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理髪店の洗髪設備設置義務化に反対

理髪店に洗髪設備の設置を義務化しようという動きがあるらしい。余計なお世話である。

理容師法では消毒設備の設置が義務付けられており、それ自体に異論は無いが、その手段が洗髪設備でなければならないというのはおかしい。なぜなら、消毒ための手段は技術の進歩によって変わりうるので洗髪設備に限定すべきでないのみならず、そもそも洗髪設備があろうと無かろうと、切り屑は飛散するからである。洗髪によって除去できるのは頭についた切り屑のみである。しかしその程度なら自宅で洗髪すれば済むことである。消毒という目的を達成出来るかどうかで判断すれば済むことである。店内や店員の衛生のために洗面台を設置したければ、各店舗の判断によってそうすればよい。「消毒設備即ち洗髪設備」というのは21世紀の現代では論理的におかしい。そのような主張をする理容師組合の頭の悪さが明るみに出た。

そもそも従来型の床屋に洗髪設備があるのは、一般家庭に浴室が無かった時代の遺物でしかない。しかも頭にシラミが湧いていた時代のことである。そういう時代なら、衛生上の理由で洗髪設備が必要とされてもおかしくない。しかし、各家庭に浴室があって当然の時代には存在意義が乏しい。もちろん、すぐに帰宅できない場合には床屋で洗髪したくなることもあるだろう。あるいは、もしかしたら「洗髪設備も無いような不潔な店など利用したくない」と考える人もいるかもしれない。そういうときには洗髪サービスを提供している店を利用すれば済むことである(それにしても洗髪をつけるといきなり4000円もするのは困ったものだが)。むしろ夏場には、髪を切るとき以外にも頭を洗いたくなるので、リラクゼーションも兼ねて、数百円程度で洗髪サービスだけ提供してくれれば利用したい。別に、床屋に洗髪設備があってはならないなんて主張している人はいないのだから、洗髪設備を設置することが利益につながるなら、規制されなくたってそうするだろう。

床屋の側にも、洗髪設備を設置しようとする動機があるとも思えない。なぜなら、洗髪抜きでカットだけを提供する方が回転率が高く利益になるからである(ただしこれにはある程度の商圏人口が前提になるが、回転率を上げても意味がないような田舎なら、フルサービスを提供すればよいだろう)。既存の寿司屋が開店寿司屋に商売替えするのと同様に、従来型の床屋がカット専門店に商売替えすればよく、実際、そのように変化している。衛生上の最低限の規制を除けば、どのようなサービスを利用したいかどうかは消費者の選択に委ねるべきである。

万一余計な規制のせいでカット専門店の値段が上がろうとも、そのために従来型の床屋を理容する気など毛頭ない。自分で髪を切るための道具が売れるに違いない。もしかしたら、この規制は理容師組合でなく、自分で髪を切るための道具を作ろうとしている業者が考えついたものだったりするのだろうか。

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