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リビングルームからテレビを追放せよ

今まで長いこと、テレビがリビングルームの主役だった。地上波テレビが事実上唯一の娯楽だった時代には、家族全員でテレビを見ていたものである。食事中も、全員がテレビを見ており、各人がテレビと対話していた。テレビが安価になり大画面化するにつれ、この傾向が顕著になった。

しかし今はもうそんな時代ではない。テレビが安価になったおかげで、一家に一台ではなく、各部屋に一台ある。多様な情報源の中から各人が見たい番組を見る時代である。各部屋に一台テレビがあるなら、リビングルームにはテレビは要らない。リビングルームでテレビを見るということは、リビングルームに自分の部屋を持ち込むということであり、それは共有スペースを一人で占拠することに他ならない。なぜなら、テレビの発する騒音は大きいし、テレビを見るためには所定の場所に着席している必要があるし、テレビの画面を遮るような動作が憚られるため、テレビを見ている人以外が他のことをすることが著しく困難になるからである。

そもそもテレビは今や娯楽の中心ではない。地上波テレビなんて緊急報道用にインフラだけ残っている程度のものでしかなく、特に地上波民放テレビなんて暇つぶしの最後の手段でしかない。ケーブルテレビや衛星テレビでは多数のチャンネルを提供しているが、分野が細分化されているため、あくまでも個人の趣味のためのメディアであり、娯楽の中心ではない。そういうものは、リビングルームに持ち込んで占拠するような性質のものではない。

リビングルームは共有スペースである以上、人の邪魔になるような使い方をすべきではない。例えば、大量の私物を置けば邪魔になる。大きな音を出せば邪魔になる。リビングルームをあたかも自分の部屋であるかのように扱えば、リビングルームから人が遠ざかることになるだろう。リビングルームは住宅の中で最も環境の良い場所にある。特に昼間に最も居心地が良いのはリビングルームである。そこから人が締め出されるのは不幸なことである。

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