててGoogle Chromeに移行するということにはならなかった。Firefox、Safari、Google Chromeを比較すると、Safariが最もバランスが良いように思える。

Safari 4を入れてみた

もともとLinux上でFirefoxを常用していたこともあってクロスプラットフォームのFirefoxを使ってきたが、「Safari 4はFirefoxの3倍速い」という広告に釣られて、Safari 4を入れてみた。最近はGmailのようなJavaScriptを多用するウェブサービスが多いので、そういうものが速くなればと期待してのことである。ThinkPad X200sを買った直後に13インチのMacBook Proを買うわけには行かないが、せめて無料でダウンロードできるソフトウェアくらいなら入れても良かろう。 初期状態では「ファイル」や「編集」などのメニューバーが表示されていないなどして使いにくかったので、いろいろいじってFirefoxに近い扱いができるようにした。手動でFirefoxからブックマークをインポートして、ブックマーク周りを整理してみると、実用に耐えるように見える。 しかし、中ボタンを押しながらトラックポイントを上下させても、画面をスクロールさせることができない。これは致命的である。ネットで調べてトラックポイントの設定ファイルを手動で編集してWindowsを再起動させたところ、無事に中ボタンでスクロールさせることができるようになった。副産物として、iTunesでも中ボタンでスクロールできるようになった。 やっと使えるようになったので、いろいろなサイトを見てみると、たしかに、速くなったような気がする。きちんと測定していないので先入観によるものかもしれないが、少なくとも遅いと感じることはない。Windows版はどうだか知らないが、Mac版だとMac OS Xのために最適化されているだろうからもっと速いのかもしれない。 Safari 4の売りは、Mac OS XみたいなグラフィカルなUIだが、今のところあまり使っていない。慣れてくるにしたがって、徐々に使うようになるかもしれない。ただし、Top Sitesは、頻繁に訪れるページをまとめて置くことができるので、一通り登録した後では便利である。もともと、頻繁に訪れるページをブックマークファイルにして、それをホームページに登録していたので、それが文字から画像になりかつ編集しやすくなった。 とりあえずSafariで不自由ない状態になったので、Safariを使っているが、最近はウェブ上のサービスが充実しているせいか、結局

JBL on tour

旅行用のスピーカーが欲しくてJBL on tourを買った。それまでThinkPad X24本体内蔵のスピーカーで音を出していたが、それでは物足りなかったためである。どうせポータブルスピーカーを買うなら、中途半端なものを買っても意味がないので、音質で定評のあるJBL on tourを購入した次第である。 写真で見るのとは異なり、実物は大きくて重い。良い音を出すためには大きな磁石が必要だがら、音質のためのコストだろう。 ACと単4電池の両方で駆動する。電池を使い捨てにするのは無駄なので、エネループも買った。いざエネループを入れると、電池が切れたらいつでも充電すればよいと思えてくるので、ACアダプターを使わなくなった。1日1時間くらいの割合で使うと1ヶ月は持つ。したがって、旅行で持ち運ぶ際にもACアダプターを携帯しなくてよい。 気軽に持ち出せるようになると、単に旅行のときにホテルで使うだけでなく、外でも使いたくなる。周りに人のいない砂浜で使うと、ヘッドホンを使うのとは異なる開放感を味わうことができる。 実は最も頻繁に使っているのはバスルームである。窓付近に置く分には、水に濡れる心配がない。バスルームは音がよく響くので、小さいスピーカーでもパワーさえあれば、それなりに音が良い。外やバスルームで使う際にはiPodを使う。 ThinkPad X200sもモノラルスピーカーしかついていないので、引き続き、旅行用に持ち運ぶことになるだろう。小さいので、枕元で小さい音を出すのにもよい。

なぜか平日の昼間にしか営業していないもの

平日の昼間にしか営業していないことで有名なのは役所である。例えばビジネス街に立地している税務署のように、企業向けのサービスを主としているならそれで問題ないが、住宅地で平日の昼間にしか営業していなかったら、老人と専業主婦とニート(すべて無職)しか利用できない。もっとも、役所というのは公務員のために存在するような組織なので、利用者にとっての利便性を説いても無駄で、週末に営業時間をシフトすると公務員にとってもメリットがあるようにする必要があるが、定時に帰れて有給休暇も取りやすい人には平日の昼間以外の時間に働くことのメリットがないのだろう。 銀行の窓口も平日の昼間にしか営業していない。これもビジネス街はともかくとして、住宅地では週末中心に営業した方が儲かりそうな気がするのだが、役所ならともかく営利企業がどうしてそういうことをしないのか不思議である。たしかに銀行固有の要素として、ミッションクリティカルなシステムを走らせているという点が挙げられる。週末の夜間にシステムがバッチ処理を行うが、週末といえども昼間ならATMだって動いているのだから問題ないはずである。もっとも、個人が窓口に来るのは各種手続のときだけで、単に費用がかかるだけなので、わざわざ週末に窓口を開けるまでもないのだろう。私の知る限り、シティバンクの一部店舗は土曜日にも営業している。あいにく都心の店舗ばかりだが、それでも全く営業していないよりはましである。日本のシティバンクは店舗数が少ないため、却ってオンラインサービスや郵送でのサービスが充実しており、捺印した書類をポストに投函するだけなので手軽である。窓口に行く必要があるケースは稀である。そういう意味では平日の昼間に勤める個人には都合が良い。 法人向けと個人向けでは、需要のある時間帯も、サービスの中身も、対応すべき人員も違うので、二毛作的に営業する方が資産の効率が向上するのではないだろうか。紙で仕事をする場合には二毛作は難しいかもしれないが、電子化されていれば二毛作店舗でも場所を取らない。 それに、週末に働いて平日に休めば、週末は通勤が楽だし、行楽地が混雑しない日に休めるので、そういう勤務形態を好む従業員が一定数いてもおかしくない。平日に休む場合には、平日5日間のうち連続する2日間を休めばよいので、月火に休む人と木金に休む人とに分ければ、毎週水曜は全員集まることがで

デルタ機材のノースウェスト便

2009年6月に成田JFK線が復活し、成田ソルトレイクシティー線が開設されたが、なんと前者の機材はデルタの777-200ERである。スケジュールを見てみたら、いつの間にか成田ポートランド線の機材がこれまたデルタの767になっていた。コードシェアではなく、純然たるノースウェスト便のようである。両社の統合が完了すればごく当たり前の光景になるだろうが、資本関係はともかくとして運航体制も労組も別々の状態でよくこんな器用なことができるものだと感心する。段階的な統合の一環なのだろうか。 もともと成田JFK線は787を受領した時点で復活する予定だった。747では燃費が悪く採算が取れないという理由で休止になったからである。その点777-200ERなら、他社並なので、787ほどではないにせよ、採算に乗る。それにJFKでデルタの国内線に接続することができるので、そういう点でも有利だろう。なお、JFKでは、未だにターミナル4を使っているようだが、もともとJFK発着のノースウェスト便は便数が少ないので、デルタが入っているターミナル3に移るのは時間の問題だろう。 成田ポートランド線が767になったのは、単に乗客が少ないから、250人乗りのA330-200よりも一回り小さい、220人乗りの767を使いたいからだろう。もし機材の運用の都合なら、それこそ成田ソルトレイクシティー線だって767になってよさそうだが、こちらはA330-200の座席が埋まる程度の乗客数を見込んでいるのだろう。 ポートランド発着だったA330-200をソルトレイクシティー発着便に振り替えることで、成田発着の機材の数を合わせているのだろうか。ハワイ路線にA330-300が入って以来、アジア路線にもA330-300が入り、季節に応じて需要の高い路線に充当されるようになったり、成田シアトル線にA330-300が入ったりしており、柔軟な運用ができるようになったようだが、傍から見るとややこしい。2009年10月22日に成田のB滑走路が2500mに延伸されると、757のみならず767やA330もB滑走路で離着陸できるようになるので、また運用が変わるのだろう。それともA滑走路のスロットを十分の保有しているから変更はないのだろうか。 成田アトランタ線がじきにノースウェストの747で増便されるらしい。採算は大丈夫なのかと心配になるが、アトラ

こだまのグリーン車

JR東海はもともとこだまのグリーン車の安売りに積極的である。ただでさえグリーン車の需要が少ないのに、グリーン車が3両も連結されていてはもったいないし、グリーン車に移ってもらえば普通車の座席に余裕が出るからである。 ぷらっとこだまグリーン車エコノミープランは、東京名古屋間ではぷらっとこだまの普通車の1000円増しと破格の値段であり、もちろんのぞみの普通車よりもはるかに安い。のぞみよりも1時間10分余計にかかるが、特に急ぎの用事でもない限り、落ち着かない普通車で1時間40分過ごすより、落ち着いたグリーン車で2時間50分過ごす方が体は楽である。座席の広さもさることながら、静かで落ち着いており、乗客も少ないためである。700系を選んで乗ればなおさらである。それに、せっかくグリーン車に乗るならある程度長く乗らなければ勿体ない。好きな食べ物や飲み物、好きな音楽、好きな本を持ち込んでくつろいでいれば、3時間近い移動も苦にならない。のぞみの通過待ちのときにホームに降り立って息抜きをするのも良いものである。 ぷらっとこだまは主要駅相互間でしか利用できないし、予約変更もできないが、エクスプレス早特なら、3日前までに予約するという条件で利用でき、3日前までの予約という条件さえ満たされれば予約変更もでき、しかも主要駅以外でも利用できる。ぷらっとこだまよりも高いが、予約変更ができるのだから、値段に差があるのは仕方ない。2009年8月29日からは、IC早特も利用できるようになり、紙の切符を発券する必要がなくなる。 ビジネスの出張だと時間に余裕がないし、予約変更も伴うが、プライベートの移動なら列車を決めてしまってもさほど支障がないので、安く快適に移動することができる。ぷらっとこだまにせよ、エクスプレス早特にせよ、個人旅行客向けの価格差別なので、プライベートでは活用したいものである。

スピーカーを無線化したい

ThinkPad Xシリーズの伝統にたがわず、X200sにもモノラルスピーカーしかついていない。よしんばステレオスピーカーだとしても音質の上で満足の行くものではない。そうなると必然的に外部スピーカーに接続することになるが、せっかく持ち運びに便利なノートパソコンなのにスピーカーのケーブルに縛られるのは勿体ない。どうせなら無線化したいものである。 候補は2つある。1つはBluetoothスピーカーを使うことであり、もう1つはAirMac Expressを使うことである。手軽なのはBluetoothスピーカーである。折りしも、Windows Vista SP2からBluetooth 2.1がサポートされるようになった。少し調べてみたところ、A2DPという プロトコルによってアナログ音声をSBCという方式でエンコードし、スピーカー側でデコードするようである。デコードとエンコードを繰り返すというのは不安である。オプションでAACでも送信できるようであり、HDD上の音楽ファイルはすべてAACでエンコードしてあるので、これなら使えそうだが、対応しているスピーカーは限られているようなので、注意が必要である。音質も考慮すると、スピーカーの選択肢はかなり狭い。 Blutooth受信機を通常のスピーカーに接続するという方法もあり、これならスピーカーの選択肢が広いが、受信機は意外と少ない。また、ヘッドホンと一緒に使うことを想定してか、バッテリー駆動ばかりである。スピーカーから電源を供給できればよいのだろうが、普通のスピーカーにはそのような機能がない。 AirMac Expressは、Bluetoothの代わりに無線LANを用いた受信機であり、無線LANのルータとして使えるし、USBプリンタを接続することもできる。音声はApple Losslessで伝送され、AirMac Express側でデコードされる仕様である。Apple Losslessでエンコードされた音源ならスピーカーまでのノイズが最小化される。そのため、オーディオ機器としても評価が高い。無線LANとはいえ簡単に設定できるように工夫されているようである。iTunes側でAirMac Expressを識別すると、自動的にAirMac Expressに音声を送るボタンが表示される。しかし最大の問題は、iTunesの音声しか伝送されない

中華始めました

長らくThinkPad X24を使い続けてきたが、USB2.0に対応していなかったりして性能的にかなりつらくなってきた。HDDを換装するなどすればもう少し延命できたはずだが、いまやIDEのHDDは高価だし、USB2.0のPCカードなんて使い回しが効かない。本体重量は重いし、ディスプレイのバックライトも劣化している。せっかく大容量メモリが安い時代なのに、古い仕様の高価なメモリを買っても640MBまでしかメモリを増やせない。さすが延命のためにあらゆる投資をすると10万円くらいしてしまうので、それならむしろ新品を買う方が安いと判断し、新しいPCを買うことにした。5万円のネットブックですらHDD容量やメモリ容量は上である。 機種選定については長い間検討してきた。当初はアルミボディのMacBookにしようと考えていた。プライベートで使うならMacで十分だし、1台で何でもできるし、それに何よりもWindowsが入っていないという点で気分がよろしい。Mac OS XはUNIXなので、各種UNIXアプリケーションを走らせるにも便利である。iTunesで音楽を再生しながらUNIXアプリケーションを使えるのはMacだけである。値段もだいぶこなれてきた。しかし、2kgもあるので持ち運ぶには重過ぎる。MacBook Airなら軽いが、やはり大きすぎるし、それに無線LANのある環境でなければ使いものにならない。さらに、CDのリッピングの際には外付け光学ドライブを直接接続しなければならず、使い勝手が悪い。もちろん値段も高い。キーボードとポインティングデバイスについても、ある程度は慣れの問題とはいえ、ThinkPadの吸い付く感じとは違う。キーボードとポインティングデバイスとエディタと仮名漢字変換エンジンは、筆記用具としての使い勝手に直結し、ひいては文章にまで影響する。 そうこうしているうちに、ネットブックが多数出回るようになった。外出先でウェブを閲覧したり音楽を再生したりする分には十分な性能だが、キーボードが小さいので、せっかく持ち運びに便利なのに筆記用具としては機能しない。ディスプレイが小さいので、ウェブの閲覧もつらそうである。それに、小さい割にはさほど軽くなくて、10インチディスプレイのマシンだと1kgを越える。それならば、重さ1kg強の12インチのノートパソコンの方が使い勝手が良い。値段