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6月, 2009の投稿を表示しています

アウトソーシングの意義

アウトソーシングの意義としてよく言われるのは、「経営資源を本業に集中させる」「本業と関係ない部分は安い業者に外注する」ということである。しかし本当にそれだけだろうか。 通常、組織にとって重要な仕事は第一線級の人材が担う。重要度の低い部分は二線級・三線級が担う。これに対してアウトソーサーにとっては商売なので、第一線級の人材を投入するため内製するよりも生産性が高い。社内の人に仕事をさせようとすると、できない理由ばかりを並べ立てるが、アウトソーサーは「できません」とは言わない。安いだけでなく効率も良いのである。効率が良いならもっと高くても商売になりそうな気がするが、事務派遣やコールセンター等のビジネスは競争が激しいので相場並みになる。方や内製の場合には、正社員をクビにできないので、競争圧力が働かず、というか既に競争に敗れて失うものが無い人ばかりなので、高くて非効率的になる。 アウトソーシングの真の意義は、利潤動機の働かない内勤の仕事に利潤動機を導入することで、優秀な人を投入するインセンティブや真面目に働くインセンティブを導入することにある。逆に言えば、客先に出て金を稼ぐような仕事では、アウトソースしなくても真面目に働くインセンティブがあるので、たとえアウトソーサーにコスト競争力があっても、アウトソーサーが優位性を発揮するのは難しい。 日本企業では正社員を解雇できないので、余った人(主に中高年の客先に出せない人)に二線級・三線級の仕事をさせる。どうせ人件費はすべてサンクコストなので、限界費用はゼロである。それに対して外注すると費用がかかるので、限界費用だけを見ると、実はアウトソーシングの方がお金がかかるのである。なぜタダを使える人を使わずに外から人を買ってくるかといえば、品質と費用との間にトレードオフがあるからである。 正社員の解雇が事実上不可能な日本でアウトソーシングが活用され、正社員の解雇が容易な米国で内製比率が高いというのは、労働組合の強さだけを見れば疑問の余地がないが、かかっている費用を見ると不思議である(日本の労働組合は会社別なので既存の従業員しか保護しない。既存の従業員の食い扶持さえ確保されていればアウトソーシングに反対しない。これに対して米国の労働組合は業種別なのでジョブ全体を守ろうとする)。 たとえ重要度が低いといっても、組織にとって完全に不要な機能なら最初

OpenSolarisを入れてみた

せっかくハードウェアリソースが余っているので、OpenSolarisも入れてみることにした。 最初はVMware仮想マシン用のOpenSolaris 2008.11を入れてみたのだが、ネットワークにつながらないとか、ログイン画面でキーボードの設定が正しくなくて文字を入力できないといったトラブルがあったため、改めてVirtualBoxを入れて、OpenSolaris 2009.06のCDイメージからインストールすることにした。 VirtualBoxへのインストールは若干時間がかかったものの意外と簡単だった。CDイメージから起動して、ハードディスクへのインストール実行するとハードディスクにインストールされるので、次回からはハードディスクからの起動を選べばよい。あいにくサウンドドライバは読み込まれなかったので音は出ないが、ネットワークには接続できた。意外と動作が軽い。 せっかくなのでUbuntuもバージョン9.04をVirtualBoxに入れることにした。VMware用の仮想マシンだと8.04までしか入手できないからである。インストールはもっと簡単で、CDイメージの起動時にハードディスクへのインストールを選ぶとそのままハードディスクにインストールしてくれる。ちゃんと音が鳴るし、ネットワークへの接続も問題ない。初回起動時にパッケージのアップデートもしてくれる。至れり尽くせりである。これならVMwareの8.04が不要なので、VMware Playerをアンインストールし、VMware用のubuntu 8.04とOpenSolaris 2008.11の仮想マシンを削除した。 勢い余ってJarisも入れてみた。OpenSolarisを日本向けにカスタマイズしたディストリビューションで、個人向けに使いやすくなっているようである。インストールの手順はOpenSolarisと全く同じである。ハードディスクから起動してみると、動作がかなり重い。メモリを1GB使う設定にしているにも関わらず、FireFoxがまともに動かない。OpenSolarisでもubuntuでも全く問題ないのにである。これはこのままディスクの肥やしになりそうである。 OpenSolarisが仮想マシンで動くようになって、ついに個人のパソコンでSolarisを動かすという10年越しの野望が達成されたわけだが、今のところ

iMiEVの充電

2009年6月に三菱自動車工業から電気自動車iMiEVが発表された。最高速度は時速130kmで、走行距離は160kmである。タウンユースなら1日中充電無しで走れる距離なので、夜間に家庭用の100ボルトまたは200ボルトの電源で充電すれば十分だろう。 しかし、長距離ドライブだと途中で充電が必要である。ノートパソコンを充電するのと同じようにスターバックスのコンセントを借りるわけにもいかないだろうし、そもそも100ボルトの家庭用電源だと充電するのに14時間かかる。そこで、専用の急速充電器による方法も用意されている。これだと30分間で満充電容量の80%まで充電できる。80%の充電なら128km走行できることになる。そこで高速道路のサービスエリアやファミリーレストランの駐車場に充電器を多数設置することを考えているようである。1時間半くらい運転すれば休憩したくなるだろうから、ついでに充電するということなのだろう。 しかし、電気そのものには貯蔵できないという弱点があるので、需要のピーク時に合わせて設備を設計しなければならない。例えば太陽光発電は晴天の昼間にしか機能しないという弱点があるが、車用のバッテリーに電力を貯蔵すればその弱点を解消できる。風力発電についても同様である。発電量の安定しているマイクロ水力発電だって渇水期には稼動できない。また、小規模の発電設備では需要の一部にしか対処できない。そこでバッテリーに貯蔵することで電力を濃縮するのである。バッテリーで電力を濃縮することができれば、小規模の発電設備でも活用できるので、発電可能な場所が増える。 車を運転する側にとっても、もともとバッテリーに充電するのが目的なら、発電できたときにバッテリーに充電しておいて、必要になったらバッテリーモジュールごと交換する方式の方が効率的である。それに駐車場の専用充電スタンドに多数の電気自動車を駐車させたら場所と時間を取るし、順番待ちによる渋滞だって発生しかねない。さらに、1時間半運転するごとに30分充電するとなると、ガソリン車に比べて3割余計に時間がかかる。これでは実用的ではない。特にトラックやバスのような商用車には通用しない。これに対してバッテリー交換なら5分もあればできるので、所要時間への影響は無視できる。充電時間が短いということは駐車時間が短いということでもあり、駐車場に要するスペースを節

航空機の屋根に太陽電池を

太陽光発電にとって最も難しいのは、日照が一定しないということである。しかし、雲の上なら昼間はいつも晴れである。それなら航空機の屋根に太陽電池をつければ、機内のサービス電源を燃料から太陽光に代替できるのではないだろうか。太陽電池は熱によって発電効率が低下するが、上空の気温は低いので、そういう意味でも効率的である。 航空機の屋根に太陽電池をつけるなら、フィルム状のものか、塗料状のものだろう。フィルム状のものなら機体の曲面に沿ってつけることができる。太陽電池には保護フィルムがあるので、塗料の代わりにクリアラッカーを塗るのと同じ効果がある。機体が若干重くなるが、電源用の燃料の消費が減ることで相殺されるだろう。塗料状のものは発電効率は落ちるが、既存の塗料を置き換えるだけなので機体重量の増加がない。 問題は、夜間には使えないということである。太陽電池導入の効果が高いのは長距離路線だが、北米から日本方面の路線ならずっと昼間だが、逆方向だとずっと夜である。そういう意味では、機体重量が増えない塗料状の太陽電池の方が有利かもしれない。なお、北米から日本方面は向かい風の中を飛び、日本から北米方面は追い風の中を飛ぶので、北米から日本方面の路線で太陽電池を使うことができれば燃料消費を平準化できる。 787のカーボン製の機体なら、塗料よりもフィルム状の太陽電池の方が合うかもしれない。さらに欲を言えば、カーボン製の機体を太陽電池の一部として活用できれば面白いかもしれない。もともと787のエンジンはブリードエアによる空調や発電を行わないタイプなので、さまざまな種類の電源が考えられる。

IC早特

2009年8月29日から、IC早特が導入される。EX-ICが山陽新幹線でも利用できるようになったのに伴い、従来エクスプレス早特が利用できなかった区間でも利用できるようになった。 東海道区間のエクスプレス早特で利用できるのぞみは6時台ののぞみだけだったが、山陽新幹線では終日のぞみを利用できることもあって、東海道新幹線と山陽新幹線をまたぐIC早特では終日のぞみを利用できる。というか、山陽新幹線区間まで直通するとなると、のぞみを利用できなければ意味がない。ただし、終日のぞみを利用できるためか、グリーン車用の値段が高い。東海道区間なら普通車用に2000円プラスすればグリーン車に乗れるのに、山陽区間まで直通すると、差額が6000円くらいになり、グリーン料金分の割引がなくなってしまう。 東海道新幹線のこだまのグリーン車用はIC化に伴い200円ほど安くなり、EX-ICの普通車用に1000円または1200円プラスするだけでグリーン車を利用できるようになった。ただし、東京名古屋間では、ひかりのグリーン車用のIC早特よりも470円安いだけなので、それならひかりの方が得だし、ぷらっとこだまグリーン車プランよりも2130円も高い。東京京都間と東京新大阪間にいたっては、ひかりグリーン車用とこだまグリーン車用とで同額なので、こだまに乗る理由がない。ぷらっとこだまグリーン車プランは2700円安いので、こだまに乗れるくらい時間に余裕があるなら、乗る列車を決めてしまってぷらっとこだまグリーン車プランにした方がよいだろう。 IC早得が真価を発揮するのは、のぞみが停車しない駅を利用するときである。例えば東京豊橋間なら、普通車用に1200円プラスするだけなので、2時間おきにしか豊橋に停車しないひかりを利用するよりも、30分おきに利用できるこだまのグリーン車の方が得である。所要時間は30分以上延びるが、列車頻度が違うため、トータルの所要時間はさほど違わない。

テンキーとマウスの謎

デスクトップPCのマウスはキーボードの右側にある。そして、デスクトップPCのキーボードの右側にはテンキーがある。そのため、デスクトップPCでマウスを使うときには、とんでもなく遠い所でマウスを使うことになる。マウスをキーボードの手前に置けば比較的近くなるが、今度はキーボードの位置が遠くなる。キーボードとマウスの両方を使うときには、ホームポジションから手を離して遠くにあるマウスを操作せざるを得ない。マウスにはこのような欠点がある。 マウスの代わりにトラックポイントやタッチパッドを使えば、テンキーが右側にあってもさほど邪魔にならない。しかし、トラックポイントやタッチパッドはデスクトップPCには装備されていない。マウスを動かすよりも、マウスパッドと同じくらいの大型のタッチパッドを指やペンでなぞる方が直感的なはずなのだが、どういうわけか、タッチパッドが実用化してもなおデスクトップPCではマウスが主流である。 そもそもマウスは、カーソルの位置の変化をローラーによって機械的に測定するためのものであり、機械式マウスが使われなくなってもなおマウスが使われているのは単なる惰性に過ぎない。光学式ならマウスでなくてもペンで十分である。ペンの場合にはボタンをどうするかとかスクロールをどうするかという問題があるが、ボタンはタッピングで代用できるし、スクロールさせるときにはどこかボタンを押しながらペンを動かせばよい。むしろその方が、ホイールマウスと違って横方向にもスクロールできて便利である。

懇親会の謎

仕事仲間との親睦を深めるために懇親会と称して夜に飲み会を行うことが日本ではよく見られるが、果たして本当に効果があるのか疑問である。 そもそも仕事の場では、仕事上の信頼関係を構築・維持することに勝る親睦はない。飲み会で打ち解けたからといって仕事の場での信頼関係がなければ、仕事の場での問題は何ら解決しないし、仕事の場で信頼できない相手と飲んだってつまらないし打ち解けることもない。しかも、残業代が出ないにもかかわらず半ば強制的に出席させられ、挙句の果てにお金まで取られるとなると、ますます職場に対する不信感が募る。 お金を出して夜遅くまで飲もうという気になるのは、気の合う仲間と飲むときだけである。そして、仕事の場で気の合う仲間を作るための最良の方法は、日々の仕事で誠心誠意接することである。営業は夜行性で、夜の部で商売が決まることがよくあるが、昼の部がだめな状態で夜の部だけで成功することはありえない。そもそも営業の夜の部は接待なので、誘った相手にお金を出させることは無いし、接待である以上、相手に好感を持ってもらうよう努力するものである。 懇親会に参加しないのは職場に良い印象を持っていないシグナルなので、その行為を責めるのではなく、仕事の場で信頼関係を阻害している要因を探し出し、解決する努力が必要である。親睦はあくまでも原因ではなく結果である。

まくどでPCの謎

最近のまくどにはPC用の電源を取れる席があったり、店内で公衆無線LANが使えたりする店がある。それ自体はありがたいものの、1つ困ったことがある。それは、手が汚れる食べ物を出しているということである。指先がPCのキーボードに触れるときに手が汚れるのはとても困る。明らかに油のついたフレンチフライに限らず、バーガー類も手が汚れるし、アップルパイ等の菓子類も手が汚れる。そもそもサンドイッチというのは手を汚さずに食べながらカードゲームをするためのものではなかったか。飲み物だけ頼めばよいのかもしれないが、それならコーヒー屋に行った方がましである。まくどで食べ物を食べてかつPCを使うとなると、先に食べてから店内の洗面所で手を洗って、それからおもむろにPCを使い始めるのが比較的安全だが、それなら食後にコーヒー屋に行ってそこでPCを使う方が落ち着く。 次善の策として、せめて紙ナプキンで工夫できないだろうか。まくどの紙ナプキンは単なる紙なので、指先についた油汚れを完全に取り去ろうとすると、大量に消費しなければならない。コンビニやドトールで配っている程度の紙おしぼりがあれば比較的ましなのだが、紙おしぼりなんてものを配るのは日本だけなので、世界中で同じような商売するまくどみたいな店では配られない。 それなら日本でしか商売していないドトールみたいな店ならよいかというと、そうでもない。ドトールは電源を提供しないのである。回転を上げることで客単価を下げ、安いわりにおいしい店にしているので、電源を提供して長居されたら困るのだろう。同じく客単価の低いカフェベローチェも電源を提供しない。スターバックス並みの客単価と回転率なら問題ないのだろうが、同じくドトール系列のエクセルシオールはスターバックス並みの客単価であるにも関わらず電源のある店を見たことが無い。もっとも、PC用の電源がなくてもバッテリー駆動でならPCを使えるし、バッテリー駆動時間は2時間を越えるので、PC用の電源を提供しないことが回転率を上げるのにどの程度貢献しているのかは疑問である。 そもそもノートPCを使うのをためらうほど油ぎった食べ物が体に良いはずがない。おにぎりや和菓子を出す、和風のファーストフード店があってもよいのではないか。和風の食べ物なら割り箸や楊枝を使えば手を汚さなくて済むので、PCを使いやすい。別に和風の店でPCを使ってはな

道路を電化せよ

電気自動車を普及させる上で最大の障壁は電源である。モーター自体は比較的シンプルで、速度制御も今ではさほど難しくない。しかも、内燃機関よりも小型で高出力を得られるし、騒音も少ない。なぜ電源の確保が難しいかといえば、それは小型軽量かつ大容量のバッテリーがなかなか実用化しないのと、バッテリーに電源を供給するのに時間がかかるからである。 しかし電車のように架線から電源を供給すれば、バッテリーの問題を回避できるし、ブレーキをかけるときに発生する電力を他の車が加速するために用いることができるので、効率が良くなる。実際、ハイブリッド車はブレーキ時の電力をバッテリーに貯めて加速に用いている。問題は、そのような電力供給インフラをどのようにして道路に設置するかである。たしかに、路地裏までくまなく架線を張り巡らせるには現実的ではなく、むしろ妄想の世界である。しかし、導入が容易で効果の大きい場所で限定的に導入することならできなくもない。 例えば、第二東名高速をガイドウェイ式で建設して、走行中に電源供給を受けるようにすれば、通行量の大半を占める長距離トラックを電化できる。ガイドウェイ式なら、無謀な追い越しができなくなるし、ハンドル操作が不要になるため追突以外の事故の危険がなくなるので、追突防止のための保安装置さえつければ事故を防止することができる。故障して立ち往生したら、後ろの車が待避所まで押せばよい。これは鉄道と同じ考え方である。問題は分岐箇所だが、分岐箇所の手前で進路情報を送信して進路を開通させ、分岐箇所でだけハンドルを使うのが安上がりだろう。RFIDで個体を識別できるようにすればなお確実だろう。RFIDは、前後の車間距離の測定と制御にも応用できる。 電気式ではないものの、ガイドウェイバスなら名古屋で実用化している。ガイドウェイ式が採用されたのは、高架橋の幅を狭くすることで建設費を節約するためである。これを第二東名高速にも適用すれば、高架橋の幅を狭くしたりトンネルの断面積を狭くすることで建設費を節約することができる。大型のトラックやバスは車幅がほぼ統一されているし、車幅が異なる場合には、車から伸びる案内車輪の飛び出す長さを調整すればよい。ばねで幅を調整し、左右のばねの力の違いをもとに油圧で制御することで左右の位置を調整するのがよいだろう。これを車の前後の緩衝器にも応用すれば、追突事故を防

タッチパッドの謎

ノートパソコンのタッチパッドが使いにくいのは、1回なぞるだけでは、カーソルを所定の場所に移動させることができないからである。何度も指でこすって初めて所定の場所にたどり着くので、そこまでで疲れてしまい、そこから先の作業をする気がなくなる。どうしてこんな仕様になっているのか理解に苦しむ。もしタッチパッドを使うなら、最低限、1回なぞるだけでカーソルを任意の場所に移動させることができるようにすべきである。 タッチパッド上の移動量と画面上のカーソルの移動量との関係なんて、ソフトウェア的にどうにかなりそうだが、私の知る限りそういう設定項目は見たことがない。小さいタッチパッドで移動量を大きくすると、きめ細かい制御が難しくなるからだろうが、たとえば移動のスピードに応じて移動距離を変えるようにすれば、狭いタッチパッドでも有効に活用できるはずである。しかし人間が感じる使いやすさをソフトウェアで実現するのは難しいのだろう。一見普通に使えるトラックポイントも、かなりきめ細かい制御を行っており、これはノウハウの蓄積によるものである。 タッチパッドの中で唯一許せるのはMacである。これは大きなタッチパッドのおかげで、画面上のカーソルの位置とタッチパッド上の指の位置とが直感的に結びついており、1回なぞるだけで大抵の所にカーソルを移動させることができる。タッチパッドを大きくした副産物として、二本指や三本指での使用や、マウスジェスチャーも実現しており、タッチパッドの1つの方向性だと思う。こういうのはトラックポイントでは真似できない(本当に必要なのかどうかはともかくとして)。タッチパッドの弱点はホームポジションから手を離さなければならないことだが、キーボードを滅多に使わなければそれでもさほど困らない。筆記用具として使わなければMacでも十分だろう。 理想的なのは、極限まで小さくしたタッチパッドをキーボードの中央に置き、キーボードから手を離さずに使えることだが、ソフトウェア制御でそういうものが実現すると、それは紛れもなくトラックポイントである。それなら、指の位置を静電気で探知するタッチパッドではなく圧力センサーを使った方が効率的だろう。 なお、トラックポイントを使いにくいと思っている人は、トラックポイントの設定を変えてみるとよい。トラックポイントの感度と速度を最大にすると、比較的滑らかにカーソルを移動さ

ついでにGoogle Chromeも入れてみた

比較検討のため、Google Chromeも入れてみた。インストール時にFirefoxからブックマークと設定が自動でインポートされたのは便利である。UIはSafariの初期設定に似ている。また、最初に表示されるページが「よくアクセスするページ」であり、スクリーンショットと共に表示されるのもSafariと同じである。もちろんUIはSafariの方が洗練されている。 体感速度はSafari 4に比べると遅いような気がする。カスタマイズできる部分も少ない。もともと余計な機能を削ぎ落として高速化したのが売りだから、そういうものと割り切るべきものなのだろう。 起動は一瞬である。そういう意味では、ふと思い立ってGoogleで検索したいときにはとても便利だろう。Googleが開発しただけあって、Google専用ブラウザとしては便利だろう。しかし、いまどき個人のPCではウェブブラウザなんて常時立ち上げているものなので、あまり有難味を感じないし、わざわざ別のブラウザを立ち上げるよりも、現在使っているブラウザで検索する方が早い。 というわけで、Safariを捨ててGoogle Chromeに移行するということにはならなかった。Firefox、Safari、Google Chromeを比較すると、Safariが最もバランスが良いように思える。

Safari 4を入れてみた

もともとLinux上でFirefoxを常用していたこともあってクロスプラットフォームのFirefoxを使ってきたが、「Safari 4はFirefoxの3倍速い」という広告に釣られて、Safari 4を入れてみた。最近はGmailのようなJavaScriptを多用するウェブサービスが多いので、そういうものが速くなればと期待してのことである。ThinkPad X200sを買った直後に13インチのMacBook Proを買うわけには行かないが、せめて無料でダウンロードできるソフトウェアくらいなら入れても良かろう。 初期状態では「ファイル」や「編集」などのメニューバーが表示されていないなどして使いにくかったので、いろいろいじってFirefoxに近い扱いができるようにした。手動でFirefoxからブックマークをインポートして、ブックマーク周りを整理してみると、実用に耐えるように見える。 しかし、中ボタンを押しながらトラックポイントを上下させても、画面をスクロールさせることができない。これは致命的である。ネットで調べてトラックポイントの設定ファイルを手動で編集してWindowsを再起動させたところ、無事に中ボタンでスクロールさせることができるようになった。副産物として、iTunesでも中ボタンでスクロールできるようになった。 やっと使えるようになったので、いろいろなサイトを見てみると、たしかに、速くなったような気がする。きちんと測定していないので先入観によるものかもしれないが、少なくとも遅いと感じることはない。Windows版はどうだか知らないが、Mac版だとMac OS Xのために最適化されているだろうからもっと速いのかもしれない。 Safari 4の売りは、Mac OS XみたいなグラフィカルなUIだが、今のところあまり使っていない。慣れてくるにしたがって、徐々に使うようになるかもしれない。ただし、Top Sitesは、頻繁に訪れるページをまとめて置くことができるので、一通り登録した後では便利である。もともと、頻繁に訪れるページをブックマークファイルにして、それをホームページに登録していたので、それが文字から画像になりかつ編集しやすくなった。 とりあえずSafariで不自由ない状態になったので、Safariを使っているが、最近はウェブ上のサービスが充実しているせいか、結局

JBL on tour

旅行用のスピーカーが欲しくてJBL on tourを買った。それまでThinkPad X24本体内蔵のスピーカーで音を出していたが、それでは物足りなかったためである。どうせポータブルスピーカーを買うなら、中途半端なものを買っても意味がないので、音質で定評のあるJBL on tourを購入した次第である。 写真で見るのとは異なり、実物は大きくて重い。良い音を出すためには大きな磁石が必要だがら、音質のためのコストだろう。 ACと単4電池の両方で駆動する。電池を使い捨てにするのは無駄なので、エネループも買った。いざエネループを入れると、電池が切れたらいつでも充電すればよいと思えてくるので、ACアダプターを使わなくなった。1日1時間くらいの割合で使うと1ヶ月は持つ。したがって、旅行で持ち運ぶ際にもACアダプターを携帯しなくてよい。 気軽に持ち出せるようになると、単に旅行のときにホテルで使うだけでなく、外でも使いたくなる。周りに人のいない砂浜で使うと、ヘッドホンを使うのとは異なる開放感を味わうことができる。 実は最も頻繁に使っているのはバスルームである。窓付近に置く分には、水に濡れる心配がない。バスルームは音がよく響くので、小さいスピーカーでもパワーさえあれば、それなりに音が良い。外やバスルームで使う際にはiPodを使う。 ThinkPad X200sもモノラルスピーカーしかついていないので、引き続き、旅行用に持ち運ぶことになるだろう。小さいので、枕元で小さい音を出すのにもよい。

なぜか平日の昼間にしか営業していないもの

平日の昼間にしか営業していないことで有名なのは役所である。例えばビジネス街に立地している税務署のように、企業向けのサービスを主としているならそれで問題ないが、住宅地で平日の昼間にしか営業していなかったら、老人と専業主婦とニート(すべて無職)しか利用できない。もっとも、役所というのは公務員のために存在するような組織なので、利用者にとっての利便性を説いても無駄で、週末に営業時間をシフトすると公務員にとってもメリットがあるようにする必要があるが、定時に帰れて有給休暇も取りやすい人には平日の昼間以外の時間に働くことのメリットがないのだろう。 銀行の窓口も平日の昼間にしか営業していない。これもビジネス街はともかくとして、住宅地では週末中心に営業した方が儲かりそうな気がするのだが、役所ならともかく営利企業がどうしてそういうことをしないのか不思議である。たしかに銀行固有の要素として、ミッションクリティカルなシステムを走らせているという点が挙げられる。週末の夜間にシステムがバッチ処理を行うが、週末といえども昼間ならATMだって動いているのだから問題ないはずである。もっとも、個人が窓口に来るのは各種手続のときだけで、単に費用がかかるだけなので、わざわざ週末に窓口を開けるまでもないのだろう。私の知る限り、シティバンクの一部店舗は土曜日にも営業している。あいにく都心の店舗ばかりだが、それでも全く営業していないよりはましである。日本のシティバンクは店舗数が少ないため、却ってオンラインサービスや郵送でのサービスが充実しており、捺印した書類をポストに投函するだけなので手軽である。窓口に行く必要があるケースは稀である。そういう意味では平日の昼間に勤める個人には都合が良い。 法人向けと個人向けでは、需要のある時間帯も、サービスの中身も、対応すべき人員も違うので、二毛作的に営業する方が資産の効率が向上するのではないだろうか。紙で仕事をする場合には二毛作は難しいかもしれないが、電子化されていれば二毛作店舗でも場所を取らない。 それに、週末に働いて平日に休めば、週末は通勤が楽だし、行楽地が混雑しない日に休めるので、そういう勤務形態を好む従業員が一定数いてもおかしくない。平日に休む場合には、平日5日間のうち連続する2日間を休めばよいので、月火に休む人と木金に休む人とに分ければ、毎週水曜は全員集まることがで

デルタ機材のノースウェスト便

2009年6月に成田JFK線が復活し、成田ソルトレイクシティー線が開設されたが、なんと前者の機材はデルタの777-200ERである。スケジュールを見てみたら、いつの間にか成田ポートランド線の機材がこれまたデルタの767になっていた。コードシェアではなく、純然たるノースウェスト便のようである。両社の統合が完了すればごく当たり前の光景になるだろうが、資本関係はともかくとして運航体制も労組も別々の状態でよくこんな器用なことができるものだと感心する。段階的な統合の一環なのだろうか。 もともと成田JFK線は787を受領した時点で復活する予定だった。747では燃費が悪く採算が取れないという理由で休止になったからである。その点777-200ERなら、他社並なので、787ほどではないにせよ、採算に乗る。それにJFKでデルタの国内線に接続することができるので、そういう点でも有利だろう。なお、JFKでは、未だにターミナル4を使っているようだが、もともとJFK発着のノースウェスト便は便数が少ないので、デルタが入っているターミナル3に移るのは時間の問題だろう。 成田ポートランド線が767になったのは、単に乗客が少ないから、250人乗りのA330-200よりも一回り小さい、220人乗りの767を使いたいからだろう。もし機材の運用の都合なら、それこそ成田ソルトレイクシティー線だって767になってよさそうだが、こちらはA330-200の座席が埋まる程度の乗客数を見込んでいるのだろう。 ポートランド発着だったA330-200をソルトレイクシティー発着便に振り替えることで、成田発着の機材の数を合わせているのだろうか。ハワイ路線にA330-300が入って以来、アジア路線にもA330-300が入り、季節に応じて需要の高い路線に充当されるようになったり、成田シアトル線にA330-300が入ったりしており、柔軟な運用ができるようになったようだが、傍から見るとややこしい。2009年10月22日に成田のB滑走路が2500mに延伸されると、757のみならず767やA330もB滑走路で離着陸できるようになるので、また運用が変わるのだろう。それともA滑走路のスロットを十分の保有しているから変更はないのだろうか。 成田アトランタ線がじきにノースウェストの747で増便されるらしい。採算は大丈夫なのかと心配になるが、アトラ

こだまのグリーン車

JR東海はもともとこだまのグリーン車の安売りに積極的である。ただでさえグリーン車の需要が少ないのに、グリーン車が3両も連結されていてはもったいないし、グリーン車に移ってもらえば普通車の座席に余裕が出るからである。 ぷらっとこだまグリーン車エコノミープランは、東京名古屋間ではぷらっとこだまの普通車の1000円増しと破格の値段であり、もちろんのぞみの普通車よりもはるかに安い。のぞみよりも1時間10分余計にかかるが、特に急ぎの用事でもない限り、落ち着かない普通車で1時間40分過ごすより、落ち着いたグリーン車で2時間50分過ごす方が体は楽である。座席の広さもさることながら、静かで落ち着いており、乗客も少ないためである。700系を選んで乗ればなおさらである。それに、せっかくグリーン車に乗るならある程度長く乗らなければ勿体ない。好きな食べ物や飲み物、好きな音楽、好きな本を持ち込んでくつろいでいれば、3時間近い移動も苦にならない。のぞみの通過待ちのときにホームに降り立って息抜きをするのも良いものである。 ぷらっとこだまは主要駅相互間でしか利用できないし、予約変更もできないが、エクスプレス早特なら、3日前までに予約するという条件で利用でき、3日前までの予約という条件さえ満たされれば予約変更もでき、しかも主要駅以外でも利用できる。ぷらっとこだまよりも高いが、予約変更ができるのだから、値段に差があるのは仕方ない。2009年8月29日からは、IC早特も利用できるようになり、紙の切符を発券する必要がなくなる。 ビジネスの出張だと時間に余裕がないし、予約変更も伴うが、プライベートの移動なら列車を決めてしまってもさほど支障がないので、安く快適に移動することができる。ぷらっとこだまにせよ、エクスプレス早特にせよ、個人旅行客向けの価格差別なので、プライベートでは活用したいものである。

スピーカーを無線化したい

ThinkPad Xシリーズの伝統にたがわず、X200sにもモノラルスピーカーしかついていない。よしんばステレオスピーカーだとしても音質の上で満足の行くものではない。そうなると必然的に外部スピーカーに接続することになるが、せっかく持ち運びに便利なノートパソコンなのにスピーカーのケーブルに縛られるのは勿体ない。どうせなら無線化したいものである。 候補は2つある。1つはBluetoothスピーカーを使うことであり、もう1つはAirMac Expressを使うことである。手軽なのはBluetoothスピーカーである。折りしも、Windows Vista SP2からBluetooth 2.1がサポートされるようになった。少し調べてみたところ、A2DPという プロトコルによってアナログ音声をSBCという方式でエンコードし、スピーカー側でデコードするようである。デコードとエンコードを繰り返すというのは不安である。オプションでAACでも送信できるようであり、HDD上の音楽ファイルはすべてAACでエンコードしてあるので、これなら使えそうだが、対応しているスピーカーは限られているようなので、注意が必要である。音質も考慮すると、スピーカーの選択肢はかなり狭い。 Blutooth受信機を通常のスピーカーに接続するという方法もあり、これならスピーカーの選択肢が広いが、受信機は意外と少ない。また、ヘッドホンと一緒に使うことを想定してか、バッテリー駆動ばかりである。スピーカーから電源を供給できればよいのだろうが、普通のスピーカーにはそのような機能がない。 AirMac Expressは、Bluetoothの代わりに無線LANを用いた受信機であり、無線LANのルータとして使えるし、USBプリンタを接続することもできる。音声はApple Losslessで伝送され、AirMac Express側でデコードされる仕様である。Apple Losslessでエンコードされた音源ならスピーカーまでのノイズが最小化される。そのため、オーディオ機器としても評価が高い。無線LANとはいえ簡単に設定できるように工夫されているようである。iTunes側でAirMac Expressを識別すると、自動的にAirMac Expressに音声を送るボタンが表示される。しかし最大の問題は、iTunesの音声しか伝送されない

中華始めました

長らくThinkPad X24を使い続けてきたが、USB2.0に対応していなかったりして性能的にかなりつらくなってきた。HDDを換装するなどすればもう少し延命できたはずだが、いまやIDEのHDDは高価だし、USB2.0のPCカードなんて使い回しが効かない。本体重量は重いし、ディスプレイのバックライトも劣化している。せっかく大容量メモリが安い時代なのに、古い仕様の高価なメモリを買っても640MBまでしかメモリを増やせない。さすが延命のためにあらゆる投資をすると10万円くらいしてしまうので、それならむしろ新品を買う方が安いと判断し、新しいPCを買うことにした。5万円のネットブックですらHDD容量やメモリ容量は上である。 機種選定については長い間検討してきた。当初はアルミボディのMacBookにしようと考えていた。プライベートで使うならMacで十分だし、1台で何でもできるし、それに何よりもWindowsが入っていないという点で気分がよろしい。Mac OS XはUNIXなので、各種UNIXアプリケーションを走らせるにも便利である。iTunesで音楽を再生しながらUNIXアプリケーションを使えるのはMacだけである。値段もだいぶこなれてきた。しかし、2kgもあるので持ち運ぶには重過ぎる。MacBook Airなら軽いが、やはり大きすぎるし、それに無線LANのある環境でなければ使いものにならない。さらに、CDのリッピングの際には外付け光学ドライブを直接接続しなければならず、使い勝手が悪い。もちろん値段も高い。キーボードとポインティングデバイスについても、ある程度は慣れの問題とはいえ、ThinkPadの吸い付く感じとは違う。キーボードとポインティングデバイスとエディタと仮名漢字変換エンジンは、筆記用具としての使い勝手に直結し、ひいては文章にまで影響する。 そうこうしているうちに、ネットブックが多数出回るようになった。外出先でウェブを閲覧したり音楽を再生したりする分には十分な性能だが、キーボードが小さいので、せっかく持ち運びに便利なのに筆記用具としては機能しない。ディスプレイが小さいので、ウェブの閲覧もつらそうである。それに、小さい割にはさほど軽くなくて、10インチディスプレイのマシンだと1kgを越える。それならば、重さ1kg強の12インチのノートパソコンの方が使い勝手が良い。値段