2009年6月に三菱自動車工業から電気自動車iMiEVが発表された。最高速度は時速130kmで、走行距離は160kmである。タウンユースなら1日中充電無しで走れる距離なので、夜間に家庭用の100ボルトまたは200ボルトの電源で充電すれば十分だろう。
しかし、長距離ドライブだと途中で充電が必要である。ノートパソコンを充電するのと同じようにスターバックスのコンセントを借りるわけにもいかないだろうし、そもそも100ボルトの家庭用電源だと充電するのに14時間かかる。そこで、専用の急速充電器による方法も用意されている。これだと30分間で満充電容量の80%まで充電できる。80%の充電なら128km走行できることになる。そこで高速道路のサービスエリアやファミリーレストランの駐車場に充電器を多数設置することを考えているようである。1時間半くらい運転すれば休憩したくなるだろうから、ついでに充電するということなのだろう。
しかし、電気そのものには貯蔵できないという弱点があるので、需要のピーク時に合わせて設備を設計しなければならない。例えば太陽光発電は晴天の昼間にしか機能しないという弱点があるが、車用のバッテリーに電力を貯蔵すればその弱点を解消できる。風力発電についても同様である。発電量の安定しているマイクロ水力発電だって渇水期には稼動できない。また、小規模の発電設備では需要の一部にしか対処できない。そこでバッテリーに貯蔵することで電力を濃縮するのである。バッテリーで電力を濃縮することができれば、小規模の発電設備でも活用できるので、発電可能な場所が増える。
車を運転する側にとっても、もともとバッテリーに充電するのが目的なら、発電できたときにバッテリーに充電しておいて、必要になったらバッテリーモジュールごと交換する方式の方が効率的である。それに駐車場の専用充電スタンドに多数の電気自動車を駐車させたら場所と時間を取るし、順番待ちによる渋滞だって発生しかねない。さらに、1時間半運転するごとに30分充電するとなると、ガソリン車に比べて3割余計に時間がかかる。これでは実用的ではない。特にトラックやバスのような商用車には通用しない。これに対してバッテリー交換なら5分もあればできるので、所要時間への影響は無視できる。充電時間が短いということは駐車時間が短いということでもあり、駐車場に要するスペースを節約することができるので、地代も含めたコストはむしろ安くなる。
バッテリーモジュール交換方式の利点の一つはもちろんスマートグリッドだが、それだけではない。電力供給の中継拠点は主に田舎だろうから、そこの太陽光や風力や水力を活用することでグリーン化と地域振興の一石二鳥を狙うこともできる。クリーンな再生可能エネルギーのある所には充電スタンドを立地することができ、そうすればドライバーを引き付けてお金を落としてもらうことができる。田舎の人にとってお金を落としてもらうことは魅力的なので、こぞって再生可能エネルギーによる発電を推進することになるだろう。電力会社に高値で電気を買ってもらえれば現金収入は入ってくるが、地域振興にはならない。正味の電気代だけの勝負だし、それにいつまでも高値で電力を買い取ってもらえる保証もない。これに対して車用のバッテリーに充電して売るなら、ついでに電気以外のものも買ってもらえるし、単なる電気ではなく「運転できる距離を伸ばす」という付加価値を提供するので、価格においても有利である。
iMiEVを単なる電気自動車として売るだけなら、普通の車に比べて高い割に不便なので、官公庁向けやタウンユース専用等の限られた用途でしか売れないだろう。それに対して、スマートグリッドや再生可能エネルギーの活用や地域振興のための戦略の一部として位置づけるなら、もっと大きな付加価値をもたらすことができる。
自動車は移動体なので、各地で広く薄く発電されたの電力を集めて濃縮するという機能を持たせることができる。従来のガソリン自動車は環境を悪化させる要因だったが、電気自動車はむしろ環境貢献する乗り物になる。単に化石燃料の消費を減らすだけではなく、再生可能エネルギーの生産を促し、それを有機的に結合するからである。
しかし、長距離ドライブだと途中で充電が必要である。ノートパソコンを充電するのと同じようにスターバックスのコンセントを借りるわけにもいかないだろうし、そもそも100ボルトの家庭用電源だと充電するのに14時間かかる。そこで、専用の急速充電器による方法も用意されている。これだと30分間で満充電容量の80%まで充電できる。80%の充電なら128km走行できることになる。そこで高速道路のサービスエリアやファミリーレストランの駐車場に充電器を多数設置することを考えているようである。1時間半くらい運転すれば休憩したくなるだろうから、ついでに充電するということなのだろう。
しかし、電気そのものには貯蔵できないという弱点があるので、需要のピーク時に合わせて設備を設計しなければならない。例えば太陽光発電は晴天の昼間にしか機能しないという弱点があるが、車用のバッテリーに電力を貯蔵すればその弱点を解消できる。風力発電についても同様である。発電量の安定しているマイクロ水力発電だって渇水期には稼動できない。また、小規模の発電設備では需要の一部にしか対処できない。そこでバッテリーに貯蔵することで電力を濃縮するのである。バッテリーで電力を濃縮することができれば、小規模の発電設備でも活用できるので、発電可能な場所が増える。
車を運転する側にとっても、もともとバッテリーに充電するのが目的なら、発電できたときにバッテリーに充電しておいて、必要になったらバッテリーモジュールごと交換する方式の方が効率的である。それに駐車場の専用充電スタンドに多数の電気自動車を駐車させたら場所と時間を取るし、順番待ちによる渋滞だって発生しかねない。さらに、1時間半運転するごとに30分充電するとなると、ガソリン車に比べて3割余計に時間がかかる。これでは実用的ではない。特にトラックやバスのような商用車には通用しない。これに対してバッテリー交換なら5分もあればできるので、所要時間への影響は無視できる。充電時間が短いということは駐車時間が短いということでもあり、駐車場に要するスペースを節約することができるので、地代も含めたコストはむしろ安くなる。
バッテリーモジュール交換方式の利点の一つはもちろんスマートグリッドだが、それだけではない。電力供給の中継拠点は主に田舎だろうから、そこの太陽光や風力や水力を活用することでグリーン化と地域振興の一石二鳥を狙うこともできる。クリーンな再生可能エネルギーのある所には充電スタンドを立地することができ、そうすればドライバーを引き付けてお金を落としてもらうことができる。田舎の人にとってお金を落としてもらうことは魅力的なので、こぞって再生可能エネルギーによる発電を推進することになるだろう。電力会社に高値で電気を買ってもらえれば現金収入は入ってくるが、地域振興にはならない。正味の電気代だけの勝負だし、それにいつまでも高値で電力を買い取ってもらえる保証もない。これに対して車用のバッテリーに充電して売るなら、ついでに電気以外のものも買ってもらえるし、単なる電気ではなく「運転できる距離を伸ばす」という付加価値を提供するので、価格においても有利である。
iMiEVを単なる電気自動車として売るだけなら、普通の車に比べて高い割に不便なので、官公庁向けやタウンユース専用等の限られた用途でしか売れないだろう。それに対して、スマートグリッドや再生可能エネルギーの活用や地域振興のための戦略の一部として位置づけるなら、もっと大きな付加価値をもたらすことができる。
自動車は移動体なので、各地で広く薄く発電されたの電力を集めて濃縮するという機能を持たせることができる。従来のガソリン自動車は環境を悪化させる要因だったが、電気自動車はむしろ環境貢献する乗り物になる。単に化石燃料の消費を減らすだけではなく、再生可能エネルギーの生産を促し、それを有機的に結合するからである。