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10月, 2016の投稿を表示しています

小田急ロマンスカーEXEの更新

2016年10月20日の小田急のプレスリリース でロマンスカーEXEのリニューアルが発表された。主な更新内容は以下の通りである。 【制御器の更新】 1000形更新車や70000形と同様のフルSiC適用VVVF制御装置の採用。制御器の更新に伴い、1M2Tベースのシステムから1M1Tベースのシステムになり、10両編成で従来の3.5M6.6Tから5M5Tになった。併せて全密閉式電動機を採用することで騒音を低減。EXEは電動車の騒音が大きく付随車との間の当たり外れが大きかったので、騒音の低減はありがたい。 【内装の更新】 EXEは乗る分には快適だが、新造から20年経過して内装が少々くたびれていた。外観がどんなにかっこ悪くても乗ってしまえば気にならないが、内装は気になるので、内装がきれいになるのはありがたい。木目調の落ち着いた内装だが、観光を意識してか座席は明るい青系の色になっている。更新前は青系の化粧板にブラウン系の座席だったので、色が反転したことになる。たしかに木目調の内装にブラウン系の座席だと車内が暗くなってしまうので、どこかでバランスを取る必要がある。 VSEでは白系の内装にオレンジ色の座席、MSEでは明るい木目調にグレーの座席なのに対し、EXEでは暗い木目調の内装なので、座席がグレー系やブラウン系では暗すぎるし、かといってVSEのようなオレンジ系だと明るすぎるし暖色どうしで被る。モスグリーン系だと阪急電車みたいで若干古い印象になるし、黄色だとE6系新幹線みたいで実車に乗ると意外と落ち着かない。寒色系で暗すぎず明るすぎず落ち着いた色ということでブルー系が選ばれたのだろうか。 【塗色の変更】 従来のハーモニックパールブロンズ(通称黄土色)の単色塗装にヴァーミリオンのアクセントカラーから、上半分がシルバーメタリック、下半分がダークブラウンで窓下にヴァーミリオンと白の細い帯の入った塗色に変更になった。 VSE以降のロマンスカーの新造車はすべて単色塗装で、更新前のEXEも単色塗装だったので、てっきり更新時も従来のハーモニックパールブロンズをベースに窓下にヴァーミリオンの帯を入れる程度の塗色変更かと予想しており、ツートンカラーの採用は意外だった。しかし本来車体形状と塗色は一体でデザインされるものであり、塗色のみを変更して原型以上のものを生み出すのはとて

小田急70000形ロマンスカー

2016年10月20日のプレスリリースで 新型特急ロマンスカー「70000形」の製造を決定 したことが発表された。 7000形LSE車の置き換えはいずれ必要なので特急車を新造すること自体は予見されていたが、せいぜいEXEの更新予備として60000形MSE車を新造し(実際、2015年度に10両新造されている)、EXEの更新が終わったタイミングでさらに4両~6両新造したLSE車を置き換えるのではないかと予想していた。MSEは汎用性が高く扱いやすいし、まだ4両編成は数が少ないのでもう少し数が増えた方が運用しやすいのではないかと思ったためである。それに、ラッシュ時に特急を増発するなら一部を地下鉄直通にしないと新宿駅での折り返し容量が不足する。 今回新形式を起こした背景としては以下が考えられる。 2008年のMSE投入から10年近く経過しており、そろそろ次形式に移行するタイミングにある。 展望席には依然として人気があり、展望席を持つLSE車の置き換えのためには展望席を持つ車両の投入が必要である。 通勤輸送を考えれば6+4編成の方が扱いやすいが、6+4編成だと箱根湯本乗り入れは6両になり、ピーク時の小田原箱根湯本間の輸送力が不足する。 連接車のVSEは車体傾斜制御や自己操舵台車といったギミックが多く搭載されており扱いにくい。 複々線化完成でラッシュ時に特急を増発できることになり、特急車の増備が必要。 そうして登場するのが20mボギー車7両編成で展望席付きの70000形である。展望席付き編成はVSEと合わせて4編成なので、ピーク時には1時間ごとに展望席付き列車を走らせることができる。 【新造費用】 ギミックてんこ盛りのVSEの新造費用が2編成で35億円だったのに対し、70000形は比較的コストの安いボギー車であるにも関わらず、2編成で40億円の新造費用を見込んでいる。一体どこで費用がかかっているのだろうか。 【座席定員】 VSEの358人に対して70000形では400人と増えている。もしかしてピーク時にはVSEよりも70000形の方が優先して充当されるかもしれない。NSEやHiSEが現役だった頃もピーク時には座席数の多いNSEが優先的に充当されていた。座席定員が増えているということは座席以外のスペースが簡略化されているということ