寝室用にONKYO X-U1というミニコンポを購入した。
【動機】
かねてより、同じくONKYOのGX-20AXというPCスピーカーをAirMac Expressと組み合わせて使用してきたが(直接PCスピーカーに接続するよりもAirMac Expressを経由する方が圧倒的に音が良い)、室内にいる時間をもっと快適に過ごしたいという思いから、iPodからデジタル信号を取り出せるミニコンポを探していた。
なぜミニポンポかというと、なにぶん狭い部屋なので本格的なオーディオでは勿体無いし、それにあくまでもBGMとして聴きたいのであまり臨場感のある音を求めていないからである。美しい音楽があれば十分だし、臨場感のある音ならどんな高価なオーディオも生演奏には到底及ばない。オーディオにかけるお金があったら生演奏を聴きに行けばよいのである。それに、オーディオ道を極めれば幸せになれるかというとそうでもなくて、僅かな音質の差に一喜一憂するよりも、美しい音楽に素直に感動する方が幸せである。幸せは自分の外にあるのではなく、自分の内にある。というわけで、自分の身の丈にあった製品を追求したところ、このクラスの製品に落ち着いた次第である。
【他の候補との比較】
購入にあたっては他にもいくつかの候補を検討した。
最初に有力だったのはKenwood K-521である。カタログスペックは魅力的だったし、かつ値段もこなれているのだが、店頭で視聴したところ、音があまり好みではなかったので見送った。出力は40W+40Wと、この手の製品にしてはかなり大きいし、光デジタル入力端子があるので、音の好み次第では良い選択かもしれず、実際ネット上での評判は良い。
店頭で視聴してみて素晴らしいと思ったのは、JVCのEX-S1である。これはウッドコーンが売りで、確かに音質は素晴らしいものの、値段が高いのと形がいま一つ好きになれなかったので見送った。
店頭で視聴して音が魅力的だったのは、YAMAHA MCR-330である。しかも値段も安くなっている。この製品の特徴はスピーカーの奥行きが大きいことである。それが豊かな音を生み出しているのだが、寝室に置くにはかさばる。iPodからの出力がアナログであることや、外部からの入力端子が無いため、将来性が無さそうなので見送った。せっかくこれだけの製品を作れるのだから、現代風にアレンジすればきっと素晴らしい製品を出せるのではないだろうか。なお、2011年9月8日に後継機種のMCR-332が発表された。デジタル信号を取り出せたり、外部入力端子がついたり(ステレオミニプラグ)、iPadに対応したりする等、改良されている。
結局店頭で視聴した上で、ONKYOのX-U1を選んだ。理由は以下の通り。
(1)音が好みだった。原音に忠実という意味ではなく、あくまでも自分の耳に心地良いという意味。
(2)手頃な大きさ。
(3)iPodからデジタル信号を取り出せる。
(4)iPodを本体の真上に刺すのではなく、ドックからUSBケーブル経由で本体に接続する方式なので、iPodを手元に置くことができる。リモコン操作よりもiPodを直接操作する方が便利なので、それなら手元に置ける方がよい。もともとはiPadに対応するためのようだが、iPadは音楽再生機器としては使い勝手が良くないし、基本的には自宅で手元に置いて使いたいものである。iPad対応は副次的なものではないだろうか。
購入機種を決定した上で、ネット通販で値段の安い店を探して発注した。この手の製品は重いので、持ち帰るよりも配達してもらう方が楽だし、それに値段も安いからである。発注から4日後に納品された。
【FMラジオ】
アンテナケーブルを接続してラジオを聴ける状態にし、AirMac Expressをアナログケーブルで接続した。もちろんUSB接続で付属のドックを接続し、iPodを使えるようにした。ラジオは集合アンテナ経由なので、本来の周波数とは異なる。番組を聞きながら放送局を登録していった。集合アンテナではAM放送もFM電波で受信できるので、期せずしてAM放送も聴くことができるようになった。日本のラジオは後述のradikoでも聴くことができるが、直接FMチューナー経由で聴く方が音が良い。
【音質の比較】
せっかくApple Universal DockとAirMac Expressを持っているので、以下の3つのケースを比較してみた。(1)と(2)ではiPodから直接デジタル信号を取り出し、(3)はアナログ入力である。
(1)付属のiPodドック経由でUSB接続でiPodを再生
(2)Apple Universal Dock経由でUSB接続でiPodを再生
(3)AirMac Express経由でアナログ接続でiPodを再生
音質は(1)の方が(3)よりも良かった。残念ながら(2)は使用できなかった。また、CDプレイヤーでCDを再生してみたところ、たしかに音は良いが、iPodの音楽をデジタル再生するのと大差なかった。それならiPod経由の方が手軽である。結局、iPodを付属のドック経由で接続することで落ち着いた。
なお、アマゾンのレビューでは、CDプレイヤー部分の評判は良くないようである。もともとCDプレイヤーで再生すると駆動音がうるさく、その割に対して音質が向上しない。おそらくCDのリッピングと異なりその場で直接読み込んでいるため精度が低いのだろう。iPodから再生する方が快適なので、CDプレイヤーをほとんど全く使っていない。そのため、CDプレイヤー部分がどうであれ全く気にならない。CD再生を目的とするなら、敢えてiPod対応を謳った機種を購入する必然性は乏しい。
【iPodの同期】
付属のiPodドックに接続している間はPCに接続できないので、現時点ではPCに同期する際にはX-U1から取り外す必要がある。付属のドックのUSB端子をPCに接続すればPCと同期できる。X-U1がAirPlayに対応していればよいのだが、コストと音質とのトレードオフの結果、音質を選んだのだろう。なお、2011年秋にリリースされるであろうiOS 5からは無線LAN経由でPCと同期できるようになるし、また、PCと同期しなくてもiOSのバージョンアップができるようになるそうなので、iPodドック経由でX-U1に接続したままでもPCと同期できるようになる。
【リモコン】
付属のリモコンでiPodを操作することができる。再生・停止・次の曲・前の曲は当然のこととして、メニューボタンを押せば上の階層に移れるし、矢印キーでカーソルを移動し、エンターキーで選択することができる。ただし、曲やアルバムを選択する場合には、リモコンを操作するよりも直接iPodを操作する方が楽である。
リモコンでは複雑な操作ができるが、本体のボタンは少ないので限られた操作しかできない。リモコンを無くすと大変なことになるので注意が必要である。
【ネットラジオ】
iPhoneやiPod touchなら、無線LAN環境さえあれば、iOSのネットラジオのアプリで各種ネットラジオを聴くことができる。iPodの音楽でなくても、各種音楽アプリの音もデジタル再生できるので、ネットラジオを高音質で聴くことができる。ONKYOのND-S10やND-S1000といった高価な機器を使えばiPodからデジタル信号を取り出せるが、X-U1のような比較的安価なミニコンポでネットラジオも含めてデジタル再生できるものは他にない。
ネットラジオといっても、日本のAM放送やFM放送は、radiko経由で聴くよりもFMチューナー経由で直接聴く方が手軽だし音質も良い。地元以外の日本のラジオ放送は残念ながらエリアが制限されているので、原則として利用できない。しかしいわゆるネットラジオは豊富に利用できる。radioIOやLive 365といったネットラジオ専用局のみならず、最近は海外のラジオ局がiOSアプリを提供してネットラジオとして利用できるようにしているので、いちいちPCを立ち上げるまでもなく世界各国のラジオを聴くことができるようになった。ClassicalならMinnesota Public RadioやThe Classical NetworkなんかもUSのPublic Radioの一部として利用できる。できれば、iTunesのラジオもiPod上で利用できれば申し分ないのだが、こればかりはAppleがその気になってくれるまで気長に待つしかない。
【できれば改善してほしい点】
仕様については承知の上で購入したので、特に不満というわけではないのだが、以下についてはできれば改善してほしい。
(1)外部入力でデジタル入力も利用できるようにしてほしい。iPodについては直接デジタル信号を読み出せるが、AirMac Expressをデジタルで接続できるとなおよい。せっかくD/Aコンバータを搭載しているのだから、それを活用するに越したことはない。
(2)せっかくUSB端子とD/Aコンバータがついているのだから、PCからUSB経由で音楽を再生できるとよいのではないか。
(3)iPodを再生するときとFMラジオを再生するときとで、音量が全然違う。切り替えの際にいちいち音量を調整しなければならないのが面倒。
(4)オンタイマーを動作させるためには、一旦電源を切る必要がある。iPodを再生している途中で寝てしまうと、電源が切れないのでオンタイマーも動作しない。これに対してはスリープタイマーを用いて確実に電源が切れるようにする必要がある。
【総合評価】
この値段でiPodからデジタル信号を取り出して再生できる機種は他にない。iPodをネットラジオ受信機として活用するのに適している。しかしどういうわけかネット上でのレビューがほとんどない。売れていないのだろうか。もし売れていないとすれば、高級オーディオでもなくかといってラジカセ的に手軽に使えるわけでもないからだろうか。iPod上のネットラジオが広く認知されればもっと売れてもよいと思う。
【動機】
かねてより、同じくONKYOのGX-20AXというPCスピーカーをAirMac Expressと組み合わせて使用してきたが(直接PCスピーカーに接続するよりもAirMac Expressを経由する方が圧倒的に音が良い)、室内にいる時間をもっと快適に過ごしたいという思いから、iPodからデジタル信号を取り出せるミニコンポを探していた。
なぜミニポンポかというと、なにぶん狭い部屋なので本格的なオーディオでは勿体無いし、それにあくまでもBGMとして聴きたいのであまり臨場感のある音を求めていないからである。美しい音楽があれば十分だし、臨場感のある音ならどんな高価なオーディオも生演奏には到底及ばない。オーディオにかけるお金があったら生演奏を聴きに行けばよいのである。それに、オーディオ道を極めれば幸せになれるかというとそうでもなくて、僅かな音質の差に一喜一憂するよりも、美しい音楽に素直に感動する方が幸せである。幸せは自分の外にあるのではなく、自分の内にある。というわけで、自分の身の丈にあった製品を追求したところ、このクラスの製品に落ち着いた次第である。
【他の候補との比較】
購入にあたっては他にもいくつかの候補を検討した。
最初に有力だったのはKenwood K-521である。カタログスペックは魅力的だったし、かつ値段もこなれているのだが、店頭で視聴したところ、音があまり好みではなかったので見送った。出力は40W+40Wと、この手の製品にしてはかなり大きいし、光デジタル入力端子があるので、音の好み次第では良い選択かもしれず、実際ネット上での評判は良い。
店頭で視聴してみて素晴らしいと思ったのは、JVCのEX-S1である。これはウッドコーンが売りで、確かに音質は素晴らしいものの、値段が高いのと形がいま一つ好きになれなかったので見送った。
店頭で視聴して音が魅力的だったのは、YAMAHA MCR-330である。しかも値段も安くなっている。この製品の特徴はスピーカーの奥行きが大きいことである。それが豊かな音を生み出しているのだが、寝室に置くにはかさばる。iPodからの出力がアナログであることや、外部からの入力端子が無いため、将来性が無さそうなので見送った。せっかくこれだけの製品を作れるのだから、現代風にアレンジすればきっと素晴らしい製品を出せるのではないだろうか。なお、2011年9月8日に後継機種のMCR-332が発表された。デジタル信号を取り出せたり、外部入力端子がついたり(ステレオミニプラグ)、iPadに対応したりする等、改良されている。
結局店頭で視聴した上で、ONKYOのX-U1を選んだ。理由は以下の通り。
(1)音が好みだった。原音に忠実という意味ではなく、あくまでも自分の耳に心地良いという意味。
(2)手頃な大きさ。
(3)iPodからデジタル信号を取り出せる。
(4)iPodを本体の真上に刺すのではなく、ドックからUSBケーブル経由で本体に接続する方式なので、iPodを手元に置くことができる。リモコン操作よりもiPodを直接操作する方が便利なので、それなら手元に置ける方がよい。もともとはiPadに対応するためのようだが、iPadは音楽再生機器としては使い勝手が良くないし、基本的には自宅で手元に置いて使いたいものである。iPad対応は副次的なものではないだろうか。
購入機種を決定した上で、ネット通販で値段の安い店を探して発注した。この手の製品は重いので、持ち帰るよりも配達してもらう方が楽だし、それに値段も安いからである。発注から4日後に納品された。
【FMラジオ】
アンテナケーブルを接続してラジオを聴ける状態にし、AirMac Expressをアナログケーブルで接続した。もちろんUSB接続で付属のドックを接続し、iPodを使えるようにした。ラジオは集合アンテナ経由なので、本来の周波数とは異なる。番組を聞きながら放送局を登録していった。集合アンテナではAM放送もFM電波で受信できるので、期せずしてAM放送も聴くことができるようになった。日本のラジオは後述のradikoでも聴くことができるが、直接FMチューナー経由で聴く方が音が良い。
【音質の比較】
せっかくApple Universal DockとAirMac Expressを持っているので、以下の3つのケースを比較してみた。(1)と(2)ではiPodから直接デジタル信号を取り出し、(3)はアナログ入力である。
(1)付属のiPodドック経由でUSB接続でiPodを再生
(2)Apple Universal Dock経由でUSB接続でiPodを再生
(3)AirMac Express経由でアナログ接続でiPodを再生
音質は(1)の方が(3)よりも良かった。残念ながら(2)は使用できなかった。また、CDプレイヤーでCDを再生してみたところ、たしかに音は良いが、iPodの音楽をデジタル再生するのと大差なかった。それならiPod経由の方が手軽である。結局、iPodを付属のドック経由で接続することで落ち着いた。
なお、アマゾンのレビューでは、CDプレイヤー部分の評判は良くないようである。もともとCDプレイヤーで再生すると駆動音がうるさく、その割に対して音質が向上しない。おそらくCDのリッピングと異なりその場で直接読み込んでいるため精度が低いのだろう。iPodから再生する方が快適なので、CDプレイヤーをほとんど全く使っていない。そのため、CDプレイヤー部分がどうであれ全く気にならない。CD再生を目的とするなら、敢えてiPod対応を謳った機種を購入する必然性は乏しい。
【iPodの同期】
付属のiPodドックに接続している間はPCに接続できないので、現時点ではPCに同期する際にはX-U1から取り外す必要がある。付属のドックのUSB端子をPCに接続すればPCと同期できる。X-U1がAirPlayに対応していればよいのだが、コストと音質とのトレードオフの結果、音質を選んだのだろう。なお、2011年秋にリリースされるであろうiOS 5からは無線LAN経由でPCと同期できるようになるし、また、PCと同期しなくてもiOSのバージョンアップができるようになるそうなので、iPodドック経由でX-U1に接続したままでもPCと同期できるようになる。
【リモコン】
付属のリモコンでiPodを操作することができる。再生・停止・次の曲・前の曲は当然のこととして、メニューボタンを押せば上の階層に移れるし、矢印キーでカーソルを移動し、エンターキーで選択することができる。ただし、曲やアルバムを選択する場合には、リモコンを操作するよりも直接iPodを操作する方が楽である。
リモコンでは複雑な操作ができるが、本体のボタンは少ないので限られた操作しかできない。リモコンを無くすと大変なことになるので注意が必要である。
【ネットラジオ】
iPhoneやiPod touchなら、無線LAN環境さえあれば、iOSのネットラジオのアプリで各種ネットラジオを聴くことができる。iPodの音楽でなくても、各種音楽アプリの音もデジタル再生できるので、ネットラジオを高音質で聴くことができる。ONKYOのND-S10やND-S1000といった高価な機器を使えばiPodからデジタル信号を取り出せるが、X-U1のような比較的安価なミニコンポでネットラジオも含めてデジタル再生できるものは他にない。
ネットラジオといっても、日本のAM放送やFM放送は、radiko経由で聴くよりもFMチューナー経由で直接聴く方が手軽だし音質も良い。地元以外の日本のラジオ放送は残念ながらエリアが制限されているので、原則として利用できない。しかしいわゆるネットラジオは豊富に利用できる。radioIOやLive 365といったネットラジオ専用局のみならず、最近は海外のラジオ局がiOSアプリを提供してネットラジオとして利用できるようにしているので、いちいちPCを立ち上げるまでもなく世界各国のラジオを聴くことができるようになった。ClassicalならMinnesota Public RadioやThe Classical NetworkなんかもUSのPublic Radioの一部として利用できる。できれば、iTunesのラジオもiPod上で利用できれば申し分ないのだが、こればかりはAppleがその気になってくれるまで気長に待つしかない。
【できれば改善してほしい点】
仕様については承知の上で購入したので、特に不満というわけではないのだが、以下についてはできれば改善してほしい。
(1)外部入力でデジタル入力も利用できるようにしてほしい。iPodについては直接デジタル信号を読み出せるが、AirMac Expressをデジタルで接続できるとなおよい。せっかくD/Aコンバータを搭載しているのだから、それを活用するに越したことはない。
(2)せっかくUSB端子とD/Aコンバータがついているのだから、PCからUSB経由で音楽を再生できるとよいのではないか。
(3)iPodを再生するときとFMラジオを再生するときとで、音量が全然違う。切り替えの際にいちいち音量を調整しなければならないのが面倒。
(4)オンタイマーを動作させるためには、一旦電源を切る必要がある。iPodを再生している途中で寝てしまうと、電源が切れないのでオンタイマーも動作しない。これに対してはスリープタイマーを用いて確実に電源が切れるようにする必要がある。
【総合評価】
この値段でiPodからデジタル信号を取り出して再生できる機種は他にない。iPodをネットラジオ受信機として活用するのに適している。しかしどういうわけかネット上でのレビューがほとんどない。売れていないのだろうか。もし売れていないとすれば、高級オーディオでもなくかといってラジカセ的に手軽に使えるわけでもないからだろうか。iPod上のネットラジオが広く認知されればもっと売れてもよいと思う。