2018年6月2日に外環道千葉区間が開通したことに伴い、トラフィックがどう変化するかを予想すべく所要時間や料金を比較してみた。
千葉方面なら圧倒的に外環道経由が有利だが、湾岸線方面だと意外と首都高速経由の方が有利だったりする。湾岸線方面への所要時間は首都高速経由であっても外環道経由であってもほぼ同じなのだが、料金の差が大きすぎる。
このことから言えるのは、外環道千葉区間を走る車の大半は京葉JCTから京葉道路に向かい、外環道から湾岸線への流入は意外と少ないということである。
それでも、千葉方面へのトラフィックが外環道にシフトすることにより中央環状線の混雑が緩和されたので、外環道を利用しない人にもメリットがある。
1.千葉方面から東北道方面
当然のことながら外環道経由の方が有利。首都高速中央環状線経由に比べて、所要時間は20分短縮され料金も1300円から1000円に下がった(以下料金はすべて普通車平日ETC料金)。外環道経由の方が線形がよく道も空いていて走りやすいので、外環道を経由しない理由がない。
宮野木以遠から外環道に行く場合には京葉道経由の方が東関道経由よりも距離と料金で有利。ただし東関道経由の方が流れが良いので所要時間は同じくらい。例えば千葉北から浦和まで、東関道経由で2020円に対して京葉道路経由で1990円。蘇我から浦和まででも、東関道経由で2150円に対して京葉道路経由で2130円と僅かに京葉道経由の方が安いし、そもそも京葉道路方面から通しで走るならわざわざ東関道を迂回する理由がない。東関道を経由することに意味があるとしたら谷津船橋インターや湾岸習志野インターを利用するときか、あるいは京葉道路が渋滞するとき。
2.千葉方面から常磐道方面
これも外環道経由の方が所要時間が15分ほど短いし料金も安い。例えば湾岸習志野から柏まで外環道経由で1540円なのに対し首都高速経由で2220円。
では圏央道経由との比較ではどうかというと、例えば湾岸千葉から桜土浦まで圏央道経由で2750円で1時間。一方、外環道経由だと2380円で45分なので、常磐道のつくばJCT手前で15分以上渋滞することがない限り外環道経由の方が有利。圏央道の大栄JCTからつくばJCTまでの約40kmは対面通行なので時間がかかる(通常時35分)。今後圏央道が4車線化すれば所要時間の差が縮まるだろうから、渋滞時の迂回路として使いやすくなるだろう。
3.千葉方面から関越道上信越道方面
これも当然外環道経由が有利。首都高速経由であってもどのみち美女木から先は外環道を通る必要があるため料金で不利。例えば湾岸習志野から藤岡まで外環道経由で3940円に対して首都高速経由で4650円。関越道が渋滞する場合には一旦東北道に出てから圏央道を経由して関越道に出ても所要時間はほぼ同じだし、関越道鶴ヶ島以北で渋滞する場合には、北関東道を迂回してもプラス15分で済む。北関東道は線形がよく空いているので関越道よりもはるかに走りやすい。外環道でそのまま関越道に出る場合であっても圏央道経由であっても北関東道経由であっても料金はすべて同じなので、渋滞を考慮して所要時間が短く走りやすいルートを選べばよい。
4.さいたま新都心から成田空港
大宮と成田空港を結ぶ空港連絡バスONライナーの従来のルートは新都心ランプから板橋、小菅、葛西経由で東関道のルートで、3590円1時間半。これが美女木から外環道京葉道路経由にシフトすると3990円1時間15分となる。外環道東関道経由だと4040円1時間13分。外環道経由だと所要時間が15分短縮される反面、首都高速走行区間が短くなる分だけ料金が割高になる。しかし高速路線バスなら運賃収入に占める高速道路料金の割合は低く、むしろ人件費の方が効いてくるので、多少運賃が高くても所要時間が短くかつ渋滞しにくいルートを選ぶだろう。
5.埼玉県から成田空港
意外にも外環道東関道経由の方が早い。加須から新空港まで外環道東関道経由で1時間17分、圏央道経由で1時間31分。料金はともに3590円。外環道から京葉道路に入ると京葉道路に分断されて料金が合算されなくなることから3900円と高くなる。
鶴ヶ島から新空港までだと、外環道東関道経由で1時間28分、3850円。外環道京葉道路経由だとほぼ同じ所要時間ながら、なぜかこちらは3800円と少し安くなる。圏央道経由だと1時間43分と15分遅くなる。
圏央道経由で時間がかかるのは対面通行区間が長いため。外環道経由なら早い上に運転しやすいので、圏央道経由から外環道経由にシフトするのではないか。
6.常磐道方面から湾岸線方面
葛西以遠方面を目的地とする場合、所要時間は箱崎経由、中央環状線経由、外環道経由でほぼ同じだが、外環道経由の方が料金が高い。外環道開通によって中央環状線の混雑が緩和されたため、中央環状線経由でも特に問題ない。例えば柏から有明までの場合、所要時間はどれも35分だが、首都高速経由で1810円なのに対し、外環道経由で2430円になる。
横浜方面を目的地とする場合にはその傾向が顕著で、首都高速道路の料金に上限があるのが効いて、三郷から首都高速を通しで走る方が圧倒的に安い。例えば柏から大黒ふ頭まで、首都高速経由で1810円、外環道経由で2630円である。首都高速三郷線や中央環状線が相当渋滞しない限り外環道へ迂回する動機がない。
目的地が浦安付近の場合には、短距離で首都高速湾岸線を利用すると割高なので、外環道市川南インターを出て一般国道を走行することになる。例えば柏から浦安まで首都高速経由で1810円に対して、外環道経由では1500円だが、さらに外環道を市川南で降りて一般国道を走ると1130円まで下がる。
7.東北道方面から湾岸線方面
外環道経由だと10kmほど遠回りだし料金が高い。例えば浦和から有明まで首都高速経由で38分1560円に対して外環道経由だと40分2560円。料金差は大きいがそれでも所要時間はほぼ同じなので、首都高速が渋滞する場合にはお金で時間を買うことができる。
目的地が大井JCT以遠の場合、小菅葛西経由か板橋経由かを選べるが、渋滞による遅延や線形を考慮すれば小菅葛西経由が最も有利。板橋経由だと中野長者橋付近のサグ渋滞があるし、箱崎経由であっても所要時間はほぼ同じだが、こちらも箱崎の手前で渋滞の影響を受けやすい。
千葉方面なら圧倒的に外環道経由が有利だが、湾岸線方面だと意外と首都高速経由の方が有利だったりする。湾岸線方面への所要時間は首都高速経由であっても外環道経由であってもほぼ同じなのだが、料金の差が大きすぎる。
このことから言えるのは、外環道千葉区間を走る車の大半は京葉JCTから京葉道路に向かい、外環道から湾岸線への流入は意外と少ないということである。
それでも、千葉方面へのトラフィックが外環道にシフトすることにより中央環状線の混雑が緩和されたので、外環道を利用しない人にもメリットがある。
1.千葉方面から東北道方面
当然のことながら外環道経由の方が有利。首都高速中央環状線経由に比べて、所要時間は20分短縮され料金も1300円から1000円に下がった(以下料金はすべて普通車平日ETC料金)。外環道経由の方が線形がよく道も空いていて走りやすいので、外環道を経由しない理由がない。
宮野木以遠から外環道に行く場合には京葉道経由の方が東関道経由よりも距離と料金で有利。ただし東関道経由の方が流れが良いので所要時間は同じくらい。例えば千葉北から浦和まで、東関道経由で2020円に対して京葉道路経由で1990円。蘇我から浦和まででも、東関道経由で2150円に対して京葉道路経由で2130円と僅かに京葉道経由の方が安いし、そもそも京葉道路方面から通しで走るならわざわざ東関道を迂回する理由がない。東関道を経由することに意味があるとしたら谷津船橋インターや湾岸習志野インターを利用するときか、あるいは京葉道路が渋滞するとき。
2.千葉方面から常磐道方面
これも外環道経由の方が所要時間が15分ほど短いし料金も安い。例えば湾岸習志野から柏まで外環道経由で1540円なのに対し首都高速経由で2220円。
では圏央道経由との比較ではどうかというと、例えば湾岸千葉から桜土浦まで圏央道経由で2750円で1時間。一方、外環道経由だと2380円で45分なので、常磐道のつくばJCT手前で15分以上渋滞することがない限り外環道経由の方が有利。圏央道の大栄JCTからつくばJCTまでの約40kmは対面通行なので時間がかかる(通常時35分)。今後圏央道が4車線化すれば所要時間の差が縮まるだろうから、渋滞時の迂回路として使いやすくなるだろう。
3.千葉方面から関越道上信越道方面
これも当然外環道経由が有利。首都高速経由であってもどのみち美女木から先は外環道を通る必要があるため料金で不利。例えば湾岸習志野から藤岡まで外環道経由で3940円に対して首都高速経由で4650円。関越道が渋滞する場合には一旦東北道に出てから圏央道を経由して関越道に出ても所要時間はほぼ同じだし、関越道鶴ヶ島以北で渋滞する場合には、北関東道を迂回してもプラス15分で済む。北関東道は線形がよく空いているので関越道よりもはるかに走りやすい。外環道でそのまま関越道に出る場合であっても圏央道経由であっても北関東道経由であっても料金はすべて同じなので、渋滞を考慮して所要時間が短く走りやすいルートを選べばよい。
4.さいたま新都心から成田空港
大宮と成田空港を結ぶ空港連絡バスONライナーの従来のルートは新都心ランプから板橋、小菅、葛西経由で東関道のルートで、3590円1時間半。これが美女木から外環道京葉道路経由にシフトすると3990円1時間15分となる。外環道東関道経由だと4040円1時間13分。外環道経由だと所要時間が15分短縮される反面、首都高速走行区間が短くなる分だけ料金が割高になる。しかし高速路線バスなら運賃収入に占める高速道路料金の割合は低く、むしろ人件費の方が効いてくるので、多少運賃が高くても所要時間が短くかつ渋滞しにくいルートを選ぶだろう。
5.埼玉県から成田空港
意外にも外環道東関道経由の方が早い。加須から新空港まで外環道東関道経由で1時間17分、圏央道経由で1時間31分。料金はともに3590円。外環道から京葉道路に入ると京葉道路に分断されて料金が合算されなくなることから3900円と高くなる。
鶴ヶ島から新空港までだと、外環道東関道経由で1時間28分、3850円。外環道京葉道路経由だとほぼ同じ所要時間ながら、なぜかこちらは3800円と少し安くなる。圏央道経由だと1時間43分と15分遅くなる。
圏央道経由で時間がかかるのは対面通行区間が長いため。外環道経由なら早い上に運転しやすいので、圏央道経由から外環道経由にシフトするのではないか。
6.常磐道方面から湾岸線方面
葛西以遠方面を目的地とする場合、所要時間は箱崎経由、中央環状線経由、外環道経由でほぼ同じだが、外環道経由の方が料金が高い。外環道開通によって中央環状線の混雑が緩和されたため、中央環状線経由でも特に問題ない。例えば柏から有明までの場合、所要時間はどれも35分だが、首都高速経由で1810円なのに対し、外環道経由で2430円になる。
横浜方面を目的地とする場合にはその傾向が顕著で、首都高速道路の料金に上限があるのが効いて、三郷から首都高速を通しで走る方が圧倒的に安い。例えば柏から大黒ふ頭まで、首都高速経由で1810円、外環道経由で2630円である。首都高速三郷線や中央環状線が相当渋滞しない限り外環道へ迂回する動機がない。
目的地が浦安付近の場合には、短距離で首都高速湾岸線を利用すると割高なので、外環道市川南インターを出て一般国道を走行することになる。例えば柏から浦安まで首都高速経由で1810円に対して、外環道経由では1500円だが、さらに外環道を市川南で降りて一般国道を走ると1130円まで下がる。
7.東北道方面から湾岸線方面
外環道経由だと10kmほど遠回りだし料金が高い。例えば浦和から有明まで首都高速経由で38分1560円に対して外環道経由だと40分2560円。料金差は大きいがそれでも所要時間はほぼ同じなので、首都高速が渋滞する場合にはお金で時間を買うことができる。
目的地が大井JCT以遠の場合、小菅葛西経由か板橋経由かを選べるが、渋滞による遅延や線形を考慮すれば小菅葛西経由が最も有利。板橋経由だと中野長者橋付近のサグ渋滞があるし、箱崎経由であっても所要時間はほぼ同じだが、こちらも箱崎の手前で渋滞の影響を受けやすい。