スキップしてメイン コンテンツに移動

記憶力のキモは記憶に頼らないこと

記憶力が良いというのは、必要な情報を適切なタイミングで取り出せることを言う。覚えることに意味があるのではなく、思い出すことに意味がある。思い出す能力に重要なのは、記憶容量というハードウェアではなく、情報を記憶媒体に割り当てるOSである。記憶容量というハードウェアの個人差は少ないが、情報を管理するOSの性能には個人差がある。ハードウェアの性能を向上させる余地は無いが、努力次第でOSの性能を上げることならできる。

1.思い出す必要のない情報は覚えなくてよい

情報量は増え続け、記憶容量は全く増えないので、情報のスクリーニングは重要。記憶に限らず脳の処理能力はかなり限られているので、不要な情報は最初から入れないのがベスト。

2.すぐに思い出す必要のない情報は外部記録媒体に書き出す

短期記憶、中期記憶、長期記憶、外部記録媒体とそれぞれに容量の制約があるので、用途に応じて情報を割り当てる必要がある。一時的に記憶する必要があるものの、用事が済んだら忘れてもよいものは短期記憶、ある程度時間が経ってからすぐに思い出せるようにすべきものは中期記憶、必要に応じて記録媒体から情報を引き出すことで十分なら、外部記録媒体に割り当てる。外部記録媒体にも小容量ですぐに取り出せるものから、大容量で取り出しに時間のかかるものまであるので、用途に応じて使い分ける。

3.先読み推量ですぐに引き出す必要のある情報を予め読み込んでおく

どのタイミングでどのような情報が必要になるかは、ある程度予測がつくので、思い出す必要が近づいてきたら、外部記録媒体から情報を取り出して、すぐに思い出せる領域に格納しておく。いわゆる予習というもので、いちいち言うまでもなく普通の人でも当たり前にやっていること。仕込みが大切。先読み推量のためには、「どのタイミングでどのような情報が必要になるか」についての学習データの記憶が必要。

4.外部記録媒体と照合してエラーをチェックする

人間は記憶していることは素早く思い出すことができるが、記憶が誤っている可能性があるので、正確を期すためには外部記録媒体との照合が必要。「外部記録媒体のどこに何が書き込まれているか」というインデックスを記憶しておいて、素早く照合できるようにする。

5.覚える必要が無くなったらさっさと忘れる

記憶容量をふさぐゴミ情報を掃除して、他の情報のための空きをつくる。

6.OSの記憶領域を確保する

情報そのものだけでなく、情報を管理するための情報を記憶するためのスペースを確保しておく必要がある。限られた記憶容量の中でOS領域も確保するとなると、すぐに思い出せる領域に格納する情報はむしろ少なくなる。

こうして列挙してみると当たり前のことばかりで、人間の記憶力もOSの情報管理も本質的な部分にさして違いはないのではないかと思えてくる。

このブログの人気の投稿

中野駅配線改良案

【現状での課題】 発着番線がバラバラでわかりにくい。 緩行線新宿方面行きは2番線または5番線発。三鷹方面へは1番線発、3番線発、または6番線発。東西線は4番線または5番線発。次の列車の発着番線を階段下の電光掲示板でいちいち確認しなければならない。 対面乗り換えができない。 緩行線と快速との対面乗り換えができないばかりでなく、緩行線と東西線との対面乗り換えもできない。緩行線中野止まりの列車から三鷹方面への乗り換えは2番線から3番線への移動が必要。東西線中野止まりの列車から三鷹方面への乗り換えは4番線から1番線への移動が必要。緩行線上りから東西線への乗り換えは5番線から4番線への移動が必要。緩行線上り東西線直通列車から緩行線上り新宿方面への乗り換えは5番線から2番線への移動が必要。すべて階段の昇り降りが伴う。 中野駅での乗り換えの不便さから派生する杉並三駅問題。 高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪から新宿方面に行く場合、中野駅で快速に乗り換えるのも、東西線直通列車から緩行線に乗り換えるのも不便であり、新宿志向の強いこれらの駅で快速が通過すると極めて不便になる。そのため、快速列車がこれらの駅に停車せざるをえなくなり、快速の所要時間が増大し、遠方からの旅客の負担になっているのに加え、特別快速や特急のダイヤも制約される。 【背景】 緩行線の車庫の存在。 大正時代に両国から中野までの線路が建設されて以来、中野が総武線からの乗り入れ列車の終点であり、車庫も中野にあった。現在は検修機能は三鷹に集約されているものの、留置線は引き続き使用されている。なお、三鷹の車庫はもともとは快速線用として建設されたもので、豊田に快速線の車庫ができた際に緩行線の車庫になった。 総武線側と中央線側の旅客数の違い。 比較的混雑する総武線側は列車本数が多く、しかも都心側で折り返し可能な駅が中野と三鷹しかない。一方、中央線側は乗客数が少ないため、輸送力を調整する必要がある。現状では中野を境に輸送力に大きな差をつけているが、緩行線の利便性を向上して乗客数を増やせば中野での折り返しが必要なくなる。 東西線と緩行線の両方に中野駅折り返し列車が存在する。 そのため、緩行線の2面3線のホームが東西線の島式ホームを挟み込む形になっている。2番線は主に中野での折り返し列車向けに使われているが、車庫への入出庫用...

iTunesの「空き領域へ曲を自動的にコピー」機能

音楽再生環境をiPhoneに移した。電話を着信した際に、即座に通話できるようにするためである。しかしこのiPhoneはメモリ容量が16GBしかない。64GBあれば手持ちの音楽ライブラリのほぼすべてを入れることができるのだが、そもそも電話として導入されているものなので贅沢は言えない。Android端末だとmicroSDカードを挿して容量を増やすことができて、今なら128GBのmicroSDXCカードが4000円くらいで買えるのだが、iPhoneやiPodだと内蔵されている容量しか使えない。 どのみち64GB分に音楽ライブラリがあったって全部聴くにはまるまる21日かかるのだから、一度に全部を持ち歩く必要もない。それに、普段シャッフル再生ばかりなので、その日に聴く分だけランダムにコピーされていれば十分である。幸い、iTunes上で同期する際には「空き領域へ曲ど自動的にコピーする」というオプションがあり、これを有効にしておくと、その名の通りiTunes側で適当に曲を見繕って入れてくれる。これはもともとiPod shuffle向けの機能だったのだが、iPod shuffleに限らず音楽ライブラリのサイズに比べて音楽プレイヤーのメモリ容量が不足する場合には便利な機能である。 それだけだと「そういう機能がありますよ」という紹介でしかないのだが、しかし、少し調べてみた限りでは、iTunesがどうやって曲を選んでいるのかよくわからない。どうせシャッフル再生するので、同期するたびにランダムに選んでくれれば十分なのだが、コピーされた曲を見てみると、ある程度アルバム単位でまとめてコピーしているように見える。また、同期するたびに再生済の曲を削除して別の曲を代わりに入れてくれるとありがたいのだが、そうなっているようにも見えない。だとすると時折曲を入れ替える必要があるかもしれない。 できれば、特定のジャンルの中から、あるいはチェックマークをつけたアーティストやアルバムの中から容量に合わせてコピーするとかできればよいのだが、今のところそういう機能は無いようである。

ThinkPad X13とMacBook Air

MacBook Airと同じクラスで比較するならThinkPad X13だろうと思って比較してみた。ThinkPad X13はしばらく前までは12.5インチディスプレイを積んでいたが、同じサイズでディスプレイを13.3インチに拡大した。まずMacBook Airと似ている項目から。 価格:ともに最小構成の価格でThinkPad X13のセール価格は97152円、MacBook Airは115280円。ただしThinkPad X13の最小構成はディスプレイがFHDですらなくHDであり今どきありえないので、FHDの機種で比較すると119119円とほぼ拮抗している。 寸法:ThinkPad X13は約 311.9x217x16.5mm、MacBook Airは304.1x212.4x16.1mmとほぼ同じサイズだがThinkPad X13の方がフットプリントわずかに小さく厚さがわずかに大きい。 重量:ThinkPad X13は1180g、MacBook Airは1290gと、これもThinkPad X13の方が有利。尚、ThinkPad X13は標準で天板がカーボンであり、上記はカーボン天板での数字だが、インテルチップの廉価版およびAMDチップの機種は天板が樹脂製であり大きさ重さが一回り大きい。いずれにせよ、いまどきの携帯性重視のノートPCは900g前後なので、決して軽くはない。 両者で異なるのは以下の項目。 ポート:MacBook AirがThunderbolt 3対応のUSB Type-C端子2個とステレオミニジャック1個のみに対して、ThinkPad X13は昔ながらの構成でUSB 3.1 Type-Aが2個、USB Type-Cが2個(うち1個がThunderbolt 3対応、もう1個はVideo-out対応)、HDMI、イーサネット拡張コネクター、セキュリティーキーホール(いわゆるケンジントンロック用)、ステレオミニジャックと全部ついており、USBハブを携帯する必要がない。 ディスプレイ:ともに13.3インチだがMacBook Airは16:10で2,560 x 1,600なのに対し、ThinkPad X13は16:9でFull HDの1920x1080。たしかにFHDでは画面はきれいではないが、Excelを使う程度なら十分な解像度ではある。 キーボード:Mac...