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まくどでPCの謎

最近のまくどにはPC用の電源を取れる席があったり、店内で公衆無線LANが使えたりする店がある。それ自体はありがたいものの、1つ困ったことがある。それは、手が汚れる食べ物を出しているということである。指先がPCのキーボードに触れるときに手が汚れるのはとても困る。明らかに油のついたフレンチフライに限らず、バーガー類も手が汚れるし、アップルパイ等の菓子類も手が汚れる。そもそもサンドイッチというのは手を汚さずに食べながらカードゲームをするためのものではなかったか。飲み物だけ頼めばよいのかもしれないが、それならコーヒー屋に行った方がましである。まくどで食べ物を食べてかつPCを使うとなると、先に食べてから店内の洗面所で手を洗って、それからおもむろにPCを使い始めるのが比較的安全だが、それなら食後にコーヒー屋に行ってそこでPCを使う方が落ち着く。

次善の策として、せめて紙ナプキンで工夫できないだろうか。まくどの紙ナプキンは単なる紙なので、指先についた油汚れを完全に取り去ろうとすると、大量に消費しなければならない。コンビニやドトールで配っている程度の紙おしぼりがあれば比較的ましなのだが、紙おしぼりなんてものを配るのは日本だけなので、世界中で同じような商売するまくどみたいな店では配られない。

それなら日本でしか商売していないドトールみたいな店ならよいかというと、そうでもない。ドトールは電源を提供しないのである。回転を上げることで客単価を下げ、安いわりにおいしい店にしているので、電源を提供して長居されたら困るのだろう。同じく客単価の低いカフェベローチェも電源を提供しない。スターバックス並みの客単価と回転率なら問題ないのだろうが、同じくドトール系列のエクセルシオールはスターバックス並みの客単価であるにも関わらず電源のある店を見たことが無い。もっとも、PC用の電源がなくてもバッテリー駆動でならPCを使えるし、バッテリー駆動時間は2時間を越えるので、PC用の電源を提供しないことが回転率を上げるのにどの程度貢献しているのかは疑問である。

そもそもノートPCを使うのをためらうほど油ぎった食べ物が体に良いはずがない。おにぎりや和菓子を出す、和風のファーストフード店があってもよいのではないか。和風の食べ物なら割り箸や楊枝を使えば手を汚さなくて済むので、PCを使いやすい。別に和風の店でPCを使ってはならないこともあるまい。和風の店でPCを使う上でネックになるのは、寿司のように醤油皿が必要な食べ物や、蕎麦のような汁ものである。PCを使っているときに醤油や汁が撥ねると困るし、そもそも寿司を放置すれば乾くし、蕎麦を放置すれば伸びる。普通の定職類は食器が場所をとる。汁気がなくて比較的乾燥に強くて、場所を取らないものとなると、やはりおにぎりや和菓子だろう。

和風の喫茶店が少ないのは、お茶に課金しにくいからだろう。普通の飲食店でタダで出るものにお金を払うのには抵抗がある。回転の悪い店で食べ物だけに課金するとなると、おにぎり1個300円とか、団子1本200円とかになってしまい、さほど高級感のない食べ物にそんなお金を出すのは抵抗がある。

そう考えると、店内で使うべきはPCではなく携帯電話ということになる。携帯電話はPCと違って場所を選ばないし、電源の心配もない。料理を注文してから料理が出るまでの間に使うことだってできる。メール程度なら携帯電話で十分だが、ビジネスで使うには足りない。ビジネスで使うならスターバックスみたいな高い店で気前良く金を出せということなのだろう。

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