Xperia J1 Compactの使用感を記してみる。
【大きさ・重さ】
肥大化するスマホにあって4.3インチの掌サイズは使いやすい。端末購入に際してXperia Z5やXperia Z5 Compactも見たが、大きくて高性能なZ5よりも小さいサイズのZ5 Compactの方が実勢価格が高かった。iPhone SEも発売されたことから、小さくてそこそこの性能の端末にはニーズがあるものと思われる。
実際には、大きいスマホを作るよりも小さいスマホを作る方が難しい。同じ解像度なら大きなディスプレイの方が安価に製造できるし、バッテリー容量を大きく取れるのでCPUの熱消費電力を下げる必要が無いからである。
大きさが小さい代わりに厚さを大きくして容積を確保している。しかしそのために手で持ちやすく滑りにくい。厚いので重そうに見えるが実際の重量は平均的なので、持つと軽く感じる。実際の重量は138gなので、iPhone 6の129gより大きく、iPhone 6sの143gより小さい。ディスプレイが小さいからといって他の部品の大きさは一緒だし、必要なバッテリー容量も一緒なので、薄くて大きい端末に比べて軽いわけではない。
【外観・質感】
Androidスマホには珍しくシンプルで上品なエクステリアである。手に持つと、銀色のプラスチックの縁取りが安っぽい印象だが、アルミ筐体のiPhoneと異なりプラスチックであるがゆえに触っても冷たくない。もっとも、落としたときに備えてケースをつけてしまうと直接触れる機会が無いので、触感にあまりコストをかける動機が無いのかもしれない。
【ソフトケース】
落とした場合に備えてシリコンゴム製のソフトケースをつけたら厚ぼったくなり、Pocket WiFiみたいな形になってしまった。また、後述の通り、ソフトケースをつけたままだと卓上ホルダで充電できない。もっと薄手で、卓上ホルダでの充電用端子が露出しているソフトケースにすればよかったと思うものの、なにぶんXperia J1 Compact専用ケースというものは市販されておらず、2013年発売のXperia A2用のケースの中からしか選択肢が無いので、大型の家電量販店でも選択肢が限られる。
【卓上ホルダ】
Xperia J1 Compactには卓上ホルダが付属しており、自宅で使う場合には本体を横向きにして卓上ホルダに装着するだけで充電できる。ただし、USBケーブルでPCに接続する場合には卓上ホルダ経由では接続できないので、卓上ホルダに装着しているmicroUSBケーブルを抜いて本体に装着する必要がある。それでは不便なので、microUSBケーブルをもう1本調達して、1本は卓上ホルダ用、もう1本はPC接続用とすると便利だろう。純正のLightningケーブルは恐ろしく高価だが、microUSBケーブルは汎用性が高いので、比較的安価に入手できる。
日本ではスマホに防水のニーズがあるので本体のmicroUSB端子に蓋がついている。しかしこの蓋についている紐が弱く、頻繁に開け閉めするといずれ切れてしまう。microUSBケーブル経由で充電すると蓋についている紐が切れやすいので、蓋を開閉せずに充電できる卓上ホルダをつけているのではないかと推測する。PCと同一の無線LANのネットワークに属しているときには無線LAN経由でPCと同期できる。Xperiaでテザリングを行えば必然的に同一ネットワークになるので無線LAN経由での同期をやりやすいかもしれない。
ボタン類の配置は卓上ホルダに装着した状態での使い勝手が考慮されており、電源ボタンと音量調整ボタンは卓上ホルダ装着時に上側中央になるように配置されている。縦にして手に持った際には丁度右手の親指に当たる所にあり、右手の親指だけでボタン操作をできるようになっている。
iPhoneやiPodではドックスタンドに装着するときも縦置きだが、Xperiaが卓上ホルダで横置きなのは、日本のスマホにはワンセグチューナーがついていることが多いし(ただしXperia J1 Compactにはワンセグチューナーはついていない)、動画再生時の使い勝手を考慮したものだろう。それに、枕元で卓上時計として使う場合にも横置きの方が見やすい。
唯一注意が必要なのは、ソフトケースが必ずしも卓上ホルダでの充電に対応しているとは限らないことである。その場合、卓上ホルダに装着する際にはソフトケースを外す必要がある。卓上ホルダに装着しているときにはソフトケースは必要ないものの、着脱が少々面倒である。
【卓上時計】
Xperiaに入っている時計アプリはよくできていて、右下のメニューボタンを押して卓上時計を選ぶと卓上時計になる。さらに画面をタッチすると画面が暗くなって就寝中でもまぶしくない明るさになる。もう一度画面をタッチすると元の明るさに戻る。タッチするごとに明るい画面と暗い画面とを切り替えられるので、夜中に時計を見たいときに便利である。卓上ホルダはかさばらないので、旅先に持参すると枕元で目覚まし時計として使うことができる。
【ヘッドホン端子の位置】
ヘッドホン端子は本体上側についている。上着の内ポケットに入れる場合、ヘッドホンケーブルのつながっている側を上にするので、本体は上向きになる。内ポケットから取り出す際には向きが逆になるので、取り出した後で向きを反転させる必要がある。モバイルSuicaを自動改札機にタッチする際には、向きを反転させる手間が煩雑である。
ちなみにiPhoneではヘッドホン端子は本体下側についているのでそのような問題はない。かつてはiPod touchのヘッドホン端子は本体下側、iPhoneのヘッドホン端子は本体上側という違いがあったが、しばらく前からiPhoneでもヘッドホン端子の位置が本体下側になった。ポケットに入れる場合にはこちらのほうが使いやすい。
【音楽プレイヤー】
この端末の強みは128GBのmicroSDXCを装着できることである。128GBのmicroSDXCカードを装着したことで、大容量の音楽プレイヤーになった。Xperiaにはウォークマンアプリがついているので、Androidスマホの中では音楽プレイヤーとしての使い勝手が良い方である。回線契約がなくてもAndroidウォークマンとして使うことができる。
Bluetoothスピーカーに接続すると、最初のうちは音が少し途切れた。ある程度落ち着いてきたら音が切れなくなったので、ハードウェアの負荷が高いときには音が切れるようである。Bluetooth経由で自動車での音楽再生に使うことはもちろん可能だが、車載用としてはiPhoneやiPodの方が相性が良いし、Bluetooth接続よりもUSBケーブルでの接続の方が音が良いので、余ったiPod touchを車載用にしている。
フロントスピーカーで音を鳴らしてみると、iPhoneのスピーカーよりはまともな音がするので動画再生時なら本体スピーカーでもまかなえそうだが、音楽再生時には外部スピーカーが無いと物足りない。
ヘッドホンをつないで音楽再生してみると、昔のスマホと違ってヘッドホン接続時にホワイトノイズが出たりせず、クリアに再生される。しかしClearAudio+の音が不自然な感じがする。ClearAudio+は本体スピーカーのような小さいスピーカーで音を鳴らすときには効果的かもしれないが、ヘッドホンを使うときにはClearAudio+を切って自然な音で再生する方が心地よい。
Smart Connectアプリを使うとヘッドホン接続時、卓上ホルダ装着時、Bluetoothスピーカー接続時等の場面に応じてオーディオ周りの設定を変えられるのは便利である。
【FMラジオ】
いまどきのAndroidスマホの例に漏れずFMラジオがついている。タッチスクリーン上でダイヤルをドラッグするタイプのシンプルなラジオだが、周波数を合わせて☆をタッチすると放送局名を手動で入力することができるので、地元のラジオ局を一通り登録しておけば、あとはラジオ局名をタッチするだけで選局できる。
【アプリの動作】
Xperia J1 Compactはスマホとしてはミッドレンジ機だが、格安スマホの中ではハードウェアの性能に比較的余裕があるため、全くストレスなしに動く。ハードウェアスペックの数字自体はiPhone 6はおろかiPhone 6sと比べても遜色ない(スペックの数字と実際の使い勝手は必ずしも一致しないが)。前端末がひどすぎたというのもあるが、やはりアプリがまともに動くのは気分が良い。
【上位機種との比較】
Xperia J1 CompactはXperia A2と同等なので、最新のXperia Z5 Compactはおろか1世代前のXperia Z3 Compactと比べてもスペック面で差がある。最も顕著なのはハイレゾとノイズキャンセリングに対応していないことである。しかしもともとハイレゾ音源を持っていないし、音楽再生時にはBluetoothスピーカーを使うのが主なので、特に不自由していない。最新機種に比べるとCPU性能は劣るものの、ゲームをするのでなければ特に問題ない。外装の質感も上位機種より劣るものの、ソフトケースをつけてしまえばわからない。
【iPhoneとの比較】
《デザイン》
ハードウェアの外観や質感や画面の美しさやUIの使いやすさといったデザインではiPhoneに軍配が上がる。しかしそれでもXperiaはAndroidスマホの中ではかなり良い方だと思う。他の格安スマホよりもハードウェアスペックが高いこともあり、ストレスなく動く。シンプルで美しく直感的なiPhoneに対して、Xperiaはいろいろな機能が作りこまれているので、使いこなせれば便利なのかもしれない。
《音質》
音楽再生に関しては、一般にiPhoneは自然な音、Xperiaは良く言えば臨場感のある音、悪く言えば人工的に加工された音と言われており、たしかに同じ音源、同じイヤホンや同じスピーカーで聴き比べてみればそのような差異を見出すことができるが、ではその差がどの程度かといえば、若干違うなと思う程度であって、普段使いで大きな差があるようには思えない。ソニーの方向性はBOSEと似ているが、BOSEほど露骨に人工的な音がするわけではない。また、音を加工するのに適したジャンルもあれば適さないジャンルもある。安物のイヤホンや小さいスピーカーで音楽再生するなら加工して補えるXperiaの方が音が良く聞こえるかもしれない。一方、ある程度以上の環境だと人工的な音が耳につくので、自然な音を出すiPhoneの方が心地よく感じるかもしれない。iPhoneも新しい端末ほど音が良くなっている。
《iTunesとの連携》
iTunesから直接同期できるiPhoneに対して、Xperiaの場合はMedia Goを介在させる必要があるので一手間かかる。しかしMedia Goはソニーのソフトウェアの割にはそこそこよくできていて、最初の読み込みさえ終わってしまえばあとはさほどストレスを感じない。
《カーステレオとの連携》
最近のカーナビは安物であってもiPhoneやiPodのUSB接続に対応しているのに対して、AndroidスマホだとUSB接続しても単なるUSBメディアとしてしか認識されないのであまり使い勝手が良くない。Bluetooth接続ならiPhoneとAndroidスマホとで特に差はないし、普段持ち歩いているスマホで音楽再生する場合にはスマホを持ち歩いて車に乗るとBluetooth経由で音楽再生を継続できるのでたしかに便利である。一方、車載専用にするならiPhoneやiPodの方が便利である。車載専用ならケーブルの抜き差しが必要ないし、エンジンが動いているときに充電できる方が便利なのでUSB接続の方が有利である。
《おサイフケータイ》
言わずもがなであるが、iPhoneにこれがありさえすれば最初からAndroidなんか見向きもしない。iPhoneは端末代が高いしSIMロックフリー機ならなおさらだが、MVNOは通信費が安いのである程度使えば元が取れてしまう。おサイフケータイがなくてもBluetooth接続のPaSoRiがあればスマホの操作でチャージすることは可能である。オートチャージを有効にすればチャージする頻度を下げることができる。SuicaとEdyとWAONはオートチャージに対応している。Nanacoはオートチャージに対応していないが、最近はセブン-イレブンのレジでNanaco以外の電子マネーを使えるので必ずしもNanacoが必要なわけではない。たまにNanacoのポイントがつく商品がある程度である。しかしモバイルSuica特急券とモバイルSuicaグリーン券ばかりはプラスチックカードで代用できない。
とはいえ、おサイフケータイを搭載していて主要な電子マネーに対応しているのは大手キャリアの端末以外ではXperia J1 Compactを含めて3種類くらいしかない。さらに主要な電子マネーをすべて網羅しているのはXperia J1 Compactだけである。そしてXperia J1 Compactの端末価格は性能の割には割高感が否めない。DoCoMoの白ロムを持っていればMVNOのSIMに差し替えるのが一番手っ取り早いが、そうでない場合におサイフケータイだけのためにわざわざAndroid端末のために高いお金を出す動機があるかといえば、そうでない場面も結構あるかもしれない。
【大きさ・重さ】
肥大化するスマホにあって4.3インチの掌サイズは使いやすい。端末購入に際してXperia Z5やXperia Z5 Compactも見たが、大きくて高性能なZ5よりも小さいサイズのZ5 Compactの方が実勢価格が高かった。iPhone SEも発売されたことから、小さくてそこそこの性能の端末にはニーズがあるものと思われる。
実際には、大きいスマホを作るよりも小さいスマホを作る方が難しい。同じ解像度なら大きなディスプレイの方が安価に製造できるし、バッテリー容量を大きく取れるのでCPUの熱消費電力を下げる必要が無いからである。
大きさが小さい代わりに厚さを大きくして容積を確保している。しかしそのために手で持ちやすく滑りにくい。厚いので重そうに見えるが実際の重量は平均的なので、持つと軽く感じる。実際の重量は138gなので、iPhone 6の129gより大きく、iPhone 6sの143gより小さい。ディスプレイが小さいからといって他の部品の大きさは一緒だし、必要なバッテリー容量も一緒なので、薄くて大きい端末に比べて軽いわけではない。
【外観・質感】
Androidスマホには珍しくシンプルで上品なエクステリアである。手に持つと、銀色のプラスチックの縁取りが安っぽい印象だが、アルミ筐体のiPhoneと異なりプラスチックであるがゆえに触っても冷たくない。もっとも、落としたときに備えてケースをつけてしまうと直接触れる機会が無いので、触感にあまりコストをかける動機が無いのかもしれない。
【ソフトケース】
落とした場合に備えてシリコンゴム製のソフトケースをつけたら厚ぼったくなり、Pocket WiFiみたいな形になってしまった。また、後述の通り、ソフトケースをつけたままだと卓上ホルダで充電できない。もっと薄手で、卓上ホルダでの充電用端子が露出しているソフトケースにすればよかったと思うものの、なにぶんXperia J1 Compact専用ケースというものは市販されておらず、2013年発売のXperia A2用のケースの中からしか選択肢が無いので、大型の家電量販店でも選択肢が限られる。
【卓上ホルダ】
Xperia J1 Compactには卓上ホルダが付属しており、自宅で使う場合には本体を横向きにして卓上ホルダに装着するだけで充電できる。ただし、USBケーブルでPCに接続する場合には卓上ホルダ経由では接続できないので、卓上ホルダに装着しているmicroUSBケーブルを抜いて本体に装着する必要がある。それでは不便なので、microUSBケーブルをもう1本調達して、1本は卓上ホルダ用、もう1本はPC接続用とすると便利だろう。純正のLightningケーブルは恐ろしく高価だが、microUSBケーブルは汎用性が高いので、比較的安価に入手できる。
日本ではスマホに防水のニーズがあるので本体のmicroUSB端子に蓋がついている。しかしこの蓋についている紐が弱く、頻繁に開け閉めするといずれ切れてしまう。microUSBケーブル経由で充電すると蓋についている紐が切れやすいので、蓋を開閉せずに充電できる卓上ホルダをつけているのではないかと推測する。PCと同一の無線LANのネットワークに属しているときには無線LAN経由でPCと同期できる。Xperiaでテザリングを行えば必然的に同一ネットワークになるので無線LAN経由での同期をやりやすいかもしれない。
ボタン類の配置は卓上ホルダに装着した状態での使い勝手が考慮されており、電源ボタンと音量調整ボタンは卓上ホルダ装着時に上側中央になるように配置されている。縦にして手に持った際には丁度右手の親指に当たる所にあり、右手の親指だけでボタン操作をできるようになっている。
iPhoneやiPodではドックスタンドに装着するときも縦置きだが、Xperiaが卓上ホルダで横置きなのは、日本のスマホにはワンセグチューナーがついていることが多いし(ただしXperia J1 Compactにはワンセグチューナーはついていない)、動画再生時の使い勝手を考慮したものだろう。それに、枕元で卓上時計として使う場合にも横置きの方が見やすい。
唯一注意が必要なのは、ソフトケースが必ずしも卓上ホルダでの充電に対応しているとは限らないことである。その場合、卓上ホルダに装着する際にはソフトケースを外す必要がある。卓上ホルダに装着しているときにはソフトケースは必要ないものの、着脱が少々面倒である。
【卓上時計】
Xperiaに入っている時計アプリはよくできていて、右下のメニューボタンを押して卓上時計を選ぶと卓上時計になる。さらに画面をタッチすると画面が暗くなって就寝中でもまぶしくない明るさになる。もう一度画面をタッチすると元の明るさに戻る。タッチするごとに明るい画面と暗い画面とを切り替えられるので、夜中に時計を見たいときに便利である。卓上ホルダはかさばらないので、旅先に持参すると枕元で目覚まし時計として使うことができる。
【ヘッドホン端子の位置】
ヘッドホン端子は本体上側についている。上着の内ポケットに入れる場合、ヘッドホンケーブルのつながっている側を上にするので、本体は上向きになる。内ポケットから取り出す際には向きが逆になるので、取り出した後で向きを反転させる必要がある。モバイルSuicaを自動改札機にタッチする際には、向きを反転させる手間が煩雑である。
ちなみにiPhoneではヘッドホン端子は本体下側についているのでそのような問題はない。かつてはiPod touchのヘッドホン端子は本体下側、iPhoneのヘッドホン端子は本体上側という違いがあったが、しばらく前からiPhoneでもヘッドホン端子の位置が本体下側になった。ポケットに入れる場合にはこちらのほうが使いやすい。
【音楽プレイヤー】
この端末の強みは128GBのmicroSDXCを装着できることである。128GBのmicroSDXCカードを装着したことで、大容量の音楽プレイヤーになった。Xperiaにはウォークマンアプリがついているので、Androidスマホの中では音楽プレイヤーとしての使い勝手が良い方である。回線契約がなくてもAndroidウォークマンとして使うことができる。
Bluetoothスピーカーに接続すると、最初のうちは音が少し途切れた。ある程度落ち着いてきたら音が切れなくなったので、ハードウェアの負荷が高いときには音が切れるようである。Bluetooth経由で自動車での音楽再生に使うことはもちろん可能だが、車載用としてはiPhoneやiPodの方が相性が良いし、Bluetooth接続よりもUSBケーブルでの接続の方が音が良いので、余ったiPod touchを車載用にしている。
フロントスピーカーで音を鳴らしてみると、iPhoneのスピーカーよりはまともな音がするので動画再生時なら本体スピーカーでもまかなえそうだが、音楽再生時には外部スピーカーが無いと物足りない。
ヘッドホンをつないで音楽再生してみると、昔のスマホと違ってヘッドホン接続時にホワイトノイズが出たりせず、クリアに再生される。しかしClearAudio+の音が不自然な感じがする。ClearAudio+は本体スピーカーのような小さいスピーカーで音を鳴らすときには効果的かもしれないが、ヘッドホンを使うときにはClearAudio+を切って自然な音で再生する方が心地よい。
Smart Connectアプリを使うとヘッドホン接続時、卓上ホルダ装着時、Bluetoothスピーカー接続時等の場面に応じてオーディオ周りの設定を変えられるのは便利である。
【FMラジオ】
いまどきのAndroidスマホの例に漏れずFMラジオがついている。タッチスクリーン上でダイヤルをドラッグするタイプのシンプルなラジオだが、周波数を合わせて☆をタッチすると放送局名を手動で入力することができるので、地元のラジオ局を一通り登録しておけば、あとはラジオ局名をタッチするだけで選局できる。
【アプリの動作】
Xperia J1 Compactはスマホとしてはミッドレンジ機だが、格安スマホの中ではハードウェアの性能に比較的余裕があるため、全くストレスなしに動く。ハードウェアスペックの数字自体はiPhone 6はおろかiPhone 6sと比べても遜色ない(スペックの数字と実際の使い勝手は必ずしも一致しないが)。前端末がひどすぎたというのもあるが、やはりアプリがまともに動くのは気分が良い。
【上位機種との比較】
Xperia J1 CompactはXperia A2と同等なので、最新のXperia Z5 Compactはおろか1世代前のXperia Z3 Compactと比べてもスペック面で差がある。最も顕著なのはハイレゾとノイズキャンセリングに対応していないことである。しかしもともとハイレゾ音源を持っていないし、音楽再生時にはBluetoothスピーカーを使うのが主なので、特に不自由していない。最新機種に比べるとCPU性能は劣るものの、ゲームをするのでなければ特に問題ない。外装の質感も上位機種より劣るものの、ソフトケースをつけてしまえばわからない。
【iPhoneとの比較】
《デザイン》
ハードウェアの外観や質感や画面の美しさやUIの使いやすさといったデザインではiPhoneに軍配が上がる。しかしそれでもXperiaはAndroidスマホの中ではかなり良い方だと思う。他の格安スマホよりもハードウェアスペックが高いこともあり、ストレスなく動く。シンプルで美しく直感的なiPhoneに対して、Xperiaはいろいろな機能が作りこまれているので、使いこなせれば便利なのかもしれない。
《音質》
音楽再生に関しては、一般にiPhoneは自然な音、Xperiaは良く言えば臨場感のある音、悪く言えば人工的に加工された音と言われており、たしかに同じ音源、同じイヤホンや同じスピーカーで聴き比べてみればそのような差異を見出すことができるが、ではその差がどの程度かといえば、若干違うなと思う程度であって、普段使いで大きな差があるようには思えない。ソニーの方向性はBOSEと似ているが、BOSEほど露骨に人工的な音がするわけではない。また、音を加工するのに適したジャンルもあれば適さないジャンルもある。安物のイヤホンや小さいスピーカーで音楽再生するなら加工して補えるXperiaの方が音が良く聞こえるかもしれない。一方、ある程度以上の環境だと人工的な音が耳につくので、自然な音を出すiPhoneの方が心地よく感じるかもしれない。iPhoneも新しい端末ほど音が良くなっている。
《iTunesとの連携》
iTunesから直接同期できるiPhoneに対して、Xperiaの場合はMedia Goを介在させる必要があるので一手間かかる。しかしMedia Goはソニーのソフトウェアの割にはそこそこよくできていて、最初の読み込みさえ終わってしまえばあとはさほどストレスを感じない。
《カーステレオとの連携》
最近のカーナビは安物であってもiPhoneやiPodのUSB接続に対応しているのに対して、AndroidスマホだとUSB接続しても単なるUSBメディアとしてしか認識されないのであまり使い勝手が良くない。Bluetooth接続ならiPhoneとAndroidスマホとで特に差はないし、普段持ち歩いているスマホで音楽再生する場合にはスマホを持ち歩いて車に乗るとBluetooth経由で音楽再生を継続できるのでたしかに便利である。一方、車載専用にするならiPhoneやiPodの方が便利である。車載専用ならケーブルの抜き差しが必要ないし、エンジンが動いているときに充電できる方が便利なのでUSB接続の方が有利である。
《おサイフケータイ》
言わずもがなであるが、iPhoneにこれがありさえすれば最初からAndroidなんか見向きもしない。iPhoneは端末代が高いしSIMロックフリー機ならなおさらだが、MVNOは通信費が安いのである程度使えば元が取れてしまう。おサイフケータイがなくてもBluetooth接続のPaSoRiがあればスマホの操作でチャージすることは可能である。オートチャージを有効にすればチャージする頻度を下げることができる。SuicaとEdyとWAONはオートチャージに対応している。Nanacoはオートチャージに対応していないが、最近はセブン-イレブンのレジでNanaco以外の電子マネーを使えるので必ずしもNanacoが必要なわけではない。たまにNanacoのポイントがつく商品がある程度である。しかしモバイルSuica特急券とモバイルSuicaグリーン券ばかりはプラスチックカードで代用できない。
とはいえ、おサイフケータイを搭載していて主要な電子マネーに対応しているのは大手キャリアの端末以外ではXperia J1 Compactを含めて3種類くらいしかない。さらに主要な電子マネーをすべて網羅しているのはXperia J1 Compactだけである。そしてXperia J1 Compactの端末価格は性能の割には割高感が否めない。DoCoMoの白ロムを持っていればMVNOのSIMに差し替えるのが一番手っ取り早いが、そうでない場合におサイフケータイだけのためにわざわざAndroid端末のために高いお金を出す動機があるかといえば、そうでない場面も結構あるかもしれない。