2010年9月1日に第4世代のiPod touchが発表され、9月中旬辺りから消費者の手元に届くようになった。2010年6月に発売されたiPhone 4の技術を活用しつつ、スペックダウンしながらも小型化・軽量化し、さらに前世代のiPod touchよりも安くなった。
店頭で展示されていたものを少し触ってみた感じだと、ずっしりと重い。さすがにiPod classicよりは軽いという程度である。前世代より軽くなったとはいえ、前世代を知らないので、逆に前世代はそんなに重かったのかと感じた。手のひらはカーブしているので、エッジを薄くして中央部を膨らませる方が薄く感じられるものの、平板にしないと胸ポケットに入れたときに厚く感じられるというトレードオフがある。そこで、iPhone 4と同様に、極力平板にしつつ、角にだけ傾斜をつけた形になっている。容積と重量のかなりの部分をバッテリーが占めるので、重く感じられるのは仕方ないことなのかもしれない。
ディスプレイはきれいである。iPhone 4と比べると劣るのかもしれないが、単独で触る分には気にならない。そもそも一人で使うものなので視野角はさほど重要ではない。
無線LANやイーモバイルの回線を経由すると、ウェブブラウジングは爆速のようである。iPhone 4も、ソフトバンクの回線だと速度の向上を実感できないが、イーモバイル回線で使ってみて初めて速さを実感できるものらしい。それならば最初からPocket WiFiと組み合わせて使う方がコストパフォーマンスが良いだろう。もちろん、3G回線には「思い立ったら即座に接続できる」という利便性があるが、いかんせん費用がかかりすぎる。
今回のモデルからカメラが搭載されたが、性能がお粗末なので、Face Time以外で使われることはないだろう。Face Timeで使うといっても、顔がおぞましく映るのではコミュニケーションが逆に阻害されるのではないか。マイクとスピーカーがついているし、Bluetoothヘッドセットを使うこともできるので、Skypeで音声通話だけしている方が精神衛生上良いかもしれない。
iPhone 4との比較においては、なかなか健闘していると思う。では、第5世代iPod nanoとの比較ではどうか。
もちろん、iPod nanoにはPDA機能が備わっていないことが前提である。まず、音質は向上したらしい。チップが新しくなったか、あるいはパワーに余裕があるのだろう。iPod touchのディスプレイの面積は、iPod nanoのディスプレイ面積の2倍強である。ビデオポッドキャストを見るときには違いを感じるが、そうはいっても、縦横がそれぞれ1.5倍になったにすぎない。
iPod nanoが全く重量感を感じないのに対し、iPod touchは大きくて重い。上着の胸ポケットには入るが、それ以外の場所には入れにくい。音楽プレイヤーとして使用する際には、Bluetoothヘッドホンを使用し、本体を鞄の中に入れる使い方が現実的だろう。しかし、Bluetoothヘッドホンには電池の入ったレシーバーが必要であり、その大きさと重さはiPod nanoと大差ない。それなら最初から音楽再生専用でiPod nanoを使い続ける方が便利だし、バッテリー持続時間も長い。iPod nanoで音質を向上させたかったらライン出力経由でポータブルヘッドホンアンプを使用する方が効率的である。
iPod nanoには歩数計とFMラジオがあるが、iPod touchにはない。歩数計アプリをインストールすることは可能だが、常時携帯しやすい状態でなければ歩数計を運用できない。常時携帯する音楽プレイヤー兼歩数計は、依然としてiPod nanoということになる。
iPod touchを音楽プレイヤーとしては全く使わないとなると、音質向上の恩恵を受けることができないし、無理をしてBluetoothヘッドホンと併用しても、音質向上の恩恵を受けることができない。普段鞄の中に入れておき、必要なときだけ取り出して、単なるPDAとして使うことになる。
ではどの程度ネット端末を使うかというと、新幹線やホテルの中では使うだろう。しかし、新幹線やホテルの中で使うなら、画面の大きいiPadの方が使いやすい。iPadにはキーボードがついていなくて不便だが、キーボードも使うとなると、結局PCの方が便利ということになる。iPadの利点はバッテリーが1日以上持つこととPCの半分の重量であることであり、電源を気にせずに操作できるのはPCに対して有利だが、PCとて電源に困るほど使っているわけではない。本体重量はPCの半分だが、ThinkPad X200sを4セルバッテリーとSSDに換装すると1.1kgにまで軽くなるので、1.5倍の差でしかない。iPadをケースに入れて使うと、容積も重量もさほど差が無くなる。Bluetoothキーボードも携帯するとなると、むしろPCよりも煩雑になる。なお、iPadには静音という利点もあるが、自宅の寝室ならまだしも、新幹線の車内の騒音の中では全く意味をなさない。となるとわざわざ7万円近く出して旅行専用端末を買う意味が無くなる。
iPadは通勤電車の中で使うことはできないので、もし通勤電車の中で使うならiPod touchが唯一の選択肢である。しかし普段通勤電車の中では、座れるときには本を読むか寝るかのどちらかであり、座席前に立てるときには本を読み、扉付近に立っていて本を読めないときにはポッドキャストを聴いている。通勤電車で扉付近に立っているときにiPod touchでウェブブラウジングをできれば便利だが、わざわざ混雑する電車の中で小さい画面を苦労して操作するほど切羽詰っているわけではない。
そのように考えると、なかなかiPod touchを購入しようという気になれない。製品としては申し分ないのだろうが、自分の使い方にマッチしないのである。
店頭で展示されていたものを少し触ってみた感じだと、ずっしりと重い。さすがにiPod classicよりは軽いという程度である。前世代より軽くなったとはいえ、前世代を知らないので、逆に前世代はそんなに重かったのかと感じた。手のひらはカーブしているので、エッジを薄くして中央部を膨らませる方が薄く感じられるものの、平板にしないと胸ポケットに入れたときに厚く感じられるというトレードオフがある。そこで、iPhone 4と同様に、極力平板にしつつ、角にだけ傾斜をつけた形になっている。容積と重量のかなりの部分をバッテリーが占めるので、重く感じられるのは仕方ないことなのかもしれない。
ディスプレイはきれいである。iPhone 4と比べると劣るのかもしれないが、単独で触る分には気にならない。そもそも一人で使うものなので視野角はさほど重要ではない。
無線LANやイーモバイルの回線を経由すると、ウェブブラウジングは爆速のようである。iPhone 4も、ソフトバンクの回線だと速度の向上を実感できないが、イーモバイル回線で使ってみて初めて速さを実感できるものらしい。それならば最初からPocket WiFiと組み合わせて使う方がコストパフォーマンスが良いだろう。もちろん、3G回線には「思い立ったら即座に接続できる」という利便性があるが、いかんせん費用がかかりすぎる。
今回のモデルからカメラが搭載されたが、性能がお粗末なので、Face Time以外で使われることはないだろう。Face Timeで使うといっても、顔がおぞましく映るのではコミュニケーションが逆に阻害されるのではないか。マイクとスピーカーがついているし、Bluetoothヘッドセットを使うこともできるので、Skypeで音声通話だけしている方が精神衛生上良いかもしれない。
iPhone 4との比較においては、なかなか健闘していると思う。では、第5世代iPod nanoとの比較ではどうか。
もちろん、iPod nanoにはPDA機能が備わっていないことが前提である。まず、音質は向上したらしい。チップが新しくなったか、あるいはパワーに余裕があるのだろう。iPod touchのディスプレイの面積は、iPod nanoのディスプレイ面積の2倍強である。ビデオポッドキャストを見るときには違いを感じるが、そうはいっても、縦横がそれぞれ1.5倍になったにすぎない。
iPod nanoが全く重量感を感じないのに対し、iPod touchは大きくて重い。上着の胸ポケットには入るが、それ以外の場所には入れにくい。音楽プレイヤーとして使用する際には、Bluetoothヘッドホンを使用し、本体を鞄の中に入れる使い方が現実的だろう。しかし、Bluetoothヘッドホンには電池の入ったレシーバーが必要であり、その大きさと重さはiPod nanoと大差ない。それなら最初から音楽再生専用でiPod nanoを使い続ける方が便利だし、バッテリー持続時間も長い。iPod nanoで音質を向上させたかったらライン出力経由でポータブルヘッドホンアンプを使用する方が効率的である。
iPod nanoには歩数計とFMラジオがあるが、iPod touchにはない。歩数計アプリをインストールすることは可能だが、常時携帯しやすい状態でなければ歩数計を運用できない。常時携帯する音楽プレイヤー兼歩数計は、依然としてiPod nanoということになる。
iPod touchを音楽プレイヤーとしては全く使わないとなると、音質向上の恩恵を受けることができないし、無理をしてBluetoothヘッドホンと併用しても、音質向上の恩恵を受けることができない。普段鞄の中に入れておき、必要なときだけ取り出して、単なるPDAとして使うことになる。
ではどの程度ネット端末を使うかというと、新幹線やホテルの中では使うだろう。しかし、新幹線やホテルの中で使うなら、画面の大きいiPadの方が使いやすい。iPadにはキーボードがついていなくて不便だが、キーボードも使うとなると、結局PCの方が便利ということになる。iPadの利点はバッテリーが1日以上持つこととPCの半分の重量であることであり、電源を気にせずに操作できるのはPCに対して有利だが、PCとて電源に困るほど使っているわけではない。本体重量はPCの半分だが、ThinkPad X200sを4セルバッテリーとSSDに換装すると1.1kgにまで軽くなるので、1.5倍の差でしかない。iPadをケースに入れて使うと、容積も重量もさほど差が無くなる。Bluetoothキーボードも携帯するとなると、むしろPCよりも煩雑になる。なお、iPadには静音という利点もあるが、自宅の寝室ならまだしも、新幹線の車内の騒音の中では全く意味をなさない。となるとわざわざ7万円近く出して旅行専用端末を買う意味が無くなる。
iPadは通勤電車の中で使うことはできないので、もし通勤電車の中で使うならiPod touchが唯一の選択肢である。しかし普段通勤電車の中では、座れるときには本を読むか寝るかのどちらかであり、座席前に立てるときには本を読み、扉付近に立っていて本を読めないときにはポッドキャストを聴いている。通勤電車で扉付近に立っているときにiPod touchでウェブブラウジングをできれば便利だが、わざわざ混雑する電車の中で小さい画面を苦労して操作するほど切羽詰っているわけではない。
そのように考えると、なかなかiPod touchを購入しようという気になれない。製品としては申し分ないのだろうが、自分の使い方にマッチしないのである。