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Kaeruくんを使ってみた

田舎の駅にしかない「Kaeruくん」を使う機会を得た。基本的には指定席券売機と同じなのだが、遠方の係員が旅客と対話しながら操作して発券する仕組みである。サラ金の無人契約機と同様、旅客が指定席の申込書類を記入した上で、係員を呼び出す。申込書類をスキャンする場所があり、そこに申込書類を置くと係員が内容を読み取って操作してくれる。係員が遠方にいることを除けば、有人窓口と全く同様である。 指定席券売機の操作はさほど複雑だとは思えないが、それでも慣れない人には煩雑だろうから、特に田舎では係員が遠方から操作する仕組みの方が導入しやすいかもしれない。また、端末を操作する係員が集中している方が、スキルを投入しやすいため、ハズレの係員を減らすことができる。遠隔操作のため地方の職員を活用することができ、現に盛岡のコールセンターに業務を委託している。 ところが、さまざまな利点の割りにはまだ一部の地域でしか普及していない。処理の時間がかかるのと、駅の無人化を地元住民が懸念しているためのようである。集中して処理できればメリットも大きい反面、端末を操作する係員が広大な地域の知見をカバーしなければならないため、迅速な操作が難しいのかもしれない。 窓口係員を集約する意味があるのは、有人窓口の稼働率の低い田舎の駅だけである。都心部の駅のように稼働率が高い場合には、普通の有人窓口の方が処理が早いし、そうでなければ捌き切れない。慣れている乗客は自分で指定席券売機を操作するのでKaeruくんの入り込む余地がない。 都会の駅では、みどりの窓口が無くても普通の指定席券売機しかないが、普通の指定席券売機が受け入れられるなら、人員削減の点ではこちらの方が有利である。また、都会なら、数駅先には普通のみどりの窓口があるので、無いよりはましという理由で受け入れられやすいのだろう。