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6月, 2018の投稿を表示しています

自己言及性パラドックスの実証実験

七夕が近づいて、笹の枝に願い事を記した短冊が吊るされるようになった。そこには様々な願い事が書かれているが、もしその中に「願い事が叶いませんように」という願い事があったら、その願い事は叶うのだろうか叶わないのだろうか。 その願い事が叶えば「願い事が叶わない」ということになるので矛盾するし、反対にその願い事が叶わなければ「願い事が叶う」ということになるので、これも矛盾する。論理的には決着がつかないが、それならば実証実験すればよい。矛盾の説話で大切なのは「論理的に矛盾する」という一見面白そうだが何の解決にもならない結果よりもむしろ、「ではその矛で盾を実際に刺してみたらどうなるのか見てみよう」と実証を求めたことである。論理で完結した世界では決着がつかないようなことでも、論理の世界を出て事実の世界に出ればまた異なる見方が得られるかもしれない。実力の拮抗した者同士の勝負は実際にやってみなければわからない。 七夕の時期に「願い事が叶いませんように」という願いと、もう一つ通常の願い事を記した短冊を吊るす。人数が多ければそれに越したことはないが、1000人もいれば十分だろう。七夕のような日本人が誰でも知っているような行事なら人を集めるのは比較的容易だろう。もう一方のコントロール群では、「願い事が叶いませんように」という願いをせずに、通常の願い事だけを記した短冊を吊るす。対照実験のため、両群の通常の願い事は同一とする。また、一定期間以内に願いが叶ったかどうかが判明しなければならないので、「3ヵ月以内に恋人ができますように」といったように期限を区切る。 両群の通常の願い事が叶った割合に統計的に有意な差が存在するかどうかを検定する。「願い事が叶いませんように」という願い事を記した群において通常の願い事が叶った割合が統計的に有意に低いなら、「願い事が叶わない」という願いが叶ったことになるし、反対に「願い事が叶いませんように」という願い事を記した群において通常の願い事が叶った割合が統計的に優位に高いなら、「願い事が叶わない」という願いが叶わなかったことになる。 ただし注意が必要なのは、七夕において通常の願い事が叶う割合が極端に低い場合には、願い事が叶った割合に統計的に有意な差を見出しにくいし、「願い事が叶いませんように」という願いが叶う割合も低いだろうから、なおさら統計的に有意

外環道千葉区間開通でトラフィックはどう影響を受けるか

2018年6月2日に外環道千葉区間が開通したことに伴い、トラフィックがどう変化するかを予想すべく所要時間や料金を比較してみた。 千葉方面なら圧倒的に外環道経由が有利だが、湾岸線方面だと意外と首都高速経由の方が有利だったりする。湾岸線方面への所要時間は首都高速経由であっても外環道経由であってもほぼ同じなのだが、料金の差が大きすぎる。 このことから言えるのは、外環道千葉区間を走る車の大半は京葉JCTから京葉道路に向かい、外環道から湾岸線への流入は意外と少ないということである。 それでも、千葉方面へのトラフィックが外環道にシフトすることにより中央環状線の混雑が緩和されたので、外環道を利用しない人にもメリットがある。 1.千葉方面から東北道方面 当然のことながら外環道経由の方が有利。首都高速中央環状線経由に比べて、所要時間は20分短縮され料金も1300円から1000円に下がった(以下料金はすべて普通車平日ETC料金)。外環道経由の方が線形がよく道も空いていて走りやすいので、外環道を経由しない理由がない。 宮野木以遠から外環道に行く場合には京葉道経由の方が東関道経由よりも距離と料金で有利。ただし東関道経由の方が流れが良いので所要時間は同じくらい。例えば千葉北から浦和まで、東関道経由で2020円に対して京葉道路経由で1990円。蘇我から浦和まででも、東関道経由で2150円に対して京葉道路経由で2130円と僅かに京葉道経由の方が安いし、そもそも京葉道路方面から通しで走るならわざわざ東関道を迂回する理由がない。東関道を経由することに意味があるとしたら谷津船橋インターや湾岸習志野インターを利用するときか、あるいは京葉道路が渋滞するとき。 2.千葉方面から常磐道方面 これも外環道経由の方が所要時間が15分ほど短いし料金も安い。例えば湾岸習志野から柏まで外環道経由で1540円なのに対し首都高速経由で2220円。 では圏央道経由との比較ではどうかというと、例えば湾岸千葉から桜土浦まで圏央道経由で2750円で1時間。一方、外環道経由だと2380円で45分なので、常磐道のつくばJCT手前で15分以上渋滞することがない限り外環道経由の方が有利。圏央道の大栄JCTからつくばJCTまでの約40kmは対面通行なので時間がかかる(通常時35分)。今後圏央道が4車線化す

中央道東京口の混雑緩和策はどこまで可能か

中央道の高井戸上野原間は東京近郊の高速道路で唯一4車線なので渋滞しやすい。そのことは当のNEXCO中日本も承知しており、上り線の調布ICから三鷹料金所までの区間の路肩を削って付加車線を設置したり、小仏トンネルに上り線付加車線用のトンネルを掘ったりしている。どうせ小仏トンネルにもう1本トンネルを掘るなら東名の大井松田御殿場間や中央道の上野原大月間のように上り線用に3車線道路を新設して現在の4車線は下り線として使えばよいのだが、当然のことながら費用と工期がかかる。あとはかつての東名の音羽蒲郡付近のように路肩を削って暫定6車線化する区間を増やしたりすることはできるかもしれない。どのみち現状でも実速度は低いので、多少規格を落としても問題ない。 中央道単体での混雑緩和策には限界があるので、他の方法は無いだろうか。 1.国道20号の輸送力増強 東八道路が全通すれば国立府中インターまでの交通の一部は一般道に転移できる。日野バイパスが開通し、八王子バイパスが無料化してからは、この区間は国道20号に迂回できるようになった。しかし八王子から先は線形が悪いので、八王子ICと相模湖ICとの間はたとえ渋滞しても中央道を走らざるを得ない。日野バイパス第二期と八王子バイパスが全通すれば圏央道高尾山ICまでは国道20号を走れるようになる。しかし高尾山ICから先は大垂水峠にトンネルを掘らない限り国道20号は都市間道路として機能しない。八王子JCTでの合流渋滞があるので、できればここを迂回したいものである。 2.新東名へのシフト 新東名神奈川区間が開通し、東富士道路が御殿場まで開通すれば、東京から富士五湖方面へは中央道経由よりも新東名経由の方が早くなるだろう。遠回りになるが、河口湖から御坂峠を越えれば一宮御坂ICに出られるので、甲府以遠に行く場合も中央道の渋滞が激しいときには迂回路として使えるようになるかもしない。 東富士五湖道路から国道137号に抜けるためには富士吉田ICで降りて河口湖大橋を通るルートだが、河口湖付近で混雑する。国道137号には新倉河口湖トンネルというバイパスがあり、トンネル入り口は中央道のすぐ近くにあるので、中央道の交差部にスマートインターチェンジがあれば楽になる。西桂スマートインターはもっと大月寄りにあるので、御殿場方面から利用する際には遠回りになる。