肉体が男性であっても性自認が女性なので男性用のスペースではなく女性用のスペース(共同浴場や更衣室やトイレ)を使いたいという人がいるらしい。一方、女性用のスペースに男性の体を持った人が入ってくるのは嫌だという人もいるようである。あいにくこの状況では利害が対立しているが、いずれも当事者のニーズなので、なるべく双方が困らないような解決策を考えるのが本来あるべき姿であり、それを当事者同士で話し合って決めるのが民主主義である。そのためには当事者の声を集めたり、技術的に可能な解決策を検討したりといった作業が伴う。それに対して、自分と異なる考えだからという理由で当事者の意見を封殺するのは全体主義であり極めて反民主的である。 困ったことに世の中にはいろいろな価値観の人がいて、当事者同士で話し合って平和的に問題を解決したいと望む人もいれば、反対に自分と異なる意見を力づくで押さえつけて自分の都合を押し付けたいという全体主義者もいる。単に争い事が好きで人を攻撃する口実を探し回っている人もいれば、不和を煽るのが好きな人もいるようである。 肉体が何であれ性自認が何であれ、単にニーズが異なる人同士なら共に話し合って解決策を考える余地があるが、価値観が根本的に異なる人とは共存しようがないので黙って離れるしかない。共同浴場を使用することに危険が伴うなら共同浴場を利用しないという選択もある。共用スペースではなくなるべく個室を使うというやり方もある。 争い事が好きでない人が争い事が好きな人と同じ土俵に立つ筋合いはないので、真っ向から相手にせず、なるべく価値観の合う人同士で付き合うようにしていればよい。