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教養の意義

社会的地位の高い人に教養が求められるのはなぜだろうか。仕事に直接役に立たない知識を身につけて一体何になるのだろうか。

教養の意義は、物を知ることではなく、反対に物を知らないことを知ることにある。いろいろな分野を広く浅く習得するのは、入口に立たないと奥行きが見えないためである。逆に無知な人ほど自分の身の回りのものがすべてと思い込み、自分の知識の外側にいる人を根拠なく見下したりする。

奥行きの広大さを知れば、自分一人でできることなどたかが知れていることもわかる。自分一人にできることが限られていることがわかれば様々なスキルセットを持つ人の協力を仰ぐ必要があることもわかるので、他者に対して敬意を持って接することができる。これは人を使う立場の人に必須の素養である。

様々なものを知ることの意味は、世の中の多様性を知ることである。世の中にはいろいろな考え方があるし、人の好みも様々である。自分の価値観と相容れないものもあまたあるが、そういうものも含めて世の中が成り立っているということを知っておかないと、自分の価値観を他人に押し付けることになってしまう。それでは人の上には立てない。

そのような観点から教養を再定義してみると、必ずしも大学で教えられているような高尚なものや、芸術やスポーツの確立した分野ばかりである必要はなく、日常生活にまつわるものだって、アニメやゲームだって、身の回りの土木構築物だって、れっきとした教養のうちである。

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