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FedExの最後の1マイル

FedExは迅速で信頼性の高い国際宅配サービスとして知られているが、実はとんでもない弱点がある。それは、個人向けの配達をまともにできないということである。せっかく地球の反対側からたった1日で荷物を運んでも、最後の1マイルで数日かかるのである。

もともとFedExはビジネス向けのサービスなので、ビジネスアワーに合わせた配達体制しか持っていない。平日の昼間に事務所に荷物を届け、荷物を引き取ってもらってサインしてもらったらおしまいというやり方である。だから土日は配達しないし、夜間の配達もしない。

しかしこれだと、「なぜ平日の昼間に在宅していたのに、配達の知らせもせずに不在通知だけ置いていったのか」を説明できない。一つの可能性は、「FedExの配達員は個人の住所を識別する能力を持たない」ということである。そんな馬鹿なことがあるかと思うだろうが、日本と米国とでは住所の表記法が異なるため、会社名のような識別子が無いと、正しい住所に配達できる自信がないのではないだろうか。そういうときには一旦不在通知を残してカスタマーサービスに電話してもらい、住所を確認してもらうことにするのだろう。重要な文書を届ける以上、正しい相手に届けることは大切なので、これはこれで仕方ない。日本人の感覚だとそこまで疑う必要があるのかと感じるだろうが、アメリカは、世の中がいい加減であることを前提にした社会なので、相応の対策が必要になる。

「せめて宅配ボックスに配達してくれればよいのに」と思っても、誰が受け取るかわからない状態で宅配ボックスに荷物を残すのはリスクがあるので、本人の確認が取れるまでは宅配ボックスを使えない。それにそもそも米国には宅配ボックスという便利なものは存在しないので、たとえ宅配ボックスがあっても、どう対処したらよいのかわからないのだろう。米国の高層アパートには、保安上の理由で24時間営業のフロントデスクがあるので、そこに荷物を預けるだけである。

日本におけるFedExの攻略法は以下の通りである。
1)わかりやすい宛名を心がける。マンション住まいなら、マンションの名前を書く。
2)職場に届けてもらう。公私混同は望ましくないが、荷物が届く可能性は高くなるので、急ぎのときには効果的である。
3)ウェブのトラッキングに表示された配達予定日よりも1日余計にかかることを覚悟する。不在通知を受け取ってその日のうちにカスタマーサービスに電話すれば、翌日にはきちんと届けてくれる。平日の昼間に不在なら「宅配ボックスに配達せよ」と念を押す。たしかにあまり気分が良くないが、たとえ1日余計にかかっても、地球の反対側から荷物が届く日数としては十分に短い。

日本の宅配便と比べると随分と気が利かないが、所詮外国のサービスなのだから、最初からそういうものと割り切った方が精神衛生上よろしい。国際宅配便によってグローバル化が進んでも、ローカルな部分は無くならない。むしろ、他国と密接に関連することによって、従来意識されてこなかったローカルな部分が浮かび上がる。

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