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中野駅配線改良案

【現状での課題】
  1. 発着番線がバラバラでわかりにくい。緩行線新宿方面行きは2番線または5番線発。三鷹方面へは1番線発、3番線発、または6番線発。東西線は4番線または5番線発。次の列車の発着番線を階段下の電光掲示板でいちいち確認しなければならない。
  2. 対面乗り換えができない。緩行線と快速との対面乗り換えができないばかりでなく、緩行線と東西線との対面乗り換えもできない。緩行線中野止まりの列車から三鷹方面への乗り換えは2番線から3番線への移動が必要。東西線中野止まりの列車から三鷹方面への乗り換えは4番線から1番線への移動が必要。緩行線上りから東西線への乗り換えは5番線から4番線への移動が必要。緩行線上り東西線直通列車から緩行線上り新宿方面への乗り換えは5番線から2番線への移動が必要。すべて階段の昇り降りが伴う。
  3. 中野駅での乗り換えの不便さから派生する杉並三駅問題。高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪から新宿方面に行く場合、中野駅で快速に乗り換えるのも、東西線直通列車から緩行線に乗り換えるのも不便であり、新宿志向の強いこれらの駅で快速が通過すると極めて不便になる。そのため、快速列車がこれらの駅に停車せざるをえなくなり、快速の所要時間が増大し、遠方からの旅客の負担になっているのに加え、特別快速や特急のダイヤも制約される。
【背景】

  1. 緩行線の車庫の存在。大正時代に両国から中野までの線路が建設されて以来、中野が総武線からの乗り入れ列車の終点であり、車庫も中野にあった。現在は検修機能は三鷹に集約されているものの、留置線は引き続き使用されている。なお、三鷹の車庫はもともとは快速線用として建設されたもので、豊田に快速線の車庫ができた際に緩行線の車庫になった。
  2. 総武線側と中央線側の旅客数の違い。比較的混雑する総武線側は列車本数が多く、しかも都心側で折り返し可能な駅が中野と三鷹しかない。一方、中央線側は乗客数が少ないため、輸送力を調整する必要がある。現状では中野を境に輸送力に大きな差をつけているが、緩行線の利便性を向上して乗客数を増やせば中野での折り返しが必要なくなる。
  3. 東西線と緩行線の両方に中野駅折り返し列車が存在する。そのため、緩行線の2面3線のホームが東西線の島式ホームを挟み込む形になっている。2番線は主に中野での折り返し列車向けに使われているが、車庫への入出庫用のホームでもある。

【解決の方向性】
  1. 中野の車庫の廃止。緩行線の配線を複雑にしている中野の車庫を廃止する。将来、箱根ヶ崎に快速用の車両基地ができれば、武蔵小金井の車両基地を緩行線用に転用することができる。中野の車庫跡地は立体交差の線路用地や工事用地として活用できるし、車庫跡地の再開発によって工事費用を捻出できる。
  2. 快速線と緩行線とで対面乗り換えを実現する。快速は高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪を通過。これらの駅から新宿方面への移動を円滑にすること、および三鷹、吉祥寺、荻窪での対面乗り換えを可能にすることで、利便性を確保する。東西線との対面乗り換えはできないが、ラッシュ時を除き緩行線沿線と東西線との間の旅客流動が乏しいことから、東西線との対面乗り換えよりも快速線との対面乗り換えを優先させる。ラッシュ時の東西線への旅客流動については、緩行線から東西線への直通列車を設定することで対処する。
  3. 中野三鷹間で方向別複々線にする。これにより、快速線と緩行線との間の転線を容易にし、現在運転されている中野から各駅停車になる快速列車を中野で緩行線に転線させることができるようになる。現状では快速線の混雑が激しいのに対して緩行線は朝ラッシュ時でもさほど混雑しないので、緩行線の線路を活用して輸送力を増やすことができる。さらに、快速線を走る列車の停車駅が少なくなることで、全般的に速達化が可能になり、特に朝ラッシュ時の平行ダイヤの時間帯に所要時間が短縮する。
  4. 東西線の三鷹直通はラッシュ時を除き廃止。緩行線の中野折り返し列車も廃止。東西線の三鷹直通列車が廃止されること、および快速が高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪の各駅を通過することで、緩行線の中野三鷹間の需要が増大するものと想定される。
【中野駅配線案】(番号はホーム番号)
  1. 快速下り
  2. 緩行下り
  3. 東西線
  4. 東西線
  5. 緩行線上り(朝ラッシュ時のみ)
  6. 緩行線上り(朝ラッシュ時のみ)
  7. 快速上り(朝ラッシュ時以外は緩行線上り)
  8. 快速上り
朝ラッシュ時は緩行線も快速も本数が多いため、上り列車はともに両面発着させる。この時間帯だけは緩行線と快速線との対面乗り換えができないが、快速の混雑が激しく、緩行線の列車本数も多いので、この時間帯に限っては緩急分離せざるを得ない。その代わり、中野駅に緩行線のホームが2線あるため、緩行線経由の優等列車を設定して中野で追い越しをすることも可能である。それ以外の時間帯は緩行線を7番線発着にすることで快速と同一ホームで乗り換えられるようにする。中野停車の快速のみ6番線発着にすることも可能だが、新宿の隣の中野で快速が線路を空けても特急や特別快速の追い越しに使えるわけではないので、あまり意味がない。

ラッシュ時のみ東西線直通列車を設定し、東西線から三鷹方面への列車は2番線発着、三鷹方面から東西線への列車は4番線発着にする。中野駅で東西線直通列車から新宿方面に乗り換えるときのみ同一ホーム上での乗り換えができないが、ラッシュ時は本数が多いため、最初から新宿方面行きの列車に乗ることで対処できる。

朝ラッシュ時以外は中野で緩行線と快速とが同一ホーム上で乗り換え可能となるため、高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪から新宿方面への移動が便利になる。これにより快速がこれらの駅を通過しても利便性が損なわれない。現状通りに中野まで快速運転で中野から各駅停車になる列車(区間快速?)を設定する場合には、快速列車が中野駅で緩行線に転線すればよい(上りの場合はその逆)。線路容量次第では、荻窪吉祥寺のみに停車する列車も緩行線経由とすることも考えられる。朝ラッシュ時には快速の方が混雑するので、快速線には三鷹中野間ノンストップの列車のみ走らせて、比較的停車駅の多い列車をこの区間で緩行線経由にして緩行線の線路容量を活用することもできる。このように複々線の線路を活用して柔軟なダイヤを設定できるのが方向別複々線の利点である。

その半面、東西線と緩行線とで同一ホーム上での乗り換えは諦める。比較的需要の多いラッシュ時のみ三鷹方面からの直通列車を設定することで対処する。新木場駅のように東西線ホームの三鷹寄りに引き上げ線が2本あるとラッシュ時でも余裕を持って列車を捌くことができる。この場合は3番線が降車ホーム、4番線が乗車ホームとなる。

もし緩行線に中野折り返し列車を設定する場合には、東西線ホームに引き上げ線を設置するのをやめるか、あるいは東西線用の引き上げ線のさらに三鷹寄りに緩行線用の引き上げ線を設置する。東西線直通列車のあるラッシュ時のみ、東西線直通列車と緩行線の引き上げ線に出入りする列車とが平面支障するが、ラッシュ時の緩行線で中野折り返しの列車を設定しなければ問題ない。

【中野駅での立体交差】
立体交差化に際しては用地の確保が課題になる。東中野中野間で下り快速線が緩行線をまたぐ高架を建設する場合、中野駅寄りは車庫用地を利用すればよいとしても、東中野付近の用地が不足する。費用と工期はかかるが、下り快速線直下に地下線を掘削して一夜で切り替える工法を採用すれば東中野付近での用地買収は不要になる。昔はこんな工法は実現できなかったが、今では東急建設がいくつもの案件を手がけて技術を蓄積している。直近では京王線の調布駅付近や東横線の代官山駅付近の地下線切り替え工事の実績がある。大掛かりな工事になるが、中野の車庫用地を工事用地として活用できる。

【中野三鷹間の各駅の配線案】
外側を快速線、内側を緩行線とする。三鷹駅では1番線2番線が快速線下り、3番線4番線が緩行線、5番線6番線が快速線上り。

【三鷹駅での立体交差】
三鷹駅で緩行線から三鷹車両センターへの入出庫が発生すると下り快速線と平面支障するので緩行線ホームから三鷹車両センターまでの間も立体交差であることが望ましい。将来的に三鷹立川間が複々線化される際には快速線がこの区間で地下化される計画なので、それを先取りして下り快速線をアンダーパスにするのがよいだろう(立川寄りに高架橋があるので線形的には厳しいが)。三鷹車両センターには特急車両も留置されるので、快速線からも入出庫できるようにする。

【タイミング】
中野の留置線を廃止することが前提なので、緩行線用の留置線を武蔵小金井に移転できる時点、すなわち箱根ヶ崎に快速用の車庫を作ることができて始めて可能になる中野の留置線を廃止にすることで、工事用地や立体交差用地を捻出し、かつ留置線跡地を再開発することで工事予算を確保する。中野の留置線が廃止になることで、入出庫のための緩行線の中野折り返し列車を無くすことができる。中野駅の配線が現状のようになっているのは、この車庫の存在が一因。

【工事】
  1. 中野の留置線を廃止する。
  2. 留置線跡地を利用して立体交差建設用地を確保する。
  3. 東中野中野間の立体交差工事に着手。
  4. 線路や分岐機を新しい配線に合わせて徐々に変更する。その間、速度制限が発生する。
  5. 新しい信号通信設備を敷設する。
  6. 線路切り替え。信号通信設備は一晩で新旧切り替え。切り替え完了後に旧設備を使用中止にして順次撤去。同様に饋電設備も切り替え。内側線ではロングレールの伸縮継手の方向が逆になるので、該当箇所のレールを切断・溶接して向きを変える。
【中野三鷹間を方向別複々線に作り直さない場合】
中野三鷹間を方向別複々線に作り直さなくても、緩行線と東西線との対面接続および同一方向同一ホーム化は実現できる。こちらの案の方が費用が安く現実的かもしれない。
  1. 緩行線下り
  2. 東西線到着
  3. 東西線出発
  4. 緩行線上り
  5. 下り快速線(非常時用の待避線)
  6. 下り快速線
  7. 上り快速線(両面発着用および非常時の折り返し用)
  8. 上り快速線
緩行線と東西線が中目黒方式の配線になる。東西線と上り緩行線を1線づつ南側にずらす形になる。2番線と3番線の三鷹寄りの線路を東西線の引き上げ線とし、両渡り線を設置。6番線から8番線までは現状と同じ。

この場合は中野駅での緩行線と東西線の線路の付け替え工事のみなので、快速線はほとんど影響を受けない。立体交差工事や中野三鷹間の線路切り替え工事も不要。

この場合も中野の留置線を廃止すること、緩行線の中野折り返し列車を廃止すること、および東西線の三鷹直通列車をラッシュ時限定にすることが前提なので、実施できるタイミングは中野の留置線を廃止できた後になる。中野の留置線から緩行線上り方面への出庫列車は、上記の配線では設定できないためである。もし留置線を残す場合には、東西線用の引き上げ線のさらに三鷹寄りに緩行線用の引き上げ線の設置が必要になる。これは緩行線の出庫列車が東西線の線路を横断しないようにするためである。

緩行線の中野折り返し列車を廃止することで、高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪の各駅から新宿方面へ日中でも毎時12本運転されることになり、しかも中野駅での乗り換えも解消されることから、快速を停車させなくても十分な利便性が確保される。もちろん新宿以遠へ行く場合には快速と緩行とで所要時間に若干の差が生じるが、緩行線の平均待ち時間を大幅に短縮することで、その差を吸収できる。中野御茶ノ水間で緩行と快速との所要時間の差は7分。平均待ち時間が5分から2分半に短縮されることでドアツードアの所要時間を2分半短縮できるので、差し引き4分半になる。新宿までなら所要時間の増分は2分であり、平均待ち時間の短縮分の方が大きい。
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三鷹立川間の高架化と快速へのE233系導入が一段落したので、八王子支社の次のビッグプロジェクトとして検討を始めてもよいのではないだろうか。箱根ヶ崎の車庫問題が解決するまで時間がかかるだろうから、準備のための期間は十分に確保できる。

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