2011年5月27日にビックカメラとヨドバシカメラの店頭のみ限定1000台という、IdeaPad U260が発売されたので、早速店頭で見てみた。
第1印象は、薄くて軽い。12.5インチで厚さが18mmしかない。重さは1.35kgで、10インチのネットブックと同じくらいの重さである。厚さが均一で本のような外装なので、まるでA4サイズの薄手のバインダーを持っているかのような感じである。
ハードウェアも値段相応にしっかりしており、Core i5-470UMとか、4GBのメモリとか、320GBのHDDとか、ネットブックとは言いがたいスペックである。
キーボードはいまどきのアイソレーションキーボードで、Lenovoのは他社製品に比べてやや打ちやすい。残念ながらトラックポイントはついていない。本体を薄くするためか、キーストロークは浅い。
薄くした代わりに犠牲にしているものもあって、例えばバッテリーは交換できない。バッテリー持続時間は4.4時間である。また、ThinkPadと異なり、HDDを容易に交換できる作りにはなっていない。MacBook Airのような割り切った設計である。おそらくMacBook Air 13インチを意識しているのだろう。
店頭での価格は10万円であり、10%ポイント還元を考慮すると実質9万円である。ちなみにThinkPad Xは実売12万、IdeaPad U260とほぼ同じ重さで11.6インチのIdeaPad S205は実売5万である。あと2万円出せばフラッグシップモデルのThinkPad X1を買えてしまう。こちらは1.68kgと重くて一回り大きいが、その代わり通常電圧版のSandyBridgeを搭載しているので、パワーには余裕があるし、しかも頑丈である。気軽に外に持ち出すなら、ほぼ同じ重さのU205でも使い勝手はほぼ同じで、しかも値段は半額である。
同じ予算で比較するなら、安いS205を買ってSSDに換装するのが最もコストパフォーマンスが良さそうである。SSDといえばIntelが定番だが、IntelのSSDはAMDのCPUやチップセットと相性が悪いそうなので、ここでは敢えて東芝製を紹介しておく。2万円余計に払っても7万円しない。PCのパフォーマンスの制約になっているのはHDDなので、CPUよりもSSDに投資する方が投資効果が高い。
ちなみにIdeaPad S205と、同じサイズのThinkPad Edge 11インチとを比較すると、S205の方がハードウェアが新しい分だけ性能が良い。一方、Edgeにはトラックポイントがついている。両者を比べるとU205はすっきりした外観なのに対してEdgeはごてごてしている。銀色のプラスチックの縁取りのせいではないだろうか。
それにしても、Lenovoになってから、いろいろ面白いことに挑戦するようになったものである。TシリーズやXシリーズのような本来のThinkPadとは違うが、他社のネットブックと比べれば見劣りしない。筆記用具として気軽に持ち出せる、キーボードの打ちやすいネットブックが欲しいなら、考慮にいれてもよいのではないだろうか。昔のネットブックはハードウェアの性能が不足していたが、今は部品の値段が安くなったせいで、昔のネットブックと同じ値段で普通のPCを買えるようになったので、値段が同じでもハードウェアはだいぶ良くなっている。