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2月, 2010の投稿を表示しています

iPod用ポータブルヘッドホンアンプ

iPodのドック端子からデジタル信号を取り出すヘッドホンアンプが欲しいとかねてから思っていたが、ついに店頭で発見した。オーディオテクニカのAT-PHA30iという製品が店頭で展示されていたので自分のiPodをつないでみたところ、見違えるほど音が良くなった。 電池を探してみたところそれらしきものがないのでよく見ると、iPodから電源を供給しているようである(バッテリーの持ちが悪くなるが)。挿すだけで使えるのである。 実売価格9000円程度だが、今までよりも9000円高いヘッドホンを買うよりも、その9000円でヘッドホンアンプを買う方が音がよくなるだろう。 どうして今まで無かったのだろうかと思えるくらい、ありそうで無かった製品である。 衝動買いしたくなったのだが、よく考えてみると欲が出てきた。ノイズキャンセリングヘッドホンと併用するなら両者が一体になっている方が取り回しが便利である。オーディオテクニカはノイズキャンセリングヘッドホンも作っているのだから、できないことはないはずである。既にヘッドホンアンプがあるなら、その中にノイズキャンセリング回路を入れるのはさほど難しくないのではないか。ノイズキャンセリング機能もつけるとバッテリーの持ちがさらに悪くなるが、長時間使いたいときには、ドック端子と本体との間に予備のバッテリーを挟めるようにすればよいだろう。

サッカーに技術点を導入せよ

日本のサッカーの弱点は得点力の低さと言われている。しかるに現在のサッカーはゴールによってしか点を取ることができず、日本に不利な仕組みになっている。また、「勝つための執着心が乏しい」と言われる日本人にとって、結果がすべてというのは不利である。自国に有利なようにルールを変えるべきではないか。 柔道では一本勝ちが本来の勝ち方だが、それだとなかなか勝負がつかないので、さまざまな技術点が導入されている。ボクシングもフィギュアスケートもそうである。ゴールできずに判定勝ちしても勝ちは勝ちなのだから、それでよいではないか。 パス回しとか、ボール支配時間とか、選手が走っている時間とか(これは日本人には不利か)、観客が見てすばらしいと思える要素を点数に取り込めばよいだろう。ついでに芸術点なんてあると面白いかもしれない。その結果、観客が見て面白いプレーをするよう動機づけることができる。これはプロスポーツでは大切なことである。サッカーでは22人の選手が同時に動くので、審判による点数付けが難しいが、ITを活用しつつ十分なリソースを割けばできないことはないだろう。 どうせなら、試合をネット配信して観客に点数をつけてもらうなんてことも面白いかもしれない。良いプレイをしたと思われたチームが勝つのがフェアだろう。競技場やテレビと違って世界中を相手にできる(日本国外で受け入れられるかどうか不明だが)。 それがサッカーなのかと言われれば、もちろん従来のサッカーとは異質だろう。しかしそれは競技化したスポーツ全般に言えることなのだから、単なる慣れの問題だろう。現行のサッカーのルールを変えるのは政治的な理由で難しいかもしれないが、それなら日本独自のガラパゴスサッカーを創設すればよい。アメリカンフットボールだってサッカーやラグビーとは明らかに異質だが、アメリカ人の嗜好に合っているため、米国では絶大な人気があり、本家サッカーやラグビーとは比べ物にならない。日本独自のサッカーであっても、自国の市場が大きければそれでよい。 日本サッカーの現状に不満を持つばかりではなく、前向きな解決策を考えてはどうか。というかそういう後ろ向きな発想ばかりだから弱いのではないか。

いっそのことテレビ番組などやめてしまってはどうか

地上波民放テレビの番組がつまらなくなった今となっては、番組を「広告を見せるための広告媒体」として活用することが困難になっている。いまどきのくだらない番組で満足するような視聴者はどうしようもない貧乏人だから、そんな人に物を売ろうとしても金にならない(ちなみに米国ではまともな家庭にはケーブルテレビや衛星テレビが普及しているので、地上波テレビしか見られないのはどうしようもない貧乏人だけである)。 それならいっそのこと番組を廃止して広告だけ流せばどうか。下手なバラエティ番組よりも、広告の方がよほどお金がかかっていて凝った作りになっている。番組が廃止されれば広告単独での勝負になるので、視聴者を惹きつける工夫がなされるだろう。 現に、番組が放映されない深夜時間帯はテレビ通販ばかりである。深夜にできることが昼間にできないはずがない。さすがにテレビ通販ばかりだと飽きるので宣伝効果が限られる。様々な広告を組み合わせて視聴者を飽きさせないのが広告代理店の腕の見せ所である。例えば家電製品の広告だけを集中して放映すれば、製品の比較に有用である。 番組製作は多重請負の丸投げなので、払ったお金に見合った品質を確保できないが、広告は完成品の持ち込みなので、コスト相応の品質を確保しやすい。広告の方が面白いものを作りやすいのである。また、スポット広告は時間が短いので、忙しい(時間の機会費用が高い)人でも見ることができる。 もちろん、緊急時にはニュース番組を放映することになるだろうが、そういう可能性を前提として広告料を安くする契約にするか、違約金を払う契約にすればよいだろう。むしろ、緊急時のニュース番組は視聴率が極めて高く宣伝効果が大きいので、広告主のテロップが流れるだけでも十分に効果がある。 普段は広告しか放映されないテレビにお金を払うのはばかばかしいので、初期設定では地上波民放テレビしか見られない地デジ対応テレビを無料で配布するのがよいだろう。これなら地デジへの移行も万全である。どうせ低所得者には地デジ対応テレビをタダで配ることになるだろうが、普通のテレビをタダで配るとモラルハザードになるし、スクリーニングにもコストがかかるので、広告しか見られないテレビのみ無料で配布することによってモラルハザードを防ぐのである。 NHKを見たかったらNHK視聴対応のプリペイド式のB-CAS...

北陸鉄道石川線をLRT化できないものか

北陸鉄道石川線には、LRT化に適した条件がいくつか揃っている。 1)架線電圧が路面電車と同じく600Vである。 2)ターミナルが都心から離れており、都心乗り入れによる効果が大きい 3)車両と変電所が老朽化しており、更新するか廃止するかの選択を迫られている 大手私鉄の中古車両は通常は架線電圧1500V用なので、600V用の中古車両の入手は困難である。多額の費用をかけて1500Vに昇圧したり、1500V用の車両を600V用に改造するくらいなら、600V用のLRT車両を新規に導入する方が安くつく。富山ライトレール等と同規格の車両を導入すれば、万一路線が廃止になっても転売先を確保できる。 都心乗り入れについては、そう簡単ではない。野町から片町、香林坊、武蔵が辻を経由して金沢駅へ至るルートが開通すればたしかに便利だが、現状の道路事情のもとで電車優先の軌道を敷設することは現実的ではないだろう。 しかし、富山ライトレールの実績から推測すると、都心に乗り入れなくても、LRT化して本数を増やすだけでも効果があるのではないか。 あるいは、金沢ではバスの方が現実的ということならば、電気式ガイドウェイバスにするというのはどうだろうか。電気自動車を導入して、軌道区間では集電と同時に充電し、道路でばバッテリーで走行するようにすれば、静かで排気ガスを出さない、環境に優しい乗り物になるのだはないだろうか。バッテリーの持ちが心配なら、主要停留所やバス専用レーンでも充電できるようにすればよいだろう。 ガイドウェイの建設費用を安くしたければ、既存のレールを活用できる方式があるとよい。軌道敷を舗装するが、レール部分だけは併用軌道のように残して、そこに案内用の小型の車輪を乗せるのである。鉄車輪を走行に用いないことで機構を簡略化できる。 バスでは輸送力が足りないということなら、千葉の幕張で走っている全長18mの連接バスと同じ車体にすればよいだろう。これならそのまま金沢駅まで乗り入れてもさして邪魔にならないはずである。都心乗り入れだけでなく、郊外で道路上を走ることもできるので、バスと同様に多種多様な運転系統を設定できる。

iPod nanoでコミュニティFMを聴く

かつて、「どうせ日本ではFM局なんて少ないし番組も画一的だからiPod nanoにFMチューナーなんてついていても意味がない」と書いてしまったが、地方を旅行すると意外とコミュニティFM局が多いことに気がついた。 他愛もない番組ばかりだが、それでも地域独自の放送を聴けるというのは観光客にとっては価値がある。事前に旅行先のコミュニティFM局について調べておくと楽しめるだろう。国道沿いにはその場所で利用可能なラジオ局の案内が出ていることが多いので、その場で気がつくこともあるかもしれない。 しかし困ったことに、調子に乗ってFMラジオばかり聴いていると、iPodの電池の減りが早い。逆に言えば、MP3プレイヤーの電池の持ちが良いということでもある。 そういえば、FMの周波数のプリセット情報や番組表をPCに保存しておいてiPodと同期する機能なんてあれば便利ではないだろうか。iTunesにラジオ局の一覧が表示され、その中から選択したラジオ局の周波数情報をiPodと同期する。iPod上で操作する際には、局名や地域名で検索できれば便利だし、局を選択したときに番組表が表示されれば便利である。ガラパゴス携帯なら、GPS情報をもとに、その地域で利用可能なFM局の情報をネットから引っ張ってきて自動的に表示するなんてこともできるかもしれないが、iPodではそこまではできまい。しかし、iPhoneで実装されれば、それがiPod nanoにも応用できるだろう。現在、iPhoneやiPod touchにはFMラジオ用のチップが内蔵されているが、使われていない。おそらくその機能を活かせるだけのユーザーインターフェースが開発されていないのだろう。

券売機でもモバイルSuicaを使いたい

Suica対応の券売機は、カード型Suicaにしか対応していない。最新型の黒い券売機ですら、依然としてカードを挿入するタイプである。モバイルSuicaを持っているならそのまま自動改札に入れるし、携帯電話経由でチャージできるからだろう。 しかし回数券や在来線の自由席特急券など、モバイルSuicaでは買えない切符もある。自由席特急券なら指定席券売機でクレジットカード払いで買うことが出来るが、発券に時間がかかる。窓口で回数券を買えば、クレジットカード払いも可能だが、これも煩雑である。さりとて、券売機でしか買えない切符を買うためにカード型のSuicaを常備するのも、これまた煩雑である。 飲料の自動販売機のように、購入すべき切符を特定した上でカードリーダーにSuicaをかざすというごく当たり前のことがどうして券売機ではできないのか、理解に苦しむ。 もし券売機でモバイルSuicaが使えないなら、せめてグリーン券やモバイルSuica特急券のように携帯電話経由で購入できるようにしてほしい。

TOICA電子マネー

2月15日付のJR東海のプレスリリースで、TOICA電子マネーを使える店舗が発表された。 駅構内の売店と飲料の自動販売機が中心となる他、エキナカの飲食店でも使えるようになる。今回対象となるのは名古屋駅や静岡駅が中心だが、関東では既にSuicaが使えるし、関西では既にICOCAが使えるので、これで新幹線の主要駅すべてで電子マネーを使えるようになる。思っていたよりも店舗数が多い。 しかし新幹線の車内販売ではまだ使えないようである。JR東日本にできることがJR東海にできないはずはないので、いずれ実現するのではないかと期待している。荷物を持った状態で駅構内で小銭を出すのも大変だが、車内販売で小銭を出すのも難儀なものである。東海道新幹線の乗客の大半はSuicaかICOCAを持っていて、コンビニ等での小額決済では電子マネーを使っているので、現金払いに対する抵抗感がある(使ったらATMでお金を下ろさなければならない)。電子マネーを使える方が車内販売の売り上げは増えるはずである。 乗車券としてのTOICAは、JR東日本やJR西日本のエリアとまたがって使うことはできないが、電子マネーの場合にはそういう問題がないし、特に東海道新幹線の車内販売はJR東海パッセンジャーズ1社のみなので、導入は比較的容易なはずである。もしかして車内販売用のハンディ端末だとSuicaやICOCAとの相互利用に問題があるのかと思いきや、JR東日本の新幹線の車内販売ではPasmoやICOCAも使えるので、どうやらそうではないようである。

上越新幹線の200系

JR東日本には上越新幹線用に200系が11本だけ残っている。どうしてそんな中途半端なことをするのかよくわからないが、E5系が投入されると玉突きで廃車になることだろう。 さて、200系はすべてリニューアルされており、内装はきれいだし、座席は新車同様である。しかし音がうるさくて揺れるのはどうにもならない。上越新幹線なら最長でも2時間程度の乗車時間だし、多くの乗客にとっては1時間程度の乗車時間でしかないので、所詮上越新幹線だからと割り切るしかなさそうである。 そういえば、200系が廃車になる頃にはE1系も廃車になるだろうから、上越新幹線はE4系に統一されることになりそうだが、少しは速くなるだろうか。とりあえず、朝の上りの高崎東京間は16両になるだろうから、混雑は緩和されそうである。

富山ライトレール

富山港線が廃止されLRTとして生まれ変わった富山ライトレールに乗ってみた。15分間隔で走るようになり、便利になったおかげで乗客が増えた。岩瀬に行くのが便利になったため、岩瀬を積極的に宣伝するようになった。こんなことならもっと早くLRT化すればよかったのにと思う。 現在は富山駅北止まりで、市内中心部に行くには不便だが、JRの駅の高架化工事が完成したあかつきには、富山地方鉄道循環線(セントラム)に乗り入れることになっている。環状線を一周して新富町で折り返すのだろうか。 富山県内のLRT車両は規格が統一されており、富山ライトレール、セントラム、万葉線(新車のみ)とすべて同一規格である。 いっそのこと富山地方鉄道不二越線と上滝線もLRTにしてしまって南富山駅で市内電車に乗り入れてはどうかと思うのだが、古い市内電車では勾配を登れないらしい。LRT車両だとどうなるのか気になるところである。本来、路面電車は道路の勾配に合わせて軌道を敷設するものだし、最高速度も低いので、比較的勾配に強いはずである。鉄道は軌道に比べて維持費が高いので、大規模改修が必要になったタイミングでLRT化するのが効率的である。地上設備はお金がかかるので、車両を勾配対応にする方が安くつく。

乗車券をクラウド化できるか

最近はネットワーク上に情報を格納するのがはやりだが、どうせなら回数券や定期券もクラウド化できないものだろうか。特に、回数券をSuicaに格納できないのはかねてから不便だと思っているのだが、何とかならないものだろうか。おそらく部分的には可能だろうが全面的な導入は難しいかもしれない。 エクスプレス予約では「回数券預かりサービス」を実施している。エクスプレス予約ではサーバ上に予約データを格納しているからこういうことができる。Pasmoでは「バス利用特典サービス」が導入されている。また、一部のバスでは一日乗車券をICカードに格納することができる。 EX-ICのように、ICカードを認証のみに用いてサーバ側に乗車券情報を格納すれば、任意の乗車券を扱うことができる。ローカル線を抱えるJRの在来線ではICカードを乗車券にするのは難しいだろうが、民鉄や新幹線では容易だろう。 しかし、東京圏の通勤路線の乗車券情報をすべてデータセンターに格納するとなると、いったいどれくらいの規模のデータセンターが必要になるか見当がつかない。だからこそ、乗車券情報をICカードに格納して、改札機や券売機で分散処理するのだろう。改札機や券売機で扱う情報は単純だし通信量が少ないので、高速で処理できる。

FedExの最後の1マイル

FedExは迅速で信頼性の高い国際宅配サービスとして知られているが、実はとんでもない弱点がある。それは、個人向けの配達をまともにできないということである。せっかく地球の反対側からたった1日で荷物を運んでも、最後の1マイルで数日かかるのである。 もともとFedExはビジネス向けのサービスなので、ビジネスアワーに合わせた配達体制しか持っていない。平日の昼間に事務所に荷物を届け、荷物を引き取ってもらってサインしてもらったらおしまいというやり方である。だから土日は配達しないし、夜間の配達もしない。 しかしこれだと、「なぜ平日の昼間に在宅していたのに、配達の知らせもせずに不在通知だけ置いていったのか」を説明できない。一つの可能性は、「FedExの配達員は個人の住所を識別する能力を持たない」ということである。そんな馬鹿なことがあるかと思うだろうが、日本と米国とでは住所の表記法が異なるため、会社名のような識別子が無いと、正しい住所に配達できる自信がないのではないだろうか。そういうときには一旦不在通知を残してカスタマーサービスに電話してもらい、住所を確認してもらうことにするのだろう。重要な文書を届ける以上、正しい相手に届けることは大切なので、これはこれで仕方ない。日本人の感覚だとそこまで疑う必要があるのかと感じるだろうが、アメリカは、世の中がいい加減であることを前提にした社会なので、相応の対策が必要になる。 「せめて宅配ボックスに配達してくれればよいのに」と思っても、誰が受け取るかわからない状態で宅配ボックスに荷物を残すのはリスクがあるので、本人の確認が取れるまでは宅配ボックスを使えない。それにそもそも米国には宅配ボックスという便利なものは存在しないので、たとえ宅配ボックスがあっても、どう対処したらよいのかわからないのだろう。米国の高層アパートには、保安上の理由で24時間営業のフロントデスクがあるので、そこに荷物を預けるだけである。 日本におけるFedExの攻略法は以下の通りである。 1)わかりやすい宛名を心がける。マンション住まいなら、マンションの名前を書く。 2)職場に届けてもらう。公私混同は望ましくないが、荷物が届く可能性は高くなるので、急ぎのときには効果的である。 3)ウェブのトラッキングに表示された配達予定日よりも1日余計にかかることを覚悟する。不在...

iTunes Storeの全曲プレビュー機能

iTunes Storeは試聴に便利なので重宝しているが、いつの間にか「全曲プレビュー」という機能が実装されている。通常、アルバムを購入するかどうか決める際には全曲試聴してみたいものだが、1曲づつ試聴するのは面倒なので、こういう機能があると便利である。

ThinkVantage Toolbox

ThinkPad向けに、Lenovo ThinkVantage Toolboxというソフトウェアがあるが、OSとの相性が悪いらしく、途中で停止してしまうので役に立たない。別段無くても支障しないので、アンインストールした。

中立命題と財政危機

ここ20年間で景気対策のために財政出動を繰り返した結果、景気浮揚効果が出ないまま財政赤字だけが膨らんで、財政破綻の危機に瀕しているそうである。 景気対策に財政支出が無力であることはリカードの中立命題やバローの中立命題として知られている。政府の財政支出には税の裏づけが必要なので、景気対策で政府が財政支出を増やすと、合理的な経済主体は将来の増税に備えて貯蓄するので、財政支出と同額の消費が減るというものである。実際、この20年間で景気浮揚効果が無かったことから、これらの中立命題は実証的に支持されているように見える。 しかし、もしこの命題が正しいとするならば、財政破綻の危機は無く、実体経済への影響も無いことになる。なぜなら、合理的な経済主体は、将来の増税に備えて既に貯蓄をしているはずだからである。マクロ経済学のいまどきの常識といわれているDSGE(実はただの価格理論)も、時間を通じて最適な消費水準を決定する合理的な経済主体を想定しているため、現代風の分析道具で装っても本質は同じである。 中立命題の説くところによれば、財政破綻を避けるために増税しても、単に貯蓄の名義が個人から政府に移るだけであり、消費水準は変わらない。いつ増税しても同じである。合理的な経済主体は、クレジットカードで買い物をするときに、いつか支払いのときが来ることを予見して節制する。一括払いだろうとボーナス一括払いだろうと同様である。銀行口座に残っている預金は、たとえ今は自分名義であっても、事実上カード会社に差し押さえられたも同然であり、あとはいつ引き落とされるかの問題でしかない。カード破産するようなファイナンシャルリテラシーの無い者ばかりなら乗数効果があるのかもしれないが、幸か不幸か平均的な日本人はもっと利口らしく、大半の人はカード破産しない。バラマキ財政でくだらない買い物をさせられるときも、その支払いを予見するはずである。合理的な経済主体は、誰も使わない高速道路を買わされるときには、アップルのクールなガジェットを買うのを諦める。私がMacBookもiPhoneも持っていないのは、きっとバラマキ財政のせいに違いない。 実体経済の落ち込みにより、将来の増税に備えた貯蓄が目減りしたという考え方もあるかもしれないが、合理的な経済主体は将来に対する予想の変化に敏感に反応して消費経路を随時最適化している...

高速バス事業における所有と運行の分離

もともと運輸業は所有と運行の分離の進んだ業界である。 海運業では船主と運航業者とが分離しているし、航空業でもリースが普及している。船舶にせよ航空機にせよ、資本コストはかかるがどこでも使えるものなので、資金力のある主体が所有し、それを運航業者が調達する仕組みになっている。 実はバスも同様である。たしかに資本コストはさほど高くなくて、夜行バスでも1台4000万円程度である。しかしまとまった台数を保有するとなると億単位の金額になり、バスの事業規模に比べると決して軽い負担ではない。 そういう意味では、貸切バス事業者からバスを調達してサービスを展開する都市間ツアーバス事業者は、ごく当然のことをしているように見える。資本を持たずに身軽に動けるからこそ、顧客のニーズを汲み取って柔軟なサービスを展開できる。夜行バスとホテルの早朝チェックインとを組み合わせるといったサービスは、顧客の求めるサービスをワンストップで提供するものであり、物流業界でのフォワーディングに近い。 乗務員を提供することに特化した会社や、車両整備に特化した会社や、車両の保有に特化した会社があってもよい。ただし、この手のビジネスの常として、生産要素を提供するだけだとリスクが低い反面、あまり利益が出ない。 この手のサービスが出現すると、整備不良や超過労働が問題になるが、それは本来そのようなサービスを提供する側の責任において適正に遂行すべきものであり、ツアーバス事業者に責めを負わせる筋合いのものではない。もちろん、調達側が調達の際の要件として提示したり、受け入れ時にチェックすることは当然必要だろうが、むしろ、個々の生産要素において、安全規制等によって品質が保証されている方が調達しやすい。 都市間ツアーバスも、数年前と比べると様変わりしており、ウィラートラベルのウェブサイトを見ると、随分工夫しているのが見て取れる。従来型のバス事業者の中では最大手の西鉄バスやJRバス関東はよく工夫している方だと思うが、やはり生産要素を供給する側であり、サービス事業者並のきめ細かさを期待できない。 運輸業において所有と運行の分離が機能しにくい唯一の例外は鉄道業である。地上設備の規模が大きく、幅広い技術を組み合わせる必要があり、しかも業務が複雑なため、既存の生産要素を調達するという方式が機能しにくいためである。第3セ...

北陸・能登廃止

2010年3月12日限りで北陸と能登が廃止になるようである。てっきり北陸新幹線が開業するときに廃止になると思っていたので意外である。 表向きの理由は車両の老朽化で、たしかに北陸の14系客車も能登の489系も老朽化している。特に北陸については、代替となる車両が存在しない。しかし能登については余剰の485系を調達することは可能だし、実際、多客期の臨時列車として485系で運行されるとのことである。東京から富山や金沢までは1000円高速の恩恵を受ける区間でもないので、おそらく他の要因によるものだろう。 金沢も富山も安くてきれいなビジネスホテルが多いし、特に金沢は駅が高架になった後、駅前に雨後の筍の如くビジネスホテルが開業したので、わざわざ我慢して夜行に乗るまでもない。どうしても夜行に乗りたかったら安くて快適な夜行バスがある。夜行バスもツアーバスのおかげでたいぶ安くなった。 そもそも、座席夜行で急行料金を取る列車というのもいまどき珍しい。急行料金を取る列車として残っているのは他にははまなすときたぐにだけである。どちらも昼間に移動しても5時間以上かかる区間なので車中泊の需要があるのは理解できるが、東京から金沢まで4時間しかかからないし、飛行機なら市内起点でも3時間程度である。今まで残っていた方が不思議なくらいである。

携帯電話の時計表示

携帯電話に時計機能があるため、最近は腕時計をしなくなった。腕時計が壊れたとき、どうせ携帯電話があるからいいやと思ってそれっきりである。時計なんてそんなに頻繁に見ないので、必要なときだけ取り出せば十分である。 しかし、時には時計を常時表示させる必要のあるときもある。そういうとき、携帯電話のディスプレイがすぐにオフになってしまうので困る。もちろん省電力のためなので、それ自体は仕方ないと思うのだが、そうならない設定にもできるようにしてほしい。時計表示モードみたいなのがあって、時計が大きく表示され、バックライトがオフにならないような設定にできればよいのだが。PCでもプレゼンモードに設定すればディスプレイがオフにならない。ニーズはあるし、技術的にも難しくないはずである。

Thunderbirdを使ってみた

オフラインでも使えるメーラー兼RSSリーダーが欲しいと思ってThunderbird 3を入れてみたのだが、困ったことになった。登録しているRSSが多いと、読み込みの際に帯域を圧迫するのである。もちろんブロードバンドなら問題ない程度なのだろうが、回線の細いモバイル用で帯域が圧迫されると支障する。 これでは使えないと思ってGoogleリーダーに戻ってみる。こちらはフィードの購読が簡単である。さすがGoogleがやっているだけあってキーワードで検索すると候補が表示されるので、その中から「登録する」のボタンを押すだけである。 Googleリーダーの方が動作が軽い。サーバに格納されているユーザの登録情報をもとに、クラウド側で更新を検索し、差分だけを送信しているからだろう。ただし、クラウド型の弱点として、オフラインリーディングには対応していない。 軽くてオフラインで使えてフィードの追加の簡単なRSSリーダーがあればよいのだが、そういう便利なものが出るのはもうしばらく先になりそうである。当面の間は、普段使いはGoogleリーダーで、オフラインユースの際にのみThunderbirdを使うことになりそうだが、1つのソフトウェアでできないのは不便である。