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1月, 2010の投稿を表示しています

日本で電子ブックリーダーは普及するか

AmazonのKindle等の電子ブックリーダーが日本で普及しないのは著作権団体の圧力のせいだというのは本当だろうか。たしかにそういう面もあるだろう。こういうビジネスはコンテンツが豊富でないと発展しないので、著作権フリーのコンテンツだけではあまり魅力がないかもしれない。 しかしそれ以上の要因として考えられるのは、日本の書籍の読みやすさである。洋書は紙質が悪いし、同じ大きさの字がびっしり詰まっており、全然読みやすくない。タイプライターで印字した紙の束をそのまま製本したような感じである。それに対して、日本の書籍は装丁が凝っており、フォントや段組みが読みやすいだけでなく、紙の質感をはじめとして、手に取ったときの感触も工夫されている。 洋書だったら電子ブックリーダーでも代用できるだろうし、本を紙の塊として通販で売るくらいだったら、データだけを売る方が効率的である。それに、本は結構場所を取るので電子化されている方が楽だし、 検索もしやすい。それにも関わらず電子ブックが普及しないのは、やはり本と比べて扱いにくいからだろう。結局決め手になるのは、読むときの扱いやすさである。そうはいっても、紙には紙の扱いやすさがあると同時に、電子媒体には電子媒体の扱いやすさがある。触って気持ちよければそれでよい。 そこでiPadなのだが、たしかに電子ブックリーダーとしてはよくできていそうである。いかにも痒い所に手が届きそうで、そういう意味では日本で受け入れられそうな感じである。しかし見れば見るほどでかいiPod touchに見える。枕元で使う分には便利かもしれないが、枕元専用マシンを買うくらいなら、モバイルノートPCをそのまま使う方が手軽である。それに、日本の通勤事情のもとで持ち出すには大きすぎる。理想的なのはポケットに入る文庫本サイズなのだが、それはiPod touchである。読み捨ての新書本だったらデータをダウンロードして、読み終わったら捨てればよいが、新書本は情報量が少ないので、iPod touchで十分だろう。 小さい画面で我慢できるならガラパゴスケータイで十分であり、ポケットに入るサイズならiPod touchである。大きい画面で見たいと思うのは漫画や譜面である。自動的に譜面をめくってくれるソフトがあったら便利だろう。たしかに雑誌も大画面の方が見やすいが、雑誌ならウェブ...

平均値バイアスとマスメディア

人間には、「自分は平均以上だと思う」という傾向があるそうである。もちろん、大半の人が平均以上であることはあまりないので(大半の人が平均以上であるのは、著しく平均を下回る少数の人がいる場合のみである)、これは平均値バイアスと呼ばれている。 どこかの誰かが「大衆とは新聞を読む人のことである」と言った通り、マスメディアというのは、平均的な多数の人を対象としたものなので、「自分は平均以上だ」と信じている人は、マスメディアである新聞やテレビや雑誌を馬鹿にして遠ざけているはずである。しかるにマスメディアは依然として健在である。 通常、平均値バイアスが扱うのは「運転のうまさ」といった能力に関する主観である。客観的な情報をなかなか入手できないため、楽観的な主観が修正されない。学力試験のような客観テストが存在する場合には、否応なしに自分の客観的な位置を知ることになる。「今回は準備不足だったから本来の能力を発揮できていない」というような言い訳をする余地はあるかもしれないが、結果に関しては言い訳の余地がない。 しかし、自分の意思に基づいてマスメディアを遠ざけている限り、自分の主観が覆されることはないはずである。それなのになぜわざわざ「自分は平均的な人間だ」というシグナルを発するような行動を取るのだろうか。「必要があって情報を収集しているのだ」という言い訳はできそうだが、そもそもマスメディアの情報を必要とするような人のことを一般大衆というので、自分は一般大衆ではないという言い訳をするのは容易ではない。 そのような人はマスメディアの定義を主観的に捉えているのだろう。「マスメディアは広い範囲の受け手を対象としているので、自分のような平均以上の人間も対象となるのである」なんて言いそうである。 あるいは自分がマスメディアの受け手であるかどうかについて主観的に捉えているのだろう。実際には新聞を読んでいるにも関わらず、「自分は新聞なんて読んでいない」と思っているのかもしれない。

首輪をどうにかできないものか

そこそこまともな組織に所属していると、IDカードを首にぶら下げることが義務付けられる。一見誰にでもできそうなくらい簡単なので、セキュリティ対策として普及している。 しかしこれは特に女性に不評である。首からぶら下げると肩が凝るからである。その程度のことで肩が凝るような体に問題があるのではないかと思うのだが、こういうことは本人にしかわからないので、きっとそうなのだろう。そのため、後ろ向きに首輪をつけたり、腰につけたりして対処しているようである。 首輪は単につければよいというわけではなく、ストラップによって容易に識別できることに意味があるので、なるべくなら普通に首輪プレイしてほしいものである。 そこで、ファイテンの肩の凝らないネックレスみたいなものをストラップにすれば一石二鳥だと思うのだが、どうだろうか。もし本当に効果があればの話だが。こういうのを組織の総務に売り込むメーカーは無いものだろうか。

土日きっぷ廃止

JR東日本のプレスリリースによると、2010年3月28日限りで土日きっぷが廃止になり、4月からは代わりに、乗車券のみで特急料金が含まれていないウィークエンドパスが8500円で発売されるとのことである。 一瞬びっくりしたが、えきねっとで特急券を安く購入できることを考えれば、土日きっぷとくらべて料金で不利になることはない。自由席しか利用しない場合やあまり特急を利用しない場合にはむしろ安くなる。もちろん、特急の自由席に何度も乗るような使い方をしてきた人にとっては不利になるかもしれないが、それはJRが想定している使い方ではない。 土日きっぷの場合、えきねっとで座席を指定すると窓口で指定席券を発券してもらわなければならなかったが、特急券を別に発行するなら、好きなときに指定席券売機で発券できるので、むしろ便利である。 また、特急料金が別だということは、グリーン券を買えばグリーン車に乗れるということでもあるので、むしろ融通が利く。 全体として、選択肢が増える分だけ使いやすくなるのではないか。 なお、各種回数券も大幅に廃止になるようだが、これはモバイルSuica特急券やえきねっとでそのまま代替されたものであり、むしろ当然である。

J-SOXは投資家のためになっているのか

内部統制監査の目的は投資家保護であり、実際US-SOXが施行されてから時価総額が上がったという研究もある。しかし、日本の場合、もし投資家に利益になることしたければ、内部統制監査みたいなコストばかりかかることをする以前に、普通に投資家に報いる経営をすればそれで済む話である。それに、日本の株価は業績と連動していないのだから、業績を正しく開示してもあまり意味がないのではないか。

チョイスピロー

地方都市で安くてきれいなビジネスホテルを展開しているコンフォートホテルでは独自の枕が使われている。コンフォートホテルを運営しているチョイスホテルズが寝具メーカーと共同で開発した枕なので、チョイスピローと呼ばれている。宿泊客へのアンケートを通じて開発した枕で、横向きで寝ても快適なのが売りである。 コンフォートホテルは安くてきれいなので利用する機会が多いが、たしかに枕のせいでよく眠れなかったことはないので、きっと効果があるのだろう。ホテルのフロントでも販売しているのだが、大きな枕を持ち帰るのは面倒なので、通販で購入した。値段は張るが、もともと睡眠を重視しているし、時間を買うと思えば割りの良い投資である。オフィシャル通販サイトもあり、こちらの方が値段が安いのだが、なにぶん代引きと銀行振り込みしか使えなくて不便なので、楽天のサイトを利用した。 実際に使ってみると、仰向けで使う部分は低いがホールド感がある。両側が盛り上がっているので、しっかりと頭を支えてくれる。鉄道や飛行機の座席の背もたれもこんな感じだったらよいのだが。横向きで使う部分は高さがありふかふかしてる。寝返りを打つと、丁度横向きの部分に当たるので具合が良い。 特殊な形をしているため、通販では専用のカバーがついているが、普通の封筒型枕カバーでももちろん使うことができ、特に不都合はない。 安いビジネスホテルは部屋を広くするわけにはいかないので、睡眠の質で勝負する方が効果的である。高級なマットレスは値段が張るが、枕は安価でかつ睡眠に及ぼす影響が大きいので、こういう部分に投資するのは割りが良いのではないだろうか。

いっそのこと消費税をやめて宝くじにしてしまってはどうか

宝くじほど割りの良い徴税装置はない。なにしろ自発的にお金を出してくれるうえ、コストもあまりかからないからである。しかも既に地方自治体が宝くじ販売の権利を保有している。こんなすばらしい徴税手段を拡大しない手はない。 また、宝くじは有価証券なので、都会にいながらにして地方の宝くじを買うこともできる。ふるさと納税よりはるかに安価に同等の効果を期待できる。 そこでネックになるのは買い手の予算である。もともと宝くじを買うような人には貧乏人が多いし、いくら夢を買うといっても人は夢だけでは生きられないから、無尽蔵に宝くじを買うわけには行かない。それなら彼らの予算を増やせばよい。すなわち、減税するのである。 ではどの税を減税するのが効果的だろうか。真っ先に思いつくのは税務調査の削減である。もともと徴税 コストが高いので、ネットの税収はあまり大きくないからである。しかし、これでは貧乏人が宝くじを買う予算を増やすことにはならない。もともと脱税を考えるような抜け目のない人が宝くじを買うなんて愚かなことをするはずがない。 貧乏人の予算を増やすことを考えるなら、消費税をやめるのが効果的だろう。財政理論上は一般消費税がベストとはいえ、どのみち現実の財政は政治的に歪んでいるのだから、徴税コスト等を勘案しながら、もっとも現実的で効率的なものを見出すことになる。 たしかに、一般消費税と異なり、宝くじは愚か者に重点的に課税するという点で公平ではない。しかし、愚か者が損をするからこそ、人は利口になろうとする。他人の金を当てにしようとせずに真面目に働く者が報われるような世の中にする方がひいては本人のためになる。そういう意味では、公平ではないが公正ではある。利口な人ばかりで宝くじが売れなくなっても、所得税や法人税といった別の税収が増えればそれでよい。

宝くじの独占販売権を競売にかけるべきか

宝くじは夢を売る商売である以上、小口に分散させるのは望ましくないのかもしれない。例えば、「10円払えば5円の賞金がもらえる宝くじ」に買い手がつくとは思えない。それによって独占供給が正当化されるとしても、独占の主体が永久に固定されていなければならない理由はない。より効率的な主体が経営できるようにすべきであり、そのような場合の定番は独占販売権を競売にかけることである。 もし競売にかけるとしたら、一定期間有効なライセンスを販売することになるだろう。これは、収益力が低い場合に、より収益力の高い主体にライセンスが移動することを促すためである。あるいは、永久的なライセンスである代わりに転売可能にしてもよいだろうが、実際にはある程度の期間は業務を継続してくれないと利便性を損なうだろう。 さて、このようにして競売が実現するとどうなるだろうか。まず、競売によって落札者と落札価格が決まる。すると、「宝くじビジネスは少なくともこれくらいは利益が出る」ということが明るみに出る。これは宝くじを買う者にとってはあまり気分のよいものではないだろう。たとえテラ銭が9割であろうと「3億円当たる」という夢が買えれば十分なはずだが、そうは言っても強欲に水を差すようなことをするのは商売上得策ではない。 では、落札価格を非公開にすればよいのだろうか。しかしそれでも入札者が多数発生するだけでも買い手にとっては気分が良くないだろうし、参入する側にとっても、どれほど旨みのあるビジネスなのかよくわからないので、あまり効果がないのではないだろうか。

宝くじの最高賞金額と販売頻度

最大3億円の賞金が出る年末ジャンボ宝くじやサマージャンボ宝くじは、なぜ年に2回しか販売されないのだろうか。宝くじは利益率が高いし、代金前受けなので資金繰りの心配もいらないのだから、それこそ毎日販売してもよいのではないだろうか。一方、小額賞金の宝くじは、毎日販売されている。どちらのタイプの宝くじも、総額ではそれなりに売れているようである。 当選者が出るまで賞金が繰り越されるタイプの宝くじも、当選金が出るまでの間隔が長い。しかも、当選金の金額と当選金が出るまでの間隔との間に相関がある。ちなみに、競馬でも小規模なレースは毎週開催されているが、大規模なレースの開催頻度は低い。 当選金の金額と当選金が出るまでの間隔との間には、ある種の最適解が存在するのだろうか。 最初に思いつくのは、買い手の予算である。宝くじの収益率はマイナスなので、「夢を買う」にしても、期間当たりの予算を限定しないと破綻してしまう。販売が分散されると、1回あたりの集金額が少なくなるので、そのような状況で最高賞金3億円なんて宝くじを出したら、ほとんどすべての人は空くじを掴まされることになる。それでは夢がない。 それならば10年に1回、最高賞金100億円の宝くじを売ればよいのかというと、どうやらそうでもなさそうである。どのみち、宝くじを買うような人には計画性がないだろうから、「金は取れるうちに取る」という考え方を取れば、ボーナスの出る時期には高額の宝くじを売り、それ以外の時期には低額の宝くじを売ることによって、効果的に金を取れそうな感じがする。それに、宝くじを買うような人にとって、100億円なんてお金は想像もつかないような金額であり、夢を抱きようが無いのかもしれない。 もし「金は取れるうちに取る」という仮説が正しいならば、貧乏人が小金を手にしそうなところに宝くじの広告が出ているはずである。

宝くじで確実に儲ける方法

宝くじに限らずどのような賭博であれ、確実に儲けることができてなおかつ儲けが大きいのは胴元である。鉄火場はテラ銭1割だが、回転率が高いので、時間当たり、資本当たりの収益はかなり大きいのではないだろうか。JRA競馬はテラ銭2割だが、競馬は維持費が高いので、利益はあまり出ていないのではないだろうか。 宝くじはテラ銭5割で、維持費がほとんどかからず、かつ売り上げが大きいので、莫大な利益が発生する。しかし、それ故宝くじビジネスは一般に開放されていない。宝くじ擁護論者は「夢を買っているのだ」と主張しているが、もしそれが本当なら夢の売買を自由化することで、ますます多くの夢を手に入れられるはずである。しかも売り手の間で競争が発生することで売り手の利潤率も低下するので、買い手の期待リターンも増える。とはいえ、せっかくの利権をそう簡単に手放すはずがなく、国家独占による「過小供給」が続いている。 胴元を諦めて、より現実的な手段はないだろうかと考えた結果、宝くじの広告で儲けることを思いついた。ところが、宝くじは店頭購入が主流で、インターネット上のアフィリエイト広告にはそぐわない。宝くじのような「愚か者への課税」では、マスメディアを使用したマスマーケティングの方が効果的なようで、現にテレビ広告や電車の広告では頻繁に見かける。一般人にはマスマーケティングの手段にアクセスできないので、結局宝くじの広告で儲けることができるのは大手広告代理店だけである。 宝くじへのネガティブキャンペーンを展開し、広告料を出してもらったらネガティブキャンペーンをやめるというのはどうだろうか。この場合、影響力の無い者がネガティブキャンペーンを展開しても広告料を出してもらえることはないだろう。万一絶大な影響力が発揮され、宝くじを買う人が激減してしまったら、今度は広告料を出してでも宝くじビジネスを継続しようという主体がいなくなってしまうかもしれない。それに、それなりに影響力のあるネガティブキャンペーンを継続するにはコストがかかる。 というわけで、宝くじで確実に儲ける方法をまだ見出せていない。

GmailとGoogleドキュメントのオフライン機能

GoogleGearをインストールすると、Gmailでオフライン機能を使えるようになる。いわば、GmailのUIを持つIMAPメールクライアントである。ウェブブラウザさえあればどこからでもアクセルできるGmailの利点と、ローカルマシンでオフラインで読み書きできるIMAPメールクライアントの利点とを兼ね備えている。 とても便利なのだが、唯一弱点がある。それはオフラインではメッセージを印刷できないことである。どうやら印刷する際にはサーバ上でメッセージからPDFを生成してそれをプリンタに送っているようだが、オフラインだと、PDFを生成できないためのようである。ホテル予約の確認メール等、念のため印刷しておきたい文書はいろいろあるが、モバイルPCは常時プリンタに接続されているわけではないので、プリンタに接続できるときに印刷したい。最近はホテルのロビーにPCを置いてある所が増えているものの、印刷だけは有料であるケースが多い。印刷したいと思い立ったときに印刷できないのは不便である。 つい最近、Googleドキュメントでもオフライン機能が使えることを発見した。ローカルマシン上でもネットワーク経由でもどちらでも、ファイルを読み書きできるので、とても便利である。 クラウドコンピューティングの時代になっても、モバイルPCが常時オンラインだとは限らない。外出すればブロードバンドは使えないし、携帯電話の電波の届かない所だってある。そういうときにファイルを読み書きできないのは困るし、かといって、やはり普段使っているマシン以外からも同じような利便性でアクセスしたい。 Googleドキュメントのオフライン機能のおかげで、ローカルのファイルのうち、ネットワーク上に置いても差し支えないものについてはGoogleドキュメントに移行できそうである。 しかしこれも同様に、オフラインからでは印刷できないという悩みがある。オフライン時にはPDFを生成せず、ウェブブラウザの印刷機能を使うことで解決できないだろうか。