原発補助金の使い方でわからないのは、なぜ箱物に投資するのかである。原発補助金は、原発事故で周囲に人が住めなくなった場合の補償の側面があるのだから、そういうリスクに対処するために使うのが本来の使い方のはずなのに、なぜ人が住めなくなったら無用の長物になる箱物に投資するのだろう。
原発立地に際しては、実際には事故のリスクをゼロにすることなどできないのに、ゼロリスクでなければ立地を認めないという反対運動のせいで、「事故のリスクは無い」という建前で通さざるを得なくなって、そのために「もし事故が起きたらどうするか」という議論がタブーになってしまった。しかしもし本当に事故のリスクが無いなら、補助金を出す理由がなく、むしろ地域の雇用に貢献するのだから、地元自治体が補助金を出す側でないとおかしい。建前は建前、本音は本音として、「地域振興どうたら」みたいな名目をつければ、実質的に原発事故が起きた場合の対応策も取れたのではないだろうか。
原発事故による最大のリスクは環境汚染であり、土地と建物は移動させることができないから、移動可能なものに投資して、いざというときに移住できるようにするのがリスク対応策になる。では何が移動可能かというと、それは人である。しかも高いスキルを持った人材である。手に職があればどの土地でもどうにか暮らしていけるし、余人を以て代えがたいスキルがあればどこでも好きな所に住めるからである。
研究機関の中には大掛かりな装置を必要とするものもある。せっかく箱物に補助金が出るなら、そういうところに研究施設を作れば地元の建設工事にも貢献できる。原発事故が発生すればその施設は使えなくなるが、研究機関にとって最大の財産は人材なので、別の土地に移って研究を続ければよい。研究機関は人材が集積していることに意味があるので、ある特定の分野で一大研究センターを作れば効率的だし、それだけ人が集まれば地元経済にも貢献できる。
原発立地に際しては、実際には事故のリスクをゼロにすることなどできないのに、ゼロリスクでなければ立地を認めないという反対運動のせいで、「事故のリスクは無い」という建前で通さざるを得なくなって、そのために「もし事故が起きたらどうするか」という議論がタブーになってしまった。しかしもし本当に事故のリスクが無いなら、補助金を出す理由がなく、むしろ地域の雇用に貢献するのだから、地元自治体が補助金を出す側でないとおかしい。建前は建前、本音は本音として、「地域振興どうたら」みたいな名目をつければ、実質的に原発事故が起きた場合の対応策も取れたのではないだろうか。
原発事故による最大のリスクは環境汚染であり、土地と建物は移動させることができないから、移動可能なものに投資して、いざというときに移住できるようにするのがリスク対応策になる。では何が移動可能かというと、それは人である。しかも高いスキルを持った人材である。手に職があればどの土地でもどうにか暮らしていけるし、余人を以て代えがたいスキルがあればどこでも好きな所に住めるからである。
研究機関の中には大掛かりな装置を必要とするものもある。せっかく箱物に補助金が出るなら、そういうところに研究施設を作れば地元の建設工事にも貢献できる。原発事故が発生すればその施設は使えなくなるが、研究機関にとって最大の財産は人材なので、別の土地に移って研究を続ければよい。研究機関は人材が集積していることに意味があるので、ある特定の分野で一大研究センターを作れば効率的だし、それだけ人が集まれば地元経済にも貢献できる。