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イーモバイルGL09Pを導入

GP02からGL09Pに機種変更した。普段は初物には手を出さずに評判を見極めてから購入を決断するのだが、今回は図らずもGL09P発売初日に購入したので、人柱報告をしようと思う。

【導入の経緯】
イーモバイルでは3Gの帯域を半減させてLTEの帯域を倍増させることになったため、下り最大42MbpsだったGP02等のユーザーに対して、契約解除料最大1万円免除、契約事務手数料3150円免除のキャンペーンを実施している。もともとGP02のmicroUSB端子の調子が悪く充電に支障していたこともあって機種変更を検討していたが、GL09Pが発売されるまで待っていた。

【GL06Pとの比較】
機種変更の候補はGL06PとGL09Pだった。GL09Pはソフトバンクの2.5GHz帯のAXGPや1.5GHz帯のUltraSpeedやソフトバンクWiFiにアクセスできるのが特長だが、その半面、ソフトバンクのリソースを利用する故にデータ転送量制限もソフトバンク並になっている。2014年8月まではキャンペーンがあって月間10GBが上限だが、それ以降は月間7GBまでである。普通に使っている限り月間10GBを越えることは無いのだが、7GBを超えないようにするとなるといろいろ我慢しなければならない。しかも他のイーモバイル端末と異なりSIMロックがかかっているので海外で現地のプリペイドSIMを挿して使うことができない(GL09P自体は海外ローミングに対応しているが、海外ローミング1日分の料金で、現地プリペイドSIMなら1ヶ月分使えるので、費用の面で全く現実的ではない)。一方、GL06Pは今まで通りにイーモバイルのネットワークしか使えないが、SIMロックフリーだし、バッテリーパックは交換可能だし、2014年5月までは毎月のデータ転送量制限が無い。イーモバイルのネットワークだけで特に問題なく使えているならGL06Pの方が使いやすいかもしれない。

【海外用端末としてのGP02との使い分け】
使い方にもよるのだが、GP02を引き続き海外用端末として使い続けるならGL09Pが国内専用端末であっても構わないし、GP02用の大容量バッテリーを1ヶ月ほど前に購入してしまったので、GP02は海外でもう一働きしてくれないと困る。また、比較的空いているソフトバンクの2.5GHz帯や1.5GHz帯を利用できるなら、イーモバイルだけでは電波の入りにくい所での接続が改善するだろうし、場合によっては速度も改善するだろうと思った次第である。特に自宅でイーモバイルの電波が入りにくいので、そこでの電波状況の改善を期待していた。

【Stream Xとの併用の可能性】
2014年8月以降に月間7GBまでになると使いにくくなるが、その頃にはガラケーの2年縛りが解けるので、Stream Xのようなイーモバイルスマホに乗り換えれば、GL09Pを自宅用にしてスマホを外出先専用とすることでデータ転送量に関してかなり余裕が出るだろうと踏んでいる。なお、Stream Xで利用できるソフトバンクの帯域は3G(7.2Mbps)用の2GHz帯なので、GL09Pの1.5GHz帯や2.5GHz帯と補完的である。下り最大42MbpsのイーモバイルG4やソフトバンクUltraSpeedに比べるとだいぶ遅いが、スマホで大容量のデータをやり取りすることはあまり無いので、大きなファイルをダウンロードすることが無い限りはさほど問題ないだろう。

【店頭での購入】
GL09P発売開始まで様子を見たかったので予約はしなかったのだが、店頭の在庫は豊富なようで、全く問題なく端末を確保できた。新機種発売直後ということで回線開通まで1時間かかったが、別段気にならなかった。端末を引き取るときに動作確認をしたが、たまたまファームウェアが更新された直後だったので受取時にファームウェアの更新も済ませた。PCにドライバをダウンロードしたりする必要は無く、携帯電話と同様に自分でファームウェアを取りに行くので更新はとても楽である。ファームウェア更新の際のパケット通信は課金対象外であるのも携帯電話と同様である。

【端末価格と支払方法】
端末価格は38800円で、イーモバイル公式に出ていた40800円よりも少し安かった。しかし各地のイー・モバイルショップで行なっているような端末代一括15000円みたいな気前の良いプロモーションほどではない。端末代金の支払は一括払いまたは分割払いが可能だが、今回は一括払いを選択した。分割払いの方法がソフトバンク的に複雑で2年後に禍根を残しそうなのと、ビックカメラでの購入なので一括払いにして10%ポイントを貯める方が金銭的に有利だからである。38800円の10%といえば3880円で、これは1ヶ月分の回線料金に相当するのでばかにならない。ビックカメラに限らずポイントの貯まる量販店で購入するなら一括払いの方が有利ではないだろうか。一括払いであっても月額通話料金の割引の適用を受けるためには2年縛りがかかるが、毎月の通話料が1700円割引になるので契約解除料を払うことになっても半年以上使えば元が取れる。もちろん、4万円近くする端末を半年で使い捨てにしたら端末代の月割コストが高くなるので半年で解約するのは全くおすすめできない。

【初期設定】
SSID等の設定はいつも通りウェブで設定ツールにアクセスすれば簡単にできる。端末引取り直後にカフェで一通り設定を済ますことができた。なお、説明書にはPCでの設定用にドライバをダウンロードするとあるが、ドライバといっても単に設定用のウェブのアドレスへのブックマークやショートカットが追加されるだけなので実質的な意味は無い。ウェブにアクセスできればスマホだろうがMacだろうがLinuxだろうが何でもOKである。

【接続先のネットワーク】
自宅に持ち帰るまでの間にどんな電波を拾えるのか見てみた。端末のディスプレイにはどんな電波を拾っているのか表示される。「LTE」と表示されるのはもちろんイーモバイルのLTEである。「4G」と表示されるのはソフトバンクの2.5GHz帯のAXGPである。「3G」と表示されるのは2種類あって、イーモバイルの1.7GHz帯の3G(イーモバイルG4)の場合とソフトバンクの1.5GHzの3G(UltraSpeed)の場合である。複数の電波を拾える際には端末側で自動的に電波を選んでいるようである。優先順位は開示されていないが、イーモバイル端末ならばイーモバイルの電波を優先的に拾いに行って、電波の無いときだけソフトバンクの電波を拾いに行っているのではないかと予想している。接続先が自動で選ばれるのは便利である。いちいち手動で接続先を選んでいたらせっかくのこの端末の特長を活かすことができない。

移動しながら端末を見てみると接続先が目まぐるしく変わっているのがわかる。圧倒的に多いのは3Gの表示で、おそらくは1.7GHz帯のイーモバイルの3Gに優先的に接続しているかもしれないが、明らかにイーモバイルの3Gで圏外になる場所でも電波を拾えてしかもアンテナが3本出ていた場所もあったので、これはきっとソフトバンクの1.5GHz帯なのだろう。たまにイーモバイルのLTEと接続されることもあるが、思いの外少ない。都市部だったらすべてイーモバイルLTEエリアなのかと思いきや、LTEではなく3Gで接続される場合の方が多い。2.5GHz帯のAXGPで接続される頻度は低いがゼロではない。もともと2.5GHz帯は室内に電波が入りにくいので、WiMaxと同様だめでもともと入ればラッキーという程度なのだろう。

また、通常使う回線(回線Bと呼ばれる)を使っているときには「Emobile」と表示され、第2回線(回線Aと呼ばれる)を使っているときには「Emobile A」と表示されるようだが、常に「Emobile」の方が表示されていた。「Emobile A」となるのは稀なのではないだろうか。回線Bがイーモバイルの回線なのだろう。

【インターネットWiFi】
ソフトバンクWiFiスポットに接続されることを期待していたのだが、あれほどソフトバンクWiFiスポットが多いにも関わらず、自動でソフトバンクWiFiスポットに接続されることを確認することはできなかった(もちろん暗証番号は設定済み)。端末のディスプレイでは携帯電話のアンテナ表示の横にインターネットWiFiのアンテナ表示もあり、それが点灯しているときにはWiFiに接続しているはずなのだが、あいにくWiFiへの接続はまだ確認できていない。本来ならば携帯電話のリソース不足を解決するために積極的にWiFiにトラフィックを逃がすべきなので、最優先でソフトバンクWiFiスポットに接続されなければならないはずだし、データ転送量制限を回避するためにも積極的にソフトバンクWiFiスポットに接続してほしいところである。もしかしたら移動中にはWiFiにつながりにくいのかもしれない。あるいは実際にはソフトバンクWiFi接続されていても、単に自分が気がついていないだけかもしれない。今後はもっと注意して見ることにしよう。

WiFiに関する機能は意外とすぐれもので、デフォルトで登録されているソフトバンクWiFiスポット以外にもワイヤレスネットワークを追加することができる。しかも、SSIDごとの接続の優先順位を手動で設定できる。端末ごとに手動で接続先を切り替える必要がなく、GL09P側で自動でWiFiに切り替えてくれるので、手間をかけることなデータ転送量を節約できる。ただし、Wi2 300のSSIDを登録して接続しようと試みたものの、パケットが通るところまで実現できていない。

【総評】
結局、イーモバイルの電波の入る所では今まで通りイーモバイルのLTE端末として動作している。イーモバイルの電波の入りにくいところでどの程度ソフトバンクの電波を拾えるか期待しているところだが、普通に人が住んでいるような都会や郊外では大差ないという印象である。それならばデータ転送量の制約の緩いGL06Pの方が使い勝手が良いかもしれない。ネット上の評判を見ても「実はGL06Pの方が有利」という声をよく見かけるが、そういうことならばたしかにそうである。

なぜGL09Pという端末が出てきたかと推測するに、もともとソフトバンクはイー・モバイルの1.7GHz帯をLTE用に必要としている反面、iPhoneに代表されるグローバル端末は2.5GHz帯のAXGPや1.5GHz帯のUltraSpeedに対応していないのでこれらの帯域は空いており、周波数に過不足が生じていた。ソフトバンクはイーモバイルを買収したものの、それだけだと1.7Ghz帯が混雑するだけで利用者が不利益を被る。そこで比較的空いている2.5GHz帯や1.5GHz帯にイーモバイルのデータ通信端末利用者を誘導することで1.7GHz帯の混雑を緩和すると同時に既存のイーモバイルユーザーにはエリアの拡大によるメリットを享受できるようにしたのではないか。リソースの利用効率を向上することで余剰を発生させ、それを分配するスキームである。目論見通りに機能すればWIN-WINなのだが、そのためには、ユーザーを積極的に2.5GHz帯や1.5GHz帯に誘導するような接続ロジックが必要である。ロジック変更はファームウェア更新によって可能だから、利用状況に応じてロジックをアップデートすることになるのではないだろうか。

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