電気自動車を普及させる上で最大の障壁は電源である。モーター自体は比較的シンプルで、速度制御も今ではさほど難しくない。しかも、内燃機関よりも小型で高出力を得られるし、騒音も少ない。なぜ電源の確保が難しいかといえば、それは小型軽量かつ大容量のバッテリーがなかなか実用化しないのと、バッテリーに電源を供給するのに時間がかかるからである。
しかし電車のように架線から電源を供給すれば、バッテリーの問題を回避できるし、ブレーキをかけるときに発生する電力を他の車が加速するために用いることができるので、効率が良くなる。実際、ハイブリッド車はブレーキ時の電力をバッテリーに貯めて加速に用いている。問題は、そのような電力供給インフラをどのようにして道路に設置するかである。たしかに、路地裏までくまなく架線を張り巡らせるには現実的ではなく、むしろ妄想の世界である。しかし、導入が容易で効果の大きい場所で限定的に導入することならできなくもない。
例えば、第二東名高速をガイドウェイ式で建設して、走行中に電源供給を受けるようにすれば、通行量の大半を占める長距離トラックを電化できる。ガイドウェイ式なら、無謀な追い越しができなくなるし、ハンドル操作が不要になるため追突以外の事故の危険がなくなるので、追突防止のための保安装置さえつければ事故を防止することができる。故障して立ち往生したら、後ろの車が待避所まで押せばよい。これは鉄道と同じ考え方である。問題は分岐箇所だが、分岐箇所の手前で進路情報を送信して進路を開通させ、分岐箇所でだけハンドルを使うのが安上がりだろう。RFIDで個体を識別できるようにすればなお確実だろう。RFIDは、前後の車間距離の測定と制御にも応用できる。
電気式ではないものの、ガイドウェイバスなら名古屋で実用化している。ガイドウェイ式が採用されたのは、高架橋の幅を狭くすることで建設費を節約するためである。これを第二東名高速にも適用すれば、高架橋の幅を狭くしたりトンネルの断面積を狭くすることで建設費を節約することができる。大型のトラックやバスは車幅がほぼ統一されているし、車幅が異なる場合には、車から伸びる案内車輪の飛び出す長さを調整すればよい。ばねで幅を調整し、左右のばねの力の違いをもとに油圧で制御することで左右の位置を調整するのがよいだろう。これを車の前後の緩衝器にも応用すれば、追突事故を防止できる。
非電化区間に直通するためにバッテリーを搭載するのもよいが、バッテリーは大きくて重いので、電化区間でバッテリーを搭載するのは非効率的である。むしろ、電化区間の末端で充電式のバッテリーを搭載して、電化区間に戻る際に返却する方式の方が便利だろう。高速道路では電化区間の末端というのは料金所のことである。バッテリーをレンタル式とすることで効率的に共有することができるし、サービスとして課金しやすくなる。また、コンビニやファミレスやショッピングモールなど、いたる所でバッテリーを交換できるようにすれば、バッテリー容量が小さくても済むので、バッテリーを小型軽量化できるだけでなく、通常の業務用電源で充電できる程度にまでバッテリー容量を小さくできれば、充電できる箇所を増やすことができる。律令時代の「駅」のような考え方である。馬は長距離を走れず、休息が必要なので、一里ごとに馬を交換することで、常に元気な馬が走るようにするのである。自動車が普及したのも、いたるところで燃料の補給ができ、燃料タンク容量が小さくて済むからである。電気自動車でも数十キロ走れれば十分に実用的だろう。
ハイブリッド車には既にモーターとバッテリーがついているので、外部から電源供給を受けられ、バッテリーを簡単に取り外せる仕様にすれば、比較的少ない改造で対応できる。バスやトラックのハイブリッド化は徐々に進んでいる。
長距離路線を電化するなら、わざわざ道路を建設するまでもなく鉄道で十分ではないかと思えるが、なにぶん鉄道は重厚長大の装置産業なので、小回りが利かない。それが鉄道貨物の衰退した原因である。鉄のレールの上を鉄の車輪で転がる鉄道はエネルギー効率が極めて高い反面、走り出したらすぐに止まれないため、前後の間隔に余裕を持たせる必要があり輸送力が制限されたり、追突防止のための保安装置が複雑になるなどの弱点がある。そこで鉄のレールと鉄の車輪を断念してエネルギー効率を犠牲にする代わりに取り扱いを便利にして、現状よりもエネルギー効率を改善することで、鉄道と自動車の長所をそれぞれ取り入れるのである。それが道路の電化である。
近年はヨーロッパのみならず車社会の米国ですら路面電車が見直されている。路面電車は線路の無い所には直通できないので、一路線でまとまった需要のある所でしか建設できない。そこで、バスの利点と路面電車の利点とを組み合わせたような乗り物が開発されつつある。ガイドウェイ区間で充電し、非電化区間はバッテリーで走行する程度のものなら既に実用化している。一方、トロリーバスという乗り物も僅かながら残っている。これは電気式のバスと架線との組み合わせで昔からあるが、今では衰退している。線路を敷設する必要がないという利点はあるが、架線下でしか走れないので、鉄道並みの自由度しかないし、その割にゴムタイヤ式なのでエネルギー効率が悪いし、架線から外れないようハンドル操作が必要だからである。路面電車の軌道敷設のコストは比較的低いので、それなら路面電車の方が効率的である。要素技術をどのように組み合わせるかによって、パフォーマンスが大幅に違ってくるので、ソリューションの設計が重要である。
しかし電車のように架線から電源を供給すれば、バッテリーの問題を回避できるし、ブレーキをかけるときに発生する電力を他の車が加速するために用いることができるので、効率が良くなる。実際、ハイブリッド車はブレーキ時の電力をバッテリーに貯めて加速に用いている。問題は、そのような電力供給インフラをどのようにして道路に設置するかである。たしかに、路地裏までくまなく架線を張り巡らせるには現実的ではなく、むしろ妄想の世界である。しかし、導入が容易で効果の大きい場所で限定的に導入することならできなくもない。
例えば、第二東名高速をガイドウェイ式で建設して、走行中に電源供給を受けるようにすれば、通行量の大半を占める長距離トラックを電化できる。ガイドウェイ式なら、無謀な追い越しができなくなるし、ハンドル操作が不要になるため追突以外の事故の危険がなくなるので、追突防止のための保安装置さえつければ事故を防止することができる。故障して立ち往生したら、後ろの車が待避所まで押せばよい。これは鉄道と同じ考え方である。問題は分岐箇所だが、分岐箇所の手前で進路情報を送信して進路を開通させ、分岐箇所でだけハンドルを使うのが安上がりだろう。RFIDで個体を識別できるようにすればなお確実だろう。RFIDは、前後の車間距離の測定と制御にも応用できる。
電気式ではないものの、ガイドウェイバスなら名古屋で実用化している。ガイドウェイ式が採用されたのは、高架橋の幅を狭くすることで建設費を節約するためである。これを第二東名高速にも適用すれば、高架橋の幅を狭くしたりトンネルの断面積を狭くすることで建設費を節約することができる。大型のトラックやバスは車幅がほぼ統一されているし、車幅が異なる場合には、車から伸びる案内車輪の飛び出す長さを調整すればよい。ばねで幅を調整し、左右のばねの力の違いをもとに油圧で制御することで左右の位置を調整するのがよいだろう。これを車の前後の緩衝器にも応用すれば、追突事故を防止できる。
非電化区間に直通するためにバッテリーを搭載するのもよいが、バッテリーは大きくて重いので、電化区間でバッテリーを搭載するのは非効率的である。むしろ、電化区間の末端で充電式のバッテリーを搭載して、電化区間に戻る際に返却する方式の方が便利だろう。高速道路では電化区間の末端というのは料金所のことである。バッテリーをレンタル式とすることで効率的に共有することができるし、サービスとして課金しやすくなる。また、コンビニやファミレスやショッピングモールなど、いたる所でバッテリーを交換できるようにすれば、バッテリー容量が小さくても済むので、バッテリーを小型軽量化できるだけでなく、通常の業務用電源で充電できる程度にまでバッテリー容量を小さくできれば、充電できる箇所を増やすことができる。律令時代の「駅」のような考え方である。馬は長距離を走れず、休息が必要なので、一里ごとに馬を交換することで、常に元気な馬が走るようにするのである。自動車が普及したのも、いたるところで燃料の補給ができ、燃料タンク容量が小さくて済むからである。電気自動車でも数十キロ走れれば十分に実用的だろう。
ハイブリッド車には既にモーターとバッテリーがついているので、外部から電源供給を受けられ、バッテリーを簡単に取り外せる仕様にすれば、比較的少ない改造で対応できる。バスやトラックのハイブリッド化は徐々に進んでいる。
長距離路線を電化するなら、わざわざ道路を建設するまでもなく鉄道で十分ではないかと思えるが、なにぶん鉄道は重厚長大の装置産業なので、小回りが利かない。それが鉄道貨物の衰退した原因である。鉄のレールの上を鉄の車輪で転がる鉄道はエネルギー効率が極めて高い反面、走り出したらすぐに止まれないため、前後の間隔に余裕を持たせる必要があり輸送力が制限されたり、追突防止のための保安装置が複雑になるなどの弱点がある。そこで鉄のレールと鉄の車輪を断念してエネルギー効率を犠牲にする代わりに取り扱いを便利にして、現状よりもエネルギー効率を改善することで、鉄道と自動車の長所をそれぞれ取り入れるのである。それが道路の電化である。
近年はヨーロッパのみならず車社会の米国ですら路面電車が見直されている。路面電車は線路の無い所には直通できないので、一路線でまとまった需要のある所でしか建設できない。そこで、バスの利点と路面電車の利点とを組み合わせたような乗り物が開発されつつある。ガイドウェイ区間で充電し、非電化区間はバッテリーで走行する程度のものなら既に実用化している。一方、トロリーバスという乗り物も僅かながら残っている。これは電気式のバスと架線との組み合わせで昔からあるが、今では衰退している。線路を敷設する必要がないという利点はあるが、架線下でしか走れないので、鉄道並みの自由度しかないし、その割にゴムタイヤ式なのでエネルギー効率が悪いし、架線から外れないようハンドル操作が必要だからである。路面電車の軌道敷設のコストは比較的低いので、それなら路面電車の方が効率的である。要素技術をどのように組み合わせるかによって、パフォーマンスが大幅に違ってくるので、ソリューションの設計が重要である。