スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

8月, 2009の投稿を表示しています

Vine Linux 5.0を入れてみた

もVineを使うことはあるまいと思ったものの、5.0が出たので、とりあえず仮想マシンに入れてみた。仮想マシンがあるとOSの評価に便利である。 最初にインストーラが起動しなかったり、インストール後に起動しなかったりしたが、メモリの割り当て量を増やしたら起動した。起動時に「前回のカーネルで起動する」というオプションがあるのは便利だと思う(実際に行使する機会は滅多にないが)。 立ち上がってしまえば、あとは他のLinuxとそう違わないように見える。実際の使い勝手の違いを実感するためには、それなりの期間を要するだろうが、そうしてみようという気にはなれなかった。昔から使ってきた人には魅力的なのかもしれないが、そういう人たちにアピールするには変更部分が多いようである。 唯一実感できたのは、起動と終了が速いことである。古いハードウェア向きの軽いOSとしては便利なのではないだろうか。

スマートグリッドは本当に実現可能なのか

日本では電力会社が発電と送電の両方を担っており、電力需要に合わせてきめ細かく供給を調節している。送電線に通信回線を併設して、電圧の情報を収集し、集中的に制御している。各地に風力発電や太陽光発電の施設ができると、電力会社がそれを買い取らされて、その残りの電力需要を石油火力発電で調整している。 最近はスマートグリッドと称して「情報技術を活用して分権的に需給を調整する」みたいな話が出るが、本当にそんなことができるのか疑わしい。分権的に発電するためには、需要と供給とを調整する仕組みが必要である。需要と供給の調整手段として真っ先に思い浮かぶのは価格メカニズムだが、価格メカニズムというのは市場全体の姿の概略を記述した程度のものでしかなく、電力のように需要と供給のマッチングを厳密に行うような状況で、品質を厳格にコントロールできるような代物ではない。 もし電力に品質を求めるなら、誰かが責任を負わなければならない。しかし連帯責任は無責任なので、電力が不足するなら発電しようかなと思う程度で、できなければ無理はしない。電力はサービスと同様に貯蔵できないので、電力が余れば電圧が上昇するので回路を切断しなければならないし、電力が不足すれば、少なくとも一時的には電圧降下が避けられない。なぜなら、供給の不足が価格という情報に反映されて人間の意思決定に影響するのにはタイムラグが伴うからである。このタイムラグを無くす仕組みがなければ電力の品質を確保することはできない。 単純素朴に考えれば、電力供給に対する責任を負うなら、責任を負わない発電業者よりも高い値段で電力を買い取ってほしいものである。しかしそれは現在の電力会社の姿に他ならない。結局電力会社にとっては、コントロールできない発電所が増えるばかりで、既存の石油火力発電所の稼働率が下がるだけということになる。電力会社が抵抗するのも無理はない。 分権的な市場メカニズムよりも、契約ベースで自動的にコントロールする方が有望だろう。 電力供給が不足するときには、重要度の低い所への供給を自動的に遮断するという方法があり、これはスマートメーターで実現しようとしていることである。需要が逼迫しているときには供給されない代わりに、供給に余裕があるときには格安で手に入る電力というのは、使い方によっては魅力的だろうから、契約形態によっては可能かもしれない。例えば、平日の昼

鉄道版漫画喫茶が欲しい

漫画喫茶が好まれるのは、漫画を個人で所蔵するのが効率的でないからである。飲み食いできてネットもできる有料の図書館に行って、見たいときに見たいものを見る方が住環境に良い。どんなに大量に溜め込んだところで人間の脳で処理できる情報量には限りがあるのだから、読みたい分だけ読めれば十分である。 一部に漫画喫茶を時間潰しや生活の場所にする人もいるようだが、生活の場所にするにはさほど割安でも快適でもないし、時間潰しが目的なら、スターバックスみたいな店にネットブックを持ち込む方が安上がりだろう。 そういうわけで漫画の充実した漫画喫茶は多いが、どういうわけか鉄道の雑誌や書籍を所蔵する漫画喫茶というのは聞いたことが無い。時刻表のバックナンバーなんて個人で持つにはかさばりすぎるし、鉄道関係の雑誌や書籍にしても同様である。いわば、書泉グランデ6階がそのまま漫画喫茶になったようなイメージである。 どうせ鉄道版の漫画喫茶にするなら、内装も鉄道関係のものにするとよいだろう。座席はもちろん鉄道車両の座席で、普通車、グリーン車、寝台車と各種取り揃えるのがよい。食堂車やロビーカーもあればよい。代金の支払いは切符を買って自動改札口を通る方式がよい。切符を買う代わりにモバイルSuicaを使う方式も面白いだろう。 鉄道は技術の裾野が広いので、いろいろな会社で協業して鉄道の見本市みたいな空間にすると面白い。せっかくなので、鉄道博物館の一角にそういう空間があるとよいのではないだろうか。むしろ、そういう空間で快適なサービスを提供しようとすることにより、本業の鉄道サービスでも有用なヒントを得られるかもしれない。

バイオマス燃料の物流

電力は本質的に地産地消の資源なので、発電してから送電するよりも、燃料を火力発電所の近くまで輸送する方が効率的である。さすがに水力発電のために水を輸送するのは難しいが(川の下流では落差を稼げないので、発電機を回せない)、火力発電なら燃料を運んでくればよい。 化石燃料で火力発電を行う場合には、燃料の水揚げの都合上、大都市付近の港湾付近に発電所を立地することになる。一方、国内のバイオマス燃料で発電するなら、そのために最適化された立地ならびに物流のスキームが必要である。 電力需要があるのは結局のところ大都市なので、バイオマス燃料を大都市付近の発電所まで運ぶのが効率的である。問題はコストである。普通にトラックで運んでいては輸送コストがかかりすぎて燃料としての競争力が得られない。 しかし物流には隙間があるので、それを活用すればよい。メール便が安いのは、大口貨物の隙間を利用するからである。隙間輸送なら集配と仕分けの費用しかかからない。 特におがくず等のバイオマス燃料は軽量だし、袋に入れれば自由に形を変えることができるので、隙間に詰めやすい。場合によっては梱包材よろしくクッションとして活用することもできる。タダ同然の値段で調達してタダ同然の値段で運んでくれば競争力が出るだろう。幸いバイオマス燃料の生産は小口なので、そういう小技が効くのである。 隙間といっても、必ずしも小さなスペースとは限らない。沿岸部から内陸部へ一方通行的に輸送されるものがあれば、帰りにバイオマス燃料を輸送することで稼動を効率化できる。沿岸部から内陸部へ一方的に輸送されるものとして典型的なのは石油である。タンク貨物列車が沿岸部の製油所から内陸部のオイルターミナルまで運行されているが、帰りは積荷が空である。他方、バイオマス燃料は内陸部から沿岸部に一方的に輸送されるものなので、そこにバイオマス燃料を積めば、輸送効率が向上する。もっとも、石油タンク貨車に果たしてバイオマス燃料なんて入れることができるのかという問題はあるが、どうせ燃料にするなら少しくらい石油がついたって困らないので、タンクが汚れなければよいのだろう。ホッパー車とタンク車を兼用するような貨車を新たに設計できれば、それに越したことは無い。 さて、ではどうやってタダで運んでもらうかというと、隙間を利用してバイオマス燃料を輸送する業者に対して、見返りに排出権を与え

バイオマス燃料の熱エネルギーと水資源の分離

バイオマス燃料が化石燃料ほど広く用いられないのは、水分が多くて熱量が乏しいからである。水はそれ自体燃焼しないので、燃焼炉の中ではエネルギー効率阻害要因である。水分を脱水すれば熱量が増えるが、脱水するためには当然熱エネルギーが必要である。しかし、植物には光合成により炭化水素を生成する機能があるだけでなく、淡水を保持する機能もある。炭化水素も淡水も共に貴重な資源である。分離していれば極めて有用であるにも関わらず、混在しているために互いの価値を相殺している。 バイオマス燃料から炭化水素と水分とをうまく分離する方法はないものだろうか。既にいろいろ工夫されているだろうから、素人考えで簡単に解決するとは思えないが、次のような仕組みを考えてみた。 まずバイオマス燃料を加熱して水分を蒸発させる。ここまでは通常のバイオマス燃料の燃焼過程である。次に、蒸発した水分を取り込み、加熱して蒸気タービンを回して発電する。脱水した燃料が得られるので、それをボイラーで燃やし、脱水されていないバイオマス燃料を脱水することと、水蒸気を加熱することとに用いる。 このようにすると蒸気タービンを回すための水と蒸気を発生させるための燃料とを同時に得ることができる。蒸気タービンを回した後の水を蒸留すると、植物から淡水を得ることができる。最終的には、バイオマス燃料から電力と淡水とが得られる。 上記においてすぐに気づく問題点は、水蒸気と煙とをどのように分離するかである。タービンを回すだけなら、通常のバイオ燃料燃焼炉と同様に水蒸気と煙とが混ざっても、単に熱効率が悪いだけで済むかもしれないが、最終的に蒸留水を取り出すことを目指すなら、最初から混ざらないようにしたい。一旦混ざったものを分離するにはエネルギーが必要だからである。 水分が蒸発しきるまでは炭化水素が燃焼することはないので、てんやの天ぷら揚げ器よろしく、ベルトコンベア式に脱水工程と燃焼行程を経るのがよいのではないだろうか。水分が蒸発しきってから燃料が発火するまでの温度差をうまく確保できれば何とかなりそうな気がする。 燃料としてボイラーで燃やす際には、その熱が脱水すべきバイオマス燃料に当たるようにする。そのため、バイオマス燃料を工程に応じて移動させる技術が必要になる。脱水させる場所が上にあり、その真下に燃焼炉があるようにする。水分を多く含むバイオマス燃料を脱水させ

Suicaインターネットサービス

2009年7月27日から「Suicaインターネットサービス」が開始された。Edyと同様にPaSoRiを用いてPCからチャージしたりネット通販の決済に使えたりするようである。機能的にはEdyに追いついただけであり、特筆すべきことはない。 Suicaの場合、駅の券売機でクレジットカードからチャージできるし、クレジットカードに付随するSuicaならオートチャージも使えるので、今更PaSoRiを使えるようになることのメリットは乏しいのではないか。それに2009年7月25日からは、クレジットカード付属のSuicaのみならず普通のSuicaでも登録すればいつでもどこでもチャージできる。 むしろ、カードタイプのSuicaでオートチャージできるようにしたときの副産物なのではないだろうか。クレジットカード付属でないSuicaでオートチャージを利用できるようにするためには、クレジットカードと紐づけて登録する必要がある。現在は駅のビューアルッテで登録作業を行う運用だが、ソフトウェア的に紐付けを実装できるなら、さほど費用をかけずにPaSoRiで使えるようにすることができる。 せっかくなので、ローソンのようなクレジットカード払いのできるコンビニでもオートチャージできればありがたい。両替のために小額の買い物をするような要領で、オートチャージのついでにコンビニで買い物するようになるだろうから、コンビニにとってもメリットがあるのではないだろうか。現状では電子マネーの手数料率は10%程度とクレジットカード利用よりも高いが、オートチャージの際には逆にコンビニに手数料が支払われるようにして、両者を相殺できるようにすれば、コンビニの負担も減るのではないだろうか。 ネックになるのは、ビューカード自体は現在はコンビニでは使うことができず、提携しているJCBなどのカードという扱いであることである。これについては、上記のメリットを通じてビューカード加盟店になってもらうことで解決できるが、逆に決済額が膨大になるので、JRにとって負担かもしれない。

EX-ICと金券ショップ

最近の金券ショップでは、新幹線の切符をあまり積極的に扱っていないようである。かつては新幹線エコノミー切符のバラ売りが主流だったが、金券ショップ対策で新幹線エコノミー切符も新幹線ビジネスきっぷも廃止され、さほど割引率の高くない回数券しか流通しなくなった。さらにエクスプレス予約が導入されると回数券にも価格面での優位性が無くなってしまい、ビジネスユーザーはエクスプレス予約にシフトしてしまった。 さらに、EX-ICやモバイルSuica特急券では、切符が個人の携帯電話に紐づいており転売できない。エクスプレス予約で紙の切符を発券する場合でも、大量に重複して予約を入れることができないので、転売するメリットがない。これらの仕様は金券ショップ対策だともいえる。 というわけで、そもそも金券ショップで新幹線の切符を買うという発想が無くなっていたことに改めて気がついた。買い手がつかなければ売り手も出ないわけで、有効期限間際の回数券が極端な安値で出ることはあるが、買い手の興味を引かないので、かなり安くしないと売れず、そうすると売り手にとってもメリットがないので、ますます市場が縮小する。 JRが携帯電話による新幹線の予約で、金券ショップに対抗できる価格を提示したのが大きいだろう。発券窓口を縮小することによる経費低減や、個人の購入履歴を収集することによるメリットがあってのことだろうが、やはり金券ショップに対抗できる価格をつけなければ今のように普及することはなかったのではないだろうか。 金券ショップでは国内航空券はまだ扱っているようである。国内線はチケットレス化に関しては新幹線より先行しているが、値段がまだこなれていないのだろう。本来航空券の方が搭乗者と紐づいているものなので、値段がこなれれば金券ショップから姿を消してもおかしくない。コンサートのチケット等も新幹線と同様に個人の携帯電話に紐づかないとも限らない。残るのは商品券等の現金に近いものだけになるだろう。商品券や切手などはまだ扱っているようだが、なにぶん薄利多売の商売なので、稼ぎ頭の新幹線の切符の扱いが減ると採算にかなり響くのではないだろうか。 大黒屋のようにもともと質屋だったところはブランド品や家電の安売りにシフトしているようだが、実物を扱うと場所を取るので、純然たる金券ショップにとってはつらいだろう。それに、今ではYahooオークションや

ワイドビューしなのに乗ってみた

中津川から塩尻までワイドビューしなのに乗ってみた。山岳路線ながら表定速度が時速90kmを越えており、在来線特急としてはかなり速い部類である。 乗り心地は上々で、振り子動作中もほとんど気にならない。窓は大きく、シートピッチは広く、座り心地は良い。先頭電動車の車端部に乗ったが、特に乗り心地上の問題はなかった。 残念だったのは、単線区間で分岐器を通過するときに速度制限がかかっていたことである。せっかく曲線通過速度が高くても、分岐器で時速45kmの速度制限がかかっていては勿体無い。高山本線のように時速110kmで走行可能な両開き分岐器を導入すればこの区間で数分早く走れるのではないだろうか。ただし、スピードを感じないのは乗り心地が良いからだともいえるし、単線区間ではダイヤが乱れたときに回復しにくいので、余裕時間をたっぷり取っているのかもしれない。 国鉄時代にはこの区間で複線化や新線への切り替えが積極的に進められたが、JRになってからは複線化は行われていないようである。しなのはJR東日本に乗り入れる列車となり、増発が困難なので、増結で対処している。貨物列車や普通列車の本数は少ないので、たしかに増発のために複線化する誘因はない。それならば現状の単線を維持することを前提に、分岐器通過速度を向上するのが投資効果が高いといえるが、既に名古屋長野間の所要時間が3時間を切っており、高速道路に対しても時間的な優位性があるため、これ以上しなのの所要時間を短縮しても収益には影響がないということだろうか。