中央道の高井戸上野原間は東京近郊の高速道路で唯一4車線なので渋滞しやすい。そのことは当のNEXCO中日本も承知しており、上り線の調布ICから三鷹料金所までの区間の路肩を削って付加車線を設置したり、小仏トンネルに上り線付加車線用のトンネルを掘ったりしている。どうせ小仏トンネルにもう1本トンネルを掘るなら東名の大井松田御殿場間や中央道の上野原大月間のように上り線用に3車線道路を新設して現在の4車線は下り線として使えばよいのだが、当然のことながら費用と工期がかかる。あとはかつての東名の音羽蒲郡付近のように路肩を削って暫定6車線化する区間を増やしたりすることはできるかもしれない。どのみち現状でも実速度は低いので、多少規格を落としても問題ない。
中央道単体での混雑緩和策には限界があるので、他の方法は無いだろうか。
1.国道20号の輸送力増強
東八道路が全通すれば国立府中インターまでの交通の一部は一般道に転移できる。日野バイパスが開通し、八王子バイパスが無料化してからは、この区間は国道20号に迂回できるようになった。しかし八王子から先は線形が悪いので、八王子ICと相模湖ICとの間はたとえ渋滞しても中央道を走らざるを得ない。日野バイパス第二期と八王子バイパスが全通すれば圏央道高尾山ICまでは国道20号を走れるようになる。しかし高尾山ICから先は大垂水峠にトンネルを掘らない限り国道20号は都市間道路として機能しない。八王子JCTでの合流渋滞があるので、できればここを迂回したいものである。
2.新東名へのシフト
新東名神奈川区間が開通し、東富士道路が御殿場まで開通すれば、東京から富士五湖方面へは中央道経由よりも新東名経由の方が早くなるだろう。遠回りになるが、河口湖から御坂峠を越えれば一宮御坂ICに出られるので、甲府以遠に行く場合も中央道の渋滞が激しいときには迂回路として使えるようになるかもしない。
東富士五湖道路から国道137号に抜けるためには富士吉田ICで降りて河口湖大橋を通るルートだが、河口湖付近で混雑する。国道137号には新倉河口湖トンネルというバイパスがあり、トンネル入り口は中央道のすぐ近くにあるので、中央道の交差部にスマートインターチェンジがあれば楽になる。西桂スマートインターはもっと大月寄りにあるので、御殿場方面から利用する際には遠回りになる。
3.上信越道ルートの活用
諏訪や松本に行く場合には上信越道経由のルートも検討すべきである。上信越道は碓氷軽井沢ICから先はガラガラだし、関越道が渋滞しても東北道と北関東道を迂回するルートが使える。関東平野での関越道と東北道は外環道と圏央道と北関東道という3本の高速道路で結ばれていてダブルネットワークを形成している。関越道で渋滞しやすいのは鶴ヶ島の北のサグだが、北関東道経由ならここを迂回できるので、渋滞時には実は北関東道経由の方が早い。西に行くのに東北道で佐野に出るのは妙だが、それでも中央道や関越道が渋滞するときにはそのルートが一番早い。
松本までは、上信越道東部湯の丸インターから県道81号と国道254号を走るルートがあり、東京からの距離は中央道経由とほぼ同じである。中央道の渋滞が激しいときには、上信越道経由の方が早くなる。三才山トンネルと松本トンネルという2本の有料道路を通る必要があるが、このうち三才山トンネルは2020年夏に無料化される予定である。国道254号は長距離移動の車が多いため流れが速い。中央高速バスの新宿松本線は中央道経由だが、渋滞時に迂回できるように上信越道経由の迂回ルートの届出もしておけばよいのではないだろうか。この場合、途中停留所に立ち寄れなくなるので、新宿駅から松本駅までノンストップの便を設定し、途中停車便を徐々に縮小していけばよいだろう。
同じく岡谷インターへは、中部横断自動車道佐久南インターから国道142号を通るルートが使える。途中新和田トンネルという有料道路があるが、2021年夏に無料化される予定である。新和田トンネルと岡谷インターの間は線形改良されており走りやすい。しかしこちらは中央道経由よりも40kmほど距離が長いのと、佐久南インターから岡谷インターまで一般道を走行する距離が長いため、中央道がよほど渋滞するときでなければ所要時間で不利である。佐久から岡谷にかけてのルートは中山道のルートで、大型車が高速道路を使わずに北関東から西日本に抜けるメインルートである(大型車は岡谷から塩尻峠経由で塩尻に出て国道19号国道21号で西に向かう)。古来より東西を結ぶメインルートなのだから、本来なら高速道路があってもよい区間である。この区間に高速道路があって所要時間が30分ほど短縮されれば中央道経由と互角の所要時間になるので、わざわざ渋滞する中央道を走る必要がなくなる。国道142号に並行して高速道路を建設すれば相応の費用がかかるだろうが、それでも中央道を拡張するよりも安くつくだろう。
茅野諏訪方面へは佐久南インターから白樺湖経由のルートが使えるものの、やはり50kmほど遠回りなのと一般道走行区間が長いので、中央道がよほど渋滞しない限り所要時間で不利である。一部つづら折りの道があるものの、総じて線形は良好である。
もう一つ、中部横断自動車道の八千穂高原ICから国道299号麦草峠経由で茅野に出るルートもあるが、麦草峠は線形が悪く冬季閉鎖されるので都市間道路としては機能していない。
関東から北陸方面へは既に上信越道経由がメインルートになっている。中央道で松本に出て、安房峠、国道471号、国道41号を経由して富山に出ることもできるが、たしかに高速代は安いものの、所要時間の面では優位に立てない。それに島々と沢渡の間の線形が悪くて走りにくい。中部縦貫自動車道が安房峠から松本まで伸びれば便利になるが、波田地区では反対運動がある。上信越道は信濃町ICと上越JCTとの間の約40kmの対面通行区間がネックだが、この区間は2018年度中に4車線化される予定なので、所要時間が15分ほど短縮されるのではないか。中部縦貫自動車道が全通すれば松本から飛騨清見ICに出て東海北陸自動車道経由で高岡や金沢に出ることができるようになるが、松本まで中央道を経由するのでは渋滞の影響を受けやすい。中部横断自動車道の計画を松本から東部湯の丸ICまで延長すれば上信越道北陸道経由のルートよりも距離が短くなり、北陸道不通時の代替ルートとして使えるようになる。
中央道単体での混雑緩和策には限界があるので、他の方法は無いだろうか。
1.国道20号の輸送力増強
東八道路が全通すれば国立府中インターまでの交通の一部は一般道に転移できる。日野バイパスが開通し、八王子バイパスが無料化してからは、この区間は国道20号に迂回できるようになった。しかし八王子から先は線形が悪いので、八王子ICと相模湖ICとの間はたとえ渋滞しても中央道を走らざるを得ない。日野バイパス第二期と八王子バイパスが全通すれば圏央道高尾山ICまでは国道20号を走れるようになる。しかし高尾山ICから先は大垂水峠にトンネルを掘らない限り国道20号は都市間道路として機能しない。八王子JCTでの合流渋滞があるので、できればここを迂回したいものである。
2.新東名へのシフト
新東名神奈川区間が開通し、東富士道路が御殿場まで開通すれば、東京から富士五湖方面へは中央道経由よりも新東名経由の方が早くなるだろう。遠回りになるが、河口湖から御坂峠を越えれば一宮御坂ICに出られるので、甲府以遠に行く場合も中央道の渋滞が激しいときには迂回路として使えるようになるかもしない。
東富士五湖道路から国道137号に抜けるためには富士吉田ICで降りて河口湖大橋を通るルートだが、河口湖付近で混雑する。国道137号には新倉河口湖トンネルというバイパスがあり、トンネル入り口は中央道のすぐ近くにあるので、中央道の交差部にスマートインターチェンジがあれば楽になる。西桂スマートインターはもっと大月寄りにあるので、御殿場方面から利用する際には遠回りになる。
3.上信越道ルートの活用
諏訪や松本に行く場合には上信越道経由のルートも検討すべきである。上信越道は碓氷軽井沢ICから先はガラガラだし、関越道が渋滞しても東北道と北関東道を迂回するルートが使える。関東平野での関越道と東北道は外環道と圏央道と北関東道という3本の高速道路で結ばれていてダブルネットワークを形成している。関越道で渋滞しやすいのは鶴ヶ島の北のサグだが、北関東道経由ならここを迂回できるので、渋滞時には実は北関東道経由の方が早い。西に行くのに東北道で佐野に出るのは妙だが、それでも中央道や関越道が渋滞するときにはそのルートが一番早い。
松本までは、上信越道東部湯の丸インターから県道81号と国道254号を走るルートがあり、東京からの距離は中央道経由とほぼ同じである。中央道の渋滞が激しいときには、上信越道経由の方が早くなる。三才山トンネルと松本トンネルという2本の有料道路を通る必要があるが、このうち三才山トンネルは2020年夏に無料化される予定である。国道254号は長距離移動の車が多いため流れが速い。中央高速バスの新宿松本線は中央道経由だが、渋滞時に迂回できるように上信越道経由の迂回ルートの届出もしておけばよいのではないだろうか。この場合、途中停留所に立ち寄れなくなるので、新宿駅から松本駅までノンストップの便を設定し、途中停車便を徐々に縮小していけばよいだろう。
同じく岡谷インターへは、中部横断自動車道佐久南インターから国道142号を通るルートが使える。途中新和田トンネルという有料道路があるが、2021年夏に無料化される予定である。新和田トンネルと岡谷インターの間は線形改良されており走りやすい。しかしこちらは中央道経由よりも40kmほど距離が長いのと、佐久南インターから岡谷インターまで一般道を走行する距離が長いため、中央道がよほど渋滞するときでなければ所要時間で不利である。佐久から岡谷にかけてのルートは中山道のルートで、大型車が高速道路を使わずに北関東から西日本に抜けるメインルートである(大型車は岡谷から塩尻峠経由で塩尻に出て国道19号国道21号で西に向かう)。古来より東西を結ぶメインルートなのだから、本来なら高速道路があってもよい区間である。この区間に高速道路があって所要時間が30分ほど短縮されれば中央道経由と互角の所要時間になるので、わざわざ渋滞する中央道を走る必要がなくなる。国道142号に並行して高速道路を建設すれば相応の費用がかかるだろうが、それでも中央道を拡張するよりも安くつくだろう。
茅野諏訪方面へは佐久南インターから白樺湖経由のルートが使えるものの、やはり50kmほど遠回りなのと一般道走行区間が長いので、中央道がよほど渋滞しない限り所要時間で不利である。一部つづら折りの道があるものの、総じて線形は良好である。
もう一つ、中部横断自動車道の八千穂高原ICから国道299号麦草峠経由で茅野に出るルートもあるが、麦草峠は線形が悪く冬季閉鎖されるので都市間道路としては機能していない。
関東から北陸方面へは既に上信越道経由がメインルートになっている。中央道で松本に出て、安房峠、国道471号、国道41号を経由して富山に出ることもできるが、たしかに高速代は安いものの、所要時間の面では優位に立てない。それに島々と沢渡の間の線形が悪くて走りにくい。中部縦貫自動車道が安房峠から松本まで伸びれば便利になるが、波田地区では反対運動がある。上信越道は信濃町ICと上越JCTとの間の約40kmの対面通行区間がネックだが、この区間は2018年度中に4車線化される予定なので、所要時間が15分ほど短縮されるのではないか。中部縦貫自動車道が全通すれば松本から飛騨清見ICに出て東海北陸自動車道経由で高岡や金沢に出ることができるようになるが、松本まで中央道を経由するのでは渋滞の影響を受けやすい。中部横断自動車道の計画を松本から東部湯の丸ICまで延長すれば上信越道北陸道経由のルートよりも距離が短くなり、北陸道不通時の代替ルートとして使えるようになる。