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3月, 2010の投稿を表示しています

北陸新幹線のJR西日本区間

5年先の話なので、今から気にするほどのことではないのだが、北陸新幹線が金沢まで開業すると、JR西日本区間はどうなるのだろうか。 車両についてはJR東日本とほぼ共通仕様のものが投入されるだろう。山陽新幹線とは運用上も整備上も別だからである。問題はIC乗車券である。山陽新幹線はJR東海に合わせてEX-ICが導入されているが、北陸新幹線ではJR東日本に合わせてモバイルSuica特急券を導入する必要があるだろう。JR西日本は従来はJR東海との互換性だけを考えていればよかったが、九州新幹線が開業し、北陸新幹線が開業すると、異なる3つの会社の新幹線と相互乗り入れすることになる。 困ったことEX-ICとモバイルSuica特急券とは一見似ているものの、設計思想が異なる。金沢以東は並行在来線が第3セクター化されることもあって、JR西日本の路線でありながら、実質的にはJR東日本の延長線のような存在になるだろう。金沢以西は引き続きJR西日本の在来線が存続する。大阪から線路が伸びているので、ICOCAのサービスエリアになるのだろう。金沢を境にSuica文化圏とICOCA文化圏とに分かれることになる。いっそのこと、北陸新幹線は金沢まですべてJR東日本であった方がむしろすっきりするのではないだろうか。 東京から例えば福井まで北陸新幹線で移動するとなると、金沢まではモバイルSuica特急券を使い、金沢から福井まではICOCAで乗り越すことになるだろう。モバイルSuica特急券は新幹線路線だけで完結した特急券/乗車券なので運賃を通算する必要はないが、逆にいえば、北陸エリアから東京までの往復割引切符を販売すると、モバイルSuicaを使えず、磁気切符が必要になる。 また、京都から富山まで移動するとなると、金沢富山間は新幹線を利用することになるだろうが、これも通しで発券するとなると磁気切符とせざるを得ない。 サンダーバードを金沢止まりとするか富山まで運転するかという問題もある。金沢と富山の間の在来線は第3セクターになる一方、北陸新幹線はJR西日本の路線なので、JR西日本にとっては、サンダーバードを金沢止まりにして北陸新幹線に乗り換えてもらった方が有利である。しかし大阪方面からの乗客にとっては僅かな末端区間で新幹線に乗り換えても時間短縮効果はなく、煩わしいだけなので、できればサンダーバ...

iPadでの文字入力

iPadは文書を読むにはすぐれたデバイスだと期待しているが、文字入力はどうだろうか。 一応ソフトウェアキーボードが実装され、iPhoneよりは使いやすそうな感じだが、やはり1文字づつ触れることになるため、検索窓に英単語を入力する程度なら支障しないだろうが、文書を作成するには向いていないだろう。 幸い、Bluetoothキーボードなら使えるらしい。普段はiPadだけ使い、文字入力が必要になったときだけ、おもむろにBluetoothキーボードを取り出して文字を入力するという使い方なら、かろうじて使えそうな感じである。しかし、iPadとキーボードの両方を携帯するとなると結局ノートPCを携帯するよりもかさばる。また、文字を入力しているときには両手が塞がっているので、iPadを持つことができない。文字を入力している最中にはノートPCの方が使いやすい。もしかしたらネットブックでもましかもしれない。 MacBook Airなら文字入力で困ることはないだろうが、文書を読むだけの用途には適さないし、画面を縦にすることもできない。母艦を必要としている点ではiPadと同じだが、MacBook Airよりも軽くて母艦無しで単独で使えるモバイルPCは他にいくらでもある。 しかし諦めるのはまだ早い。iPadと組み合わせて使えるBluetoothキーボードがあればよい。iPadと同じ形で貝殻のように合わさるなら、持ち運びの際にあまり邪魔にならない。そして、キーボード側にiPadを立てかけるスタンドがついていれば、文字入力の際にはノートPCと同じようなポジションで使うことができる。可動式のヒンジだと壊れやすいので、iPadを一定の角度(120度くらい?)でキーボードの溝に挿し込む方式の方がよいかもしれない。せっかくなので、iPadは縦でも横でも挿せる方がよい。ついでに、iPadだけでなくiPod touchやiPhoneも挿せるとよいだろう。 挿して使うことを前提とするならBluetoothキーボードでなくてもよくて、iPad Keyboard Dockを持ち運びに適した用途にアレンジするのでもよい。キーボードにバッテリーを仕込んでおけば、文字を入力しながらiPadに充電できる。重量のバランスを取るためにキーボード側に重しが必要だろうから、バッテリーがついているくらいで丁度良い...

ThinkPad X200sのHDD騒音

ThinkPad X200sは放熱・静音性能に優れており、ファンがほとんど回転しないこともあり、唯一の騒音発生源はHDDである。富士通製の320GBのHDDが内蔵されているが、これの回転音が気になる。別に騒音の大きいHDDではなく、24dbとのことなので、単体としては特に問題ないのだが、他に騒音源が無いために目立ってしまうのである。寝室で空調音が無い場合には目立つが、空調音やその他の雑音が室内にあればかき消される程度の騒音である。 抜本的な解決策はSSDへの換装なのだが、静音化以外に積極的な理由が見当たらない。 衝撃への強さに関しては、HDDでもアクティブプロテクションがあるのでさほど困らない。 容量はもちろんHDDの方が有利である。インテルのSSDはまだ160GBしかないし(実売4万円強)、東芝の256GBのは実売7万円程度である。現状の使い方だと160GBでギリギリなので、256GBで値段がこなれないと換装する気になれない。安物のSSDはスピードと信頼性の面で検討に値しない。 Windows VistaでSSDを使おうとすると、いろいろ面倒な設定が必要だが、さりとてSSDへの換装だけのためにお金を出してWindows 7を買う気にはなれない。 動作の速さについては、起動してからまともに使えるようになるまでの時間がかかるのが気になるのだが、通常はスタンバイしか使わないのであまり気にならない。 SSDはまだ信頼性の面でも不安がある。HDDは調子が悪くなってから死亡するまでに若干の猶予があるが、SSDの場合、半導体は突然死ぬのでいざというときに対応できない。 もともと2009年5月にX200sを購入する時点でSSDやWindows 7も考慮したが、両者が枯れるまでの繋ぎとして敢えてVistaとHDDを受け入れたという経緯がある。HDDとVistaが陳腐化する頃にはSSDとWindows 7が枯れているだろうと想定してのことである。全般的には静音性の高いマシンであるので、もうしばらく辛抱すべきなのかもしれない。

ThinkPad X201シリーズ登場

ThinkPad X200シリーズがマイナーチェンジしてX201シリーズとなった。 主な変更点はCPUが1世代新しくなったことだが、LEDバックライトが普及してきためか標準装備されており、廉価版でも軽量化してバッテリー持続時間が延びている。 X201シリーズからはオプションでタッチパッド付にすることもできるようになった。カーソルを移動させるならトラックポイントの方が便利だが、スクロールしたりウェブページを前後に移動したりするときにはMacのようにタッチパッドを使う方が便利な人もいるかもしれない。 X201シリーズから廉価版CPU搭載のX201iというのが登場した。廉価版CPUといっても、ネットブックに搭載されているAtomよりも圧倒的に高性能だし、デュアルコアである。直販サイトでキャンペーンやクーポンを活用すると10万円を切る。ネットブックの倍の値段だが、まともに使えるノートPCである。1.4kgなので、1.1kgの10インチクラスより少し重い程度である。11インチ~12インチクラスのネットブックやCULVノートは1.5~1.6kgなので、それらよりも軽いし、値段も一回り高い程度である。ちなみにThinkPad X100eよりも軽い。 WiMaxをオプションで搭載できるようになったが、室内でも高速で使えるようになるまでは、内蔵タイプよりも窓際に置いて無線LAN経由でアクセスし、外に持ち出すときだけUSBで接続する方が実用的ではないだろうか。 X201とX201iではステレオスピーカーが搭載されるようになった。あいにく実機を見たことが無いので実用的な音質かどうかはわからない。

モバイルSuicaでオートチャージ

3月13日からモバイルSuicaでオートチャージできるようになる。 クレジットカード一体型のSuicaであっても、通常のSuicaであっても、モバイルSuicaであっても、SuicaのIDとクレジットカード情報とがサーバ上で紐付けられているという点では同じであり、通常のSuicaでオートチャージできるようになった時点で、モバイルSuicaでもオートチャージは可能だったはずである。 今までモバイルSuicaでオートチャージできなかった理由として推測されるのは「チャージの都度携帯電話のパケットを使わせるため」だが、パケット定額が普及するにつれ、「パケットを使わせることで収益を得る」というビジネスモデルが成り立ちにくくなったのだろう。 そして何よりも、オートチャージによって残高を気にせずSuicaを使えるようになることで、Suicaの利用金額が増える方がメリットがあるということなのだろう。 従来は残高が不足するとどこか時間のあるときに、あるいは歩きながら携帯電話を操作してチャージする必要があったが、これだとチャージが完了するまでに数分かかり不便だった。そんなことでみすみすSuicaを使ってもらえるチャンスを失うのは勿体無い。 また、自分でチャージする場合、クレジットカードの締日を意識する。ビューカードの締日は月末なので、月末に近くなると、翌月までチャージしないよう心がけるようになる。オートチャージなら締日が近くても有無を言わさずチャージされるので、ビューカードのキャッシュフローが良くなる。

機能会社の存在意義

機能会社というのはよくわからない。会社にとって核となる業務でなければ、市場から調達すれば済む話である。自社で必ず行うべき業務ならば最初から内製すれば済む話である。 機能会社は親会社向けに特化した商売をしており、市場で他社と同じ条件で競争できるわけではない。 市場で通用しない会社から独占的に供給を受けることに、一体どのような経済的合理性があるのだろうか。 親会社のことを熟知しているというのは尤もらしいが、外注業者でも常駐していれば条件はほぼ同じである。 親会社の意向を反映させやすいというのは、良い方向に作用すれば確かにその通りかもしれないが、実際には、本来合理的なビジネスであるべき場に非合理的な親子関係が介在することで、非効率的になる。もし親会社の意向をストレートに反映させたければ、契約に基づいた取引をするまでもなく、同一組織内で指令を出す方が取引費用が低い。 余剰ホワイトカラーの受け皿という面もあるかもしれないが、そういうことなら内製する方がやりやすい。客先に出られない人に客先に出ない仕事をさせるのはごく当たり前のことである。分社化することで賃金を引き下げたいというのは尤もらしいが、出向者の賃金は親会社が負担するので、人件費削減効果は限られている。本当に賃金を引き下げたければ資本関係の無い会社に外注する方が効果的である。

翻訳本のすすめ

大抵の翻訳本は面白い。外国の本だから面白くて日本の本だとつまらないというわけではなくて、翻訳するという意思決定が介在している分だけ、フィルターがかかっているからである。 商業出版というフィルタを通過した書物が一定水準を確保しているのと同様に(最近はこれも怪しいが)、翻訳という時間も手間もかかる作業をしてでも世に出したいと思わせる本には、それなりのものがある。外国語をこなれた日本語に訳するだけでも大変だし、原著者から翻訳権を得るのも大変である。翻訳には一定の期間がかかるので、原著の出版から年数を経ても陳腐化しない題材が好まれる。 そのおかげで、1800円程度の本でも、日本人が書いた同じ値段の本よりも中身が濃くて面白い。

東京九頭竜湖間の往復運賃

越美北線に乗ろうと思い立って東京から米原経由で九頭竜湖までのキロ数を調べてみたところ、運賃計算キロが601kmだった。それなら往復割引が使えるかと思って駅の指定席券売機で運賃を検索してみたところ、往復割引運賃が適用されない。 調べてみると、往復割引適用の条件は「片道の 営業キロ が600kmを越えている」ことである。東京から九頭竜湖までの営業キロは595.7kmなので、600km越えの運賃が適用されるのに往復割引は適用されない。 通常は、営業キロが600kmを越えるよう、少し先の駅までの乗車券にするものだが、九頭竜湖は終点なので、これ以上距離を稼げない。しかし、東京側で距離を稼ぐことはできる。東京都区内の外の駅を起点とすればよいのである。片道の運賃計算キロが640kmを越えなければよい。

効率賃金は非効率

効率賃金仮説には重要な仮定がある。一つは、会社にとって不都合な事実がばれると解雇されるということであり、もう一つは企業は利潤を最大化すべく合理的に振舞うということである。 しかるに現実の企業では正社員を解雇することは事実上不可能で、解雇に該当するのは犯罪や重大な就業規則違反くらいである。そういうものを抑止するなら世間並みの賃金でも十分である。また、企業は単純に利潤を最大化するような抽象的な存在ではなく、経営者や従業員から成る組織である。 一方、効率賃金仮説で説得力がある前提条件は、「給与が世間並以上に高いと、従業員はその給与を失うまいと努力する」ということである。 現実の日本企業においてこれらが組み合わさるとどうなるだろうか。 摺り合わせ型を主とする日本企業においては、成功を個人に帰属させることが難しい反面失敗を個人に帰属させることは容易なため、新しいことに挑戦するリスクが過大評価され、挑戦しないことによるリスクが過小評価される。たとえ解雇されないとしても社内での待遇が悪くなるので、失敗するリスクを最小化するよう振舞うようになる。もちろん、失敗して干されても世間並みの賃金は得られるのだが、意思決定は相対的なものなので、リスクとリターンとを天秤にかけて相対的に得な方を選ぶ。 一方、リスクを取らずにリターンを取れなくても個人のレベルでは高い賃金を保証されているので、状況を改善する誘因を持たない。本来ならば会社がだめになったら優秀な人が辞めていくことで淘汰されるはずだし、そのような脅威が企業に自浄作用をもたらすはずなのだが、どんなにだめな会社であっても、辞めるには惜しい会社であれば、リスクを取らずに居座ることになる。その結果、本来ならば新しいことに挑戦すべき優秀な人材が、高い賃金にしがみついて非生産的な活動にいそしむことになる。こういう会社を俗に人材の墓場という。 もちろん業績が低下すれば長期的には賃金が下がるだろうが、賃金は短期的には下がりにくいので、特に、賃金が高く、その賃金が定年まで持続すると予想でき、かつ転職市場で価値の乏しい中高年労働者は高い賃金を所与として振舞う。 そもそも賃金が高すぎることが企業の活力を削いでいるなら、賃金を世間並みに引き下げればよいのかもしれないが、日本企業は事実上従業員管理型企業なので、自ら進んで待遇を悪くする...