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いっそのこと消費税をやめて宝くじにしてしまってはどうか

宝くじほど割りの良い徴税装置はない。なにしろ自発的にお金を出してくれるうえ、コストもあまりかからないからである。しかも既に地方自治体が宝くじ販売の権利を保有している。こんなすばらしい徴税手段を拡大しない手はない。

また、宝くじは有価証券なので、都会にいながらにして地方の宝くじを買うこともできる。ふるさと納税よりはるかに安価に同等の効果を期待できる。

そこでネックになるのは買い手の予算である。もともと宝くじを買うような人には貧乏人が多いし、いくら夢を買うといっても人は夢だけでは生きられないから、無尽蔵に宝くじを買うわけには行かない。それなら彼らの予算を増やせばよい。すなわち、減税するのである。

ではどの税を減税するのが効果的だろうか。真っ先に思いつくのは税務調査の削減である。もともと徴税
コストが高いので、ネットの税収はあまり大きくないからである。しかし、これでは貧乏人が宝くじを買う予算を増やすことにはならない。もともと脱税を考えるような抜け目のない人が宝くじを買うなんて愚かなことをするはずがない。

貧乏人の予算を増やすことを考えるなら、消費税をやめるのが効果的だろう。財政理論上は一般消費税がベストとはいえ、どのみち現実の財政は政治的に歪んでいるのだから、徴税コスト等を勘案しながら、もっとも現実的で効率的なものを見出すことになる。

たしかに、一般消費税と異なり、宝くじは愚か者に重点的に課税するという点で公平ではない。しかし、愚か者が損をするからこそ、人は利口になろうとする。他人の金を当てにしようとせずに真面目に働く者が報われるような世の中にする方がひいては本人のためになる。そういう意味では、公平ではないが公正ではある。利口な人ばかりで宝くじが売れなくなっても、所得税や法人税といった別の税収が増えればそれでよい。

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