高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いに起因する暴走事故がたまに発生している。時には人の命を奪う事故まで発生している。
本人はブレーキを踏んでいるはずなのにアクセルを踏んでしまうのは、本来ブレーキペダルがあるべき位置にアクセルペダルがあるからである。右ハンドルの日本で2ペダル車に慣れ親しんでいると当たり前すぎて気が付きにくいが、タイヤハウスの出っ張りを避けるために、アクセルペダルとブレーキペダルが左にずれている。この傾向はスペースに余裕のない小型車に顕著である。輸入車だと右ハンドルでの設計がろくに考慮されていないのでさらにひどい。
もちろん、慣れてしまえば気にならない。しかし、この慣れてしまえば気にならないというのが実は曲者である。健常者にとっては問題ないが、体の機能は徐々に衰えてきて、足首が思ったように動かなくなってくる。足首を左にひねってブレーキペダルを踏むつもりなのに、実際には十分に足首をひねることができずにアクセルペダルを踏んでしまう。本人が足首の動きの衰えを自覚していればもっと慎重な操作を期するのだろうが、自覚症状が無ければブレーキを強く踏むつもりで結果的にアクセルを強く踏んでしまう。年を取ると反射神経も衰えるので、誤操作に気づいてもすぐには修正できない。
誤操作のリスクをゼロにすることはできないが、足首を左にひねればブレーキ、右にひねればアクセルとなればブレーキを踏むべきときにアクセルを踏むリスクはだいぶ低減される。一方、アクセルペダルもブレーキペダルも左に寄っていると、「どの程度左に足首をひねるか」の違いでしかなく、足首をひねる量を定量的に正しく評価できないと誤操作することになる。しかも国産車の大半はアクセルペダルもブレーキペダルも吊り下げ式である。
もちろん、アクセルペダルとブレーキペダルが左に寄っているなら、右足も同じように左に寄せて、ブレーキペダル側にかかとを置けば解決する。しかし繰り返すがそれは健常者の論理であって、足首の動きもおぼつかない高齢者が無理やり右足を左に寄せ続ける姿勢を長時間安定して維持できると期待してよいのだろうか。
右ハンドル車でペダルが左に寄っていないのはマツダだけだが、「人を殺したくなかったらマツダに乗れ」というのではなく、他社も同様にすべきではないだろうか。他社が採用しないのは、前輪を前に出せばその分ボンネットが長くなり、全長が同じならその分室内が狭くなるからである。そうなるとせっかくのFF車の利点が損なわれる。特に日本の市場では車内が狭いのはものすごく嫌われる。しかし、人の命と車内の広さとどちらが大切なのだろうか。車に乗る上で人を殺さないことよりも優先されることなんてあるのだろうか。「もっといい車を」には「もっと人を殺さない車を」というのが含まれて然るべきである。
ちなみに、ペダルの踏み間違いに起因する誤操作のリスクはMT車の方が低い。特に今の高齢者はAT限定免許導入前に免許を取得しているのでMT車に慣れ親しんでおり、若い頃に習得した動作は衰えにくいので、MT車の方が誤操作のリスクが低い。一部の高齢車は「自分はこれしか運転できないから」という理由でMT車に乗り続けているが、それは正しい。
そもそもMT車は入れたギアの通りにしか動作しないし、停車時もNレンジ+パーキングブレーキだからブレーキペダルを踏み続ける必要がない分、踏み間違いのリスクが低い。万一ペダルを踏み間違えてしまってもMT車なら左足でクラッチを切ってしまえば暴走することはない。一方、AT車では停車中でもDレンジ+ブレーキだから、ブレーキペダルを踏む力が弱くなるとズルズルと前進してしまい、慌ててブレーキを踏むことになる。この時にペダルを踏み間違えると大変なことになる。
あいにくプリウスにはMT車が無いが、どうせ長距離乗らない高齢者がハイブリッド車なんて乗っても燃料代で元を取ることなんてできないのだから、安価でローテクで操作に癖のない普通のガソリンエンジン車の方が安全なのではないか。
本人はブレーキを踏んでいるはずなのにアクセルを踏んでしまうのは、本来ブレーキペダルがあるべき位置にアクセルペダルがあるからである。右ハンドルの日本で2ペダル車に慣れ親しんでいると当たり前すぎて気が付きにくいが、タイヤハウスの出っ張りを避けるために、アクセルペダルとブレーキペダルが左にずれている。この傾向はスペースに余裕のない小型車に顕著である。輸入車だと右ハンドルでの設計がろくに考慮されていないのでさらにひどい。
もちろん、慣れてしまえば気にならない。しかし、この慣れてしまえば気にならないというのが実は曲者である。健常者にとっては問題ないが、体の機能は徐々に衰えてきて、足首が思ったように動かなくなってくる。足首を左にひねってブレーキペダルを踏むつもりなのに、実際には十分に足首をひねることができずにアクセルペダルを踏んでしまう。本人が足首の動きの衰えを自覚していればもっと慎重な操作を期するのだろうが、自覚症状が無ければブレーキを強く踏むつもりで結果的にアクセルを強く踏んでしまう。年を取ると反射神経も衰えるので、誤操作に気づいてもすぐには修正できない。
誤操作のリスクをゼロにすることはできないが、足首を左にひねればブレーキ、右にひねればアクセルとなればブレーキを踏むべきときにアクセルを踏むリスクはだいぶ低減される。一方、アクセルペダルもブレーキペダルも左に寄っていると、「どの程度左に足首をひねるか」の違いでしかなく、足首をひねる量を定量的に正しく評価できないと誤操作することになる。しかも国産車の大半はアクセルペダルもブレーキペダルも吊り下げ式である。
もちろん、アクセルペダルとブレーキペダルが左に寄っているなら、右足も同じように左に寄せて、ブレーキペダル側にかかとを置けば解決する。しかし繰り返すがそれは健常者の論理であって、足首の動きもおぼつかない高齢者が無理やり右足を左に寄せ続ける姿勢を長時間安定して維持できると期待してよいのだろうか。
右ハンドル車でペダルが左に寄っていないのはマツダだけだが、「人を殺したくなかったらマツダに乗れ」というのではなく、他社も同様にすべきではないだろうか。他社が採用しないのは、前輪を前に出せばその分ボンネットが長くなり、全長が同じならその分室内が狭くなるからである。そうなるとせっかくのFF車の利点が損なわれる。特に日本の市場では車内が狭いのはものすごく嫌われる。しかし、人の命と車内の広さとどちらが大切なのだろうか。車に乗る上で人を殺さないことよりも優先されることなんてあるのだろうか。「もっといい車を」には「もっと人を殺さない車を」というのが含まれて然るべきである。
ちなみに、ペダルの踏み間違いに起因する誤操作のリスクはMT車の方が低い。特に今の高齢者はAT限定免許導入前に免許を取得しているのでMT車に慣れ親しんでおり、若い頃に習得した動作は衰えにくいので、MT車の方が誤操作のリスクが低い。一部の高齢車は「自分はこれしか運転できないから」という理由でMT車に乗り続けているが、それは正しい。
そもそもMT車は入れたギアの通りにしか動作しないし、停車時もNレンジ+パーキングブレーキだからブレーキペダルを踏み続ける必要がない分、踏み間違いのリスクが低い。万一ペダルを踏み間違えてしまってもMT車なら左足でクラッチを切ってしまえば暴走することはない。一方、AT車では停車中でもDレンジ+ブレーキだから、ブレーキペダルを踏む力が弱くなるとズルズルと前進してしまい、慌ててブレーキを踏むことになる。この時にペダルを踏み間違えると大変なことになる。
あいにくプリウスにはMT車が無いが、どうせ長距離乗らない高齢者がハイブリッド車なんて乗っても燃料代で元を取ることなんてできないのだから、安価でローテクで操作に癖のない普通のガソリンエンジン車の方が安全なのではないか。