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なぜ外出自粛するのか

新型コロナウイルスは本質的な脅威ではないと思っているのだが、それでも敢えて外出自粛している。それにはいくつか理由がある。

まずこんな状況で外出しても楽しくない。あちこちで店が閉まっているし、他県ナンバーの車でうろついていると外出自粛で欲求不満な人達から嫌がらせをされるリスクがある。外出自粛で欲求不満な人達がなぜ嫌がらせをするのかというと、彼らも新型コロナウイルスは本質的な脅威ではないと感づいているので(*)本当は外出したいのだが、それができないものだから外出している人を妬むためである。「不倫はけしからん」=「不倫できないけど不倫したい」と同様に「外出はけしからん」=「外出できないけど外出したい」である。欲求不満な人達が他人を攻撃するための大義名分はある種の社会的に認められた倫理観である。「死に至る病を他人に移してはならない」「医療崩壊させてはならない」と言われればそれ自体は何となく尤もらしく聞こえる。自分の頭で考えない人はそれが本当かどうか考えず、欲求不満のはけ口として都合が良さそうならそれを利用するだけである。そのような欲求不満な人達と関わっても何も良いことはないので、面倒な人達とは関わらないに越したことはない。価値観の違う人達とは一緒に住むことはできないので、棲み分けが必要である。

欲求不満で他人に口出しする人達同士で一つ屋根の下に暮らしていたら、さぞかし暮らしにくいだろう。だからこそ欲求不満のはけ口を外に求める。自宅でストレスなく暮らしている人は他人に構うよりも自分の生活のことを考える。

(*)もし新型コロナウイルスが本質的な脅威だと思っているなら、自分の身を守るために自宅に立てこもるだろう。外出している馬鹿がいるとしてもそういう連中は勝手に死んだ方が暮らしやすい世の中になるだろうから放っておけばよい。わざわざそういう連中の所に出向いて注意しに行けば自分が感染リスクに晒されるのだから、余計なことをせずに自分の身を守ることに専念した方がよい。病院は疫病の巣窟だから医療崩壊しようが知ったことではない。そもそも自分の身を守ってくれない医療が崩壊しても困ることはない。自分の意志で自分の人生を生きている人は他人に無関心である。他人に余計な口出しをするのは自分の人生を生きていない人である。

連休で休みは有り余っているので、もしかして長距離フェリーで往復するだけなら乗り物の中で完結するので地元民から嫌がらせを受けることは無いかなと思ったものの、長距離フェリーの開放式寝台で寝泊まりするくらいなら自宅にいる方が快適なのではないかという気もする。海なんてしばらく見ていれば飽きるし、どのみち船内にいる時間の大半は海を見ずに過ごしている。

もう一つの理由は、いずれ抗体検査がなされるだろうと予想しているためである。人々がいつまでも外出自粛に耐えられるはずはなく、どこかで緩和せざるを得ない。緩和しなければ誰も政府の言うことを聞かなくなってめいめい勝手に振舞うようになり収拾がつかなくなるからである。かといって大義名分なしに外出自粛を緩和してしまうと、「では今までの外出自粛要請は何だったのか」となって、これも悪手である。外出自粛要請を始めるのは容易だが、終わらせるのは難しい。外出自粛を緩和するからには何らかの大義名分が必要である。抗体検査をして抗体があることが確認できれば外出しても他人に感染させるリスクがないので、それが外出自粛緩和の条件になる可能性がある。いざ抗体検査をしてみると、かなり多くの人が既に抗体を持っていることが判明するのではないかとも予想している。「我が国では既に集団免疫を獲得しています」となれば政府にとっても都合が良い。

しかし、単に抗体を獲得しているだけだと、過去に他人に感染させた疑いを払拭しきれない。過去はともかく現在他人に感染させるリスクが無いのだったら現在外出しても何も問題ないはずなのだが、欲求不満で人を攻撃したい人達は「過去に他人に感染させておきながら自分だけ堂々と外出するなんて気にくわない」と言いがかりをつけてくるだろう。例によって「自分にできないことをやっている奴は気にくわない」論法である。そのような事態に備えて予め「外出自粛していましたから、他人に感染させていません」と言えるようアリバイ作りが必要である。

それにしても、今回の新型コロナウイルスが本質的な脅威でないとしても、次に本物のパンデミックが来たときに、自分の頭で考えない人達は自分の命を守れるのだろうか。政府は国民の命を守れない。医療も国民の命を守れない。自分の命を守れない人達の言うことになぜ従うのだろうか。政府の言うことに従わない人を攻撃したところでそれで自分の命を守れるわけではない。

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