古いApple Watchのお下がりが来たので試しに使ってみた。2018年発売の第4世代である。今のところギリギリWatchOS9のサポート対象である。
初期設定の容易さはさすがApple。iPhoneとの連携も容易。ただし、iPhoneを持っていないとApple Watchが真価を発揮できないので、iPhoneを持っていることが前提になる。
右手にはめる場合、竜頭が右側だと不便だが、上下逆向きにして竜頭が左側に来るように設定できる。画面表示に融通の効くスマートウォッチならでは。
見ていないときには画面表示が消えるが、画面を見やすいよう手を動かすと加速度センサーが検知して画面が表示される。これもスマートウォッチならでは。左手につけるか右手につけるかも設定で選ぶことができ、もしかしたらそれぞれに合わせて最適化しているのかもしれない。
通常、この手の製品は寝ているときに充電するものだが、睡眠の質を計測する場合には睡眠中にApple Watchを装着する必要がある。装着時には充電できないので、寝る前に十分なバッテリー残量を確保しておく必要がある。
画面が小さいので文字入力には適さない。そのため、日本語入力では音声入力が前提になっている。そういえば、流星号を呼び出すときやジャイアントロボを操縦するときも腕時計上のデバイスで音声入力していた。英字入力では手書き入力にも対応している。また、iPhone側で代わりに文字入力する仕組みがあり、ワンテンポ遅れてApple Watchに反映される。
気になったのは、一部アプリが使えない点。iPhoneでアプリを立ち上げてくださいと出るのでiPhone側でもアプリを起動するも連携がうまくいかず、Apple Watch側で使えないアプリがある。OSは最新だが、Apple Watchのハードウェアが古すぎて一部のアプリに対応していないのだろうか。Apple WatchはGoogleとも相性が悪く、GmailやGoogle Calendarといった通知機能があれば便利なアプリを入れられない。App Storeでアプリをインストールしようとしたところ、竜頭の隣の平たいスイッチをダブルクリックしてくださいという指示があったのでその通りにしたものの、同じ指示が繰り返されるばかりでインストールされず。
使えたアプリのうち便利だったのは睡眠アプリ。寝ている間に睡眠の質を計測できるのはありがたい。自分ではよく眠れなかったように感じても実際には眠れていることがあり、それが客観的にわかるのは便利である。どのように睡眠の質を測定しているのか調べてみたところ、加速度センサーで動きを捉え、心拍数のデータと組み合わさせていようである。心拍数の測定は血管に緑色の光を当てて反射率の変化に基づいて算出しているようである。既存の加速度センサーとカメラの技術だけで睡眠の質まで測定できるのはすごい。
心拍数や心電図も測定できるが、激しい運動をするときや心臓に基礎疾患がある時以外はそこまで重要ではない。
Apple WatchのウォレットにSuica等を入れることもでき、実際たまに自動改札機にApple Watchをかざしている人を見かけるが、iPhoneとセットで使うことを前提とするならiPhoneに入ったSuicaを使う方が便利だし、電子マネーの残高が分散してしまうと却って不便である。両者で残高をプールできる仕組みがあればサブ端末として使えるのだが。
Apple Watchを使ってみて感じたのは、まさにウェアラブルデバイスであるということ。体にくっつけて意味のある使い方であればそこそこ便利な反面、そうでなければ敢えてApple Watchを使う理由がない。典型的なのは健康状態を測定する用途。人を探す機能もあるので、老人の安否をモニターするのに便利かもしれない。ただし、Apple Watchは毎晩充電して使うことが前提なので、充電することを忘れるようになってしまったらもう使えない。走るときに装着していろいろ測定する用途がAppleによってアピールされているが、そういう用途ならそれに特化した端末があるので、走るなら専用端末の方が使いやすいらしい。