日本の気動車用のディーゼルエンジンは250ps~450psほどのトラック・バス用のディーゼルエンジンがベースになっている。そのため、トラック・バス用のエンジンと同様にコモンレールインジェクタとターボを組み合わせた方式である。これに大容量の液体変速機(トルクコンバータ)を組み合わせるのが標準的だが、特急用気動車のように高速運転する車両では、高速域で機械式変速(直結段)を併用している。
一方、トラックやバスでは乗用車と異なり大トルク容量のトルクコンバータを導入することが困難なため、従来はMTのみだった。最近になってシングルクラッチ式MTの変速を自動化したAMTが普及しつつある。特に車体後部にエンジンのあるバスにおいては、MTであっても今では電気指令式なので実質的には自動変速機能の省略されたAMTである。トラック・バス用のAMTだと16段とか22段といった多段化が可能になり、エンジンの効率の良い領域のみを使うことができる。
同じようなエンジンかつ同じような用途なのに、どうして変速機だけは全く異なるものを使っているのだろうか。トラック・バスに液体変速機が採用されない理由は明白で、鉄道用の大容量の液体変速機があまりに大きくて重いため、搭載しきれないためである。一方、鉄道車両は床下に広いスペースがあるのでトラックやバスほどスペースの制約がない。しかしそれでも、同じ性能なら小さくて軽いに越したことはないはずだし、液体変速機よりも歯車式の機械変速機の方が保守も容易である。
JRでは液体変速機から脱却すべく、ハイブリッド気動車や電気式気動車(ディーゼルエレクトリック)や蓄電池電車や、はたまたディーゼルエンジンと発電機の代わりに燃料電池を搭載した車両も導入されようとしている。しかしどういうわけかシンプルかつ大量生産されて安いAMTは導入されていない。一方、トラックやバスではハイブリッドは一部で採用されているものの、ディーゼルエレクトリックや蓄電池自動車は全く採用されていない。なぜだろう。動力伝達効率やエネルギー効率が求められているのは鉄道であろうと自動車であろうと一緒のはずなのに。
もちろん、ディーゼル機関車くらいにエンジン出力が大きくなるとエンジンの熱効率の方が重要になってくるので、中回転型のエンジンと発電機・モーターを組み合わせて、電気モーターで回転数制御を行う方が効率が良く、しかも重連運転が容易である。トラックと異なり荷室を設ける必要がないので、大型の機器を設置できる。そのためJR貨物では液体式のDD51の後継に電気式のDF200を導入している。しかし気動車のサイズならエンジン出力に関する要件はトラックやバスとほぼ同じはずである。
鉄道車両特有の制約として、複数のエンジンや変速機を同時に動かすというものがある。トラックやバスではエンジンと変速機は1つだけなので、MTであっても可能だし、初期の気動車も機械変速式(MT)だった。しかしMTでは複数個の変速機を同時に動かすことができないので1両に2個のエンジンを搭載したり重連運転したりすることができない。そこで現在の気動車は液体変速機+直結段という巨大なATを採用している。しかしそこで重要なのは自動進段できるということなので、それならわざわざ大きくて重くて高価で保守も難しいATではなく軽くて安くて保守も容易なAMTで十分なのではないか。
一方、トラックやバスでは乗用車と異なり大トルク容量のトルクコンバータを導入することが困難なため、従来はMTのみだった。最近になってシングルクラッチ式MTの変速を自動化したAMTが普及しつつある。特に車体後部にエンジンのあるバスにおいては、MTであっても今では電気指令式なので実質的には自動変速機能の省略されたAMTである。トラック・バス用のAMTだと16段とか22段といった多段化が可能になり、エンジンの効率の良い領域のみを使うことができる。
同じようなエンジンかつ同じような用途なのに、どうして変速機だけは全く異なるものを使っているのだろうか。トラック・バスに液体変速機が採用されない理由は明白で、鉄道用の大容量の液体変速機があまりに大きくて重いため、搭載しきれないためである。一方、鉄道車両は床下に広いスペースがあるのでトラックやバスほどスペースの制約がない。しかしそれでも、同じ性能なら小さくて軽いに越したことはないはずだし、液体変速機よりも歯車式の機械変速機の方が保守も容易である。
JRでは液体変速機から脱却すべく、ハイブリッド気動車や電気式気動車(ディーゼルエレクトリック)や蓄電池電車や、はたまたディーゼルエンジンと発電機の代わりに燃料電池を搭載した車両も導入されようとしている。しかしどういうわけかシンプルかつ大量生産されて安いAMTは導入されていない。一方、トラックやバスではハイブリッドは一部で採用されているものの、ディーゼルエレクトリックや蓄電池自動車は全く採用されていない。なぜだろう。動力伝達効率やエネルギー効率が求められているのは鉄道であろうと自動車であろうと一緒のはずなのに。
もちろん、ディーゼル機関車くらいにエンジン出力が大きくなるとエンジンの熱効率の方が重要になってくるので、中回転型のエンジンと発電機・モーターを組み合わせて、電気モーターで回転数制御を行う方が効率が良く、しかも重連運転が容易である。トラックと異なり荷室を設ける必要がないので、大型の機器を設置できる。そのためJR貨物では液体式のDD51の後継に電気式のDF200を導入している。しかし気動車のサイズならエンジン出力に関する要件はトラックやバスとほぼ同じはずである。
鉄道車両特有の制約として、複数のエンジンや変速機を同時に動かすというものがある。トラックやバスではエンジンと変速機は1つだけなので、MTであっても可能だし、初期の気動車も機械変速式(MT)だった。しかしMTでは複数個の変速機を同時に動かすことができないので1両に2個のエンジンを搭載したり重連運転したりすることができない。そこで現在の気動車は液体変速機+直結段という巨大なATを採用している。しかしそこで重要なのは自動進段できるということなので、それならわざわざ大きくて重くて高価で保守も難しいATではなく軽くて安くて保守も容易なAMTで十分なのではないか。