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もし北陸新幹線が越後湯沢で分岐していたら

北陸新幹線を新規に建設するとしたら、高崎から上越妙高まで建設するよりも、既に上越新幹線のある越後湯沢駅で分岐するのが最短距離だし建設距離も短いのではないかと思えてくる。 しかし、最初の越後湯沢の分岐から難しい。越後湯沢駅の両側はトンネルに挟まれているので、立体交差で分岐するとしたら現在ガーラ湯沢駅となっている留置線への分岐を活用するしかない。越後湯沢駅は島式2面6線で中央の2線がホームのない本線である。留置線に分岐できるのはホームのある線路からなので、越後湯沢駅進入時に必ず速度制限を受ける。留置線への分岐にしても、本線としての勾配ではないし、信号システムは単線並列だったりするので、少なくともガーラ湯沢駅を抜けるまでは速度制限を受ける。関東を北陸とを結ぶ列車が必ずしも越後湯沢駅に停車する必要はないのだが、 停車させざるを得ないし、仮に通過しても所要時間への寄与はほとんどない。 ガーラ湯沢駅を抜けたら石打丸山スキー場の横を抜けて十二峠の下をトンネルでくぐって越後田沢駅方面に向かうのだが、信濃川沿いの盆地は比較的平らなのでここを高架橋で抜けるとしても標高差が大きく、規格外の急勾配ができてしまいそうである。 越後田沢駅付近で飯山線とほぼ直角に交差してまつだい付近で直江津駅に向かうことになるだろうが、この付近は地盤が悪く、トンネル工事史上悪名高い鍋立山トンネルがある。ここにトンネルを掘ろうとしたらトンネル工事が理由で開業が遅れそうである。 山を無事に抜けられたら国道253号に並行して直江津駅に向かうだろう。飯山駅経由のルートと違って、無理なく直江津駅を経由できる。あとはトンネルで一直線に能生に向かい、そこから先は現在のルートと同じになる。 ということを考えてみると、やはり北陸新幹線を越後湯沢から分岐させるのは技術的に厳しいのではないかと思えてくる。もともと碓氷峠の補機連結解消のために高崎軽井沢間でフル規格新幹線の建設が決まっていたので、それを延長する形の長野経由の方が技術的にやりやすいだろうし、たとえ建設費が余計にかかっても沿線人口の多い地域を通って収益を上げる方がよいかもしれない。

もし上越新幹線が十日町経由だったら

上越新幹線が十日町経由でなく浦佐経由だったのは土木技術的にそちらの方が有利だったからということで決着がついており、田中角栄による裁定も、土木技術的に合理的な解を選ぶという号令だったのではないかと推測する。上越線が建設された頃はわざわざ山を越えるまでもなく魚野川沿いに線路を通すのが合理的だったし、関越道が建設された際にも沿線人口の多い六日町小出経由のルートが選ばれた。過ぎたことではあるが、ではもし上越新幹線が十日町経由だったらどんなルートになっただろうか。 まず越後湯沢から十日町にかけてだが、山越えとはいってもそんなに長いトンネルは必要ない。北越急行の六日町から十日町にかけての区間の大半は赤倉トンネルという長大トンネルだが、これは六日町から十日町までまっすぐ結ぶと山と直交する形になり、勾配を一定以内に収めようとしたら必然的に長大トンネルになってしまうためである。それに対して越後湯沢から十日町までまっすぐ結ぶルートは山と斜めに交わる。そのため短いトンネルで標高を稼ぎ、トンネルの切れ目をスノーシェッドでつなぎ、ちょうど山の切れ目である大沢峠の下に少し長いトンネルを掘るだけで済む。大沢峠の下には現在新潟県道76号の大沢トンネルが通っており、このルートが越後湯沢と十日町とを最短で結ぶ道路ルートである。大沢峠から十日町にかけては新潟県道82号に並行するルートになり、ここだけはやや勾配が大きくなる。十日町駅付近が標高150m、大沢峠の下がだいたい標高400mくらいなので、このままでは十日町付近で30‰勾配になってしまう。勾配を緩和するためにはトンネルを長くする必要がある。越後湯沢駅付近は標高350mなので、越後湯沢駅から緩い勾配で下れば十日町まで約20kmで標高差200mなので平均勾配10‰である。十日町経由のルートが採用されなかったのは、この区間の勾配とトンネルの長さが不利に作用したためではないだろうか。 十日町の市街地は飯山線の線路に並行するか飯山線の線路の真上に高架橋を建設するなりすれば用地買収を最小限にできる。十日町から先も飯山線にほぼ沿って北上し、飯山線が北東に向きを変えてもなおまっすぐ北上して信濃川の幅の狭い所を橋で越えて、丘陵地をトンネルでショートカットすると小千谷市街に出る。市街地を避けるとなると関越道小千谷インター付近に新幹線単独駅を設置することになるだろう。上

憧れの職場は洗脳の巣窟

ANAのCAがマスク着用を強硬に求めたらしい。その前には三越の警備員がマスク着用を強硬に求めたようだ。きっと本人は正しいことをしたと思っているのだろう。マスク着用が新型コロナウイルスへの感染を抑止する効果が本当にあるのだったら、マスク着用率の高い日本で未だに新型コロナウイルスへの感染者数が飛び抜けて多いはずがないので、何かがおかしいと気がつくはずなのだが、なまじ組織への忠誠心の高い人は理不尽な命令にも従ってしまう。 日本ではどういうわけか一部の人の間でCAの仕事に人気があり、CA志望者にとってANAは間違いなく第一志望の憧れの職場である。ANAとJALの両方から内定が得られたらどちらに行こうか迷うかもしれないが、ANAとスカイマークの両方から内定が得られたら大半の人がANAを選ぶだろう。そのようにして入社した人は自分よりも職場を上に置いてしまう。看板の立派な会社は、自分よりも職場を上に置く人ばかりなので組織への忠誠心の高い職場である。そういう職場では上から言われたことは理不尽なことであっても忠実に実行しようとする。何かがおかしいと気づいた人はひっそりと辞めていくから、さらに組織への忠誠心の高い人ばかりが残る。 もちろん業界で生き残るためには監督官庁に逆らうわけにいかない。監督官庁が理不尽な指示を出したら従わざるを得ない。それでも真面目に従うか、あるいは従っている振りをするに留めるかについては会社に裁量の余地があって、最も強硬なのは指示に従わない乗客を叩き出すこと、最も緩いのは放送で呼びかけるだけに留めることである。会社は顧客から嫌われても生き残れないので監督官庁の意向と乗客の意向との間でバランスを取る必要がある。監督官庁の言いなりで生き残れるのだったら苦労はない。しかし、その匙加減を決められるのは経営者であって、末端の従業員の裁量の幅は乏しい。ペーペーと直接やり合うのは無駄である。 そういうわけで、誰もが憧れる職場ほど自浄作用が働きにくい。傍から見たら荒唐無稽であっても本人は大真面目である。こういう職場では組織の方針を決める経営者の役割が大きい。バランスを取る上で難しいのは、監督官庁からの指示は比較的わかりやすいが、不特定多数の顧客の意向はよくわからないことである。「こんな頭のおかしな会社とは関わりたくない」と思う人は黙って去っていくので、気がついた頃にはすでに顧客

へんなきかんしゃ

【蒸気タービン機関車】 ピストンの代わりにタービンで蒸気の運動エネルギーを動力にする蒸気機関車。タービンは部分負荷で熱効率が悪い。そのため、過去に製造されたことがあったがピストン式に淘汰された。 【電気式蒸気機関車】 ボイラーで蒸気タービンを回して発電して、電気モーターで走行する。蒸気機関が発電専用になり最大負荷で運用できるため熱効率が改善するほか、モーターの制御をインバータで行うので、蒸気機関の構造がシンプルになり、運転も容易。 【蒸気式電気機関車】 架線集電した電気でボイラーを沸かして蒸気を動力として走行する。煙を出さないのできれい。ちなみに電気ボイラーで蒸気タービンを回して発電すると単なる熱損失の大きい電気機関車になってしまう。 【石炭ガス化内燃機関車】 石炭をガス化炉でガス化してガスエンジンと液体変速機で走行する。石炭をボイラーで炊くよりも排気がきれい。 【石炭ガス化燃料電池機関車】 石炭をガス化炉でガス化して燃料電池(SOFC)で発電して電気モーターを回す。石炭はエネルギー密度が高く、貯蔵も容易。SOFCからは二酸化炭素と排熱が出るが、煙突から排出すればよい。 【水電解燃料電池機関車】 架線集電で水を電気分解して、取り出した水素を燃料電池(PEFC)で発電して電気モーターを回す。水なら常温で液体なので水素や都市ガスよりも貯蔵が容易だし、水なら容易に入手できる。 【軽油燃料電池機関車】 ディーゼル機関車と同様に軽油を燃料とするが、内燃機関の代わりに燃料電池(SOFC)とモーターで走行する。出力が小さい場合には内燃機関よりも燃料電池の方が熱効率が高い。 【蒸気機関で発電する磁気浮上鉄道】 磁気浮上鉄道の動力源は地上にあるので、高効率の大型石炭火力発電所で発電できる。中部電力の火力発電所の電力でリニア中央新幹線を走らせればこの方式になる。ということはリニア中央新幹線は未来のSLだったのか。

もし新富士駅が東海道線との交点にあったら

新富士駅は他の軌道系交通機関と接続していない。現在の立地に決まったのは用地の提供を受けられたとか、都市計画上立地が良いとかいった理由があるだろうし、地元の人は駅まで車で乗り付けるだろうから現在の場所で十分だろうが、この地域を訪問する際には不便なので、もう少し何とかならなかったものだろうかと思う。 素人考えでは、東海道線と交差する場所に新幹線駅があれば便利なのではないかと思う。在来線との乗り換えができるし、岳南鉄道の線路が近くを通っているので、旅客列車のみ新幹線駅まで線路を引き込めそうである(貨物列車については従来通り吉原駅を使用する想定。三岐鉄道において旅客列車が近鉄富田駅に発着し貨物列車がJR富田駅に発着するのと同様)。岳南鉄道に乗り換えられれば富士市の中心部の吉原中央まで電車で行ける。 身延線の列車が新幹線駅まで乗り入れれば富士宮まで電車で行ける。現状では鉄道利用が不便なので、東京から富士宮まで高速バスが利用されている。 道路交通の結節点としても良い場所である。この場所から東名富士インターまで道路がまっすぐ伸びているし、すぐ近くには国道1号のバイパスが通っているので、東西方向の移動にも南北方向の移動にも便利である。 問題となるのは用地である。新幹線と東海道線の交差部よりも西側には用地がない。もし駅を作るとしたら交差部の東側の、現在チップヤードとなっている土地がよいだろう。その場合、新幹線ホームと在来線ホームとが少々離れてしまうがやむを得ない。しかしそれでも土地が狭く、パークアンドライドに不可欠な駐車場のためのスペースが不足するし、周囲が工場や倉庫に囲まれているので駅前の発展の余地がない。駅用地および周辺の土地の確保については、やはり現在の場所の方が有利である。

20系客車にはなぜ電源車が導入されたのか

日本で客車列車が衰退した理由はいくつも挙げられるが、そのうちの一つは、機関車に客車向けのサービス電源を提供する機能が無かったことである。世界的に見て、旅客用機関車が客車にサービス電源を供給するのが常識であり(その代わり機関車を付け替える際にエアコンが止まる)、客車を牽引する機関車にサービス電源提供機能が無い日本の機関車は異質である。 20系客車は全車冷房車という点で画期的な存在だったが、当時の機関車に冷房をまかなえるほどの大容量の電源を供給できる機能が無かった。本来ならば20系客車に合わせてサービス電源を搭載した専用機関車が開発されてもよかったのだが、非電化区間では蒸気機関車が牽引しており、蒸気機関車は大容量の発電機を搭載していない。ディーゼル機関車なら発電用エンジンを搭載すればサービス電源を供給できる。特に電気式ディーゼル機関車なら走行用に発電した電力の一部をサービス電源に振り向ければよいので、さほど機器を追加せずにサービス電源を供給できる。実際、アムトラック等の北米のディーゼル機関車はこの方式である。しかし当時のDF50は電気式ゆえに重量が大きい割に走行用エンジンですら出力が過小で幹線での客車牽引に耐えなかったし、その後本線用機関車としての地位を確立したDD51は液体式なのでサービス電源のためには別途専用の発電機を搭載する必要があった。電気式ディーゼル機関車が本線用に実用化したのはJRになってからのDF200からだが、その時点では客車列車がほとんど消滅していたので、JR九州がななつ星用のDF200を発注した際にも機関車にはサービス電源を持たせず、客車側にディーゼル発電機を搭載する従来の方式を踏襲している。もっとも、機関車にサービス電源を搭載するとただでさえ大きい軸重がさらに大きくなってしまうので、軸重に余裕のある客車側にディーゼル発電機を搭載せざるを得ないという事情もあろう。 客車側にディーゼル発電機を搭載するというのは固定編成を前提とした考え方であり、分割併合を前提にした12系や14系でも固定編成であることに変わりない。しかしそれでは1両単位で増解結する一般型客車には冷房を搭載できない。実際、50系客車は非冷房で落成した。しかしその後しばらくして普通列車の冷房化が進展したので、冷房を搭載できない一般型客車は時代遅れの存在となった。 14系客車の火災事故をきっか

EF61はなぜブルートレイン牽引機になれなかったのか

戦後の旅客用直流電気機関車の歴史をたどると、まずEF58がいて、EF61が18両だけ製造された後はブルートレイン用にEF60の500番台やEF65の500番台P型といった貨物用機関車ベースの機関車が続く。牽引力と定格速度とを両立できたのはEF66になってからだが、これは言わずと知れた高速貨物用機関車である。どうして旅客用機関車が打ち止めになってしまったのだろう。 EF58は定格出力1900kW、定格引張力は10,250kgで、弱界磁定格速度87km/hと、旅客用で高速向けの設計ながら牽引力が不足し、特に編成長の長い東海道線では単機では牽引力が不足していた。 EF58の後継として製造されたのがEF61で、こちらは貨物用のEF60がベースながら、歯車比を下げて弱界磁定格速度を76km/hまで引き上げたのに加え、一般客車の暖房用に蒸気発生装置(SG)を搭載していた。定格引張力もEF58の1.8倍の18,000kgあったので、EF58の重連をEF61単機で置き換えることができた。当初はEF58の代走でブルートレインを牽引することもあったようだが、ブルートレイン牽引用にEF60の500番台が導入されてからはブルートレインを牽引せずに、以降徐々に旅客列車牽引運用を減らしていったようである。 よくわからないのは、なぜすでにEF61がありながら、全界磁定格速度39km/hのEF60後期型ベースの500番台がブルートレイン用に導入されたかである。案の定、高速運転に不向きで、数年でEF65に置き換えられている。EF65が不足したときの代走はEF60の500番台でもなければEF61でもなく、EF58であった。そのEF65とて、山岳路線用のEF64から抑速ブレーキ等の山岳路専用装備を省略した貨物用機関車であり、全界磁定格速度が向上したとはいえ、やはり100km/hでの連続運転では負荷が高い。それは1000番台PF型とて同様である。 もしEF60の後期型をベースに歯車比を下げて高速性能重視にしたEF61後期型(500番台?)を製造していたらもっと長く使えていたのではないだろうか。EF61はEF60の前期型がベースだったのとEF58後継で急行列車と普通列車の牽引が想定されていたことから最高速度95km/hだったが、モーターの出力が向上した分を高速性能に振り向けていたら110km/h運転もできた

子供に大人の仕事を見せよ

学校教育が良くないのは、子供を学校に隔離して大人の仕事を見る機会が与えないことである。学校の中で身近に仕事をしている大人は教師しかいないが、教師というのは仕事をしている大人の見本としてはあまり良くない(「あまり良くない」というのは「悪い」の丁寧表現である)。 本来ならば、普段から大人が仕事をしているのを間近に観察して、その中で興味のある仕事があれば話を聞いて教えてもらい、そういう経験を積みながら自分の仕事を選んでいくのが一番良い。学校には学校の役割があるだろうから、昼間に学校で勉強することを認めるとしても、せめて放課後くらいは大人が仕事をしているのを見た方がよいのではないか。部活なんかやっても子供と教師にしか接する機会がない。 しかし、学校には兵士を養成する軍隊および監獄としての機能と、親に手間をかけさせないための託児所としての機能が求められているので、親も教師も放課後に子供が自由に動き回ることを良しとしない。子供を自由にしたら盛り場に出て悪い大人にそそのかされてヤクザになるくらいにしか思っていない。悪い大人にそそのかされることなく学校で勉強して大学を出ていい会社なり役所なりに入ることを子供に期待している。「子供元気で留守がいい」という考え方で、とにかく時間を拘束して体力を消耗させて余計なことを考えないように仕向ける。 実際には、子供のすべてが将来ヤクザになるわけではないし、むしろ大半の人はヤクザにはならない。そもそも大半の人は夜の盛り場になんて行こうとしないし、仮に行くとしても危なそうな人達には近づかない。逆にヤクザになるような人は学校で勉強し続けることをよしとせず、学校に行かずに結局ヤクザになるのだから、学校に隔離しようとしても無駄である。働いている大人を悪い人だと決めつけるのは教師の仕事しかしたことのない教師の偏見である。教師が一体何様のつもりなのか。自分で物を作れる人や手を動かして価値を生み出せる人達を蔑んで、自分で物を作らない人達をもてはやすなんて教育に良くない。 そうやって仕事をしている大人を見かけることがないまま卒業前に就職活動を始めると、ものすごいプレッシャーにさらされたり、変なマナーを吹き込むそれこそ本当に悪い大人に振り回されたりして、運が悪いとブラック企業に入ったりしてしまうのだが、実際に会社で働いている人達は、毎日の仕事で堅苦しいのは嫌だし、根

日産サクラ

日産サクラは今後田舎の足車の本命となる軽自動車サイズの電気自動車である。三菱のeKクロスEVはその兄弟車である。 まずなぜ田舎の足車が電気自動車であるべきかというと、田舎にはガソリンスタンドが少ないし、あっても内陸は輸送コストが高いのでガソリン価格が高い。今後さらにガソリンスタンドの廃業が進むだろうから、遠路はるばる給油のために出かけなければならない状況にある。 電気自動車は車体が大きくて重いと必要な蓄電池量が増えてコストが高くなってしまうが、軽自動車サイズならもともと軽いし、田舎の足車なら航続距離はさほど必要ないので蓄電池の量が少なくて済む。しかも、近所でゆっくり走るなら電池を消耗するような走り方にはならない。電気自動車は冷暖房をつけると急速に電力を消費するが、近所で短時間移動する程度ならさほどエアコンを使わないから問題ない。毎晩自宅で充電するなら航続距離は30km~50km程度あれば十分だし、夜に充電するなら急速充電が必要ないので、自宅に充電設備を設置するためのコストも安い(現在は補助金も出る)。 日産と三菱といえば日本における電気自動車の雄で、日産はリーフの頃から電気自動車を作り続けているし、三菱はi-MIEVという軽自動車サイズの電気自動車を作っていたし、アウトランダーPHEVも作り続けている。 電気自動車は高価な蓄電池を積むのでどうしてもコストが高くなってしまうが、上記のように蓄電池の量を少なめにすることでコストを抑えており、補助金後の実質金額としては軽のトールハイトワゴンの上位グレードと同じくらいの値段になっている。しかもガソリンよりも電気の方がコストが安いので、ランニングコストを考慮すればむしろ割安なのではないか。今回のモデルは高価なバッテリーEVということもあって動力性能に余裕を持たせているが、値段がこなれてきたら動力性能を少し下げてその分が安くする余地が出るのではないだろうか。 もっとも、電気自動車では航続距離が足りないというニーズもあるだろうから、ノートe-Powerのように同じプラットフォームで蓄電池を減らしてエンジンを積んだシリーズハイブリッド車があってもよいのではないだろうか。いまどきの軽自動車は大きく重くなっているので、660ccのエンジンではサイズに比して排気量が少なすぎて燃費が悪い。それならエンジンを発電専用にして効率の良い領域でのみ

Apple Storeに行ってみた

古いiPodをリサイクルしようと思い立ってApple Storeに行った。iPodをリサイクルに出すためにはApple Storeを訪問するかAppleに郵送するかのどちらかが必要なためである。燃えないゴミとして出せば一切手間がかからないのだが、再資源化できるものをゴミとして捨ててしまうことでエントロピーが増大するのを避けたかった。かといって梱包して郵送するのは手間なので店舗に立ち寄った次第である。 そういえば今までApple Storeで買物をしたことがほとんどなかった。唯一記憶にあるのは、古いiPod miniをリサイクルに出してiPod touchを1割引で購入したときである(もともとiPodは下取りの対象外だが、当時はリサイクルすると1割引で購入できた。今ではリサイクルしても経済的なメリットは何もない)。Appleの製品を購入したかったらAppleの通販で購入するか、家電量販店のAppleコーナーで購入するか、あるいはAmazon等の通販で購入すれば事足りたからである。 お店に入ると、店員に声を掛けられる。用件を伝えると、列に並ぶように指示される。20分〜30分待ちとのこと。周りを見渡すと、普通の店にあるようなレジが見当たらない。店員は大勢いるが、それぞれ忙しく立ち回っており、入店時に用件を伝えないととても声を掛けられる状況にはない。しかし、一旦順番が回ってくれば接客はフレンドリーかつ丁寧で、無事に完了した。 待ち時間に店内を観察して思ったのは、これはブランドショップのやり方だということである。Apple製品、とりわけiPhoneは高価なので、世界的には一部の富裕層向けの商品である。Macがマイナーだった昔からは隔世の感がある。そういった層を相手にしているから接客は丁寧だし、下世話なものは慎重に排除されている。しかし幸か不幸か日本では平均的な購買力は高くないはずなのになぜかiPhoneがよく売れているのでAppleの顧客が多く、そのために店舗が混雑してしまい、待ち行列に並ぶなどという本来ならブランドショップにあるまじき事態が起きている。例えるなら、レクサスのディーラーに長い行列ができているようなものである。本来客を待たせることを想定していない作りなので、待ち客用の椅子もなく、立って待つことになる。 製品を購入するのが目的ならネット通販で買うのが最も手軽だし、

LIBRATONE TRACK+(2nd)を導入

Audio-technica ATH-CKR70TWの右側が使えなくなってしまったので、代替機としてLIBRATONE TRACK+(2nd)を購入した。LIBRATONE TRACK AIR+が完全ワイヤレスタイプであるのに対し、こちらはネックバンド式である。せっかく一度は完全ワイヤレス生活を実現したにも関わらずネックバンド式に退化した理由は以下の通り: 完全ワイヤレス式だと連続再生時間が実質3時間程度しかなく、乗り物での長時間の移動でバッテリーが不足する。ネックバンド式なら公称15時間なので7時間くらいは連続使用できるだろう。 ネックバンド式は使用しながら充電できる。 完全ワイヤレス式だと右側のバッテリーが減りやすく、右側のバッテリー残量に制約される(Apple AirPods Proだと左右ともに4時間半持つとのことなので、おそらく何ら化の工夫があるのだろう)のに対し、ネックバンド式は左右がつながっているのでバッテリーを有効に活用できる バッテリー容量が大きくてパワーに余裕があるのは音響製品には有利 完全ワイヤレス式は小さいイヤホンにすべて詰め込む必要があるので極限設計となり信頼性を確保しにくい。「ワイヤレスイヤホンは家電の総合格闘技」と呼ばれるように、音響製品以外の様々な技術が必要で、超小型のチップにソフトウェアを組み込んだりするなど、音響製品専業メーカーには技術的に難しい。 完全ワイヤレス式は右、左、充電ケースから成るが、どれか1つでも壊れると事実上使えなくなる。単独パーツの交換は非常に高価なので結局新品に買い換えることになる。 ネックバンド式は左右がつながっているので落とす心配がない。 といったように、完全ワイヤレス式よりもかさばるという唯一の重要な欠点を補って余りある様々な利点がある。 ほぼ同じ値段でAudio-technicaのネックバンド式高音質タイプもあったのだが、こちらはノイズキャンセリングがついていなかった。移動用に使いたいのでノイズキャンセリング機能はほしい。 【見た目】 青みがかった濃いグレーメタリックで、MacやiPadのスペースグレーを少し青くしたような感じである。 【イヤーチップのフィット感】 イヤーチップを4種類から選べるし、シリコン製の耳に引っ掛けるものもついているので、フィット感は上々。隙間なく装着できるし、それでいて圧迫

iPhone SE(第3世代)を使ってみた

【大きさと重さ】 もともとお財布代わりに使うために小さい端末を求めていたので、いまどきこのサイズはありがたい。本体は薄くて軽いが、頻繁に取り出す端末なので持ちやすく滑りにくいことを重視しており、手帳型ケースをつけているので厚さ手帳並み、重さは財布並になっている。 熱設計上は大きいものを作るよりも小さいものを作る方が難しい。バッテリー容量も制約されるので性能を落として省電力を優先させるのが定石である。 【画面】 本体が小さいうえにHomeボタンがついているので当然画面も小さい。財布としては十分な大きさの画面だが、動画の視聴や電子書籍の閲覧には向かない。スマホ1台で済ませたい人には画面が小さすぎるだろうが、PCと併用する人にとってはスマホは小さい方が使い勝手がよい。iPadを持っているなら大きな画面が必要な場面ではiPadを使うといった使い分けができるだろう。iPadがWiFiモデルであってもiPhoneからのテザリングでインターネットに接続できる。 反対に、音楽再生に使うなら画面が大きくても何の意味もないので、小さい方が有利である。 【処理速度】 最新のA15チップを積んでいるだけあってさすがに速いが、一瞬で処理されるわけではないので、もしかしたら発熱を抑えたりバッテリーの持ちを良くしたりするために性能を抑えているのかもしれない。 【バッテリー持続時間】 まだ新品ということもあって、1日中充電せずにほったらかしていても70%くらい残っていた。 【Lightning】 iPhone SEはiPhone 8のレガシーを活用しているので、未だにLightningである。しかしそのおかげで、すでに持っている古いLightningケーブルを活用できる。本体にはLightning-USB Type-Cのケーブルのみが付属しており、USB Type-CのACアダプタに接続することが想定されているようである。しかし外出先のUSB電源はほとんどがまだUSB Type-Aなので、汎用性を重視するなら従来通りLightning USB Type-Aのケーブルを携帯したりあちこちに常備した方が便利だろう。 たまたま身の回りにあるのがLightningデバイスばかりなので、Lightningケーブルが大量に必要になったのだが、余っているケーブルをかき集めたら足りてしまった。Apple純正のケー

ワイヤレスイヤホンが使えないので古いiPodを発掘してみた

有線イヤホンを使おうにもiPhone SEにはイヤホン端子がついていないし、かといってLightning端子のついた有線イヤホンも持っていないので、イヤホンジャックのついたiPodを復活させてみようかと思って古いiPodを発掘してみた。 まずは2012年に購入したiPod touch 5G。古いOSのままアップデートされなくなり、対応するアプリも無くなってしまったのとバッテリーが膨張してきたので、だいぶ前に音楽プレイヤーとしての用途をスマホに譲って引退していた。電源を入れるとmacから認識され、曲を同期することができた。しかし音楽再生だけにしか使えない機器にしてはいまどき大きいかなと思った。しかしそれでも同じ大きさのiPhoneに比べてだいぶ軽いのは魅力的である。 次に取り出したのは2008年に購入したiPod Shuffle(第2世代)である。2010年にiPod touch 4Gを購入するまで使っていた。これは小さくて軽いので有線イヤホンをつないで持ち歩いても邪魔にならない。携帯音楽プレイヤーにイヤホンを挿しているというよりもむしろ有線イヤホンの先に携帯音楽プレイヤーがあるといった感じだある。しかしこれは接続しても一向にmacから認識されない。少し調べてみたところ、7年以上経過した古いiPodはAppleからサポートされないようである。2GBの容量であっても頻繁にmacと同期できれば短時間の移動用には使えるかなと思ったが、macと同期できなければ使えない。これはもうリサイクルに出した方がよいかもしれない。 となるとLightning端子のついた有線イヤホンでも買うかと思ってAmazon等を調べてみたが、さすがにいまどきの主流から外れているだけあって、Apple純正のEarPodsを除けば最低限のものしかない。音響製品は音が悪いと結局使わなくなってしまって安物買いの銭失いになる。AppleのEarPodsは装着感が軽い一方で外れやすいし、隙間が多くて乗り物の中での使用には向かない。Lightlingコネクタにイヤホンを挿してしまうと充電できなくなってしまうが、MagSafe充電器で充電すればLightningの穴をイヤホンに譲ることができる。しかしMagSage充電器は5000円もするので、だったらその差額でワイヤレスイヤホンを購入した方が便利かと思った。 App

Audio-Technica ATH-CKR70TWの右側が充電できなくなった

今まで1年以上にわたってAudio-Technica ATH-CKR70TWを愛用してきたが、ある日突然右側が充電できなくなった。それまで普通に使えていて、いつも通りイヤホンを充電ケースに入れたところ、左側は問題なく充電できるのだが、右側は充電されていることを示すランプが点灯しない。1時間くらいしか使わなかったのでまだバッテリー残量があるはずだと思ってケースから取り出したが、右側だけはBluetoothでも認識されなかった。電源が落ちたのかと思って電源を入り切りするためにボタンを押したが反応せず。しばらく充電ケースに入れたままにしておいても充電されず。いきなりバッテリーが落ちるのはおかしいし、何をしても全く反応が無いのは奇妙である。 充電できない場合に真っ先に考えるべきは端子の接触が良くないことなので端子を拭いたが、それでも反応がないまま。左のイヤホンをケースに入れたまま右のイヤホンをケースに入れると左のイヤホンが白く点灯することから、ケースは右のイヤホンが入ったことを認識できているようである。また、左のイヤホン自体はごく正常に動作している。となれば問題があるとしたら右のイヤホン本体ということになる。 保証期間内ならメーカーに修理に出すところだが(といっても実際には新品への交換のようであるが)、保証期間をしばらく過ぎた頃に壊れるなんてまるでソニーである。しかしワイヤレスイヤホンならケーブルが露出しているわけではないので断線のリスクはかなり低いはずなのだし、落としたりしない限り衝撃で壊れることも無いはずだが、一体何をどうやったら壊れるのだろうか。 オーディオテクニカの修理サイトで修理金額の目安について検索したところ、本体左右セット交換で10,450円とあった。片側のみの交換はできないようである。しかし1万円も払うくらいだったらAnkerあたりの安い新品を買えてしまう。

おサイフケータイからApplePayに乗り換えた

iPhoneに乗り換えた結果おサイフケータイからApplePayに乗り換えたのだが(というかApplePayに乗り換える目処がついたからiPhoneに乗り換えたのだが)、対応する電子マネーが増えたとはいえ、おサイフケータイで当たり前にできていたことができなくなったので、慣れるまでは少々我慢が必要である。 まずはSuica。これは端末のバッテリーが切れていないという条件が伴うが、それを除けばエクスプレスカードに設定すればおサイフケータイと同様に使える。Walletを開いたりFace ID/Touch IDで認証したりするまでもなく、単にスマホをかざすだけでピコーンと決済される。他が不便なので、いつもこれを使うことになりそうである。日本ではiPhoneのシェアが高いおかげで、ApplePayでSuicaしか使えなかった頃に、全国様々な店でSuicaを使えるようになった。普段イオンもイトーヨーカドーもセブンイレブンも使わないのだったら、Suicaだけで済ます方が便利かもしれない。 便利さと安全との間にはトレードオフがあるが、Suicaはもともと自動改札を通過するためのものなので、改札前でまごつくわけにいかないという理由でエクスプレスカードという選択肢を設けたのだろう。もしかしてJRからの要請もあったのだろうか。日本がガラパゴスなFelicaを採用しているのはひとえに処理能力が高くないと自動改札で捌ききれないからだが、ApplePayでも高速処理できるのは立派である。というか唯一Felicaが必要な日本のSuicaがApplePayで代替でき、しかも日本ではiPhoneのシェアが高いとあらば、Felicaの存在意義は何なのだろう。 端末のバッテリーが切れていないという条件はさほど気にならない。ガラケー時代から今まで携帯電話でバッテリーを切らしたことがないし、最近はモバイルバッテリーもいろいろ出回っているし、充電できる場所も多いので、バッテリーを切らすリスクは低いのではないだろうか。むしろネットワークにつながらない環境で使えなかったらどうしようかと心配していたが、電源が入っていてWalletやFace ID/Touch IDによる認証ができる環境であれば使えるとのことである。 他の電子マネーについては、Walletを開き、支払いに使用する電子マネーを指定して、さらにFace

iPhone SE(第3世代)に乗り換えた

ガラケー時代からおサイフケータイ端末を使っていて、かつてはiPhoneでは電子マネーが使えなかったので個人携帯はおサイフケータイ端末としてAndroidを使い続けていた。しかし、iPhoneのApplePayでSuicaを使えるようになり、さらに2021年10月21日にはWAONやNanacoも使えるようになり、Edy以外は概ね使えるようになったので、おサイフケータイのためにAndroidを使い続ける必要がなくなった。また、個人用PCをThinkPadからMacに乗り換えたので、iPhoneの方が母艦との相性がよくなってきた。Macを購入する前にiPadも購入したので、Appleのエコシステムが快適に感じられるようになった。 別にAndroidが嫌というわけではないのだが、現在使っている端末が購入から4年以上経過しており、3年経過した頃から動作が極端に重たくなってきたし、最近になってUSB Type-Cのコネクタの接触が悪くなってきたので、そろそろ経年劣化が気になってきた。充電できなくなってしまうと使えなくなるので、壊れる前に新しい端末を手に入れようと思っていた。それでも3万円台の端末にしては長持ちしたと思う。性能はともかく品質についてはさすがである。 一方、仕事用の端末は5年前に発売された型落ちのiPhone 7なのだが、こちらは問題なく動作しているし、最新のiOSもまだサポートされている。一般に、iOS端末は発売から6年程度は最新のOSがサポートされているようである。Android端末だとOSの更新が2回できれば良い方で、その後はOSが最新のアプリに対応しなくなってくる。 そうはいってもiPhoneは値段が高いし、AndroidからAndroidに乗り換える方が楽なので、Androidはどうかと思って調べてみたが、実用に耐えるレベルの中級端末だと、Androidだからといって極端に安いわけでもなく、iPhone SEと大して値段が違わない。例えばAQUOS sense 6の128GBはビックカメラの通販で49830円(ポイント10%)である。それならばiPhone SEでよいかなと思った次第である。 また、Android端末はカタログスペックの数字はとても良いのだが、いざ使ってみると数字ほどの使い勝手ではない。一方、iPhoneはハードウェアとソフトウェアが最適

Audio-Technica ATH-CKR70TWのバッテリー持続時間

今までAudio-Technica ATH-CKR70TWを使ってきて唯一不満なのはバッテリー持続時間である。カタログスペック上は7時間持つことになっているのだが、実質3時間程度である。しかも、左側のイヤホンよりも右側のイヤホンの方がバッテリーが減りやすいので、右側のイヤホンのバッテリー持続時間に制約される。スマホなら充電しながら使うこともできるが、ワイヤレスイヤホンに限っては充電中には使えない 実質3時間程度なら片道の通勤には十分なのだが、長距離の移動だとやはり足りない。飛行機で移動する場合、保安検査場を通過するときには外すので、その前後の時間に充電するようにすれば飛行機+空港バスの時間くらいはカバーできる。1時間くらいで満充電されるので、20分くらい充電すれば1時間くらいの使用時間を確保できる。新幹線で片道3時間くらい乗る場合にも、前後の乗り換えの時間に充電すれば、せわしないがどうにか使うことができる。 困るのは新幹線や高速バスで4時間~5時間くらい乗り通すときで、途中で一旦充電しないとバッテリーが持たない。高速バスなら途中で休憩があるので、休憩時にこまめに充電することはできるが、新幹線にはそのようなイヤホンを外すタイミングが無いので、どこかで時間を決める必要がある。新幹線に長時間乗車する場合には途中で弁当を食べることが多いので、その時間の前後を充電する時間に充てている。 2組持って交互に使えばほぼ連続して使うことができるのだが、なにぶん高価なワイヤレスイヤホンゆえ、2組持つのは気が引ける。Apple AirPods Proはカタログ値で4時間半、実際に使っても4時間半持つとのころなので、長距離移動ならこちらの方が有利かもしれない。しかも2022年後半にはAirPods Proの新型が出るとの噂である。その頃にはAudio-Technica ATH-CKR70TWのバッテリーの劣化が進んでいるだろうから、2組で運用してAudio-Technica ATH-CKR70TWを交互使用のための予備とするのもよいかもしれない。 AirPods 3だと連続6時間再生できるようなのでこれなら単独でも長距離移動で使えそうだが、乗り物の中での使用に不可欠なノイズキャンセリング機能がついていないので、乗り物での移動には向かない。

M1 MacBook AirでのCDのリッピング

最近は大抵の音源はiTunes Storeで購入できるが、中にはCDでしか購入できない音源もあるので、久しぶりにCDを購入した。CDの音源をPCに取り込むにあたっては外付けのUSB光学ドライブを使うが、USBの光学ドライブにはUSB Type-Aの口が必要なのに対してMacBook AirにはUSB Type-Cの口しかないので、USB Type-Cのハブを経由して接続することになる。MacBook AirにはUSB Type-Cの口が2つあるので、空いている方の口にUSB Type-Cのハブを挿してそこに光学ドライブを接続した。 しかし、CDを読み込もうとしてもCDドライブがなかなか認識されない。結局予備のWindows PCに光学ドライブを接続して読み込んだが、そちらは問題なくできた。光学ドライブを本体に直接接続できないと電圧が不足するのではないかと推測して、Macの電源ケーブル(USB Type-C)をUSB Type-CハブのType-Cの口(USB PD対応)に挿し、そのUSB Type-Cハブを本体のUSB Type-Cの口に挿した状態で、USB Type-Cハブに光学ドライブを接続したところ、USB Type-Cハブに直接電力が供給されるためか、今度は問題なく認識され、読み込みも無事に完了した。光学ドライブの回転の力強さが全然違う。やはり電圧不足だったようである。ともあれ、このやり方であればMacに限らずUSB Type-Cの口しかないPCでも問題なくCDのリッピングができることがわかった。

M1 MacBook Airを1年以上使い続けての感想

そろそろM2 Macも出てくるという噂もある中、M1 Macの使い勝手についての情報があれば有益かと思って、M1 MacBook Airを1年以上使い続けての感想を記すことにした。 結論から言えば、動画編集やCADといった高負荷の処理をしない一般人が文房具として使う分にはM1チップでも十分に快適である。メモリは8GBだが、特に不自由ない(16GBモデルはカスタマイズなので納期2週間だったが、8GBモデルは店頭在庫があったのでその場で購入できた)。当初はM1チップ対応のアプリが少なかったが、今ではだいぶ多くのアプリがM1ネイティブになったので実に処理が速い。特にZoom使用時の画質と音質の良さはなかなかのものである。 MacBook Airは発熱を抑えるためにM1チップの本来の能力を封印して低発熱で動作しているがそれでも速い(ヒートシンクをつけるともっと速くなるらしい)。ファンレスなのに本体が熱くならないので膝の上に乗せても快適だし(冬はもっと温かくてもよいのではないかと思うくらいである)、なんと行ってもファンレスで静かなのがありがたい。普通のPCは負荷が高くなると発熱が増えてファンが回ってうるさくて、それが処理のもたつきとして体感されるのだが、余計な発熱がないとそういうものがないので、遅さを感じにくい。もしM2チップを積むことに意味があるとしたら、発熱と電力消費を更に抑制できる場合だろう。 アルミ筐体は軽量化では不利だが、剛性が高いし、ボディ全体が巨大なヒートシンクとして機能しているおかげでファンレス設計が実現している。アルミ筐体の剛性の高さは内蔵スピーカーの音の良さにも貢献している。旅行で持ち出しても携帯用のBluetoothスピーカーの必要を感じない。iPad+BluetoothスピーカーよりもMacBook Air1台の方が総重量が軽いしかさばらない。アルミ筐体で注意が必要なのは傷である。アルミの地肌が柔らかいので鋭利なものに触れるとせっかくのボディに傷がつく(その点、カーボンは頑丈である)。できればケースに入れて運んだ方が安全である。 バッテリー持続時間については今のところは満足している。消費電力が少ないためだろう。PCというのはある意味電気抵抗の塊なので、余計な熱を出さないということは、余計な電力消費がないということでもある。 M1チップのせいかどうかわか

Sonos Roam SL

Sonos Roamからマイクを省略したSonos Roam SLがSonos Roamよりも2000円安い値段で発売された。Sonos OneとSonos One SLとの組み合わせと同様に、2本使う前提で1本にマイクがあればもう1本にはマイクは不要との考え方だろうが、音声入力を使わずに音楽再生のみに使うのなら、盗聴のリスクがなくて2000円安いSLの方が有利だろう。Sonos Roamはどのみちハンズフリー通話ができないので必ずしもマイクは必要ない。マイクがついていなくて唯一不利なのは、オートマティックTruePlayに対応していないことくらいである。 自宅用としてもおそらくこのサイズで十分なのではないだろうか。なぜなら、Sonos One SLを日本の狭い部屋で使うとパワーが十分すぎるためである。普段は自宅用に2本使ってAirPlayで使い、旅行のときには1本を持ち出してBluetoothで接続する運用にすれば、自宅用と旅行用とをまとめることができ、総費用を安くできる。 ただし、Sonos Roamは定価ベースでSonos Oneよりも3000円安いだけなので、小さいからといってそんなに安いわけではない。自宅専用で使い、かつ部屋が広くて周りに気兼ねがないなら、大きなスピーカーの方が有利だろう。 旅行のときにSonos Roamを持ち出すかSonos Roam SLを持ち出すかは悩ましい。どうせBluetoth接続でしか使わないならマイクは不要だといえる一方で、オートマチックTruePlayが真価を発揮するのは今まで設置したことのない場所で使うときだからである。

店頭でThinkPad X1 nanoに触ってみた

もしThinkPadを買うならThinkPad X1 nanoが欲しいと思っていたので、店頭で展示されていた商品に触ってみた。剛性感がある割には軽いのは大したものだが、キーストロークの浅さとトラックポイントの薄さが気になった。キーストロークが浅いなりに打ちやすくなるように工夫した痕跡は見られるが、それでもこれはもはやThinkPadのキーボードではない。トラックポイントも、薄型化のために突起を薄くしてしまうとトラックポイントキャップの弾性が小さくなるため指に大きな力を掛ける必要があり、意のままに操れる感覚はない。幸いタッチパッドもあるので必ずしもトラックポイントを使う必要がないのだが、このキーボードとポインティングデバイスを使うくらいならMacでもよいのではないかと感じた。少なくともタッチパッドに関してはMacの方が圧倒的にすぐれている。 ThinkPad X1 nanoにはファンがついているので、通風孔を塞がないように気を遣う必要があるが、M1チップのMacBook Airは発熱が少なくファンレスで静かなのに爆速なので、置き場所を選ばずに使える。CPU性能に余裕があるために発熱を抑えているためだが、膝の上に乗せても熱くないのは快適である(冬場にはもう少し暖かくてもよいのではないかという気はするが)。アルミ筐体は放熱のためでもあるが、剛性感があるのも良い。 ThinkPad X1 nanoの外部入力端子はMacBook Airと同様にUSB Type-Cが2個あるのみ。LANやHDMIの端子のついた多機能型のUSB Type-Cハブと組み合わせる分にはさほど不便なく使えるが、実際にはUSBハブの出番はあまりないので、Type-C2個でも意外と間に合ったりする。USB Type-Cの電源ケーブルは機種に依存せずに汎用的に使えるので便利である。

Android File Transferを使ってみた

Mac上でAndroidデバイスが認識されなくて不便だったのだが、ふと思い立ってGoogle先生に尋ねてみたところ、Googleが Android File Transfer というMac用のアプリを公開しており、それをMacに入れるとMacにUSB接続されたAndroidのファイルシステムの読み書きができることがわかった。 早速インストールしてみると、今まで不便だったのは一体何だったのだろうかと思うくらい、普通に認識できる。本体のROMだけでなく、microSDカードも認識できる。これでMacを母艦にすることができるようになった。 しかし疑問なのは、このAndroid File Transferというソフトウェアの中身である。Android特有のファイルシステムの読み書きを可能にするドライバなのかなと思ったが、FAT32でフォーマットされたmicroSDもそのままではMacから認識できないので、ファイルシステムの問題ではなさそうである。調べてみると、USB接続する際のファイル転送モードのうち、Androidで採用されているMTPにMacが対応したいないことから、Mac側にMTP対応のソフトウェアをインストールする必要があるとのことである。MTPはもともとMicrosoftがWindows Media PlayerのためにPTPを拡張したプロトコルだったが、その後USBデバイスクラスの1つとして承認されているので、Microsoft特有の技術ではない。 この程度のものならmacOSに取り込んでくれればよいのにと思うものの、iPhoneを売りたいAppleがわざわざAndroidスマホのために便宜を図る動機はないだろうし、そもそもMacを使うくらいのApple信者だったらiPhoneを使って当然だよねと考えているのかもしれない。

人はなぜコーヒーを吹くのか

コーヒーを飲んでいる最中に笑って吹き出してしまいコーヒーを吹いてしまうという漫画的な描写がある。コーヒーを吹くという描写はよく見かけるが、お茶を吹くとか牛乳を吹くといった描写をなかなか見かけないことから、吹くための条件がいくつかある中で、たまたまコーヒーがその条件を充足しているのではないだろうかと思うに至った。 まず思いつくのは、冷たい飲み物を吹くことはあまりないことから、飲み物の温度がかなり高くなければならないということである。なぜ飲み物の温度が高くなければならないかというと、笑うときに息を噴き出すときの口と飲み物との間の距離が短すぎてはいけないし、かといって長すぎてもいけなくて、冷たい飲み物を飲むときには口から離さずにぐびぐび飲んでしまうからではないだろうか。一方、熱い飲みものを飲むときには、熱いものがいきなり口の中に入らないように少々距離をとって冷ましながら吸うことになる。飲み物の温度と口との間の距離には何らかの傾向が見られるだろう。 次は飲み物の流動性で、あまりに流動性が低いと息を吹いても吹き飛ばない。その点、コーヒーは流動性が高いので吹き飛びやすい。 あと思い当たるのはコーヒーカップには取手がついているが、湯呑みには取手がついていないことである。取手はカップの重心から離れているので、取手を持つと迅速にカップを移動させることが難しい。一方、湯呑みを両手で持っている場合にはいざとなったらすぐに動かすことができる。笑うときに咄嗟に湯呑みを移動させれば、お茶を吹かずに済むが、コーヒーカップを咄嗟に移動させるのは難しいので笑って息を吹いてしまうと目の前にコーヒーが残っていて、それを吹くことになってしまう。