ほぼ同時期に発売されたThinkPad X1 nanoとMacBook Airはハードウェア構成が似ている。
- ポート:ともにUSB Type-Cが2個とステレオミニジャックだが、ThinkPad X1 nanoはUSB3.1でThunderbolt 4対応なのに対し、MacBook AirはUSB 4でThunderbolt 3対応。といってもデータ転送速度は同じで、Thunderbolt 3の場合は最大40Gbpsでデータ転送できるのはケーブル長0.8m以下のときのみなのに対し、Thunderbolt 4ではケーブル長によらず最大40Gbpsでデータ転送できる。また、Thunderbolt 3では1台のディスプレイにしか出力できないのに対し、Thunderbolt 4では2台のディスプレイに出力できる。どちらもHDMI端子やUSB Type-A端子がついていないので、USB Type-Cハブが必要。
- ディスプレイ:ともに16:10でThinkPad X1 nanoは13インチ2160x1350、MacBook Airは13.3インチ2560x1600。ドット数の違いはサイズの違いによるものだろう。どちらも解像度は高い。
- 寸法:ThinkPad X1 nanoが約 292.8x207.7x13.87mm、MacBook Airが304.1x212.4x16.1mmで、ディスプレイサイズの大きいMacの方が一回り大きい。
- キーボード:ともにアイソレーションタイプのシザー型で、ThinkPad X1 nanoはキーストローク1.35mm(従来型は1.5mm)なのに対し、MacBook Airはキーストローク1mm(従来型は0.5mm)。Macのキーボードは一時は話にならないほどひどかったが、最新モデルではだいぶ改善された。一方、ThinkPadのキーボードは薄型化が進むにつれて昔のような打ちやすさが徐々に損なわれており、両者の差が縮まっている。
一方両者で異なるのは以下の通り。
- 重量:ThinkPad X1 nanoが907gなのに対し、MacBook Airは1290g。カーボンとアルミの重量差によるものだろう。ThinkPad X1 nanoの方がサイズも一回り小さいので、持ち運びを重視するならThinkPad X1 nanoだろうか。
- ファン:ThinkPad X1 nanoの側面にはファンがついているのに対し、MacBook Airはファンレスで静か。開口部が無いのでボディ剛性でも有利。その代わりMacBook Airは熱容量によって処理能力が制約される。
- CPU:ThinkPad X1 nanoは従来通りインテルチップなのに対し、MacBook AirはM1チップ。ベンチマークテストではM1チップの方が高得点を得ている。
- トラックポイントとタッチパッド:トラックポイントはThinkPadにしかない。しかし薄型化が進むにつれて使い勝手が悪くなっている。タッチパッドの使い勝手についてはMacが圧倒的で、面積が大きく感触も良い。
- OS:当然のことながらThinkPad X1 nanoはWindowsマシンだしMacのOSはmacOS。macOSのライセンス上、Mac以外のPCにmacOSをインストールすることはできない。MacにWindowsをインストールすることはできるが、M1チップ対応のWindowsはまだ提供されていないので、当面はmacOSしか使えない。Windows版のソフトウェアの多くにはMac版もあり、M1チップであってもRosetta 2経由でインテルCPU用のソフトウェアが動くが、まだ一部のソフトウェアはM1チップのMacでは動かない。
- 価格:ともに最小構成で比較すると、ThinkPad X1 nanoはクーポン割引価格で税込み180180円、MacBook Airは税込み115280円。
仕事で常時携帯するなら高くても小さくて軽いThinkPad X1 nano、個人で使うなら安価で高性能なMacBook Airがよいのではないだろうか。