仕事用のPCが導入されて3年近く経過する。次期PCではThinkPad以外の機種が導入される可能性があることから、せめてキーボードくらいはまともなものを使いたいと思って、トラックポイントキーボードを発注した。このトラックポイントキーボードは他社ノートPCだろうとデスクトップPCだろうがキーボードだけはTninkPadに化ける優れものである。
トラックポイントキーボードには日本語版と英語版とがあり、さらにUSB接続の有線キーボードとBluetoothキーボードとの2種類がある。Bluetooth接続だと内蔵バッテリーに定期的に充電する必要があり、その際にはUSB接続で充電することになる。それなら別に最初からUSB接続であってもさほど変わらない。また、Bluetoothキーボードだと僅かながら伝送遅延が気になる。
第一印象はまず12インチクラスの小ささで、パームレストも無いからかなり小さい。それでも膝の上に置いて打鍵するには支障しないサイズである。ケーブルはmicroUSBでキーボードに接続するタイプで、汎用のケーブルを使えるのは便利である。また、持ち運ぶ際にはケーブルを抜いて束ねることができるので、キーボードから生えたケーブルが折れ曲がって断線するリスクが低い。ケーブルを接続すると端子付近の緑のランプがつくが、ケーブルはキーボードの前側についており、キーボード操作中にはランプが点灯しているのが見えない。このランプがどのように役に立っているのかよくわからない。
試しにThinkPad X1 Carbonに接続するとすぐに認識された。キーの配列はThinkPadで標準的なものなので、ThinkPadに慣れ親しんでいれば使いやすい。いまどきのキーボードなのでアイソレーションキーボードだが、キーストロークは思いのほか深めということもあって、打鍵感は良好である。少なくともThinkPad X1 Carbonの2014年モデルよりもはるかにまともである。
トラックポイントの操作感も良好で、特に調整しなくても軽やかに動く。中ボタンの操作は古い機種とは違っていて、中ボタンを押してから指を離すと一定速度でスクロールするモードもあり、長い文章を読むときには便利かもしれない。
キーボードの足は左右方向に起こすタイプである。古いトラックポイントキーボードだと、前後方向に足を起こすのだが、前後方向に足を起こすタイプだとキーボードに前方向の力がかかると足が折りたたまれてしまう。足を左右方向に起こすタイプだと、キーボードを使っている最中でも姿勢が安定している。細かいところが改良されているようである。
有線キーボードと無線キーボードは部品のかなりの割合が共通化されているのではないだろうか。USBケーブルとの接続は無線キーボードにもあって、有線キーボードは、無線キーボードから無線通信モジュールや内蔵バッテリーが省略されているのではないか。無線キーボードでも同じような使い勝手なら、タブレット端末と組み合わせて使っても便利かもしれない。ただしタブレットではトラックポイントを使えないので、キーボード上ですべての操作が完結する便利さは手に入らない。