居間に40インチのテレビを導入した際にそれまで使われていた32インチのテレビを寝室用に流用していたが、あいにく40インチのテレビが壊れてしまったので、32インチのテレビを居間に戻し、寝室用に新たにテレビを購入することになった。
【要件】
寝室用なのであまり大きなサイズは必要なく、ダブルチューナーのテレビでなるべく安いものをという要件で選んだ結果、シャープの22インチのテレビを選定した。19インチだともっと安いし、24インチだとサイズにゆとりがあるものの、19インチと24インチはHDであるのに対して22インチだとフルHDなので、せっかくなのでフルHDの22インチにした。このサイズならHDでもさほど問題ないのだが、2画面分割にしたりテレビ番組の外側にデータ放送を表示させたりすると画面が小さくなるので、そのための余裕があった方が便利である。
【初期設定】
テレビは大型家電ということで持ち帰りの手間を省くために通販で購入したが、届いた現物は持ち運べるサイズだった。セットアップは簡単で、スタンドをネジ留めした上で電源ケーブルとアンテナケーブルを接続し、さらにそれまで使っていたUSBのHDDを接続すれば完了である。さすが家電製品だけあってPCやスマホよりもはるかに簡単である。USB HDDは新しいテレビに接続する際に初期化せざるをえなかった。
【第一印象】
画面の大きさについては、32インチから22インチへと大幅に小さくなったが、目が慣れてしまえば別段問題ない。むしろテレビが小さくなったことで、部屋が広く感じられる。リモコンのボタンを押してからの反応に少々時間がかかるし、全体の質感が安っぽいが、実際に安いのだから仕方ない。スピーカーの音質もさほど良くはないが、どのみち寝室用なので大きな音で鳴らす機会はない。
【リモコン】
シャープのテレビを買って戸惑ったのは、リモコンの流儀が東芝のテレビと異なることである。例えば1.5倍速再生するためには東芝のテレビでは再生中に再生ボタンをもう一度押すが、シャープのテレビでは早送りボタンを1回長押しする。説明書を見るまで、1.5倍速再生のやり方が見つからず、てっきり1.5倍再生できないものとばかり思っていた。長押しせずに短時間押すと次のチャプターに移ってしまう。東芝のテレビだと早送りのボタンと次のチャプターへのボタンが別なので押し間違えることがない。録画予約の流儀も東芝とシャープとで異なるので、慣れるまでが大変である。一方、東芝のテレビに無くてシャープのテレビにあるのが30秒送りのボタンと10秒戻しのボタンである。CMは大抵30秒単位なのでCMを飛ばすのに便利である。
【裏番組録画】
シャープの場合、ダブルチューナーといえどもチューナーのうちの1つは裏番組録画専用で、同時に2番組録画することはできない。2番組録画のためにはトリプルチューナーを搭載した機種を選ぶ必要があるが、トリプルチューナーを搭載しているのは高価な4Kテレビだけである。もっとも、小さいサイズのテレビでダブルチューナーを搭載しているテレビは他社製品には存在せず、裏番組録画専用とはいってもダブルチューナーを搭載しているだけでもありがたい。
【番組表検索】
番組表はそこそこ見やすいものの、大量の番組がある以上、好みの番組を見つけるのは難しい。K30シリーズは録画機能重視ということで、録画したい番組を簡単に見つけられるよう検索機能がある。ジャンルで検索するものとキーワードで検索するものとがあり、ジャンルによる検索は主要なジャンルは網羅されているものの、あまりニッチなジャンルでは検索できない。そのような場合にはキーワードで検索することになるが、関係ないものまでヒットしてしまう傾向がある。キーワード検索のためのソフトウェアキーボードがあり、PC用のキーボードには遠く及ばないものの、テレビのソフトウェアキーボードとしては標準的なものである。
番組開始前に検索でヒットした番組の開始を知らせてくれる機能があるが、最初から録画する前提なら邪魔なだけなので機能をオフにしておいた方がよいだろう。
【くっきり音声】
シャープのテレビには「くっきり音声」の機能があり、とりわけ1.5倍速再生の際には音声が早口になって聞き取りにくくなるので、音声が聞き取りやすくなるのはありがたい。
【2画面分割】
シャープのテレビには2画面分割の機能もある。複数のテレビ番組を同時に表示させることはできないが、テレビとHDMI等の外部入力を同時に表示させることができるので、例えばPCとHDMIケーブルで接続してPCの画面とテレビの画面の両方を表示させたり、録画した番組を再生中にテレビの画面を表示させたりすることができる。22インチで左右に分割するとさすがに画面が小さすぎるが、左右に分割するだけでなく、画面の右下に小さい画面を表示させることもできるので、スポーツの試合の中継やニュースを右下に表示させるのに便利である。
【インターネット接続】
インターネットに接続する機能は無い。双方向通信用にLANケーブルを挿す端子がある程度で、テレビで直接YouTube等を再生する機能は無い。しかしその手のサービスは当初は珍しがって使ってみるものの、じきに飽きて使わなくなってしまう。ウェブブラウザの操作のためには文字入力が不可欠だが、なにぶんテレビのリモコンでの文字入力は不便極まりないので、そんなことをするくらいならPCをHDMIケーブルで接続した方が便利である。余計な機能よりもきちんと録画できてきちんと再生できることの方が重要で、それはテレビにできてPCにできないことである。
それに今ではApple TVやAmazon Fire TVやChromecastといったHDMI端子に挿してインターネットサービスを利用できるようにするハードウェアが販売されているので、高価なテレビを買うよりもそのような安価なハードウェアを外付けする方が安くつく。
【スマホとの接続】
今や誰もがスマホを持つ時代なので、スマホをテレビに接続するという使い方もある。2つあるHDMI端子のうちの一つがMHL対応になっており、MHL対応のスマホを専用のケーブルで接続すれば、スマホの画面をテレビに投影できる。使い慣れたスマホを使いたいけれども自宅では動画等は大画面で楽しみたい場合には便利だろう。あいにくMHLに対応している端末は大手キャリアのAndroid端末だけでiPhoneはMHLに対応していない。
【PCとの接続】
22インチのテレビはPC用の外部ディスプレイとして手頃なサイズで、HDMIケーブルで接続することでテレビを拡張ディスプレイとして使えるので、エクセルの画面だけをテレビの側に表示させたりすることができる。しかしテレビのスタンドはどういうわけか固定式で、角度を細かく調整することができない。テレビの留め具自体は汎用なのでディスプレイ用のスタンドを別途購入すれば外部ディスプレイとして問題なく使えるが、どうして最初から可動式のスタンドにしないのか理解に苦しむ。
小さくて安いテレビなので機能に制約があるのは仕方ないが、それでもこれだけのものがこんなに安く買えるようになったのは世の中の進歩の賜物である。