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タブレット端末の大きさと用途

iPod touchのガラスが破損して以来、代替機の候補を探しているのだが、その過程で大きさと用途について考えることになった。

【3.5インチ~5インチ】




いわゆるスマートホンのカテゴリである。メール、Twitter、RSSリーダー、カレンダー、Evernote、ニュース、天気予報等、テキストベースで随時更新される情報の閲覧が主たる用途となる。動画の閲覧には物足りない。青空文庫等の書籍の閲覧でも1画面に表示できる文字数が少ないため、あまり実用的ではない。ウェブブラウザの使用は現実的ではない。地図も、限られた範囲しか表示できない。

片手で操作できるので、満員の通勤電車で立った状態でも使うことができ、暇潰しになる。また、歩きながら使うこともできるし、上着のポケットに入るので、必要になったらすぐに取り出して使うこともできる。ネットワークに接続されたPDAである。

文章作成は最大140字のTwitterや、必要最低限の情報を記載した電子メールや、Evernoteでの簡単なメモくらいまでは対応可能だが、まとまった分量の文章を作成するのには適していない。片手での文字入力についてはガラケーの方が便利だが、画面の閲覧やスクロールはスマートフォンの方が便利である。たしかに、ネット上で流れる情報が増えるとガラケーでは難しいかもしれない。

iPhoneやiPod touchは3.5インチ、Android端末は4インチ強だが、実はAndroid端末がやたら大きいのは解像度の大きいディスプレイを載せられないからであり、iPhoneやiPod touchの方が解像度が高い。画面から得られる情報量が同じなら片手にすっぽり収まるサイズの方が使い勝手が良い。iPhoneやiPod touchなら親指だけでソフトウェアキーボードに入力できるので、パスワードの入力くらいなら簡単にできる。

この手の端末はいろいろ出ているが、携帯電話会社との契約が不要なWiFiのみの端末というと、iPod touchとウォークマンZシリーズくらいしかない。ウォークマンZシリーズは音質を売りにしているようだが、バッテリー持続時間が短いので、実はネット端末と音楽プレイヤーの用途が両立しないし、音楽プレイヤーとしては大きすぎる。しかも高い。WiFiのみの端末だと結局iPod touchしかない。ただしiPod touchは2010年9月以来新機種が出ておらず、iPhoneに比べてハードウェアの性能がかなり見劣りするようになっている。新型が出ればよいのだが。

たしかに、すぐにネットにアクセスできる端末となると3G回線がついている方が便利なのだが、端末ごとに3G回線の契約をして毎月5000円~6000円くらい払うのはたまったものではない。たとえ本体の実質負担額が0であっても2年間で13万円くらいになる。今やイーモバイルだって月額3880円なのだから、もう少し安くなっても良さそうだが。本体価格だけで比較しても、iPod touchは16000円から33000円くらい、ウォークマンZシリーズも同じくらいの価格帯だが、スマートフォンとなると6万円から7万円くらいの価格帯になる。

音楽プレイヤーとして使えるサイズだが、スマートフォンはバッテリーの持ちが良くないので、1台でネット端末と音楽プレイヤーとを併用するとバッテリーが1日持たない。音楽プレイヤーとして使わなくてもスマートフォンの大半はバッテリーが1日持たない。モバイルブースターのような外部バッテリーがある方が機動力が増す。





【7インチ】

重さは400g程度、厚さは1センチ程度であり、片手で持つことはできないが、両手で持つことはできる。ディスプレイの大きさは10インチのタブレットの半分、大きさは10インチのタブレットの半分強である。あるいは、iPod touchの4倍の大きさで重さも4倍である。

ディスプレイの大きさが単行本1ページ分なので、テキストベースの電子書籍を閲覧したり、写真や動画を見たりするのに適したサイズである。写真入りのブログを閲覧するのにも便利である。AmazonのKindle Fireがこのサイズである。満員電車の中で使うことは憚られるが、通勤電車で座っているときや、比較的空いている電車で立っているときには使うことができる。外出先で本を読むのと同じような用途である。日本の出版業界が電子書籍に舵を切ったら爆発的に売れるのではないだろうか。


ポケットには入らないがハンドバッグには入る。どのみち女性はポケットに物を入れないので、敢えてポケットに入るサイズにするまでもない。これは男性用の財布と女性用の財布との違いと同様である。10インチのタブレット端末は手の小さい日本人女性が持つには大きすぎるので、そういう人は7インチのタブレットを好む傾向がある。

厚さはiPadやiPhoneと同じくらいのはずなのだが、感覚的には分厚く感じられる。新しい製品なので、まだ設計がこなれていないのではないだろうか。画面の解像度は実はスマートフォンと大差ないが、文字情報の閲覧に関しては、スマートフォンよりも一度に読める文字数が多い(その代わりフォントはきれいでない)。文字入力は、横にすれば手の小さい人なら文章を作成できる程度か。





価格は1万円~4万円くらいと差が大きいが、ハードウェアスペックに大差ないし、OSはどのみちAndroidなので、できることには大差ない。中国ブランドの安物だと1万円くらい、メジャーブランドだと3万円~4万円くらい。Appleがまだ参入していないカテゴリーなので、強気な価格設定をしているのではないだろうか。Lenovo IdeaPad A1やAmazon Kindle Fireは1万6千円~2万4千円くらいで手に入るので、信頼性と価格とのバランスを考えればこれらが最もコストパフォーマンスが高いだろう。

【10インチ】

地図、旅行ガイドブック、雑誌、時刻表の閲覧に適したサイズである。雑誌は1ページ分、単行本は見開きで2ページ分表示できる。乗り物の中で映画を見ることもできる。縦にしてもソフトウェアキーボードに文字を入力できる。横にすればソフトウェアキーボードで快適に文字を入力できる。ウェブブラウザを快適に閲覧できるため、ホテルや乗り物の予約をしたり、ネット通販で買物したりできる。出張や旅行に持ち出すのに最適である。通勤で常時携帯するには大きくて重い。頻繁に旅行に出る人はあまりいないだろうから、ビジネストラベラー向きの端末といえる。


両手で持っても重いので、通勤電車立ったまま使うのは難しいし、歩きながら使うこともできない。足を組んで膝の上に乗せるかテーブルの上に乗せるかして使うものであり、列車や飛行機の中で使うとか、空港のラウンジで使うとか、ホテルの中で使うといった形になる。

あるいはデスクトップPCしか持たない人が自宅のどこでも使える自宅専用PCとして使うというやり方ならありうる。しかし価格は4万円~6万円くらいなので、自宅専用PCとして使うなら14インチサイズのノートPCを買えてしまう値段である。下手をしたらノートPCよりも高い。敢えて10インチのタブレットを買うニーズがあるのは荷物を減らしたいビジネストラベラーに限られるし、出張だけのためにこの金額を出せるのはビジネストラベラーに限られる。




手に持ったときに最も持ちやすいのはSony Tabletである。重さは600g弱とiPad2とほぼ同じ重さだが、左右非対称で手に持ったときの重量バランスが良いため、軽く感じられる。また、横にしてテーブルの上に置くと傾斜がついているので画面を見やすい。

そういえば、スタートレックに出てくるタブレット端末もたしかこのくらいの大きさだったような。

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